京都の「金閣寺」って知っていますか?

ピカピカに輝く金色のお寺で、世界中の人々が訪れる人気の観光スポットです。でも、どうして金色なのか?いつ建てられたのか?誰が作ったのか?そんな疑問を持っている人も多いはず。

実は金閣寺は、ただのキラキラしたお寺ではなく、室町時代の歴史や文化が詰まった、とても大切な建物なのです。今回は、金閣寺の歴史を分かりやすく解説しながら、見どころや秘密もたっぷり紹介します!

金閣寺の歴史をわかりやすく解説!建てられたのはいつ?

金閣寺の歴史を知ることで、より深くその魅力を感じることができます。ここでは、金閣寺が建てられた背景や、時代ごとにどんな変化を遂げたのかを解説します。

金閣寺が建てられたのは1397年(応永4年)!その背景とは?

金閣寺が建てられたのは、室町時代の1397年(応永4年)です。室町幕府3代将軍の足利義満(あしかが よしみつ)が、西園寺家が所有していた「北山第(きたやまだい)」を譲り受けて造ったのが始まりです。

義満は当時、日本の最高権力者でした。彼は「将軍」ではありましたが、それだけでなく、「天皇よりもすごい存在だ!」と周囲にアピールしたかったのです。そのため、中国(明)と貿易をしてお金をたくさん得たり、自分の力を示すために豪華な建物を作ったりしました。その象徴が金閣寺だったのです!

金閣寺はもともと義満の別荘として使われていましたが、彼が亡くなった後、お寺として使われるようになりました。そして現在のように「鹿苑寺(ろくおんじ)」と呼ばれるようになったのです。

金閣寺の正式名称は「鹿苑寺」!名前の由来とは?

金閣寺の正式名称は「鹿苑寺(ろくおんじ)」です。これは、足利義満の法号「鹿苑院殿(ろくおんいんどの)」に由来しています。法号とは、仏教で使う名前のようなものですね。

では、どうして「金閣寺」と呼ばれるようになったのでしょう?それは、建物の中でも特に目立つ「舎利殿(しゃりでん)」が金色だからです!舎利殿とは、お釈迦様の遺骨(仏舎利)を納める建物のことです。

人々は、金色に輝く舎利殿を見て「金の建物だ!金閣だ!」と言うようになり、そのまま「金閣寺」という名前が広まっていきました。実は、お寺全体の名前ではなく、一部の建物の名前が由来だったのですね。

金閣寺が迎えた波乱の歴史!応仁の乱や放火事件とは?

金閣寺は、600年以上の歴史の中で、何度も危機に直面してきました。その代表的な出来事が「応仁の乱」と「放火事件」です。

応仁の乱(1467年〜1477年)

1467年に始まった「応仁の乱」は、京都を舞台にした大規模な戦争です。この戦いで京都の多くの建物が焼けてしまいました。しかし、奇跡的に金閣寺(舎利殿)は焼けずに残ったのです!

1950年の放火事件

しかし、500年後の1950年、金閣寺は修行僧による放火で全焼してしまいました。この事件は日本中に衝撃を与え、小説『金閣寺』(三島由紀夫)でも描かれています。

その後、1955年に忠実に再建され、現在の金閣寺があるのです。

金閣寺の建築構造と各階の特徴!

金閣寺(舎利殿)は、特別な三層構造になっています。それぞれの階には異なる建築様式が使われています。

  1. 1層目(法水院・ほっすいいん)
    • 貴族の邸宅「寝殿造(しんでんづくり)」の様式
    • 金箔が貼られていないシンプルなデザイン
    • 釈迦三尊像(しゃかさんぞんぞう)が安置されている
  2. 2層目(潮音洞・ちょうおんどう)
    • 武士の住まい「武家造(ぶけづくり)」の様式
    • 黒漆(くろうるし)と金箔が使用されている
    • 岩屋観音像と四天王像が安置されている
  3. 3層目(究竟頂・くっきょうちょう)
    • 禅宗様式(ぜんしゅうようしき)
    • 外壁も内部もすべて金箔で覆われている
    • 仏舎利(お釈迦様の遺骨)を納めている

金閣寺の文化的価値と世界遺産登録の理由!

金閣寺は、1994年に「古都京都の文化財」の一つとしてユネスコ世界遺産に登録されました。その理由は、以下の3つです。

  1. 日本の歴史や文化を象徴する建築物だから
    • 金閣寺は「北山文化」の代表的な建築物であり、日本独自の美を表現しているからです。
  2. 極楽浄土をイメージした庭園があるから
    • 鏡湖池(きょうこち)に映る金閣の姿は、極楽の世界を表しているとされています。
  3. 世界的に価値のある歴史的建造物だから
    • 600年以上の歴史を持ち、世界中の人々を魅了し続けているからです。

金閣寺の歴史を分かりやすく:特徴や見どころ

金閣寺には、ただ「金色で美しい」というだけではない、多くの見どころや秘密があります。ここでは、庭園や金箔の秘密、さらにはお参りの際にチェックしておきたいポイントを紹介します!

金閣寺の庭園「鏡湖池」とは?逆さ金閣の美しさ

金閣寺の周りには、まるで極楽浄土のような庭園が広がっています。その中心にあるのが「鏡湖池(きょうこち)」です。

鏡湖池は、名前のとおり「鏡のように金閣を映し出す池」です。風がない晴れた日には、水面に金閣がくっきり映り、「逆さ金閣」と呼ばれる美しい光景が見られます。

この池には、大きな「葦原島(あしわらじま)」や「鶴島」「亀島」などの島々があり、それぞれが仏教的な意味を持っています。また、「細川石」や「畠山石」など、室町時代の大名たちが寄進した石も配置されています。これらを探しながら庭園を散策するのも楽しみ方の一つですね!

金箔の秘密!なぜ金色なのか?

金閣寺といえば、何といっても金色に輝く舎利殿ですよね。でも、なぜ金箔が貼られているのでしょうか?

1. 足利義満の権力を示すため
義満は「自分はただの将軍ではなく、天皇に匹敵するほど偉い存在だ!」とアピールしたかったのです。そのため、贅沢な金箔をふんだんに使いました。

2. 極楽浄土を表現するため
金色は、仏教において「極楽の色」とされています。お釈迦様の世界を象徴するため、金色が使われたのです。

3. 紫外線対策で金箔を厚くした
現在の金閣に使われている金箔は、1987年の改修時に貼り替えられたものです。通常の金箔(0.1ミクロン)よりも5倍も厚い0.45〜0.55ミクロンの金箔が使われており、これは紫外線による劣化を防ぐためだそうです。

金閣寺には、約20万枚の金箔が使われ、総重量は約20kgにもなります!まさに黄金の輝きですね。

金閣寺の隠れた名所「陸舟の松」「銀河泉」とは?

金閣寺には、あまり知られていないけれど、ぜひ見ておきたいスポットがあります。それが「陸舟の松(りくしゅうのまつ)」と「銀河泉(ぎんがせん)」です。

陸舟の松(りくしゅうのまつ)
金閣寺の庭には、帆を広げた船のような形をした立派な松があります。これは足利義満が自ら植えたと伝えられる盆栽が、大きく成長したものです。600年以上の時を経ても生き続けている、とても貴重な松ですね。

銀河泉(ぎんがせん)
この泉は、義満が茶の湯に使ったとされる水源です。義満は金閣寺で「お茶会」を開いていたそうです。当時は茶道が盛んになり始めた時代で、将軍自ら茶を楽しむこともあったのですね。

金閣寺でいただけるお札と参拝のポイント!

金閣寺では、拝観券が「お札」になっているのを知っていますか?金閣寺の拝観料を払うと、参拝券として「金閣舎利殿御守護」と書かれたお札を受け取れます。

これは「金閣寺のご加護がありますように」という願いが込められたもので、家に持ち帰ってお守りとして大切にすると良いでしょう。

また、金閣寺の見どころをより楽しむためのポイントを紹介します。

1. 逆さ金閣を写真に収めよう!
風のない日には、水面に映る金閣を撮影すると、とても幻想的な写真が撮れます。

2. 夕方の金閣寺は特に美しい!
午後の遅い時間に行くと、夕日に照らされた金閣が、より美しく輝きます。

3. 冬の雪化粧した金閣寺は絶景!
冬の京都は寒いですが、雪が積もると金閣がまるで雪の中の宝石のように輝きます。雪の日は絶好の撮影チャンスです!

金閣寺へのアクセスやおすすめの周辺観光スポット

金閣寺へ行くには、京都駅からバスで約40分ほどかかります。最寄りのバス停は「金閣寺道」または「金閣寺前」です。

金閣寺の基本情報

  • 住所:京都府京都市北区金閣寺町1
  • 参拝時間:9:00〜17:00(年中無休)
  • 拝観料:大人 400円 / 小・中学生 300円

また、金閣寺の周辺には観光スポットがたくさんあります!

  • 龍安寺(りょうあんじ):美しい石庭が有名なお寺
  • 北野天満宮(きたのてんまんぐう):学問の神様・菅原道真を祀る神社
  • 嵐山(あらしやま):竹林の小径や渡月橋が美しいスポット

金閣寺の観光と合わせて、これらのスポットも巡ると、より充実した旅になりますよ!

総括:金閣寺の歴史をわかりやすく解説まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

金閣寺の建設と歴史

  • 1397年(応永4年)、室町幕府3代将軍・足利義満が「北山第」を改築し、金閣寺を建設。
  • もともとは義満の別荘だったが、彼の死後、禅寺「鹿苑寺(ろくおんじ)」となる。
  • 1467年の応仁の乱では、多くの建物が焼失したが、金閣(舎利殿)は焼け残る。
  • 1950年、修行僧の放火により全焼。1955年に忠実に再建される。

金閣寺の正式名称と由来

  • 正式名称は「鹿苑寺(ろくおんじ)」で、義満の法号「鹿苑院殿」に由来。
  • 舎利殿が金色に輝いていたため、人々が「金閣寺」と呼ぶようになった。

金閣寺の建築構造(舎利殿)

  • 三層構造で、それぞれ異なる建築様式を採用。
    • 1層目(法水院):寝殿造(貴族の住居風)
    • 2層目(潮音洞):武家造(武士の住居風)
    • 3層目(究竟頂):禅宗様式(仏教寺院風)
  • 2・3層目には金箔が貼られ、極楽浄土を象徴している。

金閣寺の庭園と見どころ

  • 鏡湖池(きょうこち):金閣を映し出し、「逆さ金閣」が見られる。
  • 陸舟の松:足利義満が植えたとされる600年以上の松。
  • 銀河泉:義満が茶の湯に使ったと言われる泉。

金箔の秘密と特徴

  • 1987年の改修で貼り替えられた金箔は、通常の5倍の厚さ(0.45〜0.55ミクロン)。
  • 紫外線による劣化を防ぐための工夫がされている。
  • 約20万枚の金箔が使われ、総重量は約20kg

金閣寺の世界遺産登録

  • 1994年に「古都京都の文化財」の一部としてユネスコ世界遺産に登録
  • 日本の歴史・文化を象徴する建築物として評価されている。

金閣寺の参拝情報とアクセス

  • 参拝時間:9:00〜17:00(年中無休)
  • 拝観料:大人400円 / 小・中学生300円
  • アクセス:京都駅から市バスで約40分、「金閣寺道」または「金閣寺前」下車

金閣寺周辺のおすすめ観光スポット

  • 龍安寺(りょうあんじ):石庭が有名な禅寺
  • 北野天満宮(きたのてんまんぐう):学問の神様・菅原道真を祀る
  • 嵐山(あらしやま):竹林や渡月橋が美しい観光地