今回は日本史の「南都六宗(なんとろくしゅう)」の覚え方について解説していきます。南都六宗は奈良時代に発展した仏教の6つの学派のことですが、名前が似ていて覚えにくいですよね?「どれがどれだっけ?」と混乱する受験生も多いはずです。
でも大丈夫!語呂合わせやコツを使えば、スムーズに暗記できます。
この記事では、受験でよく出るポイントを押さえつつ、わかりやすい語呂合わせを紹介します。さらに、南都六宗の特徴や試験での狙われ方についても詳しく解説するので、最後までしっかり読んでくださいね!
※Kindle Unlimitedは月額980円の電子書籍読み放題サービスですが、今だけ3ヶ月無料。もちろん、その間に解約してもOKで、その場合は実質タダで電子書籍が読めます。以下は、Kindle Unlimitedでも読まれまくっている歴史に関する人気本(無料)です。
↓実質無料で読めるおすすめ歴史の読み物↓


南都六宗の覚え方|語呂合わせを活用しよう
南都六宗を覚えるとき、長い名称をただ暗記しようとしても大変です。しかし、語呂合わせを使えばスムーズに記憶できます。
ここでは、実際に受験生の間でも評判の良い語呂合わせを紹介しつつ、試験で狙われやすいポイントも解説していきます!
南都六宗の語呂合わせは「今朝、ほじくり」が鉄板!
南都六宗を覚える定番の語呂合わせが「今朝、ほじくり(けさほじくり)」です。この言葉を唱えるだけで、6つの宗派を一気に覚えられます。
「今朝、ほじくり」
- け(華厳宗)
- さ(三論宗)
- ほ(法相宗)
- じ(成実宗)
- く(倶舎宗)
- り(律宗)
これをリズムよく唱えながら、書いて覚えると記憶に定着しやすいです!また、それぞれの宗派の特徴も少しずつ頭に入れておくと、試験の記述問題でも使えます。
坊さんジョーク?もうひとつの語呂合わせ「坊さんジョーク、率結構」
「今朝、ほじくり」以外にも、もうひとつ覚えやすい語呂合わせがあります。それが「坊さんジョーク、率結構」です。
「坊さんジョーク、率結構」
- 坊(法相宗)
- さん(三論宗)
- ジョ(成実宗)
- ー(倶舎宗)
- ク(華厳宗)
- 率(律宗)
この語呂合わせの良い点は、「坊さん(僧侶)」というワードがあるため、仏教の宗派を覚えるのに関連づけやすいところです。
語呂合わせは人によって向き不向きがあるので、「今朝、ほじくり」と「坊さんジョーク、率結構」のどちらが覚えやすいか試してみてくださいね。
南都六宗の重要ポイントは「法相宗」と「律宗」
南都六宗の中でも、特に試験で頻出なのが法相宗(ほっそうしゅう)と律宗(りっしゅう)です。
- 法相宗
→ 唯識思想を説く仏教学派。唐の玄奘(げんじょう)が伝え、日本では行基(ぎょうき)や玄昉(げんぼう)らが活躍しました。政治にも影響を与えた宗派です。 - 律宗
→ 戒律を重視する学派。日本には唐の鑑真(がんじん)が伝え、戒壇(かいだん)を設置しました。唐招提寺(とうしょうだいじ)と関係が深いです。
つまり、受験ではこの2つを特に意識して学んでおくと良いでしょう。
南都六宗の試験対策|出題頻度の高いポイントを押さえる
南都六宗の試験対策として、押さえておきたいポイントを紹介します。
- 宗派の違いを理解する
→ 南都六宗は、のちの仏教宗派(天台宗や真言宗)とは異なり、教義を研究するグループだった。 - 試験では法相宗・律宗が出やすい
→ 「玄昉と関係の深い宗派は?」→ 法相宗
→ 「鑑真が伝えた宗派は?」→ 律宗 - 代表的な僧侶と宗派をセットで覚える
→ 行基=法相宗、鑑真=律宗
こういった形で、「どの宗派がどんな役割を持っていたのか?」を理解するのが大切です。
南都六宗のゴロ合わせ活用法|どのタイミングで使う?
語呂合わせを最大限活用するには、タイミングが重要です。
- まずは流れをざっくり理解する
→ いきなり語呂合わせを使うのではなく、「南都六宗って何?」という概要を把握しましょう。 - 繰り返し声に出して覚える
→ 語呂合わせは目で読むだけでなく、声に出してリズムよく唱えると効果的! - 試験直前の最終チェックに使う
→ 何度も繰り返し唱えることで、試験中にスッと出てくるようになります。
南都六宗の覚え方の後に:特徴と歴史をやさしく解説
南都六宗は奈良時代の仏教の学派で、それぞれが仏教の教義を研究する集団でした。一般的に「宗」とつくため、後の天台宗や真言宗のような独立した宗派と混同されがちですが、当時は信仰を深めるための宗派ではなく、学問的な研究グループとして存在していました。
ここでは、それぞれの宗派の特徴や歴史をわかりやすく解説します!
南都六宗の成り立ちとは?奈良時代の仏教とともに発展
南都六宗が成立した背景には、奈良時代の仏教の発展があります。
- 国家の保護下で発展した仏教
→ 奈良時代の仏教は、国が管理する形で発展しました。これは、仏教が人々を精神的に安定させると同時に、国家の安定にも貢献すると考えられたためです。 - 平城京を中心に仏教が広まる
→ 都(南都=奈良)には「南都七大寺」と呼ばれる大きな寺院があり、そこを拠点に仏教の研究が進められました。代表的な寺院には東大寺、興福寺、薬師寺などがあります。 - 仏教を学問として研究する動きが強まる
→ 単に仏を信仰するだけでなく、教義を深く学ぶことが重視され、6つの異なる学派(南都六宗)が形成されました。
南都六宗それぞれの特徴をわかりやすく解説
南都六宗は以下の6つです。それぞれの特徴を簡単に見てみましょう。
①華厳宗(けごんしゅう)
- 特徴:宇宙のすべてが相互に関係し合っているという「華厳思想」を説く
- 代表的な僧侶:良弁(ろうべん)
- 関係が深い寺院:東大寺
- 試験の狙われやすいポイント:「東大寺の大仏は華厳宗の中心的な存在」
②三論宗(さんろんしゅう)
- 特徴:「空(くう)」の思想を中心にした学派
- 代表的な経典:「中論」「十二門論」「百論」の3つ(三論)
- 関係が深い寺院:興福寺
- 試験の狙われやすいポイント:「三論宗の名前の由来は?」→ 三つの論書から
③法相宗(ほっそうしゅう)
- 特徴:人間の認識のあり方(唯識思想)を研究
- 代表的な僧侶:玄昉(げんぼう)、行基(ぎょうき)
- 関係が深い寺院:興福寺
- 試験の狙われやすいポイント:「法相宗の代表的な僧侶は?」→ 玄昉・行基
④成実宗(じょうじつしゅう)
- 特徴:「空」の思想をさらに深く研究
- 代表的な経典:「成実論」
- 試験の狙われやすいポイント:「成実宗は三論宗と何が違う?」→ 三論宗は「空」中心、成実宗は「仮(かり)」を重視
⑤倶舎宗(くしゃしゅう)
- 特徴:人間の存在を構成する要素を細かく分析
- 代表的な経典:「倶舎論」
- 試験の狙われやすいポイント:「倶舎宗は何を研究?」→ 「人間の存在を分析」
⑥律宗(りっしゅう)
- 特徴:仏教の戒律(ルール)を重視
- 代表的な僧侶:鑑真(がんじん)
- 関係が深い寺院:唐招提寺
- 試験の狙われやすいポイント:「日本に律宗を伝えたのは?」→ 鑑真
南都六宗と南都七大寺の関係を理解しよう
南都六宗と一緒に覚えておくと良いのが南都七大寺(なんとしちだいじ)です。南都六宗の中心となった寺院のことを指し、試験でもセットで狙われることが多いです。
【南都七大寺】
- 東大寺(華厳宗)
- 興福寺(法相宗)
- 西大寺(律宗)
- 薬師寺(法相宗)
- 大安寺(律宗)
- 元興寺(法相宗)
- 法隆寺(聖徳太子ゆかりの寺)
南都六宗と南都七大寺をセットで押さえることで、知識がより深まります!
南都六宗の歴史|その後の仏教への影響とは?
奈良時代の終わりとともに、南都六宗は徐々に衰退していきます。
その理由は以下の3つです。
- 平安時代に新しい宗派(天台宗・真言宗)が登場
→ 最澄(さいちょう)の天台宗、空海(くうかい)の真言宗が広まり、南都六宗の影響力が低下。 - 「信仰」を重視する流れが強まった
→ 南都六宗はあくまで「学問」的な研究が中心で、一般の人々の信仰の対象とはならなかった。 - 鎌倉時代以降の新仏教(浄土宗・禅宗など)の台頭
→ 法然、親鸞、道元らによる新仏教が広まり、南都六宗の存在感が薄れていった。
南都六宗の試験対策|頻出ポイントまとめ
最後に、南都六宗の試験対策として、重要なポイントをまとめておきます。
✅ 語呂合わせを使って6つの宗派を一気に覚える
→ 「今朝、ほじくり」または「坊さんジョーク、率結構」を活用
✅ 法相宗・律宗は特に重要!
→ 法相宗は玄昉・行基、律宗は鑑真が関係
✅ 代表的な経典・人物・寺院をセットで覚える
→ 例えば「律宗+鑑真+唐招提寺」のように関連づける
✅ 南都七大寺との関係も押さえる
→ 東大寺=華厳宗、興福寺=法相宗 など
✅ 南都六宗は学問的な集団であり、後の宗派とは異なる
→ 信仰のための宗派ではなく、教義研究が中心
総括:南都六宗の覚え方・語呂合わせまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
✅ 南都六宗とは?
- 奈良時代に発展した仏教の6つの学派
- 「宗」とつくが、信仰のためではなく仏教の教義を研究する学派
✅ 南都六宗の語呂合わせ(2種類)
- 「今朝、ほじくり」(けさほじくり)
- け(華厳宗)
- さ(三論宗)
- ほ(法相宗)
- じ(成実宗)
- く(倶舎宗)
- り(律宗)
- 「坊さんジョーク、率結構」
- 坊(法相宗)
- さん(三論宗)
- ジョ(成実宗)
- ー(倶舎宗)
- ク(華厳宗)
- 率(律宗)
✅ 特に重要な宗派
- 法相宗(ほっそうしゅう) → 唯識思想を説く、玄昉・行基が関係
- 律宗(りっしゅう) → 戒律を重視、鑑真が伝えた
✅ 南都六宗の代表的な特徴
- 華厳宗(東大寺、良弁) → 宇宙の全てが関係し合う「華厳思想」
- 三論宗(興福寺) → 「空(くう)」の思想、三論(中論・十二門論・百論)を研究
- 法相宗(興福寺) → 唯識思想、玄昉・行基が関係
- 成実宗 → 「仮(かり)」の思想、成実論を研究
- 倶舎宗 → 人間の存在を分析、倶舎論を研究
- 律宗(唐招提寺) → 戒律を重視、鑑真が関係
✅ 南都六宗と南都七大寺の関係
- 南都六宗の中心となった大寺院が「南都七大寺」
- 例:東大寺=華厳宗、興福寺=法相宗、西大寺=律宗 など
✅ 南都六宗の衰退理由
- 平安時代に天台宗(最澄)・真言宗(空海)が登場
- 信仰を重視する流れが強まる(南都六宗は学問的)
- 鎌倉時代の新仏教(浄土宗・禅宗など)が普及