“教科書ガイドを使うのはずるい!”
こう言われてしまう理由は何でしょうか?
教科書ガイドを使うと、数学の問題の答えが分かってしまったり、英語の教科書訳が文法を理解していなくても書けてしまいます。
例えば学校の英語の課題で「本文解釈」が出たとしたら、教科書ガイドの訳を使えば美しすぎる翻訳が出来てしまいます。
もしこの課題が内申点に反映されるとしたら、高校受験ではアドバンテージを得ることになります。
しかしこれは、その子本来の実力ではなくチートです。
この辺りに、教科書ガイドがずるいと言われてしまう理由があります。
本記事では、教科書ガイドがずるいと言われる理由を徹底解説します。
また、教科書ガイドを使う上での注意点についても解説します。
教科書ガイドがずるいと言われる理由まとめ
「教科書ガイドがずるい」というのは、昔からよく言われることです。
しかし、なぜ教科書ガイドはずるいと言われるのでしょうか?
ここでは、教科書ガイドがずるいと言われる理由について、現役の塾講師が思うことを紹介します。
ずるい理由①:抜け駆けしている感がすごい
1つ目は、感情論的な側面。
そもそも、教科書ガイドは学校で配られるわけではなく、各自必要とする人が自腹で購入するものです。
そうなると、持っている人と持っていない人で生徒が分断されます。
そして、持っている人は教科書ガイドを使用して学習や課題を有利に進めることが出来てしまいます。
この辺りに、「平等性が欠けている」という心情が入り、ずるいと揶揄されてしまうのは至極当然のように思えます。
ずるい理由②:ご家庭の経済格差の問題
2つ目は、金銭的側面から見た不公平さです。
そもそも教科書ガイドは、一般の参考書や問題集に比べて非常に高いです。
結構太さのある参考書ですら、せいぜい1冊2000円以下ですよ。
中学生の英語学習に最適なおすすめ参考書の「ニューコース英語」ですら、1650円で買えます。
こうやって比較すると、教科書ガイドがいかに割高かよく分かります。
当然ですが、これを全教科揃えたら一気に数万円の出費です。3年間それをすれば、教科書ガイド代だけでも5万とかになります。
つまり、金銭的にある程度余裕のあるご家庭しか、わざわざ教科書ガイドを買おうと思わないでしょう。
この辺り、家庭の金銭状況における格差が生じてしまうことは言わずもがな…
お金持ち家庭に対するヘイトが、「教科書ガイドがずるい」という言葉に反映されている側面もあります。
ずるい理由③:課題を楽に終えることが可能だから
教科書ガイドは、「チート感満載のアイテム」です。
特に、国語の古典と英語の2ジャンルにおいては、完全にチートです。教科書ガイドには、教科書の本文に載っている文章は全て訳が書かれています。
中学生にせよ高校生にせよ、教科書ガイドを購入する人は、古典と英語の本文訳をするために高いお金を払っているのが実情です。
逆に言えば、自力では解釈ができないから教科書ガイドを使ってチートをしているわけです。ここに、教科書ガイドがずるいと言われてしまう最大の理由があるのでしょう。
教科書ガイドを使うことで、学校の課題なども労力を使わずに実行することが可能になります。
教科書ガイドを持っていない人・買ってもらえない人からすれば、ずるいと言いたくなるのも分かります。
ずるい理由④:内申点アップのためのチートアイテムになる
教科書ガイドを使うことにより、内申点を上げに行くこともできます。
例えば、学校の課題で英語の教科書本文訳などが出されたとしましょう。そして、提出された成果物に対してA〜Cなどの評価が付くとします。
中学生の場合、これらは「主体的に取り組む態度」「知識理解」などの通知表の評価項目に反映されます。
そうなると、教科書ガイドを駆使して内申点を上げに行くこともできます。教科書ガイドがない人は、自力で頑張った分の評価しかもらえません…
内申点比率の高い県の場合は、高校受験の結果にも影響を与えます。
自塾がある兵庫県なんて、公立高校受験はほとんど内申点で決まってしまいます。そうなると、教科書ガイドを使ってでも内申点を上げようと考える保護者・生徒が当然出現します。
教科書ガイドはずるいのか?教科別の使い方と注意点
教科書ガイドは、ずるいと言われても仕方のないアイテムです。
また、使い方を間違えば、子供の学力を爆下げしてしまう悪魔のアイテムでもあります。
そこで、教科書ガイドを実際に使う際の注意点についてまとめます。教科ごとに使用する際のポイントをお伝えします。
英語の教科書訳をする際のポイント&注意点
中学生の場合、教科書ガイドを最も必要とする教科は「英語」です。
特に、教科書本文の中に載っている長文読解(NEW CROWNなら「Use Read」)で使用する人が多いです。
教科書ガイドを使えば、英単語や英文法、品詞分解ができない子でも、何となく訳が出来てしまいます。
しかし、この勉強で英語力が上がるわけもないです。せいぜい定期テスト前に意味もわからず日本語訳だけ読み込み、その場しのぎをする程度です。
受験で出される初見の長文などは読めるわけもなく、中3に近づくにつれて駆逐される受験生となります。
では、教科書ガイドを使うとして、どうやって使えば英語力上達が見込めるか?
まず、英単語帳は絶対に1冊買ってください。自塾でも中1の段階で、全生徒に「ターゲット」を購入してもらっています。
 ポチップ
ポチップ英単語帳は、中3までずっと使えるので、なるべく早い段階で購入した方が得です。教科書の本文訳をする際は、必ず英単語帳を横に置かせて、分からない単語を調べる習慣を作るのがコツです。
間違ってもここでスマホを使って調べさせるなどさせてはいけません。脳が破壊されます。集中力も上がりません。
また、上位層に関しては、中学生のうちから英熟語帳も側に置いておくのがおすすめです。
 ポチップ
ポチップ次に、文法の解説が載っている参考書もできれば机の上に置かせてください。塾用のワークでもOKですが、低学力層はそれでも理解できないことが多いです。
その場合は、先に紹介した「ニューコース英語」の参考書(※問題集ではない)を使いましょう。かなり分かりやすく文法が書かれています。
なお、英語においては現在の学年よりも下の学年の参考書も必ず購入してください。
中2の教科書訳をする際にも、中1の英文法の知識を使いまくります。英語ができない子は、決まって全学年の内容が頭に入っていません。
必ず、文法の解説が全て網羅されている参考書とセットで使いましょう。
数学の教科書ガイドは購入推奨:全くずるくない
数学に関しては、必要に応じて教科書ガイドを使用しましょう。
そもそも数学の教科書は、説明が非常に分かりずらく、苦手な子は読んでも理解できないことも多いです。
教科書ガイドは、教科書内容をさらに深掘りして説明してくれているので、教科書と併用するには相性抜群の教材です。
また、教科書には「章末問題」が載っていますが、教科書には答えしか載っておらず、解説が書かれていません。
章末問題は難易度も高く、定期テストにそのまま出題する先生もいます。そのため、ぜひ対策しておくべき問題集と言えます。
上位層の子であっても、章末問題の解説書として教科書ガイドを使うのは何ら問題ないと思います。
理科の教科書ガイドもおすすめ
 ポチップ
ポチップ次に、理科の教科書ガイドについて。
理科の教科書ガイドですが、買っておいて損はないと思います。
理由は、数学同様に章末問題を解く上で非常に役に立つからです。正直自分の感覚では、理科の定期テストは章末問題からかなり多く出題されています。
どの教科よりも、理科の章末問題は良問が多く、それゆえ学校の定期テスト対策に持ってこいです。
自塾でも、学校ワークと塾ワークをやらせたら、章末問題までテスト対策で解かすことがあります。塾講師目線で見ても、理科の教科書問題はいい問題です。
ただ、数学と同じで教科書には章末問題の解説が記載されておらず、教科書ガイドを頼るしかありません。
ゆえに、理科の教科書ガイドは「無いと困るアイテム」とも言えます。
社会の教科書ガイドはお金の無駄です
社会に関しては、教科書ガイドは正直不要です。安ければ買ってもいいのですが、値段に見合ったものとはぶっちゃけ思えないです。
理由は、「教科書そのものが微妙だから」です。
社会の教科書って、一部の子を除けば本当に読みづらく、脱落者を量産するテキストです。使用されている言葉が難しく、語彙力がない子供は読めません。
よって、社会のテキスト学習は市販の参考書のほうがよほどいいです。塾のテキストよりも、市販の参考書のほうがいいです。
おすすめの参考書は、ニューコースです。結局、全てにおいてニューコースの参考書は分かりやすいです。
自塾の本棚にもニューコースを置いていますが、教科書よりも圧倒的に読まれています。中学生向きに噛み砕いて書かれているのがいいのです。
なお、これでも理解できない子は、漫画学習に持っていくか、NHKの動画教材(※小学生用のもの)などを見させるのがいいでしょう。
国語の教科書ガイドは古典学習の際に使える
最後に、国語の教科書ガイドについて。
国語の教科書ガイドが活きるのは、古典学習と文学作品(和歌俳句など)の解釈です。
正直、中学の古典はほとんどが暗記ゲーです。古文単語も助動詞もやらないに等しいので、教科書が全てみたいなところがあります。
なので、定期テストの点を取って内申をあげるのなら、教科書ガイドは最強のお助けアイテムと言えます。
もちろん、これだと受験国語への対策が不十分になります。
もし受験国語の古典まで取ろうとするのなら、最低限の古典文法に関しては薄い問題集でいいので1冊こなしておいたほうがいいです。
中学生であれば、「高校入試 とってもすっきり 古文漢文」が一番取り組みやすいと思います。上位層の生徒もこの1冊でOKでしょう。
どうしても読解対策までしないと不安って人は、市販であれば以下の問題集をやっておくのがおすすめです。
 ポチップ
ポチップこれ以上やろうとすると、入試過去問を練習すればOKなので、全国高校入試問題正解などに取り組みましょう。
 ポチップ
ポチップまとめ:教科書ガイドはずるいのかどうか徹底解説
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
教科書ガイドがずるいと言われる理由
- 抜け駆け感がある- 持っている人と持っていない人の間で不公平感が生まれる。
- 購入するのは各家庭の判断であり、全員が平等に利用できない。
 
- 家庭の経済格差の影響- 教科書ガイドは高価(1冊約3,300円)で、全教科揃えると数万円の出費になる。
- 金銭的余裕がある家庭しか購入できない。
 
- 課題を楽に終えられる- 特に英語や古典では、翻訳が記載されており、学力を伴わず課題をこなせる。
- 自力で勉強する人にとって不公平に感じられる。
 
- 内申点アップのチートになる- 教科書ガイドを使うことで、課題やテスト対策が効率化し、内申点を上げやすい。
- 内申点比率が高い兵庫県では特に問題視される。
 
教科別の使用方法と注意点
- 英語- 教科書ガイドを使う場合、英単語帳や文法解説書を併用し、理解を深める必要がある。
- スマホでの調べ物は推奨されず、手書きでの学習が効果的。
 
- 数学- 教科書ガイドの購入は推奨される。教科書の章末問題の解説が詳しく、定期テスト対策に役立つ。
- 「上位層」でも解説書として使用する価値がある。
 
- 理科- 数学同様、教科書ガイドの利用が有効。章末問題の解説が充実しており、定期テスト対策に役立つ。
 
- 社会- 教科書ガイドは不要。市販の参考書(例:ニューコース)が分かりやすく、効果的。
 
- 国語- 古典学習では役立つが、現代文にはあまり向いていない。
- 古文単語帳や文法問題集を併用して学習を補う必要がある。
 
結論
- 教科書ガイドは「ずるい」と言われるが、適切に活用すれば学力向上に役立つ。
- ただし、単独で使用すると学力が低下する可能性があるため、他の教材との併用が推奨される。
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※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
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