「つとめる」という言葉には、実は複数の漢字が存在し、それぞれ意味や使い方が異なります。

「努める」と「務める」の違いは何? 会社に行くのは「勤める」? 正しい使い分けを知っていないと、ビジネス文書や日常会話でも誤用してしまう可能性があります。

この記事では、よく使われる「努める」「務める」を中心に、それぞれの意味・使い方・例文をわかりやすく整理。さらに「勤める」や「勉める」も比較して、すっきり理解できるよう丁寧に解説します!

努めると務めるの違い!意味や使い分けを比較

「努める」と「務める」はどちらも「つとめる」と読みますが、意味や使われるシーンが異なります。「努力する」ときには「努める」、「役割を果たす」ときには「務める」が基本ルール。

ここでは違いを表で比較し、それぞれの意味と例文まで詳しくご紹介します。

努める・務める・勤める・勉めるの違い比較表

努める・務める・勤める・勉めるの違い比較表は以下のとおりです。

表記読み主な意味使用例特徴
努めるつとめる力を尽くして努力する問題解決に努める自発的な努力に使われる
務めるつとめる任務や役割を果たす司会を務める公的・職務的な役割に使われる
勤めるつとめる会社や役所に勤務する銀行に勤める雇用関係のある労働に使われる
勉めるつとめる努力する(古風・常用外)学問に勉める「努める」とほぼ同義。常用外漢字

このように、同じ「つとめる」でも、それぞれ使う場面が大きく異なります。意味とセットで覚えるのがコツです。

努めるの意味とは?「努力」に重点を置いた使い方

「努める」は、「目標に向かって努力する」という意味を持つ言葉です。辞書的には「力を尽くして物事を行う」「無理をして行動する」とされており、主体的な努力が含まれます。たとえば「改善に努める」「早起きに努める」など、達成したい目的に対して前向きに取り組むときに使われます。

また、「努める」は「努力」や「精進」などの熟語とも関係が深く、自己成長・改善・意識改革といったシーンでもよく使われます。ビジネス文書では「再発防止に努めます」「品質向上に努めています」のように、前向きな姿勢を表すのに適した表現です。

務めるの意味とは?「役割を果たす」シーンで使う言葉

「務める」は「特定の役割や任務を果たす」という意味で使われます。辞書には「役目・任務などを担当する」とあり、代表的な場面としては「司会を務める」「委員長を務める」「役員を務める」などが挙げられます。

「務める」が使われる場面の特徴は、「その立場を任され、責任を持って行動すること」にあります。努力の有無よりも、役割の遂行そのものに重きが置かれます。組織やイベントなど、役目をこなす必要がある時にぴったりの表現です。

特にビジネスや公的な文章においては、「○○の責任者を務める」「大会の審査員を務める」などの形でよく登場します。

努めるの例文5選|ビジネス・日常会話での自然な使い方

ここでは、「努める」の具体的な使い方を例文でご紹介します。

  1. サービス向上のため、スタッフ一同努めています。
  2. 社内の雰囲気を良くしようと、積極的に笑顔で努めた。
  3. 健康のために、毎朝30分の運動をするよう努めている。
  4. トラブルの再発防止に努める必要があります。
  5. 相手に嫌な思いをさせないよう、努めて冷静に話した。

どの例も、「努力する」「気を配る」といった積極的な姿勢を伝えるために「努める」が使われています。

務めるの例文5選|役職・役割を果たす際の表現集

続いて、「務める」を使った具体的な例文を見てみましょう。

  1. 新しい企画で司会を務めることになった。
  2. PTAの役員を3年間務めました。
  3. プロジェクトのリーダーを務める彼は信頼が厚い。
  4. 結婚式の受付係を務めてくれてありがとう。
  5. 彼はこの演劇で主役を務めた経験がある。

このように「務める」は、「責任のある役割を果たす」場面でよく登場します。仕事だけでなく、イベントや私的な場でも幅広く使われます。

努めると務めるの違いの後に:「つとめる」の使い分け

「努める」と「務める」だけでなく、「勤める」「勉める」も「つとめる」と読む言葉です。意味は似ているようで異なり、使いどころを間違えると誤解を招くこともあります。

ここでは、4つの「つとめる」を正しく使い分けるために、さらなる理解を深めていきましょう。

勤めるの意味と使い方|「勤務する」ときはこの漢字

「勤める」は、会社や官公庁などに雇用されて働くことを意味します。「勤務する」「就労する」という意味で、職場に通っていることが前提です。

たとえば、「銀行に勤める」「市役所に勤める」「大学に勤める」など、どこで働いているかを明確にする時によく使われます。フリーランスや自営業者の場合、「勤める」は使いません。あくまで雇われている立場で使われる言葉です。

また、宗教的な意味では「仏事に勤める」という用法もあり、「勤行(ごんぎょう)」の語源としても知られています。

勉めるとは?現在では使わない表記の意味と背景

「勉める(つとめる)」は、「努める」とほぼ同義で「努力する」「力を尽くす」という意味を持ちます。ただし、この表記は常用外漢字であり、現代の日常生活やビジネス文書ではほとんど見かけません。

「勉強する」の「勉」と同じく、「強いて努力する」「無理を押して行動する」ような意味合いが背景にあります。しかし、現在では「努める」が一般的に用いられ、「勉める」は文学作品や古文、文語体で見られる程度です。

例文としては、「勉学に勉める」「辛い気持ちを隠して勉めて微笑む」などがありますが、これらも「努める」と書き換え可能です。

つとめるの使い分け練習問題!例文から漢字を選ぼう

ここでは、実際の文脈から適切な漢字を選ぶ練習をしてみましょう。

【問題】次の「つとめる」を正しい漢字に直しましょう。

  1. 彼は高校卒業後、地元の工場に◯◯ている。
  2. お客様の満足度向上に◯◯ています。
  3. 来月の会合で司会を◯◯ることになりました。
  4. 大学院では心理学の研究に◯◯た。
  5. 法事を◯◯るのも、家族の役目です。

【解答】

  1. 勤めている
  2. 努めています
  3. 務める
  4. 努めた
  5. 勤める

このように、使われる場面によって正しい漢字が異なります。しっかり使い分けを覚えましょう。

よくある誤用とその理由|「務める」と「勤める」の混同例

「つとめる」で特に混同しやすいのが、「務める」と「勤める」です。意味が近く、漢字も似ているため、誤って使われるケースが多々あります。

誤用例:
×「会社に務めています」
→正しくは「会社に勤めています」です。「勤務先」に行くという意味なので「勤める」を使います。

誤用例:
×「会議の司会を勤めました」
→正しくは「会議の司会を務めました」です。役割や任務を果たす場合は「務める」が正解です。

このような間違いを防ぐコツは、「勤める=勤務」「務める=任務」と覚えること。語源となる熟語に注目すると整理しやすくなります。

「努める」「務める」「勤める」の類語と英語表現

最後に、それぞれの「つとめる」に対応する類語表現英語表現をご紹介します。

漢字類語表現英語表現
努める励む、努力する、尽力する、精進するstrive、try、make an effort
務める引き受ける、果たす、担当するserve、carry out、act as
勤める勤務する、働く、就職するwork for、be employed by

ビジネス英語においても、それぞれの「つとめる」の意味に合った単語を選ぶことが大切です。たとえば、「serve」は任務や役割に、「work for」は勤務先に、「strive」は努力の文脈に対応します。

総括:努めると務めるの違いまとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

表記読み主な意味使用例特徴
努めるつとめる力を尽くして努力する問題解決に努める自発的な努力に使われる
務めるつとめる任務や役割を果たす司会を務める公的・職務的な役割に使われる
勤めるつとめる会社や役所に勤務する銀行に勤める雇用関係のある労働に使われる
勉めるつとめる努力する(古風・常用外)学問に勉める「努める」とほぼ同義。常用外漢字