「武蔵野美術大学はすごい」とよく言われるけれど、具体的にどこが「すごい」のか気になったことはありませんか?

美大を志す学生やその保護者にとって、学力だけでなく創造力・実技力が問われる武蔵野美術大学(通称ムサビ)の難しさや魅力は、進路選択の大きな判断材料になります。

本記事では、偏差値や就職先、卒業生の実績などをデータに基づいて徹底分析し、「なぜムサビがすごいのか」「なぜ難しいのか」をわかりやすくまとめました。

これから美術大学を目指す方や、ムサビの価値を再確認したい方にも必見の内容です。

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武蔵野美術大学はなぜ“すごい”?魅力と実績を徹底解説

ムサビが「すごい」と言われる理由には、学問としての評価だけでなく、創作環境の充実度や卒業後の進路の幅広さなど、多角的な魅力があります。ここでは、偏差値・卒業生・就職実績・学園生活など、あらゆる観点から武蔵野美術大学の「すごさ」を検証していきます。

美術系私大トップの実力!偏差値とヒエラルキー

武蔵野美術大学の偏差値は、学科によって大きく異なりますが、全体的に美術系私立大学の中ではトップクラスの水準です。

武蔵野美術大学 学科別偏差値一覧

学部    学科            偏差値(目安)
造形学部   日本画学科          45.0   
造形学部   視覚伝達デザイン学科    52.5   
造形学部   油絵-グラフィックアーツ専攻 55.0   
造形学部   建築学科           47.5   
造形構想学部 映像学科・CI学科      45.0~52.5 

引用:スタディサプリ進路

特に「油絵−グラフィックアーツ専攻」と「視覚伝達デザイン学科」は、私大美術系の中でも難関です。さらに、武蔵野美術大学は「五美大」の中で東京芸術大学に次ぐランクとされ、多摩美術大学と並ぶ“実力派ツートップ”とされています。

偏差値だけでなく、表現力・構成力・創造性を重視する評価軸において、業界からも高い信頼を得ている点が「すごい」と言われる理由のひとつです。

有名卒業生が多数!武蔵野美術大学出身のすごい人たち

武蔵野美術大学の「すごさ」を語る上で欠かせないのが、各界で活躍する多数の著名な卒業生の存在です。2024年時点で有名人卒業生数は264人にのぼり、全国の大学中21位(全519校中)、東京都内では15位(全112校中)という実績を誇ります。特にアート・デザイン・映像分野のクリエイター輩出力が圧倒的です。

名前職業/代表作等学科・専攻
奈良美智現代美術家/世界的に個展多数造形学部 → 愛知県立芸術大学大学院
佐藤可士和アートディレクター/ユニクロ・楽天のCI視覚伝達デザイン学科
細田守アニメ監督/『サマーウォーズ』『バケモノの子』視覚伝達デザイン学科
リリー・フランキータレント・俳優・イラストレーター造形学部
みうらじゅんタレント・漫画家・エッセイスト視覚伝達デザイン学科
伊藤計劃SF作家/『ハーモニー』『虐殺器官』映像学科

これらの人物は日本国内のみならず世界的にも活躍しており、武蔵野美術大学の教育がいかに実践的で業界直結型であるかを物語っています。特に広告、映像、アートの分野ではムサビ出身者の影響力が強く、進学先としての評価も年々高まっています。

広告・アート・建築業界に強い!驚異の就職先一覧

武蔵野美術大学の卒業生は、広告・デザイン・ゲーム・建築といったクリエイティブ業界で高い評価を受けています。2023年4月〜2024年3月卒業生の進路データによると、造形学部では就職希望者454人中419人が就職(就職率92.3%)、造形構想学部では就職希望者90人中85人が就職(同94.4%)と、極めて高い就職率を誇ります。

以下は、最新の主な就職先と採用数です。

造形学部 主な就職先(2023年度)

企業名採用人数
TOPPAN(トッパン)8人
任天堂5人
TBSアクト4人
カプコン3人
セガ、電通、ソニーミュージックENT各2人
コクヨ、サントリー各1人

造形構想学部 主な就職先(2023年度)

企業名採用人数
任天堂、TOPPAN、カプコン、セガ各1人
博報堂、NHK、マガジンハウス、LINE各1人
丹青社、日本デザインセンター各1人

引用:パスナビ

大手ゲーム会社や広告代理店、デザイン・出版・建築業界など、武蔵美卒業生は幅広い分野の一流企業に多数就職しています。これは、在学中に培われた表現力・発想力・実技力が社会で高く評価されている証拠です。

学園祭が話題に!作品展示と一般来場で注目される理由

武蔵野美術大学の「芸術祭(通称:ムサビ芸祭)」は、一般来場者にも公開される大規模な学園祭として毎年高い注目を集めています。学内のいたる所で学生たちの作品展示が行われ、来場者は自由に見学・体験できるのが魅力です。展示内容は、絵画・彫刻・立体造形・映像・デザイン・建築模型まで多岐にわたり、学生一人ひとりの創造力がダイレクトに伝わります。

中でも、視覚伝達デザイン学科や映像学科の展示はプロ顔負けの完成度を誇り、実際に企業関係者が視察に訪れることもあるほどです。近年は「SNS映え」する展示が多いことからInstagramやTikTokで拡散される機会も増加**しており、美術に関心がない一般層の若者からも支持を集めています。

また、ワークショップやパフォーマンス、オリジナルグッズ販売など、一般参加型のイベントも充実。学生たちのエネルギーと個性に満ちたムサビ芸祭は、まさに大学全体が一つの巨大な美術館になる3日間です。武蔵野美術大学の魅力を体感できる貴重な機会として、毎年大勢の来場者が訪れています。

キャンパス環境がすごい!創作活動に最適な設備と立地

武蔵野美術大学の鷹の台キャンパス(東京都小平市)は、都心から電車で約40分の距離にありながら、自然豊かで静かな環境に恵まれています。このロケーションは、創作活動に没頭したい美大生にとって理想的な学びの場といえるでしょう。

キャンパスには、プロ仕様の設備が充実しており、学生の自由な創造を後押しします。

設備名概要・特徴
各専攻専用アトリエ絵画・彫刻・建築など専攻別に独立、24時間利用可能
3Dプリント・ファブ施設3Dプリンタ、レーザーカッターなど最新のデジタルファブリケーション機器を完備
大型工房・木材・金属加工室木材・金属・樹脂など多様な素材に対応した工作設備
映像・音響スタジオ本格的な撮影・録音が可能な環境
学生作品展示ギャラリー学内外に向けた展示が行えるスペース

また、都内各地のギャラリーや制作現場へのアクセスも良好で、在学中からインターンや企業とのコラボプロジェクトにも参加しやすいのが大きな魅力です。大学の「開かれた創作空間」というポリシーのもと、学生一人ひとりがのびのびと学び、挑戦できるキャンパス環境が整えられています。

なぜ「お嬢様大学」のイメージがある?実態とギャップ

「ムサビ=お嬢様大学」というイメージは、学生のファッションセンスや美意識の高さから生まれた面もあります。確かに、ハイブランドの服を着た学生も見られますが、全員が裕福なわけではありません。

むしろ高額な学費や画材費を賄うため、アルバイトをしながら学ぶ学生も多く、努力と工夫で創作に励む現実があります。経済的に恵まれている学生もいれば、奨学金や教育ローンを活用して通っている学生も多数。

実力主義で評価されるムサビでは、家庭の経済状況よりも「作品力」が問われる環境が整っているのです。

武蔵野美術大学はすごい:難しいのか偏差値・倍率・試験対策

ムサビに憧れを持つ多くの受験生にとって気になるのが「入試の難しさ」。美術大学特有の「実技試験」に加え、学科の偏差値や倍率、試験形式の違いも押さえておく必要があります。ここでは、データと受験対策の視点から、ムサビの入試の難易度を解説します。

武蔵美の学科ごとの偏差値一覧と難易度

武蔵野美術大学の偏差値は学科によって幅があります。

▼武蔵野美術大学 学部・学科別 偏差値一覧(2025年度)

学部学科偏差値
造形学部日本画学科45.0
造形学部視覚伝達デザイン学科52.5
造形学部油絵-グラフィックアーツ55.0
造形学部建築学科47.5
造形構想学部映像学科・CI学科45.0~52.5

引用:スタディサプリ進路

特に「油絵−グラフィックアーツ」や「視覚伝達デザイン学科」は偏差値も高く、競争が激しい人気学科です。学科試験だけでなく、実技力も求められるため、偏差値の高さは“総合力”の表れとも言えるでしょう。

倍率が高い学科は?狭き門の人気コースを紹介

偏差値と並んで注目したいのが「倍率」です。特に映像系やグラフィックアーツなどは極めて人気が高く、狭き門となっています。以下は、2025年度一般選抜における主要学科の最新倍率データです。

▼学科別 入試倍率(2025年度 一般選抜)

学科名倍率合格者数受験者数
映像(学部統一)9.2倍15人138人
油絵-グラフィックアーツ7.0倍20人140人
彫刻7.1倍16人113人
基礎デザイン(3教科)7.5倍35人263人
視覚伝達デザイン5.1倍129人663人
油絵-油絵4.6倍109人498人

引用:河合塾

倍率が高い学科は、単に「画力」だけでは突破できません。デッサン力のほか、発想の独創性や構成力、審査員に伝わるコンセプト構築力など、多面的な評価が求められます。志望する学科の過去課題や合格作品を研究し、自分の強みを活かす対策が必要です。

一般入試と共通テスト利用の違いを比較!どっちが有利?

武蔵野美術大学では、「一般選抜」と「共通テスト利用入試」の2つの方式が用意されています。それぞれで求められるスキルや配点の重点が異なるため、自分の強みに応じて戦略を立てることが重要です。

▼入試方式の比較表

入試方式主な対象学科試験内容実技試験有利なタイプ
一般選抜視覚伝達デザイン、油絵、日本画など学科試験(国語・英語)+実技(デッサン・着彩等)あり(配点高)実技が得意な人
共通テスト利用芸術文化、デザイン情報、クリエイティブイノベーションなど共通テスト(国・英・数・理・社から選択)なし実技に自信がない人、学科で勝負したい人

たとえば、「芸術文化学科」や「クリエイティブイノベーション学科」では、共通テストだけで合否判定されるため、実技が苦手な受験生にもチャンスがあります。

一方で、「視覚伝達デザイン」や「油絵」などは実技の比重が大きいため、表現力や構成力が問われる一般入試が基本です。どちらが有利かは、自分の得意分野と志望学科に合わせて選ぶのがポイントです。

実技試験の配点と対策法は?デッサン力だけじゃない合格のコツ

武蔵野美術大学の実技試験は、学科によって出題形式や配点が異なりますが、共通して「観察力・構成力・発想力」が重視されます。特に視覚伝達デザイン学科では、デッサンに加え、独創的なアイデアと構図の巧みさが問われる「平面構成」などの課題が多く見られます。

▼実技試験の配点目安(例:視覚伝達デザイン学科)

試験科目配点割合評価のポイント
実技(デッサン・構成)約70%観察力・構成力・独創性
学科(国語・英語)約30%読解力・語彙力

合格のための対策ポイント

  • 合格作品の研究:大学公開の優秀作品を分析し、どこが評価されているのかを理解する
  • 毎日のデッサン:観察力と表現力の基礎固めに不可欠
  • 課題練習の幅出し:複数の構成課題やテーマに取り組み、発想力を磨く
  • 作品説明力:入試では作品の「意図」を問われる場面もあり、言語化能力も大切です

「うまい絵」だけではなく、「伝わる作品」を意識することが、ムサビ合格への最大の鍵となります。

通信教育課程はどう違う?難易度とメリット・デメリット

武蔵野美術大学の通信教育課程(通称:武蔵美 通信)は、通学が困難な社会人や地方在住者にも人気です。通学課程と同様に学士(芸術)の学位が取得でき、学習内容も共通点が多いですが、学習スタイルやサポート体制に違いがあります。

▼通学課程と通信課程の比較表

項目通学課程通信課程
学習形式対面授業・演習中心自宅学習+課題提出+スクーリング
年間学費約180万円約30〜35万円(学科により異なる)
難易度(卒業率)高(約70〜80%)やや低め(約30〜50%)
メリット指導が直接受けられる、人脈が広がる時間の自由度が高く、学費が安価
デメリット通学必須で費用負担が大きい自己管理が必要、実技のサポートが限定的

「通信だから楽」という認識は誤解で、計画的な学習と高いモチベーションが不可欠です。自己管理が得意な方や、働きながらでも芸術を学びたい方には最適な選択肢といえるでしょう。

「レベルが低い」は誤解?実技重視の評価基準とは

一部ネット上では「ムサビはレベルが低い」といった声も見られますが、それは偏差値だけを基準にした誤解です。ムサビの真価は、創造力・表現力・技術力といった“実技重視の選抜”にあります。

一般大学と違い、偏差値だけで評価しづらいのが美術大学の特性です。実際に、業界で活躍する卒業生の数や、就職先の実績はそのレベルの高さを物語っています。

「偏差値では測れない実力」を重視するのがムサビの教育方針であり、学生の評価も「作品がすべて」と言ってよいほどです。

総括:武蔵野美術大学はすごい&難しい

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 偏差値は42.5〜55.0で美大トップクラス
     特に視覚伝達デザインや油絵グラフィックアーツ専攻は高偏差値(引用:スタディサプリ進路)
  • 「五美大」の中で東京藝大に次ぐAランク
     多摩美術大学と並ぶ“実力派ツートップ”と評価されている
  • 有名卒業生が多数活躍
     奈良美智、佐藤可士和、細田守、リリー・フランキーなど、業界をリードするクリエイターを多数輩出
  • 就職率90%超、進路は一流企業多数
     任天堂、電通、TOPPAN、カプコン、NHKなどクリエイティブ系大手企業への実績多数(引用:パスナビ)
  • 学園祭「ムサビ芸祭」が人気イベントに
     作品展示やパフォーマンスがSNSでも話題、企業視察もあるレベル
  • キャンパス設備がハイレベル
     3Dプリンタや大型工房、映像スタジオなど制作環境が整っており、創作に集中できる
  • 「お嬢様大学」の印象は一部のイメージ
     実際は奨学金・バイト併用の学生も多く、実力主義の風土が強い
  • 入試は偏差値だけでなく実技が重要
     偏差値が高い学科は倍率も高く、構成力・発想力が合否を分ける
  • 一般選抜と共通テスト利用が選べる
     実技が得意なら一般、学科勝負なら共通テスト方式が有利
  • 通信課程は学費が安く自分のペースで学べる
     一方で自己管理力と継続力が求められる
  • 「レベルが低い」は誤解。作品重視の大学
     偏差値ではなく実力で評価されるため、創造力と表現力が求められる

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