今回は、数学の中でも「平方完成」をテーマに解説します。
「平方完成って難しそう」「試験で時間が足りなくなる」という声をよく耳にしますが、安心してください。今日はそんな悩みを一発で解消する「裏ワザ」をお伝えします。
具体例やテクニックを交えながら、初心者でもサクサク解ける方法を解説しますよ!では早速始めていきましょう。
平方完成裏ワザ:やり方公式をわかりやすく解説
平方完成とは、二次式を特定の形に変形することです。
たとえば、次のような式変形が平方完成です。
x² + 4x + 3 = (x + 2)² – 1
見ただけで「どうやるの?」と感じた方も多いと思います。
ここから、具体的な手順を丁寧に解説していきます。
一瞬で解ける!平方完成の裏ワザ【具体的手順を公開】
平方完成のポイントは、x の係数を半分にして 2 乗すること。以下の手順で進めてみましょう。
【例題1】
次の式を平方完成しなさい。
x² + 6x + 5
1.x の項を観察する
x の係数は 6 です。この半分は 3 ですね。この「3」を使ってカッコを作ります。
2.カッコの 2 乗を作る
カッコを作ると次のようになります。
(x + 3)²
ただし、このカッコを展開すると余分な定数「9」が出てきます。
(x + 3)² = x² + 6x + 9
この「余分な 9」を引いて帳尻を合わせましょう。
3.定数項を調整する
元の式に戻すため、「+5」を加えつつ「-9」を引きます。
x² + 6x + 5 = (x + 3)² – 9 + 5
4.最終結果
定数項を整理するとこうなります。
(x + 3)² – 4
これで平方完成が完了です!
裏ワザのポイントは、「x の係数の半分」と「カッコ内の調整項」を意識することです。
平方完成とは?基本概念をわかりやすく解説
平方完成とは、二次式を次の形に変形することを指します。
a(x – p)² + q
この形に変形すると、二次関数の頂点や値域が一目でわかるようになります。また、平方完成を使えばグラフの形が直感的に理解できます。
【例題2】
次の式を平方完成してみましょう。
x² – 4x + 7
1.x の項を分離する
x の係数は -4 なので、その半分は -2 です。この値を使ってカッコを作ります。
(x – 2)²
2.カッコの展開を考える
展開すると余分な「+4」が出ます。これを調整します。
x² – 4x + 7 = (x – 2)² – 4 + 7
3.定数項をまとめる
最終的にはこうなります。
(x – 2)² + 3
平方完成を使うと、頂点の座標が「(2, 3)」であることがすぐにわかります。
験で役立つ!平方完成を短時間で解くテクニック
試験では、時間との戦いですよね。平方完成を高速で行うテクニックを紹介します。
1.パターン認識を身につける
例えば、x の係数が偶数のときは「その半分の 2 乗」をすぐに計算できるように練習しましょう。
2.公式を使う
次の公式を覚えると便利です。
x² + px + q = (x + p/2)² – (p/2)² + q
【例題3】
公式を使って次の式を解いてみましょう。
x² + 8x + 15
公式に当てはめるとこうなります。
p = 8, q = 15
(x + 4)² – 16 + 15 = (x + 4)² – 1
最終結果はこうです。
(x + 4)² – 1
平方完成で役立つ計算テクニック
平方完成の計算を効率的に行うためのポイントやコツを解説します。
この「裏ワザ」を知ることで、計算がスムーズになるだけでなく、ミスも減らせます。
コツ1:x の係数を半分にして2乗するだけ
平方完成の中核は、xの係数を半分にして、それを2乗することです。この計算をスピーディに行うために、練習しておきましょう。
例:式:x²+6x+5の係数は 6 です。その半分は 3、そして 3 を2乗すると 9 になります。これを足して引けば準備完了です。
コツ2:分数が出てきたら分母を避けない
分数が苦手な場合でも、平方完成の仕組みは同じです。焦らずに計算を進めてください。
例: 式:x²+5/2x−1のxの係数は 5/2です。5/2の半分は5/4。これを2乗すると25/16です。
計算の流れ。
x² + 5/2x – 1
= (x + 5/4)² – 25/16 – 1
= (x + 5/4)² – 41/16
コツ3:負の係数を含む場合はマイナスをくくり出す
x の2乗の係数が負の場合、マイナスをくくり出して計算を進めるのがポイントです。
例:式:−2x²+8x−3であれば、まず −2くくり出します。
計算の流れ。
-2x² + 8x – 3
= -2(x² – 4x) – 3
= -2((x – 2)² – 4) – 3
= -2(x – 2)² + 8 – 3
= -2(x – 2)² + 5
これらのテクニックを使うことで、平方完成の計算がずっと楽になります!
平方完成でグラフの頂点を簡単に見つける方法
平方完成は、二次関数のグラフを描く際にも大きな力を発揮します。特に、グラフの頂点や軸を一瞬で求められる点が便利です。
頂点を求める流れ
平方完成を使うと、二次関数の頂点 (p,q)を簡単に見つけることができます。グラフの形や位置を素早く把握するために役立つスキルです。
例:<br> 式:y=x²−4x+7
手順:
1.平方完成を行う
y = x² – 4x + 7
= (x – 2)² – 4 + 7
= (x – 2)² + 3
2.頂点を確認する: 頂点は (p,q)の形における p=2, q=3です。
・頂点:(2,3)
・軸の式:x=2
グラフの形状を考える
平方完成後の式 y=a(x−p)²+qを見ると、以下のことが分かります。
- a>0の場合:下に凸の放物線
- a<0の場合:上に凸の放物線
上記の例では a=1>0なので、グラフは下に凸です。
平方完成の裏ワザを使いこなす:練習例題
平方完成を素早く行うためには、繰り返し練習が欠かせません。
ここでは、具体的な問題を用意し、解き方を詳しく解説します。
基礎練習問題
以下の問題を解いてみましょう。
問題1:x²+6x+8xを平方完成してください。
解答
x² + 6x + 8 = (x + 3)² – 9 + 8
= (x + 3)² – 1
問題2:2x²+4x−72を平方完成してください。
解答
2x² + 4x – 7
= 2(x² + 2x) – 7
= 2((x + 1)² – 1) – 7
= 2(x + 1)² – 2 – 7
= 2(x + 1)² – 9
このように、平方完成の練習を重ねることで、スピードと正確さが格段に向上します!
応用練習問題
ここでは、少し応用的な問題を解きながら、平方完成をより深く理解していきます。
問題1:分数が登場する例
式:x²+5/2x -3/4 を平方完成してください。
解答:
x² + 5/2x – 3/4
= (x + 5/4)² – 25/16 – 3/4
= (x + 5/4)² – 25/16 – 12/16
= (x + 5/4)² – 37/16
係数が負の例
式:−3x²+6x−5を平方完成してください。
-3x² + 6x – 5
= -3(x² – 2x) – 5
= -3((x – 1)² – 1) – 5
= -3(x – 1)² + 3 – 5
= -3(x – 1)² – 2
解説:
- −3をくくり出すと、カッコ内が x²−2 になります。
- x−1の形に持ち込むため、必要な数(この場合は 1)を足して引きます。
- 定数項を整理して完成です。
グラフの頂点を求める例
式:y=2²−4x+1を平方完成し、頂点を求めてください。
解答:
y = 2x² – 4x + 1= 2(x² – 2x) + 1
= 2((x – 1)² – 1) + 1
= 2(x – 1)² – 2 + 1
= 2(x – 1)² – 1
頂点:(1,−1)
解説:
- 平方完成の手順に従い、カッコの中を (x−p)²の形に整えます。
- 最終的な形から、頂点が (1,−1)であることがわかります。
二次関数のグラフを描いてみよう
平方完成を使って二次関数のグラフを描く方法を解説します。以下のステップに沿って進めましょう。
例題:y=−x²+4x−3のグラフを描く
1.平方完成する
y = -x² + 4x – 3
= -(x² – 4x) – 3
= -((x – 2)² – 4) – 3
= -(x – 2)² + 4 – 3
= -(x – 2)² + 1
頂点は (2,1)です。
2.軸と頂点を確認する
- 軸:x=2
- 頂点:(2,1)
- 開き方:a=−1なので上に凸。
3.グラフを書く
頂点を中心に放物線を描きます。x=1,3のとき y=0なので、この2点を通過します。
平方完成でよくあるミスとその対策
平方完成の計算で陥りがちなミスと、その防止策を紹介します。
ミス1:足すべき数を間違える
解決策:x の係数を半分にする計算を丁寧に行いましょう。
ミス2:符号ミス
解決策:負の係数がある場合、くくり出した後の符号に注意してください。
ミス3:定数項の整理ミス
解決策:最後の計算で分母をそろえるなど、計算手順を分かりやすくメモしておくと良いでしょう。
平方完成を完璧にマスターする練習法
平方完成を使いこなすには、練習が欠かせません。
以下の方法で習得を目指しましょう。
- 基本問題を繰り返し解く シンプルな例題を数多く解くことで、手順を体に覚えさせます。
- 複雑な問題に挑戦 分数や負の係数が含まれる問題で応用力を養います。
- 実際にグラフを描いてみる グラフと平方完成の関係を理解するために、手書きでグラフを描いてみましょう。
- タイムトライアルでスピードアップ 制限時間を設けて計算することで、スピードと正確さを鍛えます。
総括:平方完成の裏ワザ・やり方・公式まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
1. 平方完成の基本概念
- 二次式を特定の形(例:(x + p)² + q)に変形する操作。
- 頂点や値域を求める際や、グラフを描く際に便利。
2. 平方完成の具体的な手順
- 手順1: x の係数を半分にする。
- 手順2: 半分の値を2乗して足し引きする。
- 手順3: 因数分解して平方の形を作る。
- 手順4: 定数項を調整する。
3. 平方完成の公式
- x²+px+q=(x+p/2)²−(p/2)²+q
- 公式を使うと計算が簡略化できる。
4. 例題と解答
- 例題1: x²+6x+5x → 解答: (x+3)²−4
- 例題2: x²−4x+7 → 解答: (x−2)²+3
5. 計算テクニック・裏ワザ
- コツ1: x の係数を半分にして2乗する。
- コツ2: 分数の場合も同様に計算。
- コツ3: 負の係数はくくり出して計算を進める。
6. 平方完成の応用
- 頂点や軸を一瞬で求める方法。
- 頂点 (p,q)、軸の式 x=pを確認。
- グラフの形(上に凸/下に凸)を考慮する。
7. 練習問題と解答
- 分数や負の係数を含む問題も解説。
- グラフの描き方を平方完成と関連づけて練習。
8. よくあるミスと対策
- ミス1: 足すべき数を間違える → 計算を丁寧に。
- ミス2: 符号ミス → 負の係数に注意。
- ミス3: 定数項の整理ミス → 分母を揃えるなど注意。
9. 平方完成をマスターする練習法
- 基本問題を反復練習。
- 応用問題(分数や負の係数)に挑戦。
- グラフを実際に描いて理解を深める。
- 制限時間を設けて計算スピードを鍛える。