「群馬大学医学部ってやばいのでは?」

SNSや掲示板を中心に、そんな声を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。特に話題となっているのが、2022年から報道され続けている「アカハラによる大量留年事件」

医学部という将来がかかった進路で、数十人単位の学生が留年するという異常事態は、保護者や受験生にとって見過ごせない大問題です。

また、群馬大学附属病院における過去の医療事故や、内部の体制の問題も「やばい」と感じさせる要因になっています。

この記事では、群馬大学医学部をめぐる一連のトラブルをデータと証言を元に徹底的に検証し、「やばい」とされる理由の真相に迫ります。

群馬大学医学部がやばい理由:アカハラ留年問題とその後

医学部の中でも、国立大として一定の実績と信頼を持っていた群馬大学。しかし近年、その評価に大きな影を落としているのが「大量留年」と「アカデミックハラスメント(アカハラ)」にまつわる問題です。

以下では、実際に報道された内容や学生の証言を元に、事の経緯と背景を詳細に解説していきます。

アカハラによる大量留年事件の全貌とは?

2022年、群馬大学医学部の3年生において、全体の約3分の1にあたる40人以上が留年するという事態が発生しました。特に注目されたのが、そのうち24人が1人の教授が担当する「医の倫理学」「医系の人間学」という授業で不合格になったことです。

問題となったのは、評価基準が極端に不透明だった点です。学生は出席し、リアクションペーパーを提出していたにもかかわらず、「即興演劇の内容が不適切だった」「教授に反発した」など、主観的な理由で単位を落とされたと訴えました。

教授が授業内で学生の発言を「落書き」扱いしたことも報じられ、SNSでは「これはアカハラではないか」との声が一気に拡散しました。

評価基準が曖昧?クリニカルシアターの授業形式に批判殺到

留年者が続出した授業「医系の人間学」では、実際の医療現場を模したロールプレイ、いわゆる「クリニカルシアター」が取り入れられていました。

舞台俳優を患者役に見立て、学生が即興で診療対応を演じる形式ですが、これが問題の火種に。評価基準が数値化されておらず、教授の印象に左右されるため、「真面目に取り組んだ学生ほど落とされる」との声があがりました。

他大学でもロールプレイ型授業はありますが、成績評価の対象とはせず、あくまで教育的な体験に留めるケースが多く、必修科目として単位に直結させた点で群大の形式は極めて異例といえます。

教授の過去のアカハラ認定と裁判の行方

服部教授に対する疑念は今回が初めてではありません。過去には、同氏の授業に関して重度のPTSDを発症した学生がおり、大学は2018年度にアカハラと認定。

その後、学生側は群馬大学を相手取り損害賠償請求の訴訟を起こしています。このように、過去にアカハラと認定された人物が再び同様の問題を起こしたことに対し、大学のガバナンスの甘さを指摘する声も多くあります。

訴訟は継続中であり、結果次第では大学側にさらなる説明責任が求められる可能性もあります。

群馬大学医学部のストレート卒業率が全国平均より低い理由

文部科学省の調査によれば、全国の国立大学医学部の平均ストレート卒業率は85.8%と高水準を維持しています。しかし、群馬大学医学部のストレート卒業率はそれを大きく下回る60%台という報道もありました(※一部報道ベース)。

この理由の一つが、必修科目での単位不認定により次学年の授業を一切履修できない、厳しすぎる進級制度にあります。

再試験や補講といった救済措置がなされないまま、1年間を「落とした1科目のためだけに」費やすケースもあり、学生にとって精神的・経済的な負担が非常に大きいのです。

学生たちの抗議と大学側の対応・再履修制度の導入経緯

学生たちはこの問題に対して署名活動を行い、質問状を大学に提出。大学側は当初沈黙していましたが、批判が高まる中で、ようやく2023年2月に説明会を開催しました。

その中で3年前期に不合格となった8名に対し、3月に再履修できる特別補講を実施する「救済措置」を発表。しかし、過去に同じ授業で単位を落とした1・2年生には救済が及ばず、不公平感が噴出。

教授の担当科目からの一部降板も発表されましたが、根本的な体制改善には至っていないとして、現在も学生有志が改革を訴えています。

群馬大学医学部がやばい!今後の展望と大学の魅力

前半では、アカハラと大量留年問題を中心に、群馬大学医学部が「やばい」とされる背景を掘り下げてきました。しかし、大学の本質を語るには、偏差値や医療実績、将来性といった側面も欠かせません。

ここでは、客観的なデータをもとに医学部の実態と今後の展望について検証していきます。

群馬大学医学部の偏差値・入試難易度・学科構成一覧

群馬大学医学部は、国立大学の中でも標準〜難関レベルに位置する医学部として知られています。特に「医学科」は偏差値67、共通テスト得点率82%と、入試難易度は非常に高く、全国から優秀な受験生が集まります。

また、保健学科には複数の専攻があり、それぞれで難易度が異なります。以下に、各学科・専攻ごとの偏差値と共通テスト得点率(2024年度B判定)を一覧表にまとめました。

学部・学科/専攻名日程方式偏差値共通テスト得点率
医学科(一般・地域医療枠)前期6782%
保健学科/看護学専攻前期5264%
保健学科/看護学専攻後期5567%
保健学科/検査技術科学専攻前期5571%
保健学科/検査技術科学専攻後期5775%
保健学科/理学療法学専攻前期5471%
保健学科/理学療法学専攻後期5776%
保健学科/作業療法学専攻前期5367%
保健学科/作業療法学専攻後期5571%

引用:マナビジョン

群大医学部附属病院の医療事故の過去と再発防止策

群馬大学医学部附属病院では、2010年代に腹腔鏡手術を巡る重大な医療事故が発生し、全国的に注目を集めました。

2014年には読売新聞の報道により、腹腔鏡下肝切除手術において計18人が死亡していたことが発覚。調査の結果、執刀医の技量不足や院内のチェック機能の欠如が判明し、大きな信頼喪失を招きました。

病院側は再発防止のため、外部専門家を交えた調査委員会の設置や、高難度手術に関する症例検討の義務化、術者の技能認定の見直しなどを実施しています。

現在では、手術リスクへの説明責任や患者家族への情報開示も強化されており、一定の信頼回復が図られています。

口コミ・評判はどう?実際の学生・卒業生の声を紹介

口コミサイトやSNS、医療系専門サイト(m3.com)などには、群馬大学医学部に関するさまざまな声が投稿されています。

在学生の多くは「勉強は大変だが、熱心な先生も多く、やりがいがある」といった肯定的な評価をする一方で、「一部の授業で理不尽な扱いを受ける」「教授の裁量が強すぎる」など、問題点を指摘する声も目立ちます。

また、卒業生からは「病院実習が始まってからは実践的で充実している」「地域医療に貢献する意識が育つ」といったポジティブな感想も多く見られます。ただし、今回のアカハラ問題を受けて「群大の医学部は推薦しない」との意見も一部で見られるようになっており、イメージの回復にはまだ時間がかかる状況です。

教授会・組織体制の問題点と外部からの批判

群馬大学医学部に限らず、医学部には「教授の裁量が強い」「内部通報制度が機能していない」といった組織体制上の問題が指摘されがちです。

今回の件でも、アカハラが長期間にわたって見逃されていた点、学生側の質問状に迅速な回答がなかった点など、大学の対応の遅さが批判されました。

また、教授会による評価の妥当性や透明性も議論されています。学生からの不満が蓄積していても、内部で対処されず、報道によってようやく動き出すという構造に問題があるとする指摘も。外部評価の導入や第三者機関による監査制度の強化が今後の課題とされています。

馬大学医学部の今後|改革は進むのか?

大学側は今回の騒動を受け、2023年度から該当授業の形式を見直し、臨床教授の関与を増やすと発表しました。また、再履修制度の導入により、進級の救済措置も限定的ながら設けられました。これは学生側の抗議活動が一定の成果を生んだ好例といえるでしょう。

しかし、本質的な改革は道半ばです。アカハラ防止のためのガイドライン策定や、成績評価の透明化、教授会の改革など、多くの課題が残されています。

今後は学生・大学・社会が一体となり、より開かれた医療教育を目指す必要があります。「やばい大学」との評判を覆すには、信頼回復のための具体的な実行が求められているのです。

総括:群馬大学医学部がやばい理由まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 2022年、群馬大学医学部で約40人が留年、うち24人が1教授の授業による不合格
  • 「医の倫理学」「医系の人間学」で即興演劇を用いた授業に批判が集中
  • 評価基準が不透明で、教授の主観に左右されるとの指摘多数
  • 教授は過去にもアカハラで大学から認定されており、訴訟も進行中
  • 群大医学部のストレート卒業率は全国平均(85.8%)より大幅に低い60%台
  • 学生の抗議で再履修制度が導入されたが、救済措置の範囲に不公平感も
  • 群大医学部の偏差値は67(医学科)、共通テスト得点率82%と難関
  • 2014年には群大附属病院で腹腔鏡手術により18人が死亡した医療事故も発覚
  • 在学生・卒業生の声には「教育は熱心」「一部授業が理不尽」など賛否が混在
  • 教授会の閉鎖性や大学の対応の遅さに外部からの批判が高まる
  • 再発防止策や教授体制の見直しが進行中だが、抜本改革はこれから