みなさん、こんにちは!塾長です。
「日本最古のお金って何?」と聞かれると、多くの人が「和同開珎(わどうかいちん)」と答えます。でも、実は教科書の内容が変わり、今では「富本銭(ふほんせん)」が最古のお金とされています。
「じゃあ、和同開珎って何だったの?」「富本銭はどこで使われたの?」と疑問がいっぱいですよね。
そこで今回は、富本銭と和同開珎の違いをわかりやすく解説します。歴史のテスト対策にもなるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
富本銭と和同開珎の違いを徹底解説!どっちが古い?

富本銭と和同開珎は、日本の貨幣の歴史を語るうえでとても重要な存在です。それぞれ作られた時代や目的が違うので、しっかり覚えておきましょう!
富本銭と和同開珎の違いは「発行時期」
まず、一番の違いは発行された時期です。
富本銭は683年(天武天皇12年)、和同開珎は708年(和銅元年)に作られました。つまり、富本銭の方が25年も古いのです。
しかし、ここで注意!富本銭は「本格的に流通した貨幣ではない」という点がポイントです。一方、和同開珎は全国で使われた日本初の流通貨幣です。つまり、「日本最古の貨幣」と「日本最初の流通貨幣」という違いがあります。
富本銭は本当に貨幣?和同開珎との価値の違い
富本銭は、貨幣として使われていたのか?この点について、歴史研究では意見が分かれています。
富本銭は全国的に出回っていたわけではなく、一部の地域でしか見つかっていません。そのため、「お守りのように使われていた」「宗教的な儀式に使われた」という説があります。これを 「厭勝銭(ようしょうせん)」 と呼びます。
一方で、和同開珎は 政府が正式に発行した貨幣 であり、貨幣経済の基盤を作りました。貨幣の価値もはっきり決められていたので、全国で物を買うときに使われました。
富本銭と和同開珎のデザイン・素材の違い
見た目の違いもチェックしておきましょう。
✅ 富本銭

- 円形の銅貨で、中央に四角い穴が空いている(円形方孔)
- 「富」「本」の文字と七曜文(しちようもん:星のような模様) が刻まれている
- 材質は銅とアンチモンの合金(アンチモンは当時の高級金属)
✅ 和同開珎

- 同じく円形方孔
- 「和同開珎」の4文字が刻まれている
- 初期は銅とアンチモンの合金だが、後に銅と錫(すず)の合金に変わる
こうして比べてみると、見た目も大きく違うことがわかりますね!
発行された背景の違い!どんな時代に登場したのか
富本銭と和同開珎が作られた背景には、それぞれの時代の流れがあります。
📌 富本銭の背景(飛鳥時代・7世紀後半)
- この時代、日本は「律令国家(りつりょうこっか)」を目指していました。
- 中国・唐(とう)の影響を受け、「貨幣を作って経済を安定させよう」と考えた。
- しかし、貨幣経済がまだ発展しておらず、本格的に流通しなかった。
📌 和同開珎の背景(奈良時代・8世紀初頭)
- 708年、日本は本格的な貨幣経済を目指し、和同開珎を発行。
- 和同開珎は政府が発行した公式な貨幣として、全国に広がった。
- 平城京の建設資金としても使われた。
つまり、富本銭は貨幣の「試作品」のようなもので、和同開珎から本格的な貨幣制度が始まったのです。
富本銭と和同開珎の発見場所・歴史的価値
富本銭と和同開珎は、発見された場所にも違いがあります。
📍 富本銭の主な出土地
- 奈良県飛鳥池遺跡(発掘数:約560枚)
- 長野県高森町の古墳
- 大阪府難波京跡
📍 和同開珎の主な出土地
- 埼玉県秩父地方(和銅の産地)
- 全国各地の遺跡から数千枚以上発見
富本銭は限られた場所でしか見つかっておらず、発掘数も少ないためとても貴重です。一方、和同開珎は全国で使われていたため、数が多く発掘されています。
富本銭と和同開珎の違いの後に:現代的な価値と豆知識

富本銭と和同開珎は、歴史的にとても重要な貨幣です。では、現在の価値はどのくらいなのでしょうか?また、コレクションとしての価値や、偽物の見分け方などについても解説していきます!
富本銭と和同開珎の現在の市場価値は?
富本銭や和同開珎は、現代でも古銭コレクターの間で人気があります。特に、富本銭は発見数が少なく、希少価値がとても高いため、高額で取引されることがあります。
💰 富本銭の価値
- 公式に流通していた貨幣ではないため、市場にほとんど出回らない
- 以前、テレビ番組『開運!なんでも鑑定団』で 1,000万円の鑑定額がついたことも!
- コレクター市場では本物が出回ることは少ない
💰 和同開珎の価値
- 初期のもの(708年頃に作られたもの)は、希少価値が高く高額で取引される
- コレクション用の「後期型」は流通量が多いため、比較的安価(数千円~数万円)
- 状態が良いものは、数十万円以上の値段がつくことも
富本銭はほぼ博物館や研究機関にしか存在しませんが、和同開珎は比較的多くのコレクターが所有しているため、手に入れることも可能です。
富本銭と和同開珎の偽物の見分け方
古銭の世界では、偽物が多く出回っています。特に和同開珎は人気があるため、偽物が作られることがよくあります。
🔍 富本銭の偽物の特徴
- そもそも市場に出回ることがほぼないので、売っている時点で怪しい
- 「富」「本」の字の形が違う(本物は特定の字体が使われている)
- 本物はアンチモンを含んでいるが、偽物はただの銅製が多い
🔍 和同開珎の偽物の特徴
- 江戸時代や明治時代に「復刻版」として作られたものが存在
- 表面が異常にツルツルしていたり、鋳造の跡がなかったりする
- 重さや大きさが本物と異なることが多い
もし本物かどうか判断できない場合は、専門の鑑定士に見てもらうのが一番確実です。
富本銭と和同開珎がテストに出やすいポイント
歴史のテストで「富本銭」と「和同開珎」はよく出題されます。どんなポイントが問われやすいのか、まとめてみました!
📚 テストに出やすいポイント
✅ 富本銭は日本最古の貨幣(683年)だが、流通していなかった!
✅ 和同開珎は708年に発行され、日本最初の流通貨幣!
✅ 富本銭には「富」「本」の文字と七曜文がある!
✅ 和同開珎は「和」「同」「開」「珎」の4文字が刻まれている!
✅ 富本銭の発掘場所は「飛鳥池遺跡」、和同開珎は「埼玉県秩父地方」!
覚え方としては、「富本銭は天武天皇(てんむてんのう)の時代の試作品、和同開珎は本格的な流通貨幣」と整理するとスッキリします!
語呂合わせで覚える富本銭と和同開珎
歴史の年号は覚えづらいですよね。そこで、富本銭と和同開珎を語呂合わせで覚えてみましょう!
📌 富本銭(683年) 👉 「ムヤみ(683)に作った富本銭」
→ 本格的に流通しなかったので「ムヤみ」と覚えましょう!
📌 和同開珎(708年) 👉 「ナオヤ(708)も使った和同開珎」
→ 全国で使われたので「ナオヤ」と覚えましょう!(ナオヤさん、ごめんなさい)
語呂合わせで覚えると、テストのときにスラスラ思い出せますよ!
富本銭と和同開珎が学べる場所!見学できる博物館リスト
実際に富本銭や和同開珎を見てみたい!そんなときは、博物館に行ってみましょう。
🏛 富本銭を展示している場所
- 奈良文化財研究所(奈良県)
- 飛鳥資料館(奈良県明日香村)
- 高森町歴史民俗資料館(長野県)
🏛 和同開珎を展示している場所
- 国立歴史民俗博物館(千葉県)
- 三菱UFJ銀行 貨幣博物館(東京都)
- 埼玉県立歴史と民俗の博物館(埼玉県)
実物を見ると、より理解が深まりますよ!
総括:富本銭と和同開珎の違いまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
📌 発行時期の違い
- 富本銭:683年(天武天皇12年) → 日本最古の貨幣
- 和同開珎:708年(和銅元年) → 日本最初の流通貨幣
📌 貨幣としての機能
- 富本銭:流通した記録がなく、一部では「まじない用の貨幣(厭勝銭)」と考えられている
- 和同開珎:政府が正式に発行し、全国で流通した貨幣
📌 デザイン・素材の違い
- 富本銭:「富」「本」の文字と七曜文が刻まれている、銅とアンチモンの合金
- 和同開珎:「和」「同」「開」「珎」の4文字、初期は銅とアンチモンの合金、後期は銅と錫の合金
📌 発行された背景の違い
- 富本銭:唐の影響を受け、日本で貨幣制度を導入しようとしたが、流通には至らなかった
- 和同開珎:貨幣経済を本格的に導入し、平城京の建設資金としても利用された
📌 主な発見場所
- 富本銭:奈良県飛鳥池遺跡、長野県高森町の古墳、大阪府難波京跡
- 和同開珎:埼玉県秩父地方をはじめ、全国の遺跡から数千枚以上発見
📌 現在の市場価値
- 富本銭:極めて希少で市場にはほぼ出回らず、過去に1,000万円以上の鑑定額がついた例も
- 和同開珎:初期のものは希少価値が高く、数十万円以上で取引されることもあるが、流通量の多いものは比較的安価
📌 偽物の見分け方
- 富本銭:市場にほぼ出回らない、字の形や材質(アンチモン含有)で判断
- 和同開珎:江戸・明治時代に復刻版が作られたため、表面の質感や重量、鋳造跡の有無を確認
📌 テストに出やすいポイント
- 富本銭は「日本最古の貨幣」だが、流通していなかった
- 和同開珎は「日本最初の流通貨幣」
- 富本銭の出土地は「飛鳥池遺跡」、和同開珎は「埼玉県秩父地方」
📌 語呂合わせで覚える方法
- 富本銭(683年):「ムヤみ(683)に作った富本銭」 → 流通しなかった
- 和同開珎(708年):「ナオヤ(708)も使った和同開珎」 → 全国で流通
📌 博物館で実物を見られる場所
- 富本銭:奈良文化財研究所、飛鳥資料館、高森町歴史民俗資料館
- 和同開珎:国立歴史民俗博物館、三菱UFJ銀行 貨幣博物館、埼玉県立歴史と民俗の博物館
