「東海大学って、なんか恥ずかしいって聞いたけど本当?」
SNSや掲示板で、東海大学に対して「Fラン」「誰でも入れる」「就職できない」といった否定的なイメージが見受けられます。しかし、実際にデータや進路実績を見てみると、その印象は決して正しいとは言えません。
特に近年では偏差値や取り組み、評価の向上など「レベル上がりすぎ」と言われる要素も多く存在します。
この記事では、「東海大学は本当に恥ずかしいランクなのか?」という疑問に対し、偏差値・就職実績・学部ごとの差・大学の取り組みなどを徹底検証。受験生や保護者が安心して判断できるよう、正しい情報をお届けします。
東海大学は本当に“恥ずかしい”大学なのか

一部では「東海大学は恥ずかしい」という声が聞かれますが、その根拠は果たして確かなものなのでしょうか?まずはそのような意見の出どころや背景、学力や就職データなどの“事実”を確認していきましょう。
東海大学が「恥ずかしい」と言われる理由
「東海大学=恥ずかしい」といったイメージは、インターネット掲示板やSNSを中心に広まった偏見によるものが大きいです。たとえば受験掲示板では、「偏差値が低い」「Fランク大学」「滑り止めにもならない」といった辛辣なコメントが散見されます。
特に“誰でも入れる”という表現は、指定校推薦やスポーツ推薦での入学者が多いことが背景にあると考えられます。部活動が盛んな大学であるがゆえに、学力以外のルートで入学する学生が多く、その結果「学力が低い学生が多い」といった誤解が生じやすいのです。
しかし、これは大学全体の評価としては不公平です。たとえば東海大学医学部の偏差値は65(河合塾 2024年度版)であり、全国的に見ても高い水準にあります。学部間で偏差値に差があるのは事実ですが、「一部の学部だけを取り上げて全体を否定する」のは明らかなミスリードです。大学の実態を正しく評価するには、客観的なデータと複数の視点が必要なのです。
偏差値帯は本当に低い?学部ごとの偏差値一覧で評価
「東海大学は偏差値が低いから恥ずかしい」といった意見は一面的です。実際には、学部によって偏差値に大きな差があり、一概に評価できるものではありません。以下は、河合塾のデータを基にした2024年度の学部別偏差値一覧です。
東海大学 学部別偏差値一覧
学部名 | 偏差値(目安) |
---|---|
医学部 | 47.5~65.0 |
海洋学部(静岡) | 35.0~52.5 |
文学部 | 40.0~50.0 |
文化社会学部 | 37.5~47.5 |
理学部 | 37.5~45.0 |
情報理工学部 | 37.5~45.0 |
建築都市学部 | 35.0~45.0 |
政治経済学部 | 37.5~45.0 |
児童教育学部 | 40.0~45.0 |
体育学部 | 35.0~42.5 |
国際文化学部(北海道) | 40.0~42.5 |
教養学部 | 40.0~42.5 |
経営学部 | 40.0~42.5 |
情報通信学部 | 40.0~42.5 |
国際学部 | 37.5~40.0 |
法学部 | 37.5~40.0 |
農学部(熊本) | 35.0~40.0 |
文理融合学部(熊本) | 35.0~40.0 |
工学部 | 35.0~40.0 |
生物学部(北海道) | 35.0~37.5 |
健康学部 | 35.0~40.0 |
人文学部(静岡) | 37.5 |
観光学部 | 40.0 |
引用:スタディサプリ進路
上記のとおり、東海大学には偏差値65に達する医学部や、50を超える学科もある一方で、偏差値35前後の学部も存在します。こうしたばらつきは「大学全体が低レベル」という誤解を生む原因でもありますが、実際には“学部ごとに評価すべき大学”であるといえるでしょう。数字を根拠にした冷静な判断が重要です。
Fランクと言われるのはなぜ?東海大学の立ち位置
「Fラン大学」とは、予備校業界で一般的に使われる用語ではなく、インターネット上や一部のメディアで俗称的に使われる表現です。明確な定義は存在しませんが、「偏差値が35未満」「入試でほぼ全員が合格する」といった大学がそう呼ばれる傾向にあります。また、知名度が低い、就職に不利といったネガティブなイメージも含まれることが多く、差別的・蔑視的なニュアンスを含んでいるのが実情です。
東海大学は確かに、一部の学部で偏差値35程度のものが存在します(例:体育学部、農学部の一部など)。しかし、医学部のように偏差値65を超える難関学部もあり、学部間の偏差値の幅が非常に広い大学です。このような大学を一括りに「Fランク」とするのは、実態を正確に反映していないばかりか、大学や学生に対する誤解を助長します。
また、実際の入試では、評定平均の基準が設けられていたり、小論文や面接などの評価項目が課される推薦入試、複数科目を必要とする一般入試など、一定の学力と準備を求められるケースも多く見られます。したがって、「誰でも入れる大学」といったイメージは誇張であると言えるでしょう。
Fランクという言葉に惑わされず、学部ごとの入試要項や教育内容、実績を正しく理解することが大切です。レッテルよりも実態を見る視点が、進学先を選ぶうえでの判断力となります。
東海大学卒で就職できない?就職率・進路先から見る実力
「東海大学=就職できない」という噂がありますが、これは事実とは異なります。2024年卒(2023年4月〜2024年3月)の就職データをもとに分析すると、東海大学の全体的な就職実績は非常に良好です。全体では就職希望者5,612人中5,486人が就職しており、就職率は97.8%に達しています。
以下に学部別の就職状況を表にまとめました。
東海大学 学部別就職状況(2024年卒)
学部名 | 卒業者数 | 就職希望者 | 就職者 | 就職率(概算) |
---|---|---|---|---|
工学部 | 1,297 | 844 | 836 | 約99.0% |
医学部 | 186 | 183 | 183 | 100.0% |
観光学部 | 186 | 170 | 170 | 100.0% |
体育学部 | 455 | 382 | 378 | 約99.0% |
情報通信学部 | 299 | 228 | 227 | 約99.6% |
政治経済学部 | 416 | 378 | 367 | 約97.1% |
文学部 | 320 | 252 | 243 | 約96.4% |
その他(農・海洋など) | 複数 | 高水準 | 高水準 | ほぼ全学部で95%以上 |
引用:パスナビ
また、主な就職先にはANA(13名)、東京電力HD(9名)、日産自動車関連企業、星野リゾート、警視庁・県警など大手企業や公的機関が多数並び、分野を問わず幅広い進路が確保されています。とりわけ理系学部では大企業への就職が目立ち、文系も観光・教育・福祉分野などで堅調です。
したがって、「就職できない」という印象は、特定の掲示板や過去のイメージに基づいた誤解であると言えるでしょう。実際のデータを見ると、東海大学は十分に就職に強い大学の一つです。
「恥ずかしい」と感じるのはどの層?大学の序列意識と偏見
「東海大学が恥ずかしい」と感じる背景には、多くの場合“大学の序列意識”が関係しています。特に、難関私大とされる早慶・MARCHなどの出身者やその在学生の一部は、自らの大学を基準にして他大学を評価し、相対的に「格下」と見なす傾向があります。こうしたマウント構造は、SNSや匿名掲示板などで顕著に見られます。
さらに、企業の人事担当や親世代の中にも、「偏差値が高い大学=優秀」という旧来の価値観にとらわれている人は一定数存在し、その考えが若者にも影響を与えています。しかし最近では、学歴フィルターを廃止する企業が増え、面接では人物重視の傾向が強まりつつあります。個人のスキルや志望動機、主体性といった「人間力」が重視されるようになってきているのです。
「恥ずかしい」と感じるのは、あくまで他人との比較や偏見によるものであり、東海大学の実態や学生の努力とは本質的に無関係です。今後ますます、学歴ではなく“何を学び、どう行動したか”が評価される時代に変わっていくでしょう。
東海大学が恥ずかしいわけない!レベルは上がっている?

一昔前と比べ、東海大学の学力レベルや教育環境は着実に向上しています。ここでは、各学部の特徴、実績、独自の取り組みなどを通じて、東海大学の“レベル上昇”の実態を掘り下げていきます。
東海大学の学部数・規模の大きさが生む“レベル差”の正体とは
東海大学は、日本全国にキャンパスを構え、20以上の学部・学科を有する私立の総合大学です。このスケールの大きさが、学部ごとの偏差値の差、学生の学力層の幅広さを生む大きな要因となっています。実際、偏差値は35〜65と大きな振れ幅があり、インターネット上で「ピンキリ大学」といった表現がされるのもそのためです。
しかしながら、この“差”はネガティブなものだけではありません。海洋学部や建築都市学部、医学部などは、専門的かつ高度な教育・研究を行う学部として知られ、業界や学会からの評価も高いです。また、スポーツ推薦やAO入試で入学する学生も多く、偏差値に現れない才能や人間性を伸ばす環境も整っています。
つまり、東海大学の“レベル差”とは、学びの多様性を反映した結果であり、単一の基準で評価するのではなく、学部ごとの特色を正しく理解することが重要です。
東海大学医学部はむしろ難関?偏差値・国家試験合格率の実力
東海大学医学部は、「学費が高いだけでレベルが低い」といった誤解を受けることがありますが、実際には全国の私立医学部の中でも健闘している実力派の学部です。2024年時点の入試偏差値は65と高く、合格には難関国公立医学部と同程度の学力が求められます。
また、2025年に発表された医師国家試験合格率は93.2%で、全国平均を上回る結果を記録しています。さらに、教育環境も充実しており、24時間使用可能な学習スペースや最新の実験設備が整備され、学習への高いモチベーションが維持できる体制が整っています。
以下は、東海大学医学部の主なデータです。
項目 | 数値・内容 |
---|---|
偏差値(スタディサプリ進路) | 65 |
医師国家試験合格率(2025年) | 93.2% |
学費総額(6年間) | 35,518,200円 |
学費順位(私立医学部31校中) | 20位 |
1年次学費 | 6,473,200円 |
2年次以降学費(年額) | 5,390,000円 |
このように、東海大学医学部は学費こそ高めですが、それに見合うだけの難易度と教育体制を誇っており、「むしろ難関」と言える学部です。
文系学部も再評価されつつある?偏差値・カリキュラムの変化
かつては理系学部に注目が集まりがちだった東海大学ですが、近年では文系学部にも再評価の動きが見られます。とくに政治経済学部や文化社会学部などでは、国際的な課題を学ぶカリキュラムや、実践型の授業が増加。留学制度や異文化交流も推進され、就職先における評価も高まっています。
以下に、2024年度時点での主な文系学部の偏差値を示します。
学部名 | 偏差値(目安) |
---|---|
政治経済学部 | 37.5〜45 |
法学部 | 37.5〜40 |
文学部 | 40〜50 |
文化社会学部 | 37.5〜47.5 |
国際文化学部 | 37.5〜40 |
「文系=レベルが低い」といった先入観は過去のものであり、今では学びの質や将来の進路選択の多様性から、積極的に評価される傾向にあります。企業との連携やインターン制度も充実しており、実践力を磨く場として注目されています。
「チャレンジセンター」などユニークな取り組みで評価アップ
東海大学の特色ある取り組みの一つに「チャレンジセンター」があります。これは学生が自ら立ち上げたプロジェクトに対し、大学が活動資金や指導面で支援を行う制度で、学部を超えた協働や社会貢献型の活動が活発に行われています。
下記はチャレンジセンターの概要です。
項目 | 内容 |
---|---|
主な支援内容 | 活動資金提供・指導教員の配置・施設利用支援など |
対象 | 全学部の学生(チームでの応募可) |
代表的プロジェクト | 国際支援、地方創生、災害支援、環境保全など |
実績 | 起業、海外展開、ボランティア団体の設立など |
採択実績 | 文科省「特色ある大学教育支援プログラム」選出 |
学生の自主性と創造力を引き出すこの制度は、単なる課外活動にとどまらず、キャリア形成や社会貢献の第一歩となっています。「大学で何をするか」が問われる現代において、こうした取り組みは東海大学のブランド力を高める要因となっています。
進学先・志望者のレベルは?滑り止めから第一志望へ変化中
かつて東海大学は、「日東駒専よりやや下」「滑り止めの私大」といった位置づけで語られることが多くありました。しかし近年はそのイメージが変化しつつあります。実際に、総合大学としてのスケール感、専門性の高い学部の充実、さらにグローバル対応の強化などが、第一志望としての選択理由になっています。
附属高校からの内部進学者が多い点も、東海大学の「安心して学べる環境」としての印象を支えています。大学側も、学内進学者を前提とした教育連携や進路指導を早期から実施しており、入学後の満足度にも繋がっています。
SNSや口コミでは、「偏差値で選ばなかったけど満足している」「施設も支援も想像以上だった」といったポジティブな声が増加中です。偏差値主義から脱却し、大学の“中身”を重視する受験生が増えている今、東海大学を第一志望にする人が増えるのは自然な流れといえるでしょう。
総括:東海大学は恥ずかしい?まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- 「東海大学=恥ずかしい」というイメージは、SNSや掲示板による偏見が多く、実態とは異なる。
- 偏差値は学部により差があり、医学部は偏差値65で難関。全体をFランと断じるのは誤り。
- Fランの定義自体が曖昧で差別的な言葉であり、大学全体の実態にはそぐわない。
- 就職率は全体で97.8%と高く、大手企業や官公庁などにも多数就職している。
- 「恥ずかしい」と感じるのは、他大学との比較や学歴序列意識によるもので、社会的な風潮とはズレがある。
- 学部数が多く、偏差値の幅が広いのは「多様な学び」を提供している結果でありネガティブではない。
- 医学部は国家試験合格率93.2%を記録し、学費に見合う実力がある。
- 文系学部もカリキュラムの充実や就職実績の向上により、再評価されつつある。
- 「チャレンジセンター」などの制度を通じて、学生の自主性や社会貢献が高く評価されている。
- かつて滑り止め扱いされていたが、今では第一志望とする受験生も増加中。