壊滅的に英語ができない…

そんな中学生は今この日本中にわんさかいることは間違えありません。最新の学録調査では、全体的な学力がガクンと下がりましたが、中でも英語の下落幅は過去最大でした。

つまり、英語ができない中学生が過去最大級に溢れかえっていることになります。

しかし、英語ができないというのは、英語という単一の科目だけの問題ではありません。なぜなら、「英語ができない=受験を突破できない」とイコール関係が成立してしまうケースが多いからです。

本記事では、英語が壊滅的にできない中学生は勉強の道を諦めるしかないのか?という現実的なテーマに切り込んでいきます。

現代の受験制度:英語ができないことは致命傷

まず、英語が壊滅的にできないことがなぜマズいのかを改めて整理していきましょう。

結論、「高校受験も大学受験も何だかんだで英語ゲーと言わざるを得ないから」です。

高校受験は英語の出来不出来で志望校の下限が決まるもの

高校受験の場合、私立にせよ公立にせよ、受験科目に英語がないケースというのはかなりレアです。私立で理科社会を免除する入試方式はあっても、英語を免除するケースはかなり少ないです。

仮に英語を免除している場合、そもそも論として学力検査を事実上行わない学校である可能性が極めて高いでしょう。要するに、私立の最も下のコースです。このコースは、公立受験をするには絶望的に内申点も学力も足りない子が集まります。

だから、学力検査は形だけであるケースが多いです。一応、国語と数学はテストしたりしますが、大半は私立専願で受けている子のための受験ですから、推薦をもらった時点で99%合格する出来レースです。

しかし、今回はそういうレベルの高校は一旦横に置いといて、ある程度偏差値がまともに機能している(競争が生じている)学校の話をしていきます。

まず公立高校の場合ですが、やっぱり英語が得意な子が受験有利と言わざるを得ないです。理由は、「受験科目の中では英語が最も得点差がつくから」です。

公立高校の受験の場合、県によって問題は異なりますが、どの県でもほぼ間違えなく共通していることがあります。それが、「英語は高得点を取りやすいが、数学は高得点が取りずらい」ということです。

もちろん得意不得意の問題はありますが、個別の変数を除外した時、受験生全般で見ればそういう傾向があることは間違えないです。実際に教育委員会が開示している受験結果を見ても、80点以上の高得点者の割合は英語の方がダントツで高く、数学はダントツで低いです。

自塾のある兵庫県でも、英語で80点以上の生徒は約14%程度ですが、数学で80点以上の生徒は全体の約3%程度です。

だから、「志望校の下限は英語の出来不出来で決まり、上限は数学の出来不出来で決まる」と言われやすいです。

特に偏差値60以上の上位校の場合、英語は高得点が取れることを大前提にして受験戦略を考えないと厳しいです。理数系の科目で高得点を詰めない以上、英語ができないことは致命傷だからです。

よって多くの場合、英語ができない生徒は公立高校受験では厳しい結果になります。英語の不出来を他教科でカバーするというのは現実的ではないからです。

英語が壊滅的な中学生:受験英語は絶望的

ここまでは上位校を狙う場合の話をしましたが、英語が壊滅的にできない場合はもっと悲惨です。なぜなら、「苦手な子にとって、英語の点数を上げることはある意味一番難しいから」です。

英語の得点分布は非常に分かりやすく、高得点の生徒と壊滅的な点数の生徒に二極化しやすく、中間の得点レンジにいる生徒が他科目に比べて極端に少ないです。

実際の定期テストの得点分布などを見ても、その実態は如実です。真ん中の50点付近に谷があり、30点以下の層の方が全体の割合が多く、20〜29のレンジが最頻値。でも、70点以上の子が少ないかと言われるとそうでもない。

これはつまり、「できる子はとことん出来るけど、出来ない子はとことんできない」ことを意味しています。だから、英語が壊滅的な子の受験英語の得点はまず間違えなく壊滅的になります。英語は、ある意味では真ん中ぐらいの点数を取ることが一番難しい教科です。できる子は真ん中ではなく高得点になりやすいし、出来ない子は真ん中まで上がらず、極端に低い点数になる教科なのです。

そして、定期テストですらこんな状況なんですから、受験であればさらに二極化しやすいことは安易に想像できるはずです。

理由は、「数学の小問集合のように、稼げる大問がないから」です。

受験数学の場合、高得点は難しいですが、サービス問題も結構多いです。最初の小問集合(計算の寄せ集め)や、各大問の(1)などは非常に正答率も高く、対策すれば再現性高く得点できます。だから、数学は意外と壊滅的な点数にならない。一定の得点までなら対策が効きます。

でも、英語はそういうサービス問題がない。

ほとんど全てが長文問題に集約されており、取れるところだけ取るという概念がほとんど成立しないです。文章読解がサッパリの場合、簡単な設問など1問もないとも言えます。

だから、英語は仮に対策しても得点できるまでの距離が非常に遠いです。

結局は読解ができるレベルまで上げ切らなければ、何も対策していない子と大差がありません。しかも、莫大な英単語を覚え、それを維持し、その上で国語的な読解力が一定レベルあることを求めてきます。

そういう意味では、国語力や記憶力なども求められます。だから、勉強が苦手な子にとっては、英語という教科は悪魔のような教科と言えるのです。ちょっとやそっと頑張ったぐらいでは、点数に全く反映されないと思ってください。

しかし、英語で30点以下とかになるのであれば、高校受験ではまともな偏差値のついている高校への進学は絶望的になります。だから、英語が壊滅的=受験が壊滅的という方程式がどうしても成立してしまいがちなのです。

これを覆せるケースは、英語以外の他教科でよほど点数を稼いでいるか、内申点がよほど高いかぐらいです。

大学受験でも結局は英語ゲー

なお、仮に高校受験でワンチャン奇跡が起こって逆転合格しても、英語ができないというのはやはりその後の受験でハンデが大きすぎます。

ワンチャン奇跡合格というのは、公立高校の推薦入試とかです。学力的には明らかに不足していても、面接などで上手くいって実力不相応な高校に受かっているケース。あとは、実力不足で公立を断念して私立専願でコースアップして受かるケース。最近はこのケースが多いですが、正直悲劇の始まりです。

まず大前提、大学受験については、高校受験よりも英語ゲー要素が強すぎます。

文系理系関係なく英語は原則として必須科目になり逃げられません。さらに、英検による加点や科目免除など優遇措置も多く、何かにつけ英語力が問われます。

仮に英語が嫌いだから理系に進み、理科数学だけで受験できるような学校を探すとしても、それはそれで茨の道です。なぜなら、高校数学は中学数学とは比べ物にならないレベルで難しいからです。

そして何より理科数学だけで受験できる大学でまともな大学なら、それなりに理科数学が”特に”得意だったというスペシャリストが集まってしまい、理数系の頂点を極めたような入試になることが想像できるはずです。

だけど、英語に比べて数学や理科の方がマシな程度の生徒がその水準の高度な試合に参入できるとは思えません。

「英語よりも理数系の科目の方が得意だった」というレベルで理系を選べば、十中八九後悔します。高校レベルの理系科目はその程度の得意では太刀打ちできません。

ワンチャン行けるのは、中学時代に英語は壊滅的だったけど、数学だけは毎回100点近い点数をとっていたみたいな子です。

こういう子は意外といるんですよね。数学だけは勉強の中でも特殊な科目で、「数学適正」という言葉があるように、露骨に向き不向きが出てしまいます。だから、本当に得意な子は得意になりやすいです。

でも、このレベルの数学力はある子は、基本的に勉強全般が得意な子に多いです。だから、英語は壊滅的だけど数学だけはお化けみたいなケースはほぼ外れ値とみなすべきです。参考にしてはいけません。

話が脱線しましたが、結局は大学受験もまた英語ゲーです。

文系なら英語はできて当たり前だし、理系でも理数科目だけで乗り切れるほど受験の世界は甘くないです。だから、英語が出来ない生徒が大学受験をすれば、Fラン進学一直線です。

これを避ける唯一の道が推薦入試です。結局英語が苦手な子は高校受験でも大学受験でも推薦にワンチャン賭けるしかない生徒なのです。賭けに負ければFランです。

どうしても英語ができない中学生は勉強の道を諦めるしかないのか

基本的に、英語が出来ない子にとって、受験という競技は酷です。

やはり現代の受験システムは英語が出来る子に有利なように出来ており、英語が出来ないというのは話にならないからです。だから、「英語が壊滅的に出来ない時点で勉強の道を諦めるのは決して間違えではない」というのが自分の意見です。

そのぐらい、英語が壊滅的な生徒は受験勉強に不向きだからです。

それに、英語という教科をやらせると、その子の勉強適性みたいなもの全般がおおよそ見えます。(※理数系科目以外。)

英語という科目は、完全に総合格闘技です。

・暗記力(単語の暗記)
・読解力(長文問題)
・情報処理能力(図を見て判断系の問題)

の3つが露骨に試されます。

そして、これら3つは勉強適性を測定する上で外せない要素です。残りは、数学力という変数ですが、これらを合わせて「地頭」と定義してもあながち間違えではないと思います。

そうすると、英語が出来ない子というのは、この中のどれか・もしくは全てにおいて人よりも劣る可能性があるということです。

暗記力が弱ければ、社会や理科なども点数が取れないです。読解力が弱ければ、そもそも国語の文章題も取れていないです。情報処理能力が弱い子は、時間内に問題を上手くさばく器用さに欠けてしまいます。

だから、英語が出来ない時点で勉強適性のいくつかを欠いている可能性は疑わざるを得ないです・

保護者の多くは「単純にサボっていただけ。やればできる子だと思うんです。やり方が分かっていないだけだと思うんです。」と口を揃えて言いますが、問題はそこまで単純ではないケースが大半です。

もし本当にそうなら、やればできますが、根本的に勉強適性が弱く、それが原因で英語が壊滅しているのなら、それはもう努力不足ではなく能力不足の可能性を考慮しなくてはいけない段階になります。

この場合、無理に勉強の道にひきづりこんでもろくな結果にならない可能性も高いです。子供時代の貴重な時間を無駄にするリスクがあります。厳しい話ですが、どこかで勉強の損切りをしないと、被害が思った以上に拡大してしまうものです。

総括:どうしても英語ができない中学生は勉強の道を諦めるしかないのかまとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 英語が壊滅的にできない中学生は全国的に増加しており、受験では致命的な弱点となる。
  • 高校受験では、英語の出来で志望校の「下限」が決まり、数学の出来で「上限」が決まる。
  • 英語は高得点を狙いやすく差がつきやすい科目であり、数学は高得点が取りにくい科目。
  • 英語が壊滅的な場合、他教科でカバーするのはほぼ不可能。30点以下では偏差値のある高校進学は絶望的。
  • 英語はサービス問題が少なく、長文読解中心で「できる子とできない子の二極化」が顕著。
  • 英語力は暗記力・読解力・情報処理力を総合的に要求し、勉強適性のバロメーターとなる。
  • 大学受験はさらに「英語ゲー」の傾向が強く、英語ができないとFラン進学コースになりやすい。
  • 英語が苦手な子が進学を狙うには、推薦入試に賭ける以外に道がない場合が多い。
  • 英語が壊滅的=勉強適性そのものが欠けている可能性があり、努力不足ではなく能力不足のケースもある。
  • 無理に勉強に引きずり込むよりも、損切り(勉強の道を諦める判断)をすることも現実的な選択肢となりうる。

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