リアルは、小中対象の塾ですが、「公立高校受験専門」がコンセプトです。
つまり、塾としての最終的なゴールは”公立高校に受からせてあげる”ことになります。
(※今後「高等部」を設置する可能性は十分あるので、その場合は最終ゴールが変わってきますが。)
ただ、公立高校受験をサポートするなら、絶対に避けられないのが『全教科指導』です。
さすがに小学生で理社の指導は不要ですが、中学生は絶対に全教科指導をしたいです。
英数だけ教えて理社国はお子さん任せ…なんて事はしたくないのです。
「理社国は教えてないけど何とかなりますように…」と。
受験当日、こんな風にお祈りしている塾長だったら嫌じゃないですか?
なので、全教科指導というコンセプトは譲れません。
今回は、『全教科指導を実現するために塾長がなぜ少人数指導を選んだのか?』をお伝えしていきます。
【金銭的に】全教科指導×個別指導というコンセプトは非現実的
全教科指導を実現するに当たって、指導形態は結構悩みました。
集団授業にするのか、個別指導にするのか…みたいな事です。
ただ、全教科指導がマストなら、個別指導はやっぱり違うなーと。
もちろん、個別指導で全教科指導をされている塾さんはありますし、それで上手く行っている塾さんもあります。
なので、個別指導塾がダメって事ではありません。
ただ、個別指導で全教科指導を行う事の最大の障壁は、やっぱり金銭面なんですよ。
金銭面というのは、経営の問題ではなく、ご家庭の金銭面のお話です。
個別の場合、生徒1人に対して先生1人ですから、どうしたって人件費がかかります。
なので、月謝が高額になることは当たり前です。
しかし、それ自体は別になんら批判される事ではないと思うんですよ。
学生講師とはいえ、ヒト1人の貴重な時間をお子さん1人の指導のために使うのです。
集団指導に比べて割高にならないほうがおかしいわけです。
ただ、問題の本質はそこではありません。
仮に個別で全教科指導をする場合、ご家庭には高額な月謝を請求しなくてはなりません。
一般的な個別指導の場合、1教科指導(週1回)で月謝は2万円程度です。
これで全教科指導をまともにやれば、毎月の月謝は8万とか10万とかに跳ね上がります。
うーん、これは非現実的じゃないでしょうか?
(「失礼ね!うちの旦那の年収知ってるの?」というお母さんがいましたら、先に謝罪させてください。笑)
また、仮にコマ数を減らして月謝を下げ、強引に全教科指導をしようとしても、それはそれはお粗末なモノになりますよ。
個別指導最大の強みでもある”お子さんに寄り添った指導”など到底無理。
時間内にキッチリ全教科を指導するために、お子さんのペースを無視したスピード重視の指導にするしかありません。
しかし、これでは個別指導の意味が無いです。
全教科指導そのものが目的になってしまい、お子さんに合わせた指導ではなくなるからです。
結局、個別で全教科指導を実現したいなら、最初から優秀な生徒さんだけを集めるしかないんですよ。
優秀な子は、各教科の苦手ポイントが少ないです。
短い指導時間でも、その子の苦手に絞って全教科指導が出来ます。
そういう子は割高な個別に行かなくても集団塾でいいのでは?とも思いますが。(笑)
ちょっと話が脱線しましたが、言いたいことは1つです。
「納得の料金で全教科指導をしたいなら、個別指導は向かない」
そこでリアルの場合は、全教科指導を実現するという意味でも、「少人数指導」という形態を選択しました。
集団塾のように大人数募集をせず、1クラス8名までの定員制にして指導をします。
これなら月謝を抑えて全教科指導が出来ますし、みんなで机を囲んで対話式の授業をすることが出来ます。
これなら理解度を確認しつつ進めるので、お子さんに合わせた指導が同時に実現出来ます。
もちろん、完全個別ではありませんから、デメリットもありますよ。
どうしたって授業についていけない日は出てしまうでしょう。(※個別指導でもそういう日は絶対ありますが。)
そこでリアルは、『クラス指導×個別演習』の2つの仕組みでその問題を解決します。
リアルでは、授業日以外で週に1回の演習日を作り、さらにそれ以外の日は”個別演習”を設定しています。
(※週5でも週6でも月謝定額で通塾出来ます。)
これなら塾に来て演習を行えますし、その際に個別フォローを行うことも出来ます。
“納得のいくプライスで全教科指導を実現した上で、誰一人そこからこぼれるお子さんを出したくない”
この理念を形にしているのが、クラス指導×個別演習というわけです。
自分で塾をやるなら受験するその日までサポートしたい
さて、ここまではシステム的な側面から個別指導を選択しなかった理由をお伝えしました。
ただ、自分の中にはもう1つ個別指導を選択しなかった理由があるのです。
それは、「受験するその日まで、最後まで指導し続けたい」という想いです。
そもそも個別指導というのは、学力が上がったら卒業していくべきものなんですよ。
集団でついていけないから割高な個別に行くわけで、ついていけるようになれば割安な集団塾のほうがいいですからね。
だから、個別指導の講師は、一刻も早く生徒さんが巣立っていけるように指導すべきです。
いつまでも個別で丁寧に見てもらわないといけない…というのは、受験的に見てもやはり問題アリです。
他人依存が強いお子さんに育ってしまうリスクもあります。
なので、「個別指導に頼らなくても勉強出来る状態」まで育てて、そこからは胸を張って退塾してもらう事が個別指導の役割だと自分は思ってしまうのです。
もちろん、「今の先生が好きだから!」という理由で通い続ける子もいると思いますよ。
ただ、こちらとしては非常に複雑な心境になるのですよ。
自分について来てくれるのは嬉しいけど、集団でもついていけるような子を最後まで自分が預かるべきなのか?と。
だってお金の面からすれば集団の方が絶対に安いですし、その子はもうそこでやっていけるんですよ。
だとしたら、塾屋として自分がお金を受け取る合理的な理由はもう無いはずです。
このような葛藤から、自分は個別指導は選びませんでした。
少人数指導は、あくまで高校受験合格をゴールに据えて日々の指導内容を考えます。
学力上位のお子さんも、受験当日まで通う価値のある指導をします。
受験対策はどれだけ上位層でも絶対に必要な指導ですからね。
そういう意味では、お子さんに合わせた指導ではなく、受験に合わせた指導をすることになります。
塾側がお子さんに合わせるのではなく、お子さんが受験に合わせた指導に食らいついていく努力も求められます。
しかし、受験ってそういう事でもあるんですよね…
この現実を10代のお子さんに受け止めてもらうというのは辛いですけど、でも、受験を戦うってそれがスタートラインでもあったりしますよね。
この辺り、お子さんの気持ちを尊重しつつ、それでいて正しい事をどう伝えたら伝わるのか?を日々考え続けています。
こればかりはお子さん1人1人かける言葉が違いますからね。
という事で、全教科指導にかける想いと、少人数指導とい指導形態が誕生するまでの背景でした〜
