「特徴」と「特長」、どちらも「とくちょう」と読みますが、ちゃんと使い分けできていますか?
この2つの言葉は意味もニュアンスも似ていて、間違えやすいんですよね。「この製品のとくちょうは…」と書いたとき、果たしてどちらの漢字を選べばいいのか迷った経験がある人も多いはず。
この記事では、「特徴」と「特長」の意味の違いを、一覧表や例文でわかりやすく比較しながら、関連する言葉「特性」「特質」「魅力」などの使い方もまとめて解説します!
最後まで読めば、「とくちょうマスター」になれること間違いなしです!
特徴と特長の違いをわかりやすく!意味・使い方・例文

ここでは、「特徴」と「特長」の違いをじっくり解説していきます。まずは見やすい比較表からスタートし、それぞれの意味と例文を通して、どんな場面でどちらを使うべきかを理解していきましょう!
特徴と特長の違い比較表
特徴と特長の違いの比較表は以下のおおりです。
項目 | 特徴(とくちょう) | 特長(とくちょう) |
---|---|---|
意味 | 他と比べて「目立つ点」 | 他と比べて「特に優れている点」 |
よしあし | 良い点・悪い点の両方に使える | 良い点(長所)のみ |
使用場面 | 説明文、観察記録、分析、調査報告など | 商品紹介、アピール文、宣伝など |
使える対象 | 人・物・事柄など幅広い対象に使える | 基本的に長所やアピールポイントのある対象 |
英語訳 | feature / characteristic / trait | advantage / strong point |
類義語 | 特色、特性、特質、特有、気質など | 長所、魅力、利点、美点、強みなど |
誤用に注意 | 「特徴的」は正しい表現 | 「特長的」は誤用とされる |
こうして見ると、「特徴」はニュートラルな観察の言葉、「特長」はポジティブな紹介の言葉として使い分けられているのが分かりますね!
特徴の意味:良し悪し問わず「目立つ点」
「特徴」とは、他と比べて特に目立つ点のことを指します。
良いか悪いかに関係なく、「目立っていればそれが特徴」なんです。漢字で見ると「特」は「特別」、「徴」は「しるし」や「印」という意味があり、「特別な印(=目印)」というイメージを持つと覚えやすいですね。
たとえば、「声が大きい」「目つきが鋭い」「背が高い」など、どんな性質でもそれが際立っていれば「特徴」になります。ですから、「犯人の特徴は…」などのように、少しネガティブな情報にも使えるのがポイントです。
また、「特徴」は「特徴的な」「特徴のある」といった形容動詞としても使いやすい言葉です。英語に訳すと「feature」や「trait」などになります。とにかく、「目立つ」という要素がキーワードになります!
特長の意味:良い点だけに使う「長所」
次に、「特長」について見ていきましょう。
こちらは「特に優れている点」「他よりも長けているポイント」という意味で、ポジティブな要素にしか使いません。漢字の「長」には「長所」「優れている」「抜きん出ている」という意味が含まれており、まさに「強み」や「魅力」に近い意味を持っています。
たとえば、「軽くて丈夫」「燃費がいい」「カメラ性能が高い」など、商品や人の「長所」や「売り」を説明する時にピッタリです。「この商品の特長は〜」という使い方が典型的ですね。
一方で、「話が長い」「声がうるさい」などは、たとえ目立っていても「良い点」ではないため「特長」には該当しません。この場合は「特徴」を使うのが正解です。
つまり、「特長=長所」「特徴=目立つところ」と覚えておくと使い分けがしやすくなりますよ!
特徴を使った例文5選
それでは、「特徴」という言葉が実際にどのように使われているのか、例文で確認していきましょう。今回は、さまざまなシーン別に5つの例文を用意しました!
- 日常会話で:「彼の特徴は、とにかく声が大きいところだね。」
- 学校の授業で:「アフリカゾウの特徴は、大きな耳と長い鼻です。」
- ビジネスのプレゼンで:「当社のサービスは、特徴としてスピード対応が挙げられます。」
- 広告文で:「この商品は、特徴のあるパッケージデザインが目を引きます。」
- 観察記録で:「この花の特徴は、昼間にだけ咲くという珍しさです。」
「特徴」は、良いことだけでなく「目立つこと全般」に使えるので、どんな場面でも応用できる便利な言葉です。ただし、ネガティブな印象になることもあるので、使うときは注意が必要ですね。
特長を使った例文5選
今度は「特長」を使った例文を紹介します。こちらは、良い点・強み・アピールポイントとして使われるので、主にビジネスや宣伝で登場することが多いです!
- 商品紹介で:「このカメラの特長は、夜間でも鮮明に撮影できる点です。」
- 自己PRで:「私の特長は、誰とでもすぐに打ち解けられるコミュニケーション力です。」
- 求人広告で:「この職場の特長は、風通しの良い人間関係です。」
- 学校案内で:「本校の特長は、少人数制で一人ひとりに目が行き届くことです。」
- 企業説明会で:「弊社の特長は、若手でも大きなプロジェクトを任せてもらえる環境です。」
「特長」は「他よりも優れているポイント」を伝えるときに使います。ネガティブな情報には適さないので、「強み」や「メリット」を強調したいときに使ってくださいね!
特徴と特長の違いの後に:特性・特質・魅力など類義語

さてここからは、さらに深掘りして「特徴」や「特長」に似た言葉たちについて解説していきます。言葉の使い分けをきちんと理解しておくと、文章力や表現力がグッとアップしますよ!
特性とは?「持ち前の性質」の意味と使い方
「特性」とは、その人や物が元から持っている性質や性格を表す言葉です。「特別な性質=特性」という意味で、自然な性質・傾向を説明するときに使います。
たとえば、「この素材の特性は、軽くて丈夫な点です」や「彼の特性は、慎重に物事を進める姿勢です」などといった使い方をします。
また、「特性を活かす」「特性を把握する」などの表現がよく使われ、特に教育・心理学・科学の分野でも頻出です。個人の性格を分析するときにも登場しますよ。
特質の意味とは?物事が持つ独自の性質
「特質」は、「その物が持つ独自の性質」や「本質的な特徴」を表すときに使います。特に分析的・専門的な文章で好まれる表現です。
たとえば、「この病気の特質は進行が早いことです」「日本の文化の特質は、自然との共生意識です」などのように、深く掘り下げた説明に向いています。
「特性」との違いは、「特性」が行動や習性なども含む広い意味なのに対し、「特質」はより内面的・本質的な部分にフォーカスしている点です。ちょっと知的な印象を与える語ですね!
特色とは?地域や企業に使われる“そのものらしさ”
「特色」は、読んで字のごとく「特別な色」、つまり「そのものらしさ」を指す言葉です。他と比べて際立って違っている点を表すときに使います。
よく使われるのは、地域や企業、学校など団体の紹介文です。「この地域の特色は、古い街並みと自然の共存です」「当校の特色は、実践型の授業に力を入れている点です」などが代表例です。
「特長」は良い点しか表せませんが、「特色」は良い悪いに関係なく「違い」を示せる点がポイントです。場の雰囲気や個性を説明する場面で重宝します!
「魅力」と「特長」はどう違う?感情に訴える点を比較
「魅力」と「特長」はどちらも“良いところ”を示しますが、そのアプローチが少し違います。
「特長」は客観的に「良い点」を示すのに対して、「魅力」は主観的に「心を引かれるポイント」を示します。たとえば、「この本の特長は構成がシンプルで読みやすいことです」「この本の魅力は、登場人物のセリフが心に響くことです」といったように、機能と感情の違いが出てきます。
ビジネス文書には「特長」、エッセイやレビューには「魅力」が合いやすいですね!
「特徴的」は正しくても「特長的」は誤用?
最後に、意外と間違えやすい表現「特長的」について解説しましょう。
実は「特長的」という言葉は、正確には存在しない誤用とされています。国語辞典にも載っていないんですね。一方で「特徴的」は正しい表現で、「この建物は特徴的なデザインです」「彼女の声はとても特徴的です」など、他と違って目立つ様子を表します。
混乱しがちですが、「特長」は「特長がある」とか「特長を生かす」といった使い方をするのが正しく、「特長的な〜」とは言いません。ここはしっかり区別しておきたいポイントです!
総括:特徴と特長の違いを解説まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
項目 | 特徴(とくちょう) | 特長(とくちょう) |
---|---|---|
意味 | 他と比べて「目立つ点」 | 他と比べて「特に優れている点」 |
よしあし | 良い点・悪い点の両方に使える | 良い点(長所)のみ |
使用場面 | 説明文、観察記録、分析、調査報告など | 商品紹介、アピール文、宣伝など |
使える対象 | 人・物・事柄など幅広い対象に使える | 基本的に長所やアピールポイントのある対象 |
英語訳 | feature / characteristic / trait | advantage / strong point |
類義語 | 特色、特性、特質、特有、気質など | 長所、魅力、利点、美点、強みなど |
誤用に注意 | 「特徴的」は正しい表現 | 「特長的」は誤用とされる |