今回は「日独伊三国同盟(にちどくいさんごくどうめい)」について分かりやすくお話しします。

学校で習うけど、

「なんで日本・ドイツ・イタリアが手を組んだの?」
「それって意味あったの?」


と疑問に思ったことはありませんか?

この同盟は第二次世界大戦の少し前、1940年に結ばれました。でも、ただ「仲良しだったから」じゃないんですよ。それぞれの国にとって理由があり、世界の動きと深く関係していたのです。

この記事では、日独伊三国同盟がなぜ結ばれたのか、どんな意味があったのか、そしてその後どうなったのかを、子どもでも分かるように丁寧に解説します。一緒に学んでいきましょう!

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日独伊三国同盟をなぜ結んだのか?3国の目的と背景

三国同盟とは、日本・ドイツ・イタリアの3つの国が「共通の敵が攻めてきたら協力しよう!」と約束した同盟です。でも、なぜこの3国が手を組んだのか。それぞれの事情を見てみると、深い理由が見えてきます。

日本結んだ理由|アメリカを牽制し日中戦争を有利にするため

日本がこの同盟に参加した大きな理由は、「アメリカに対するけん制」です。当時、日本は中国と戦争中(日中戦争)でしたが、アメリカやイギリスが中国を助けていたため、日本はなかなか勝てなかったのです。

アメリカは中国に武器や物資を送っていて、これを止めたい日本にとって、アメリカの存在はとてもやっかいでした。だから、日本はドイツやイタリアと手を組んで、「もしアメリカが日本を攻撃してきたら、ドイツやイタリアも黙ってないぞ!」と思わせようとしたのです。

つまり、アメリカをびびらせて戦争に入ってこないようにしたかったんですね。これが、日本が同盟を結んだ大きな目的でした。

ドイツが結んだ理由|アメリカとの戦争回避と東アジアの圧力分散

ドイツでは、ヒトラーがどんどん他の国を攻めてヨーロッパで大きな戦争を始めていました。でも、もしアメリカまで戦いに加わったら、ドイツにとってはかなり不利になります。

そこで、ドイツは「アメリカがヨーロッパに兵を送れないように、東アジアでも問題を起こしておこう」と考えました。そのためには、日本の力が必要だったのです。

日本がアメリカをけん制してくれれば、アメリカはヨーロッパどころじゃなくなります。ドイツはそんなふうに考えて、日本との同盟を望んだのです。つまり、アメリカを遠ざけるための“作戦”でした。

イタリアが結んだ理由|国際的孤立からの脱却と勢力拡大への野望

イタリアは、アフリカのエチオピアを攻めたり、周りの国をどんどん自分のものにしようとする動きを見せていました。でも、その結果イギリスやフランスに嫌われ、世界の中で孤立してしまいます。

「もう、誰もイタリアと仲良くしてくれない……」と困ったイタリアが頼ったのが、同じように孤立していた日本とドイツでした。この3国は、「世界に嫌われちゃった者どうし」で手を組んだという面もあったのです。

また、イタリアも「もっと領土を広げたい!」という野望を持っていたので、力を貸してくれる仲間が欲しかったのです。

日独伊三国同盟の内容とは?条約の要点をわかりやすく解説

日独伊三国同盟は、ただの「仲良しグループ」ではありません。きちんとした「条約(きまり)」がありました。なかでも大事なのは、次の3つです。

1つ目は、「誰かがアメリカなどの第三国から攻撃されたら、3国で協力して反撃する」ということ。つまり、「1人が攻撃されたら、みんなで戦おう!」という約束です。

2つ目は「ドイツとイタリアは、日本がアジアで指導的な国になるのを認める」ということ。反対に、日本もドイツとイタリアのヨーロッパ支配を認めました。

3つ目は、「この同盟の存在は秘密にする」ということ。相手にバレないよう、こっそり手を組んでいたわけです。

この条約は、日本がアメリカをけん制するための大きな道具となりました。

なぜ1940年に締結?結成のタイミングと背景を押さえよう

日独伊三国同盟が結ばれたのは、1940年9月のことです。では、なぜこのタイミングだったのでしょうか?

まず、ドイツはヨーロッパでの戦争に勝ち続けていて、フランスを倒し、イギリスも追い込んでいました。そんな強いドイツと手を組めば、日本にとって心強いですよね。

また、アメリカは日本に対して貿易制限(経済制裁)を強めていて、日本は石油や鉄を手に入れにくくなっていました。「このままじゃ国がもたない!」という焦りもありました。

さらに、東南アジアの資源地帯に進出したい日本にとって、アメリカをけん制しておくことは絶対に必要でした。こうした状況が重なって、1940年に正式に三国同盟が結ばれたのです。

日独伊三国同盟をなぜ結んだのか?メリットとデメリット

三国同盟は、たしかに日本・ドイツ・イタリアにとって「味方が増えた!」という安心感がありましたが、一方で大きなマイナスももたらしました。ここでは、同盟によって何が良くなって、何が悪くなったのか、そしてその後どうなったのかを詳しく見ていきましょう。

メリット|アメリカやイギリスへのけん制と政治的アピール

三国同盟のメリットとして一番大きいのは、「アメリカやイギリスをびびらせることができるかもしれない」という心理的な効果です。

日本にとっては、「もしアメリカが日本を攻撃したら、ドイツやイタリアが黙っていないぞ」と見せかけることで、戦争を防げる可能性がありました。これは“けん制”と呼ばれる戦略です。

また、同盟を結ぶことで「私たちは協力し合う強い国だ!」と世界にアピールすることもできました。つまり、軍事的だけでなく政治的な“見せ方”としても効果があると思われていたのです。

デメリット|アメリカとの対立激化と外交の失敗

でも、良いことばかりではありませんでした。むしろ、この同盟が原因でアメリカとの関係はどんどん悪くなっていきます。

アメリカは「自分たちを敵だと決めつけるのか!」と怒り、まずは鉄くずや鉄鋼の輸出をストップ。その後、とうとう日本への石油の輸出まで止めてしまいました。

これは、日本にとって致命的でした。当時の日本は、石油の多くをアメリカに頼っていたからです。同盟でけん制するつもりが、逆にアメリカを本気で怒らせてしまい、日米交渉もうまくいかなくなりました。

結果的に、同盟は日本を戦争の道に追い込む“引き金”になってしまったのです。

なぜアメリカを刺激したのか?参戦のきっかけになった背景

アメリカがこの同盟に強く反発したのは、自分たちが名指しで「敵」とされたからです。条約の中で「第三国から攻撃されたら協力する」とありましたが、これは明らかにアメリカを指していました。

さらに、同盟ができた後、日本が東南アジアに進出しはじめたことで、アメリカは「これは本気で世界を巻き込む戦争になるぞ」と感じるようになります。

アメリカでは、ルーズヴェルト大統領が日本への対応を強化し、ついに戦争準備を始めるようになりました。そして、真珠湾攻撃をきっかけに、アメリカは第二次世界大戦に本格的に参加することになります。

つまり、この同盟はアメリカ参戦の“火種”になってしまったのです。

東アジア情勢|仏印進駐と援蒋ルート遮断の動き

日本は、同盟を結んだあと、中国を支援する国々への“援蒋ルート”を断つための動きを強めていきます。特に、フランス領インドシナ(現在のベトナム)への進出がその代表例です。

1940年、日本は北部仏印に軍を進めて、中国への補給ルートを一部遮断することに成功します。これに対して、アメリカはさらに怒り、経済制裁を強化しました。

翌年には南部仏印にも進軍し、ここでも援蒋ルートの遮断を図ります。しかし、これによってアメリカは石油の輸出を全面禁止し、日本はいよいよ“詰み”の状態に。

こうして、日本は資源を求めて南方に進出し、やがて太平洋戦争へと突入していくのです。

日独伊三国同盟の失敗から学ぶ|現代の安全保障や同盟のあり方とは

三国同盟は、けん制のつもりが逆効果になり、結果として大きな戦争を引き起こしました。このことから、現在の国際社会では「秘密の軍事同盟」や「力でおどすやり方」は危険だと考えられています。

代わりに出てきたのが「集団安全保障」という考え方です。これは、「国どうしが協力して、戦争を防ごう」というもの。国連(国際連合)などがこの考えをもとに作られました。

また、同盟を結ぶときは「本当に信頼できるか?」「国の利益だけでなく世界全体の平和につながるか?」をしっかり考えることが大事だと、三国同盟の失敗が教えてくれています。

総括:日独伊三国同盟をなぜ結んだのか?まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 日独伊三国同盟は、1940年に日本・ドイツ・イタリアの3国が結んだ軍事同盟。
  • 日本の目的は、アメリカをけん制し、日中戦争を有利に進めること。
  • ドイツの目的は、アメリカの参戦を防ぎ、ヨーロッパ戦線への圧力を減らすこと。
  • イタリアの目的は、国際的孤立の打開と勢力拡大。
  • 条約の中身は、第三国から攻撃されたときの協力や、勢力圏の承認など。
  • 同盟締結の背景には、ドイツの快進撃や日本の南進政策、アメリカの制裁があった。
  • メリットは、アメリカやイギリスに対する心理的なけん制効果と政治的アピール。
  • デメリットは、アメリカとの対立激化や経済制裁、外交の失敗。
  • 同盟がアメリカを刺激し、太平洋戦争のきっかけとなった。
  • 現代では、三国同盟の反省から「集団安全保障」の考え方が重要視されている。