「至学館大学はやばい?」
「Fランで恥ずかしいって本当?」


そんな不安や疑問を感じている受験生や保護者の方も多いのではないでしょうか。ネット上では偏差値や過去の事件を理由にネガティブな声も見られますが、それが本当に正しい情報なのかどうかは、事実を丁寧に見ていく必要があります。

本記事では、至学館大学が「やばい」「Fラン」と言われる背景や実態、そして学びの魅力や実績について、信頼できるデータや口コミをもとに検証していきます。

至学館大学はやばいって本当?ネット上の評判と真相

ネット検索で「至学館大学 やばい」と調べると、事件や偏差値に関する噂が多数ヒットします。しかし、それらはすべてが事実とは限りません。ここではSNSや掲示板、報道記事などをもとに、「やばい」と言われる原因を丁寧に掘り下げ、実態を冷静に検証していきます。

至学館大学が「やばい」と言われる理由

至学館大学が「やばい」と言われる背景には、以下のような主な3つの要因があります。SNSや掲示板の口コミを中心に整理すると、実際に在学生・卒業生が感じた体験に基づく声が多く、一定のリアリティがあります。

指摘される要因内容の詳細ネット上の声の例
偏差値の低さ河合塾によると偏差値はBF〜40.0とされ、一部で「Fラン」と誤認されることも。「この偏差値で就職大丈夫?」「名前を書けば入れるって噂…」
パワハラ報道2018年のレスリング部に関するパワハラ問題が大きく報道され、学長の発言も注目された。「学長会見がやばかった」「大学の印象が悪くなった」
通学環境への不満最寄駅のJR「共和駅」から徒歩20分。無料スクールバスはあるが本数が限られる。「駅から遠すぎて通学が大変」「バスの本数少ない」

ただし、「至学館大学=やばい」という評価がすべての学生に当てはまるわけではありません。実際には「礼儀正しい学生が多い」「部活が充実している」といったポジティブな声もあり、個々の価値観により大きく印象が変わる大学だと言えます。

パワハラ問題と学長会見が話題に:至学館大学が炎上した過去

至学館大学が全国的に「やばい大学」として注目されたきっかけは、2018年の女子レスリング界でのパワハラ問題です。金メダリスト伊調馨選手が、至学館大レスリング部監督・栄和人氏からパワハラを受けたとする告発に端を発し、大学側の対応が批判されました。

特に谷岡郁子学長(当時副学長兼レスリング協会副会長)の記者会見が逆効果に。伊調選手に対し「選手なんですか?」という発言や、「怒りは沸点に達した」と語る姿が報道され、SNSで一気に炎上しました。

日時出来事世間の反応
2018年3月1日「週刊文春」でパワハラ告発が報道メディア各社が追随し大騒動に
2018年3月15日谷岡学長が記者会見「逆ギレ会見」としてSNSで拡散
2018年3月下旬〜ワイドショーやニュース番組が連日報道「至学館大学=やばい」が定着

この騒動以降、受験者数は前年から142人減少(1472人→1330人)し、大学ブランドへの影響が見られました。特に小規模校では、ネガティブなイメージが経営や志願者動向に直結しやすく、広報対応の失敗が大きなリスクになる典型例といえます。

偏差値はどれくらい?Fランと呼ばれる根拠はあるのか

至学館大学は、一部で「Fラン」と呼ばれることがありますが、その根拠は主に偏差値の低さにあります。河合塾によると、至学館大学の健康科学部の偏差値はBF(ボーダーフリー)〜40.0

特に「こども健康・教育学科」の一部日程ではBF判定となっており、偏差値が出ない=定員割れのリスクがある学科も存在します。

以下は、各学科の偏差値データです。

学科名日程偏差値
健康スポーツ科学科2科目型/3科目型/共通テスト+37.5〜40.0
栄養科学科すべての方式で共通40.0
体育科学科同上40.0
こども健康・教育学科3科目型:BF、他方式:37.5

引用:スタディサプリ進路

しかし、全学科がBFではない点に注意が必要です。40.0という偏差値は全国平均から見れば下位にあたりますが、これは主に「入りやすさ」を示す指標であり、教育内容や資格取得支援、就職実績とは切り離して考えるべきです。偏差値だけで大学の価値を決めつけるのは危険です。

Fランではない証拠は?共通テスト得点率・倍率を分析

「至学館大学はFラン?」と疑問を抱く声は少なくありませんが、共通テストの得点率や倍率データを見ると、その評価はやや早計と言えます。最新のデータによると、共通テスト得点率は53%~65%と、FランとされるBF(偏差値算出不能)大学より明らかに高い水準を示しています。

下記は主要学科の得点率と倍率例です。

学科名得点率(共通テスト+)推定倍率(目安)
健康スポーツ科学科58%~65%約2.0~2.5倍
栄養科学科56%~63%約1.8~2.3倍
こども健康・教育学科53%~60%約1.8~2.0倍
体育科学科62%~65%約2.2~2.5倍

加えて、同大学は定員割れも起こしておらず、高い就職率も維持しているため、Fランの典型的な条件に当てはまりません。偏差値だけを見て“Fラン認定”するのは誤りであり、教育内容や進路実績を含めた総合的な評価が求められます。

「先生が厳しい」「アクセスが不便」って本当?

至学館大学の学生による口コミは賛否が分かれています。主な評価を「授業内容」「教員対応」「アクセス環境」の3つに分類すると、以下のような声が見られます。

評価項目ポジティブな口コミネガティブな口コミ
授業の質少人数制で丁寧に教えてもらえる教員によって授業の質にばらつきがある
教員対応熱心に指導してくれる先生も多い出席確認がない授業では緊張感がない
アクセス大府駅から無料バスあり(約7分)バスの本数が少なく、待ち時間が長い

大学公式サイトでは「JR大府駅から無料スクールバスで約7分」と案内されていますが、学生の口コミでは「朝の時間帯に混雑し、乗れないことがある」という声もあり、実際のアクセス面ではやや不便さを感じている学生もいます。

このように、至学館大学の学生生活は教員や設備環境により大きく左右されていることがわかります。進学を検討する場合は、オープンキャンパスなどで実際の雰囲気を確認するのがおすすめです。

至学館大学の就職先はやばくない?むしろ高就職率を維持

「至学館大学=やばい」という評価とは裏腹に、就職実績は非常に堅調です。2024年3月卒業生の就職率は98.3%(就職者290人/就職希望者295人)、実就職率でも94.5%(就職者290人/卒業者318人)と、全国平均を上回る水準です。

特に注目すべきは、学生の専攻に沿った専門性の高い就職先が多い点です。以下は主な就職先の一部をまとめたものです。

就職先(抜粋)採用人数
愛知県教育委員会31人
幼稚園・保育所(公私立)21人
岐阜県教育委員会4人
三重県教育委員会4人
浜松市教育委員会3人
イトマンスイミングスクール2人
本田技研工業(Honda)1人
愛知県警察本部1人

引用:パスナビ

保育・教育・スポーツ・栄養分野など、学びを活かした就職が中心であり、「やばい大学=就職に弱い」というイメージとは無縁です。資格取得支援やキャリアガイダンスも充実しており、むしろ“面倒見の良い大学”として高評価されています。

至学館大学は本当にやばい・恥ずかしい大学なのか

「至学館大学は恥ずかしい」といったイメージを持たれがちですが、実際には多彩な学びと実績を持つ大学です。ここからは、大学の教育内容や特色、出身有名人など、ポジティブな側面に焦点を当て、真の価値を検証していきます。

至学館大学はどんな大学?歴史・特色・知名度を紹介

至学館大学は、愛知県大府市に本部を構える私立大学で、健康・スポーツ・栄養・保育などの分野に特化した教育を展開しています。前身は1905年創立の中京裁縫女学校で、女子教育の歴史と伝統を背景に、2005年に共学化、2010年に「至学館大学」へ改称されました。特に「人間力の形成」を教育理念に掲げ、専門技術だけでなく人格形成にも重きを置いています。

以下は、大学の基本情報と特色をまとめた一覧です。

項目内容
所在地愛知県大府市横根町名高山55
設立年1905年(前身創立)、2010年(至学館大学として改称)
教育理念人間力の形成
主な分野体育・健康・スポーツ・栄養・保育
スポーツ実績レスリング五輪金メダリストなど、全国レベルのアスリートを多数輩出
知名度スポーツ分野を中心に全国的な認知度あり

至学館大学は、体育系の強豪校としても広く知られ、五輪メダリストを多数輩出したことで、全国的にその名を知られるようになりました。特に健康・スポーツ・教育の領域で実践的な力を養う場として、独自の地位を築いています。

学部・学科構成と特色

以下に、至学館大学の学部・学科構成と主なコース、定員を一覧表でまとめました。

学部名学科名主なコース定員
健康科学部こども健康・教育学科保育・初等教育/初等・中等教育/こどもアミューズメント60名
健康科学部栄養科学科スポーツ栄養/臨床栄養/食育80名
健康科学部体育科学科トレーナー/競技スポーツ/スポーツ教育100名
健康科学部健康スポーツ科学科スポーツコーチング/ヘルスエクササイズ/スポーツプロデュース150名

アスレティックトレーナーや栄養士など多彩な資格取得が可能

至学館大学では、専門職に直結する国家資格・認定資格の取得支援が充実しています。健康・教育・スポーツ・栄養といった分野に対応したカリキュラムが整っており、資格試験対策講座や教員採用試験の支援体制も強化されています。2024年度には、教員採用試験合格者が34名(卒業生含む)に達しており、その実績は高く評価されています。

以下に、主な取得可能資格と対象学科の一覧をまとめました。

資格名対象学科備考
保育士資格こども健康・教育学科国家資格
幼稚園教諭1種免許状こども健康・教育学科教員免許
小学校教諭1種免許状こども健康・教育学科教員免許
栄養教諭1種免許状栄養科学科教員免許
管理栄養士国家試験受験資格栄養科学科国家資格
中・高保健体育教諭1種免許状体育科学科、健康スポーツ科学科教員免許
健康運動指導士健康スポーツ科学科公的認定資格

このように、至学館大学は「資格が取れる大学」としての実績があり、将来の職業に直結した進路形成が可能です。

有名人・オリンピック選手の出身校としての実績

至学館大学(旧・中京女子大学)は、スポーツ分野で全国的に知られる大学であり、数々の五輪選手やプロアスリートを輩出しています。特に女子レスリングでは、日本の黄金時代を支えた吉田沙保里選手伊調馨選手が卒業生として名を連ねており、大学のブランド力向上に大きく寄与しました。また、プロ野球やバレーボール、陸上などでも活躍する卒業生が存在します。

以下に主な著名卒業生の一覧をまとめます。

氏名職業・分野卒業学科(大学)
吉田沙保里レスリング(五輪金3回)健康スポーツ科学科(中京女子大学)
伊調馨レスリング(五輪金4回)健康スポーツ科学科(中京女子大学)
伊調千春レスリング(五輪銀2回)健康スポーツ科学科(中京女子大学)
土性沙羅レスリング(五輪金1回)健康スポーツ科学科(至学館大学)
小原日登美レスリング(五輪金1回)健康スポーツ科学科(中京女子大学)
今井美希陸上(シドニー五輪)健康スポーツ科学科(中京女子大学)
奥田実里元プロ野球選手中京女子大学
榊原梨奈プロ野球選手至学館大学
岡本祥佳バレーボール選手健康スポーツ科学科(至学館大学)
唐見実世子自転車競技(五輪出場)中京女子大学

このように、至学館大学は「アスリートの登竜門」とも言える存在です。とくにスポーツ指導者やトレーナー、競技者を目指す学生にとって、これらのOB・OGの実績は非常に大きなモチベーションになります。

生理セミナーなど独自の教育実践も注目されている

至学館大学では、専門的な資格取得だけでなく、社会的感受性や共感力の育成にも注力した教育実践が行われています。とくに注目されたのが、2023年11月に開催された「生理セミナー」です。これはアスレティックトレーナー志望の学生を中心に、104名(男性59名・女性45名)が参加し、性の健康や配慮の重要性を学びました。

このセミナーは3部構成で、知識だけでなく実践的なディスカッションも取り入れた点が高く評価されています。

セミナー構成内容概要
第1部:基礎講義生理の基本知識やスポーツとの関係、「無月経」など健康へのリスクを解説
第2部:体験共有生理用品の実物に触れながら、吸水ショーツなどの最新事情を紹介
第3部:討論形式「生理のある選手への配慮」など3テーマでグループディスカッションを実施

参加者の92.6%が「男女の身体理解は重要」と回答し、健康支援職に必要な視点としての理解を深めました。

このような取り組みは、医療・教育・スポーツ分野での「人間力育成」に直結し、至学館大学の教育姿勢が単なる「知識詰め込み型」ではないことを証明しています。社会で必要とされる配慮や理解を養う実践型の学びが、学生の成長に繋がっているのです。

学生サポート体制や就活支援制度の充実度も高評価

至学館大学は、学生一人ひとりのキャリア形成を重視した手厚い就職支援制度を整えています。1年次から段階的に行われるキャリア支援プログラムが特徴で、就職活動前から将来を見据えた準備ができる体制が整っています。

こうした体制により、2024年3月卒業生の就職率は98.3%、実就職率は94.5%という全国平均を上回る高水準を達成しています。

支援制度内容・特徴
キャリアカウンセリング専門スタッフによる個別対応。履歴書添削や面接練習も実施
学科別進路支援ガイダンス学科の専門性に応じたキャリア形成のアドバイスを提供
インターンシップ支援業界体験の機会を紹介し、実践力と業界理解を深める
学内企業セミナー学内で企業が説明会を実施。学生と企業のマッチングの場を提供
就活対策講座(SPI・面接等)就職活動に必須のスキル習得を目的とした講座を継続的に開催

こうした制度は「誰でも内定が取れる」のではなく、「その人に合った進路を実現する」ための後押しであることが特徴です。専門カウンセラーとの連携により、就職先の選定や進学の相談まで幅広く対応しており、多くの学生が将来に対して前向きに歩める環境が整っています。

総括:至学館大学はやばい?恥ずかしい?まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 至学館大学が「やばい」と言われる主な理由は3つ
    • 偏差値がBF〜40.0と低く、「Fラン」と誤解されやすい
    • 2018年のレスリング部パワハラ騒動と学長の炎上会見
    • 通学アクセス(駅から遠くバスが少ない)への不満
  • 偏差値は低めだが、すべての学科がBFではない
    • 一部学科は偏差値40.0、得点率は53〜65%
    • 定員割れしておらず、倍率もおおむね2倍前後
  • 就職実績は優秀
    • 就職率98.3%、実就職率94.5%
    • 教育・保育・栄養・スポーツなど専門性に基づいた就職先が中心
  • 学部・学科構成は健康・保育・スポーツに特化
    • 健康科学部のみで4学科を設置し、実践的な専門教育を実施
  • 資格取得支援が充実
    • 教員免許、保育士、管理栄養士、健康運動指導士などが取得可能
    • 2024年度は教員採用試験合格者34名
  • 有名人・五輪選手の出身校
    • 吉田沙保里、伊調馨、土性沙羅などレスリングのトップ選手を多数輩出
  • 独自の教育実践にも注目
    • 生理セミナーなど、社会課題を扱う教育が評価されている
  • キャリア支援体制も手厚い
    • 個別カウンセリング、学内企業セミナー、SPI講座などを実施し高就職率を実現