「足利大学ってやばいの?」とネット検索で見かけた方も多いのではないでしょうか。特にSNSや掲示板では、「偏差値が低い」「Fラン」「就職できない」などの否定的な声も散見され、不安を感じた受験生や保護者の方も少なくないはずです。

しかし、実際にデータや事実を見てみると、その噂は必ずしも正確ではありません。

この記事では、「足利大学がやばい」と言われる根拠や誤解の原因を、偏差値・就職実績・口コミ・学費・公立化の動向など多角的な視点から徹底検証します。

偏見に惑わされず、正しい情報で納得のいく進路選択ができるよう、信頼性の高いデータと共に分かりやすく解説します。

足利大学はやばいって本当?偏差値・評判・就職実績

「やばい」と言われがちな足利大学ですが、その根拠は何なのかを掘り下げていきます。特に偏差値や就職率といった数値的な面から実態を明らかにし、大学の価値を多面的に評価していきましょう。

足利大学の偏差値はどのくらい?Fランと言われる理由とは

足利大学の偏差値は、学科によって「BF(ボーダーフリー)」〜「35.0」と非常に低く、全国の大学の中でも下位水準に位置しています。特に工学部のうち機械分野・システム情報分野・建築・土木分野では偏差値が「BF」となっており、これは「定員割れの可能性がある=誰でも入れる」と解釈され、いわゆる「Fラン」とネットで揶揄される原因となっています。

一方、看護学部の偏差値は35.0と工学部より若干高めに見えるものの、看護系学部全体として偏差値が低めに出やすい傾向があるため、必ずしも「レベルが低い」とは断定できません。学力偏差値だけでは判断できない、専門教育の実用性や資格取得実績も加味する必要があります。

以下は最新の学科別偏差値と共通テスト得点率の一覧です。

学部学科偏差値共通テスト得点率
工学部機械BF50%(100/200)
工学部電気電子35.051%(102/200)
工学部システム情報BF45%(90/200)
工学部建築・土木BF47%(94/200)
看護学部看護35.044%(132/300)

引用:スタディサプリ進路

このように、偏差値だけを見れば確かに「やばい」「Fラン」と言われる可能性はありますが、それはあくまで一側面に過ぎません。特に専門職系大学では、卒業後の資格取得や就職実績が重要な判断材料となります。

足利大学も、就職率の高さや資格支援制度など、別の視点から見ることでその評価は大きく変わる可能性があります。

就職率は高い?主要就職先と内定実績を紹介

足利大学は偏差値こそ低いものの、就職面では極めて高い実績を誇ります。2024年3月卒業生における就職率は、工学部が98.8%(247名/就職希望者250名)、看護学部は100%(80名/就職希望者80名)と、全体でほぼ完全就職に近い水準となっています。

特に工学部は、ものづくり系企業への就職に強く、地元・関東圏の安定企業への内定が多いのが特徴です。看護学部もまた、地元の基幹病院や地域医療施設に多くの卒業生が就職しており、国家資格を活かした進路選択が可能です。

学部別就職状況

学部卒業者数就職希望者数就職者数進学者数就職率
工学部2902502472198.8%
看護学部8680802100%

主な就職先

学部主な就職先企業・施設人数(名)
工学部メイテックフィルダーズ、ホンダテクノフォート、ミツバなどメイテックフィルダーズ(5名)、ホンダテクノフォート(4名)
看護学部足利赤十字病院、羽生総合病院、佐野厚生総合病院など足利赤十字病院(7名)、羽生総合病院(6名)

引用:パスナビ

こうしたデータを見る限り、「足利大学は就職に弱い」といった評価は明らかに事実と異なります。

特に専門職系である工学・看護分野は、資格や技能を活かせる職種に直結しており、大学での学びがそのまま職業に結びついている点は大きな強みです。卒業後の進路を重視する受験生にとって、非常に魅力的な選択肢のひとつだといえるでしょう。

「学食が潰れた」「通学が不便」などリアルな口コミとは?

足利大学について「やばい」と感じる声の多くは、偏差値や就職実績よりも、実はキャンパス環境や立地に関する口コミから生まれています。SNSや口コミサイト、Yahoo!知恵袋などでは、以下のような具体的な意見が確認されています。

カテゴリ内容(抜粋)傾向
学食「学食が営業していない時期があった」「選択肢が少ない」ネガティブ
通学「最寄り駅から徒歩だと遠い」「スクールバスが出ているが本数が限られる」ネガティブ
周辺環境「自然は豊かだが、近くに遊べる施設や飲食店が少ない」ネガティブ
教育体制「教授が丁寧で、少人数制のため質問しやすい」「就職相談が手厚い」ポジティブ
実習・設備「看護実習が充実している」「工学分野での研究設備も悪くない」ポジティブ
国家試験対策「試験対策のサポートがある」「看護師国家試験は学年全体で取り組む雰囲気がある」ポジティブ

特に「学食の閉鎖」については一時的な営業停止があったことが原因であり、現在は再開しているとの情報もあります。また、通学に関してもスクールバスや自家用車でのアクセスを利用する学生が多く、慣れれば大きな問題にならないとの声も。

一方で、教育面では高評価が目立ちます。「教授との距離が近い」「国家資格取得に向けた指導が熱心」といった声は、進学や資格取得を重視する学生にとって心強い材料です。

偏差値だけで評価していいの?専門系大学としての特色とは

足利大学は、偏差値こそ低水準とされがちですが、「看護学部」と「工学部」という実践重視の専門職系学部に特化しており、大学全体として“現場に強い”人材育成を目指しています。一般的な総合大学と異なり、座学だけでなく国家資格や実習、地域密着型のキャリア支援を通して、将来の職業に直結する教育を展開しています。

足利大学の学部別特色と取得可能資格

学部学科/分野特徴・強み取得可能な主な資格
工学部機械・建築・電気電子・AI・情報地域企業との共同研究、AI・再生エネなど時代の先端技術に対応高専教員免許、技術士補、測量士補など
看護学部看護学科国家試験対策講座や臨地実習が充実、地元病院との連携も強い看護師、保健師、養護教諭一種、第一種衛生管理者

特に工学部では、近年需要が高まる「再生可能エネルギー」「AI・IoT技術」など、社会課題解決型の工学教育に注力しています。足利市内の企業と連携したプロジェクト学習や、地域課題をテーマとする卒業研究なども活発に行われており、実社会とのつながりを重視した教育方針が見られます。

看護学部では、国家資格の合格を目指すだけでなく、医療現場での即戦力を育成するため、少人数制教育・実習支援が徹底されています。2024年度も看護師国家試験において高い合格率を維持しており、信頼性の高い教育体制が整っていることが分かります。

他の同偏差値大学と比較して足利大学はどのポジション?

足利大学の偏差値(BF〜35.0)は、他の低偏差値大学と同じ水準にありますが、分野によっては独自の強みがあります。以下に比較表を示します。

大学名偏差値主な学部評価される分野
足利大学BF〜35.0工・看護環境工学、臨床実習
日本工業大学35〜40工学部機械系・建築系
埼玉工業大学35〜42.5工・人間社会AI・ロボティクス
上武大学35〜40ビジネス情報・看護医療・看護・福祉分野に強み

他校と比較しても、足利大学は「就職実績」や「資格取得支援」において遜色ない実力を持っています。大学選びの際には、偏差値だけでなく“卒業後の進路支援”にも注目すべきです。

足利大学の学費はやバイ?公立化の噂・通学環境

足利大学に対する「やばい」という印象は、偏差値や評判だけでなく、学費の高さや大学の将来性に対する不安からも来ているようです。ここでは学費の実態、公立化の噂、通学の利便性、そして学部ごとの資格取得について詳細に解説します。

足利大学の学費は高い?私立平均と比較してみた

足利大学の学費は、「工学部」「看護学部」ともに全国の私立大学と同水準ですが、詳細な内訳を見ると、教育内容やサポート体制に見合った費用であることが分かります。ここでは1年次にかかる学費を中心に、全国平均との比較や費用対効果について検証していきます。

足利大学・1年次学費

学部入学金授業料(前期)授業料(後期)その他費用(学生会費・後援会費など)初年度合計
工学部270,000円630,000円630,000円65,000円(学生会費30,000円含む)約1,595,000円
看護学部270,000円630,000円630,000円約265,000円(実習費・教材費等含む推定)約1,795,000円

引用:足利大学公式サイト

看護学部は臨地実習や医療機器にかかる費用が上乗せされるため、初年度の費用は工学部よりもやや高めになります。ですが、これは全国的にも看護学部に共通する傾向であり、「高すぎる」とは言えません。

文部科学省の調査によると、私立大学の年間学費平均は工学系で約165万円、看護系で約180万円前後とされており、足利大学はまさに「相場通り」です。実習設備や地域密着型の教育、国家資格サポートが充実している点を考慮すれば、費用に見合った教育が提供されているといえるでしょう。

足利大学は潰れる?短期大学募集停止と混同される噂の真相

近年ネット上で「足利大学が潰れるのでは?」という不安の声を見かけますが、これは明確な誤解に基づく噂です。2026年度をもって学生募集を停止するのは「足利短期大学」であり、足利大学そのものではありません。両校は同じ学校法人により運営されているものの、別組織として存在しています。

以下の表をご覧ください。

校名種別募集状況(2025年度)備考
足利大学4年制大学継続中看護学部・工学部を有し、定員割れもなし
足利短期大学2年制短大2025年度で終了予定2026年度より学生募集停止(公式発表あり)

このように、閉鎖されるのは短大であり、足利大学本体の運営には影響していません。また、2024年度時点で足利大学は定員割れも起こしておらず、就職率・国家資格合格率も高水準を維持しています。看護学部は特に人気が高く、地域医療における役割も評価されているため、将来的な安定運営も見込まれます。

噂の原因は、「同じ法人で短大が閉鎖する=大学もやばいのでは?」という早合点によるものです。こうした誤情報に惑わされず、正確な情報をもとに判断することが大切です。

足利大学も公立化するの?噂の出所と可能性を分析

近年、学生減少や地域活性化を背景に、地方私立大学の「公立化」が全国で進んでいます。そのため、「足利大学もいずれ公立大学になるのでは?」という憶測がSNSや掲示板などで囁かれています。

たしかに、公立化された大学の多くは地方に立地し、工学系や看護系の実学志向が強く、地域との連携を重視しています。これは足利大学の教育方針とも共通点があります。しかし、2025年5月現在、足利大学から公立化に関する公式な発表や計画は一切ありません

以下に、実際に公立化された大学との比較表を示します。

大学名旧運営形態公立化時期特徴
山陽小野田市立山口東京理科大学私立2016年地方自治体と東京理科大の連携により公立化
公立鳥取環境大学私立2008年環境分野特化型の地域密着大学
足利大学(※現時点)私立地元連携は強いが、公立化の発表はない

これらの事例と比較すると、足利大学にも公立化の要素は見受けられるものの、現段階ではあくまで「憶測の域」に留まっていることが分かります。また、公立化には自治体との協議や財政支援、法人再編といった複雑な手続きが必要であり、短期間で実現するものではありません。

足利大学の通学アクセスは?地方大学ならではの注意点

足利大学は、栃木県足利市の大前町に位置し、豊かな自然と静かな学習環境に恵まれています。しかし、通学の利便性という面では、都市型大学と比べて注意すべき点もあります。

大学の最寄り駅は東武伊勢崎線「足利市駅」およびJR両毛線「足利駅」ですが、いずれの駅からも徒歩では通学困難な距離にあります。そのため、大学が運行する無料のスクールバスや、自家用車・原付通学、一人暮らしなどが現実的な手段となっています。

以下に、主な通学手段と所要時間・補足をまとめます。

通学手段利用駅/手段所要時間(目安)補足情報
スクールバス足利駅/足利市駅〜大学約15〜20分時刻表あり/授業時間に合わせて運行
自家用車・バイク学内に駐車場あり。許可制(通学届が必要)
一人暮らし大学周辺の賃貸住宅徒歩5〜15分程度徒歩・自転車通学可。生活利便施設は少なめ
徒歩/自転車JR・東武両駅から徒歩約50分以上現実的ではない

また、キャンパス周辺は住宅街に位置しており、大型商業施設やカフェ、娯楽施設は少なめです。そのため、利便性重視の学生にとっては多少の不便さを感じる場面もあるかもしれません。

とはいえ、「静かな環境で落ち着いて勉強できる」「自然に囲まれていてリラックスできる」といった声も多く、学習環境としては非常に整っているという評価もあります。

看護・工学の学部内容と取得可能な資格一覧

足利大学の特徴は、実務に直結する学部と資格取得が可能な点にあります。以下は、主な学部・学科と取得可能な資格の一覧です。

学部学科取得可能な主な資格
工学部機械・建築・電気電子・AI・情報高専教員免許、技術士補、測量士補、電気主任技術者 など
看護学部看護学科看護師、保健師、養護教諭一種、第一種衛生管理者など

特に看護学部では、国家試験合格後すぐに即戦力として働ける環境が整っており、工学部でも業界ニーズに合わせた専門知識を学ぶことができます。

「資格が取れるから安心」というのは、進学において重要な要素であり、偏差値以上に実利的な強みといえるでしょう。

総括:足利大学がやばい?まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 偏差値は確かに低め(BF〜35.0)
     → 工学部の多くはBF(定員割れ)、看護学部も35.0
     → ただし、専門系大学では偏差値だけで評価するのは不適切
  • 就職率は非常に高い
     → 工学部:98.8%、看護学部:100%(2024年卒)
     → 地元企業・医療機関に強く、資格取得も実績あり
  • 「学食が閉鎖」「通学が不便」などの口コミが噂の原因に
     → 学食は一時停止していたが現在は再開
     → 通学はスクールバス・車・一人暮らしが主流でカバー可能
  • 専門職系大学としての実践力と資格取得に強み
     → 看護師、保健師、養護教諭、技術士補、電気主任技術者など
  • 学費は全国平均とほぼ同水準
     → 工学部:約159.5万円/年、看護学部:約179.5万円/年
  • 「潰れる」という噂は短期大学との混同
     → 2026年に募集停止するのは「足利短期大学」、大学本体は継続
  • 「公立化するのでは」という噂もあるが公式発表はなし
     → 地域連携型の教育スタイルが一部で誤解を生んでいる
  • 通学アクセスはやや不便だが静かな学習環境
     → 最寄り駅から遠いがスクールバスや車通学でカバー可
  • 総合的に見れば「やばい」は誤解
     → 資格取得率・就職実績・教育体制を評価すれば堅実な大学