「空海(くうかい)は今も生きている」と聞いたことがありますか?
1200年以上前に亡くなったはずの空海が、今でも生きていると言われる理由には、高野山に伝わる特別な儀式や仏教の考え方が関係しています。
今回は、なぜ空海が生きているとされるのか、入定(にゅうじょう)とは何か、そして空海の生まれ変わりについて、分かりやすく解説していきます。
塾長が優しく解説するので、最後まで読んでみてくださいね!
空海は今も生きている?その理由と根拠

空海は平安時代の僧侶で、真言宗(しんごんしゅう)という仏教の宗派を開いた人です。人々を救うための修行を続け、62歳で「入定(にゅうじょう)」という特別な瞑想(めいそう)の状態に入りました。
しかし、その入定が「死」ではなく「生きたまま瞑想を続けている」という考え方から、今でも「空海は生きている」と言われているのです。では、その根拠を詳しく見ていきましょう。
空海は「生きてる」と言われる理由とは?
一番の理由は「入定」の考え方です。
普通、人は亡くなると肉体が朽ちていきますが、空海は「生きたまま瞑想を続けている」とされています。これは、密教(みっきょう)という仏教の一派にある「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」の考え方が関係しています。
即身成仏とは「この身のまま仏になる」という意味で、修行によって悟りを開くと、人は死を超えて仏のような存在になれると考えられています。
また、高野山では「生身供(しょうじんぐ)」という儀式が今でも続けられています。この儀式では、毎日決まった時間に空海のための食事が運ばれています。
「亡くなった人に食事を運ぶの?」と思うかもしれませんが、「空海は今も生きて修行を続けている」という信仰があるため、この儀式が1200年以上も続いているのです。
1200年以上続く「生身供」
生身供(しょうじんぐ)は、空海が入定して以来、毎日続けられている儀式です。この儀式では、僧侶が空海のために朝6時と10時半の2回、食事を運んでいます。
食事の内容は、精進料理(しょうじんりょうり)と呼ばれる、肉や魚を使わない特別な料理です。料理は白木の箱に入れられ、高野山の奥之院(おくのいん)にある「御廟(ごびょう)」へと運ばれます。この御廟の中には空海が今も入定していると信じられているのです。
この儀式のすごいところは、一度も途切れることなく1200年以上も続いていることです。歴史の中で戦争や災害があった時も、この儀式は絶えず続けられてきました。それだけ空海の存在が今も多くの人々に信じられ、大切にされている証拠なのです。
「即身仏」とは何か?空海は即身仏なのか?
「即身仏」とは、生きたまま仏になるために、修行の末に自らの体を保存し、仏としてまつられる存在のことを指します。例えば、厳しい修行の末にミイラ化し、仏像のようにまつられている僧侶がいます。これは、「自らの体をこの世に残し、人々のために祈り続ける」という特別な修行の形なのです。
では、空海も即身仏なのか?というと、実は少し違います。空海は即身仏ではなく「入定したまま生きている」と信じられています。
そのため、空海の体は封印され、今も高野山奥之院の御廟の中にあるのです。誰もその中を見ることはできませんが、「今も瞑想しながら人々を見守っている」と伝えられています。
高野山奥之院の空海の御廟とは?
高野山(こうやさん)の奥之院(おくのいん)には、空海の御廟(ごびょう)があります。ここは、日本全国の仏教徒にとってとても大切な場所で、多くの人が参拝に訪れます。
奥之院に入る手前には「御廟橋(ごびょうばし)」という橋があり、この橋を渡る時は必ず帽子を取らなければなりません。また、橋を渡った先では写真撮影も禁止されています。
なぜなら、ここが「空海が今も生きている場所」と信じられているからです。まるで神聖な領域に入るような気持ちになりますね。
現代でも空海が「生きている」とされる逸話
不思議なことに、空海が今も生きていると感じさせるような話がたくさんあります。例えば、高野山で修行している僧侶の中には「夢の中で空海が現れ、修行の道を示してくれた」という人がいるそうです。
また、空海の教えを受けた人が人生の大きな決断をする際に「空海が導いてくれた」と感じることもあるのだとか。
さらに、高野山で空海の御廟に参拝した人の中には「温かい気持ちになった」「突然涙が出た」という体験をする人もいます。これは、「空海の魂が今もここにあり、人々を見守っている」と考えられているからです。
このように、空海はただの歴史上の人物ではなく、今も生きているかのように多くの人々に影響を与え続けているのです。
空海が生きてる:入定と生まれ変わりの真実

空海が今も生きているとされる理由のひとつに、「入定(にゅうじょう)」という特別な修行があります。しかし、入定とはいったい何なのでしょうか?
また、空海が未来に生まれ変わると言われる理由についても、詳しく解説していきます。
入定とは何か?仏教における意味と空海の入定
「入定」とは、仏教の修行のひとつで、「深い瞑想に入ること」を意味します。
特に密教では、「入定は単なる死ではなく、悟りを開いた状態のまま永遠に瞑想を続けること」とされています。つまり、空海が入定したというのは、「亡くなった」のではなく、「永遠に生き続けている」と考えられているのです。
空海は62歳のとき、高野山の奥之院で入定に入りました。その時、弟子たちに「私はこのまま永遠の瞑想に入る。だから悲しむことなく、仏法を守り続けなさい」と言い残したと伝えられています。
普通の人は亡くなると肉体が朽ちてしまいますが、空海は「瞑想を続けながら、今も生きている」と考えられています。そのため、弟子たちは毎日食事を運び、1200年以上にわたって生身供の儀式が続けられているのです。
空海の生まれ変わり説とは?
実は、空海は「未来に生まれ変わる」とも言われています。それは、「弥勒菩薩(みろくぼさつ)」という仏様の教えに関係しています。
仏教では、現在の仏様である「釈迦(しゃか)如来」が亡くなった後、56億7千万年後に弥勒菩薩がこの世に現れ、人々を救うとされています。そして、空海は「弥勒菩薩が現れるその時まで、高野山で瞑想し続ける」と弟子たちに伝えました。
つまり、空海は今も生きていて、未来に弥勒菩薩が現れたときに、この世に戻ってくると信じられているのです。この考え方が、空海が今も生きているとされるもうひとつの理由です。
語呂合わせで覚える空海の生涯と入定
歴史を学ぶとき、語呂合わせを使うと覚えやすくなります。空海に関する語呂合わせもたくさんあるので、いくつか紹介しますね。
①空海の誕生(774年)
「空(くう)を見(7)て、波(7)が流れる(4)」
②空海の入定(835年)
「や(8)さしい(3)ご(5)く楽な瞑想」
③高野山開山(816年)
「や(8)っぱり(1)む(6)きあう修行」
このように、語呂合わせを使うと、歴史の年号も楽しく覚えることができます!
テストに出る!密教・真言宗と空海の重要ワード
空海のことを学ぶうえで、テストに出やすい重要な言葉を紹介します!
- 真言宗(しんごんしゅう):空海が開いた仏教の宗派。
- 密教(みっきょう):仏教の中でも特に「秘密の教え」を重視する宗派。
- 即身成仏(そくしんじょうぶつ):「この身のまま仏になる」という考え方。
- 入定(にゅうじょう):修行者が深い瞑想に入り、永遠に悟りを続けること。
- 生身供(しょうじんぐ):高野山で毎日空海に食事を捧げる儀式。
これらの言葉は、空海を理解するうえでとても重要なので、ぜひ覚えておきましょう!
空海の思想が現代にも影響を与える理由
空海は、1200年以上前の人物ですが、今でも日本の文化や教育に大きな影響を与えています。
例えば、空海は「教育」をとても大切にしていました。彼は貴族だけでなく、貧しい人々にも学ぶ機会を与えるため、「綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)」という学校を作りました。これは、日本で初めての「庶民のための学校」とされています。現代の学校教育の元になったとも言われています。
また、「いろは歌」も空海が作ったとされるものです。「いろはにほへと ちりぬるを…」という日本語の基本を学ぶ歌ですね。この歌には、「世の中は移り変わるものだけど、仏の教えは変わらない」という空海の教えが込められています。
さらに、空海の思想は「禅」や「瞑想(めいそう)」といった現代のリラックス法にも影響を与えています。今、世界的に注目されている「マインドフルネス(心を落ち着かせる瞑想)」も、空海の教えに通じるものがあります。
このように、空海は今も私たちの生活の中に生き続けているのです。
総括:空海が生きてると言われる理由まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- 入定とは?
- 空海は62歳で「入定(にゅうじょう)」に入り、永遠の瞑想状態に入ったとされている。
- 密教の考え方では、入定は「死」ではなく「悟りを開いた状態で生き続けること」とされる。
- 生身供(しょうじんぐ)とは?
- 高野山奥之院で、毎日2回、空海へ食事を供える儀式。
- 1200年以上一度も途切れることなく続いている。
- これは「空海が今も生きている」ことを信じる仏教の伝統によるもの。
- 即身成仏とは?
- 「この身のまま仏になる」という密教の考え方。
- 空海は即身成仏を目指し、入定したことで仏と一体化したとされている。
- 空海の御廟(ごびょう)とは?
- 高野山奥之院の御廟には、今も空海が瞑想し続けていると信じられている。
- 御廟橋を渡る際は脱帽し、写真撮影は禁止されるほど神聖な場所とされている。
- 空海の生まれ変わり説
- 仏教の教えによると、56億7千万年後に弥勒菩薩(みろくぼさつ)が現れるとされている。
- 空海はその時まで入定し続け、未来に生まれ変わると信じられている。
- 空海の影響が現代にも残る理由
- 教育の普及:「綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)」という庶民のための学校を創設。
- 日本語への貢献:「いろは歌」の考案者とされる。
- 精神修行への影響:マインドフルネスや瞑想といった現代のリラックス法にも通じる思想を持つ。
- 空海は今も人々に影響を与えている
- 高野山の参拝者の中には「温かい気持ちになった」「涙が出た」と話す人がいる。
- 修行僧の中には「夢の中で空海が導いてくれた」と証言する人もいる。
