今日は中国の歴史の中でも、とても大きな事件「義和団事件(ぎわだんじけん)」について、塾長がやさしくわかりやすく解説していきます。

「なぜ起きたの?」
「義和団って誰?」
「日本は関係あるの?」

といった疑問を、スッキリ解決できる内容になっていますよ。中国や世界の歴史を楽しく学ぶために、一緒にじっくり読んでいきましょう!

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義和団事件をわかりやすく解説!なぜ起きたのか

義和団事件は、中国の清朝時代末期に起こった大きな歴史的出来事です。この事件では、農民や民衆が外国勢力に立ち向かい、清朝政府がその戦争に巻き込まれました。なぜこのような事件が起きたのか?

その背景やきっかけを分かりやすく解説します。

義和団事件が起きた理由は?外国勢力への不満が高まった背景

義和団事件が起きた一番の理由は、中国の人々が「外国の力に押しつぶされそうだ!」と感じていたことです。

当時の中国(清と呼ばれていました)は、イギリスやフランス、日本などの外国から「中国を分け合おう(中国分割)」というような行動をとられていました。

中国の港は勝手に使われ、鉄道や鉱山の権利も奪われるなど、まるで中国が外国のものになってしまったかのようでした。さらに、列強との戦争で負けた清は、不平等条約でたくさんの損をさせられていたのです。

そんな中で、自然災害や貧しさに苦しむ農民たちは、「このままでは中国がダメになる!」と強く怒りを感じていました。こうした民衆の不満が大きくふくらみ、やがて義和団というグループが生まれることになるのです。

義和団とは何者?拳法と宗教を信じた農民たちの正体

義和団は、農民を中心とした「秘密のグループ」でした。山東省(さんとうしょう)という地域で生まれたこの集団は、「義和拳(ぎわけん)」という拳法を使って、体を鍛え、神様の力を信じていました。

「呪文をとなえて動けば、銃弾も当たらない!」と本気で信じていたのです。義和団は「扶清滅洋(ふしんめつよう)」というスローガンをかかげ、「清朝を助けて、西洋人を追い出すぞ!」と活動を始めました。

白蓮教(びゃくれんきょう)という宗教の影響も受けていて、「正義のために外国と戦う!」という強い信念がありました。ただし、その活動は次第に暴力的になり、外国人やキリスト教徒への攻撃が激しくなっていきます。

きっかけはキリスト教と列強支配!仇教事件と民衆の反発

義和団事件のきっかけのひとつが、「キリスト教」に対する反発でした。キリスト教は外国から中国に伝えられた宗教で、宣教師(せんきょうし)たちが国内に入り、農民に教えを広めていました。

宣教師たちはときに中国のルールを無視したり、民衆とトラブルを起こしたりすることもありました。特に「仇教事件(きゅうきょうじけん)」と呼ばれる、キリスト教徒と民衆の間の争いが頻発したのです。

民衆の目には「キリスト教=外国の象徴」と映っていたので、「自分たちの文化や信仰をこわす敵」として義和団の怒りの対象となりました。こうして義和団は教会や宣教師を攻撃し、「列強を倒せ!」という運動に火がついたのです。

北京包囲から8か国連合軍の介入

義和団の活動はやがて大きな事件に発展します。1899年から1900年にかけて、義和団はついに中国の首都・北京へと進出しました。そして外国の公使館(大使館のような場所)を包囲し、攻撃をはじめたのです。

このとき清の政府も「外国を追い出したい」と考えていたため、義和団を止めるどころか、支持するようになりました。こうして清と義和団が手を組む形となり、外国と本格的な戦争に発展します。

ここで登場するのが「8か国連合軍(れんごうぐん)」です。日本・ロシア・アメリカ・イギリスなどの8つの国が連携して軍を派遣し、義和団と清の軍に対して戦いました。そして1900年8月、北京は連合軍に制圧され、義和団事件は終わりを迎えました。

北京議定書とは?事件後の中国が受けた屈辱と影響

義和団事件のあと、清の政府は8か国連合と「北京議定書(ぺきんぎていしょ)」という条約を結びました。この条約の内容は、とても厳しいものでした。

まず、清は8か国に対して約4億5千万両という、巨額の賠償金を支払わなければなりませんでした。また、北京や天津などに外国の軍隊が駐留することも認めることになりました。これは、中国が自分の国なのに、他国の軍隊を入れるという大きな屈辱だったのです。

さらに、義和団に協力した政府の人たちは処罰され、清の権威(けんい)は一気に下がりました。この事件によって中国は「半分植民地のような状態」に近づき、多くの民衆が清朝に対して不信感を持つようになったのです。

義和団事件を分かりやすく!影響&その後の中国との関係

義和団事件が終わったあと、中国と日本、そして世界はどのように変わっていったのでしょうか?

事件の影響はとても大きく、中国の政治にも、日本の外交にも、国際社会の動きにも大きな変化をもたらしました。ここでは、義和団事件の“その後”をやさしく解説していきますよ!

義和団事件の中国への影響は?改革と清朝への不信感が拡大

義和団事件のあと、清朝は「もう一度国を立て直そう!」と改革に乗り出しました。これが「光緒新政(こうしょしんせい)」と呼ばれる一連の改革です。

この改革では、教育制度を近代化したり、軍隊を整備したり、古い制度である科挙(かきょ)を廃止したりと、清を新しい国に変えようと努力しました。外交を担当する「外務部」も新しく作られ、国際社会に対応しようとしたのです。

しかし、国民の目には「戦争に負けて賠償金を払うだけの政府」と映ってしまい、清への信頼はどんどん失われていきました。民衆は「清朝にまかせていては中国の未来がない」と考えるようになり、後に革命へとつながっていきます。

義和団事件後の日本の評価は?日英同盟と国際的地位の向上

義和団事件では、日本も8か国連合の一員として出兵しました。その中で特に評価されたのが、日本軍のリーダーであった柴五郎中佐です。

柴中佐は北京で外国人たちとともに籠城し、冷静な指揮と礼儀正しい態度で多くの人から賞賛を受けました。これがきっかけで、世界から「日本は信頼できる国だ」と評価されるようになったのです。

この流れの中で、日本はイギリスと1902年に「日英同盟(にちえいどうめい)」を結びました。これは、日本が初めて欧米列強と対等な立場で結んだ同盟であり、日本の国際的な地位を大きく引き上げる出来事でした。

ロシアの満州進出と日露戦争のきっかけも義和団事件から!

義和団事件をきっかけに、もうひとつ大きな問題が生まれます。それは「ロシアの満州(まんしゅう)占領」です。

ロシアは「義和団を鎮圧するため」と言って、中国の満州地方にたくさんの軍隊を送りました。しかし事件が終わっても撤退せず、そのまま居座ってしまったのです。

これに対して、日本は強く反発します。なぜなら、満州は朝鮮にも近く、日本にとっても大切な場所だったからです。ロシアと日本の緊張は高まり、やがて1904年には「日露戦争」が起こることになります。

つまり、義和団事件は「日本とロシアの戦争の火種」にもなっていたのです。

義和団事件と現代中国の視点は?歴史認識の違いと教訓

現代の中国では、義和団事件はどのように見られているのでしょうか?

実は、中国ではこの事件を「外国の侵略に対する民衆の抵抗運動」として評価することが多いです。義和団は「ナショナリズム(民族の誇り)」の象徴ともされています。

ただし、その一方で暴力的な面や宗教への攻撃については、批判もあります。
また、現代でも外国人に対する排斥運動が問題になることもあり、「義和団のような過激な行動は、逆に国を苦しめることになる」という教訓も残っています。

このように、義和団事件は「歴史の反省」としても、「国を守る心の象徴」としても、大切な存在になっているのです。

テストによく出る用語まとめ!義和団事件の重要ポイント復習

最後に、義和団事件をしっかり理解するために、テストに出やすいキーワードを一緒に確認しましょう!

  • 義和団(ぎわだん):中国の農民を中心とした秘密結社。「扶清滅洋(ふしんめつよう)」をかかげて外国人を攻撃しました。
  • 扶清滅洋:「清朝を助け、西洋を倒す」という意味のスローガンです。
  • 仇教事件(きゅうきょうじけん):キリスト教信者と中国民衆の間で起きたトラブル。義和団事件のきっかけとなりました。
  • 北京議定書:義和団事件後に清と列強が結んだ講和条約。巨額の賠償金や軍の駐留などを認めさせられました。
  • 北清事変(ほくしんじへん):清が列強に宣戦布告したことで起きた戦争。義和団事件と一体の出来事として扱われます。
  • 光緒新政(こうしょしんせい):事件後、清朝が実施した改革のことです。

これらの言葉は、学校のテストだけでなく、入試などでもよく問われるポイントなので、しっかり覚えておきましょうね!

総括:義和団事件をわかりやすく解説まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。