「マルクス主義と共産主義って何が違うの?」と聞かれたら、あなたは答えられますか?
どちらも似たような言葉に見えますが、実は「理論」と「実践」の違いがあるのです。さらに、民主主義とも深い関係があり、それぞれが世界の政治や経済にどのような影響を与えてきたのかを知ることはとても重要です。
今回は、マルクス主義と共産主義の違いを塾長が分かりやすく解説します!
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マルクス主義と共産主義の違いとは?歴史・思想・現代の影響
まず最初に、マルクス主義と共産主義の違いをはっきりさせましょう。この2つの言葉は混同されがちですが、本来は別々の概念です。マルクス主義は「考え方(理論)」であり、共産主義は「社会の形(実践)」です。これを詳しく見ていきましょう!
マルクス主義と共産主義の違いは「理論」と「実践」にある
マルクス主義は、ドイツの思想家カール・マルクスによって考え出された経済や社会の理論です。「資本主義のままでは労働者が搾取されるため、新しい社会の仕組みが必要だ」と考えました。
一方、共産主義は、このマルクス主義の考え方を実際に国の制度として取り入れたものです。例えば、ソ連や中国が共産主義を実践しました。しかし、理想通りにいかず、多くの問題が発生しました。
つまり、マルクス主義は「理想の社会を描いた本の内容」、共産主義は「実際にその本の通りにやろうとした国」と考えると分かりやすいですね。
マルクス主義とは?資本主義批判から社会主義の提唱へ
マルクス主義は、「資本主義では貧富の差が拡大し、労働者が搾取される」という考えがもとになっています。マルクスは、資本家が労働者を働かせて利益を得る仕組みを批判しました。そして、「労働者が自分たちで社会を運営すれば平等な社会が作れる」と考えたのです。
マルクスは、社会を「資本主義 → 社会主義 → 共産主義」という3段階で変えていくべきだと考えました。社会主義は、国がある程度経済を管理することで貧富の差を減らそうとするもの。そして、最終的に共産主義の社会では、すべての財産が共有され、平等な世界が実現すると考えました。
共産主義とは?計画経済と国家管理の特徴を解説
共産主義は、理想としては「みんなが平等に生活できる社会」を目指します。具体的には、工場や土地などの「生産手段」を国が管理し、人々が公平に仕事をして生活できるようにする仕組みです。これを「計画経済」といいます。
しかし、共産主義の国では、政府がすべてを管理するため、自由に商売ができなかったり、国民が政府に逆らえないようになったりする問題がありました。例えば、ソ連では政府の力が強くなりすぎて、人々の自由が奪われてしまいました。こうして、多くの共産主義国家は崩壊してしまったのです。
共産主義国家はなぜ崩壊したのか?歴史から学ぶ問題点
共産主義は、ソ連や中国などで実際に試されましたが、ほとんどの国ではうまくいきませんでした。その理由は次の3つです。
- 経済の停滞:計画経済では自由な競争がなく、企業が努力しなくなってしまった。
- 国民の不満:政府が国民を厳しく管理しすぎたため、自由が奪われ、人々が不満を持った。
- 外部との対立:資本主義の国々(アメリカなど)と対立し、戦争や経済制裁が続いた。
このような問題から、ソ連は1991年に崩壊しました。一方、中国は共産党が支配を続けながらも、資本主義の仕組みを取り入れることで経済を発展させました。
現代社会におけるマルクス主義と共産主義の影響
では、マルクス主義や共産主義の考え方は、現代の社会にどんな影響を与えているのでしょうか?
- 格差問題への対策:今の世界では、貧富の差が大きな問題になっています。マルクスの考えは、最低賃金の引き上げや福祉政策の拡充などに影響を与えています。
- 環境問題の解決:「資本主義は自然を破壊する」という考えから、環境保護を重視する動きが生まれています。
- 社会主義的政策の導入:ヨーロッパの北欧諸国(スウェーデンやデンマークなど)は、資本主義と社会主義の良いところを組み合わせた「福祉国家」を作っています。
このように、完全な共産主義はほぼ消えましたが、マルクスの考えは現代社会にも影響を与え続けているのです。
マルクス主義・共産主義との違い:民主主義とも比較
マルクス主義や共産主義と、民主主義はどのように違うのでしょうか?「民主主義の国」と「共産主義の国」では、政治の仕組みが大きく異なります。ここでは、それぞれの関係性や違いを分かりやすく解説します!
マルクス主義と民主主義は共存できるのか
「マルクス主義」と「民主主義」は、一見すると相反する考え方に思えますが、必ずしも対立するものではありません。
マルクスは、資本主義によって生まれる格差をなくし、最終的に「平等な社会」を目指すべきだと考えました。しかし、マルクス主義には「独裁を前提としない」ものもあり、「民主主義の仕組みを使って、社会主義的な政策を進める」ことも可能です。実際に、北欧諸国では福祉を重視した社会主義的な政策を民主主義の中で実現しています。
一方で、歴史的にマルクス主義が共産主義として実践された場合、多くの国では「一党独裁」の形になってしまいました。そのため、「マルクス主義と民主主義は共存できない」と考えられがちですが、政策によっては両立することも可能なのです。
共産主義と民主主義の最大の違いは「選挙」の仕組みにある
共産主義と民主主義の一番の違いは、国の指導者を選ぶ仕組みです。
- 民主主義:国民が選挙でリーダーを決める
- 共産主義:共産党が国を指導し、基本的に国民が自由に選挙で指導者を選ぶことはできない
例えば、日本やアメリカなどの民主主義国家では、選挙で国民が総理大臣や大統領を選びます。しかし、中国や旧ソ連などの共産主義国家では、共産党の一部の指導者が決定するため、国民は自由にリーダーを選べませんでした。この違いが、共産主義の国々が独裁体制に陥る原因の一つになったのです。
民主主義国家における社会主義的な政策とは
「民主主義の国でも社会主義的な政策がある」と言われることがあります。具体的にどういうことでしょうか?
実は、民主主義の国の中には、資本主義の仕組みを維持しながらも、社会主義の考え方を取り入れた国があります。例えば、次のような政策がそうです。
- 無料または安価な医療制度(国民皆保険制度):日本やヨーロッパの国々では、すべての人が安く医療を受けられる仕組みが整っています。
- 福祉制度の充実:北欧諸国では、教育や老後の支援が充実しており、貧富の差を縮める工夫がされています。
- 最低賃金の設定:労働者が最低限の生活を保障されるよう、国が企業に対して最低賃金を定めています。
これらは、社会主義の理念を取り入れながらも、民主主義のもとで行われている政策の例です。完全な共産主義にはならなくても、資本主義の中で社会主義的な政策を組み合わせることで、国民の生活を安定させる工夫がなされているのです。
歴史から学ぶ、民主主義 vs 共産主義の対立とは?
20世紀の歴史を振り返ると、民主主義の国々と共産主義の国々が対立してきたことが分かります。特に有名なのが「冷戦」と呼ばれる時代です。
冷戦(1947年~1991年)では、アメリカ(民主主義・資本主義)とソ連(共産主義)が世界の覇権を争いました。お互いに戦争をすることはありませんでしたが、朝鮮戦争やベトナム戦争などを通じて、民主主義と共産主義の対立が激しくなりました。
最終的に、ソ連は経済の停滞や国民の不満によって1991年に崩壊しました。この出来事をきっかけに、多くの国が共産主義から資本主義へと移行し、世界の国々の大半が民主主義を採用するようになったのです。
21世紀における共産主義と民主主義の関係
現代の世界では、完全な共産主義の国はほとんどありません。しかし、中国や北朝鮮のように共産党が支配する国は存在します。一方で、かつて共産主義だった国々(ロシアや東ヨーロッパの国々)は、民主主義へと移行しました。
また、民主主義の国でも「格差の拡大」や「経済的な不安定さ」を解決するために、マルクス主義の考え方が再び注目されています。例えば、環境問題に対応するために「脱成長」や「福祉の充実」といった政策が提案されることも増えています。
つまり、共産主義と民主主義の関係は一方的なものではなく、それぞれの良い部分を取り入れながら、新しい社会の形を模索する時代になっているのです。
総括:マルクス主義と共産主義の違いをまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
| 比較項目 | マルクス主義 | 共産主義 |
|---|---|---|
| 定義 | カール・マルクスが提唱した資本主義批判と社会の進化に関する理論。 | マルクス主義を基にして実際に運用された政治・経済体制。 |
| 目的 | 資本主義の問題点を解決し、平等な社会を実現すること。 | 私有財産を廃止し、国家が生産手段を管理することで平等な社会を実現する。 |
| 経済の特徴 | 市場経済の問題を指摘し、労働者の権利向上や富の公平な分配を主張。 | 国家が計画経済を実施し、生産と分配を管理。 |
| 政治体制 | 民主的手段による社会主義の実現を重視する立場もある。 | 多くの場合、一党独裁体制をとり、政府が全権を掌握。 |
| 主な支持者・国家 | 学者・知識人・社会運動家などが理論を支持。民主社会主義国家にも影響を与える。 | 旧ソ連、中国、北朝鮮、キューバなどが共産主義体制を採用した。 |
| 歴史的影響 | 資本主義社会の問題を分析し、福祉国家や社会主義政策の基盤を作った。 | 実際の共産主義国家では経済の停滞や独裁化が進み、ソ連の崩壊後は減少傾向。 |
