みなさん、日本が昔から中国と貿易をしていたことを知っていますか?特に平安時代から鎌倉時代にかけて行われた 日宋貿易 は、日本の経済や文化に大きな影響を与えました。
この記事では、日宋貿易の輸入品・輸出品を詳しく解説するとともに、「いつ始まり、誰が関わったのか」「貿易の影響」なども分かりやすく説明していきます。
日宋貿易の輸入品・輸出品を解説:貿易の背景も紹介

日宋貿易は日本と中国(宋)との間で行われた貿易で、日本の経済や文化に大きな影響を与えました。この貿易ではどんな品物が輸入され、どんな品物が輸出されたのでしょうか?その詳細を徹底解説します。
日宋貿易とは?いつから始まりどんな貿易だったのか
日宋貿易とは、日本と中国・宋との間で行われた貿易のことです。時代は平安時代後期(11世紀)から鎌倉時代にかけて。特に平清盛が貿易を盛んにしたことで、日本経済が発展しました。
では、なぜ貿易が始まったのでしょうか?
実は、日本は9世紀に遣唐使を廃止し、中国との正式な外交関係が途絶えました。しかし、鎌倉時代になると、宋の商人が日本へ来航するようになり、貿易が自然と始まったのです。特に平清盛は、貿易の重要性を理解し、神戸港(当時の大輪田泊)を修築し、日本と宋の交易を活発化させました。
日宋貿易を通じて、日本は貨幣経済の発展、文化交流の促進など、多くの影響を受けました。それでは、次に具体的な輸入品・輸出品を見ていきましょう!
日宋貿易の輸入品一覧
日宋貿易で日本が輸入したものの中でも、特に重要な5つを紹介します。
① 宋銭(そうせん)
貨幣経済を発展させた最大の輸入品!
当時の日本には、まだ自国で作る貨幣が少なかったため、中国の宋銭(銅貨) を大量に輸入しました。これにより、日本でもお金を使った経済活動が広がりました。
② 陶磁器(青磁・白磁)
貴族の間で大人気!
中国の陶磁器は、日本ではまだ作ることが難しく、特に青磁(せいじ)や白磁(はくじ)は高級品として貴族の間で珍重されました。
③ 書籍・経典
仏教の発展に貢献!
中国から輸入された仏教経典(お経)は、日本の仏教の発展に大きく貢献しました。また、学問の発展にも役立ちました。
④ 香料・薬品
「沈香」「麝香」「蘇芳」などが人気!
香木や漢方薬も宋から輸入されました。これらは主に宮廷や寺院で使われ、日本の香文化の発展につながりました。
⑤ 高級織物(綾・錦)
美しい絹織物は貴族文化に影響!
中国の高級織物は、貴族たちの衣服や装飾品に使われ、日本の染織文化を発展させました。
日宋貿易の輸出品の一覧
日宋貿易では、日本からもさまざまな品物を宋に輸出していました。代表的な輸出品を5つ紹介します。
① 砂金(さきん)
宋が最も欲しがった貴重品!
日本の東北地方では、当時豊富な金が採れた ため、宋へ大量に輸出されました。
② 硫黄(いおう)
軍事用の火薬に使用!
硫黄は、火薬の材料 となるため、戦争をしていた宋にとってとても重要でした。
③ 刀剣(とうけん)
日本の職人技が光る!
日本の刀剣は 非常に高品質 だったため、中国の武士や貴族に人気でした。
④ 真珠・扇
装飾品としての価値が高い!
真珠や扇は、中国の上流階級に人気があり、特に日本の精巧な工芸品は高値で取引されました。
⑤ 木材(杉・檜)
中国では木材不足!
宋では森林伐採が進み、木材が不足していたため、日本からの輸出が求められていました。
💡 【暗記法】ゴロ合わせで覚えよう! 「刀剣で砂を切るとイオン水、相当しょっぱいお飲物」
👉 刀剣(刀)、砂(金)、イオ(硫黄)、水(水銀)、相当(宋銭・陶磁器)、しょっぱい(書籍)、お飲物(織物)
このように語呂合わせで覚えると、テスト対策にも役立ちますよ!
日宋貿易の主要な港とルート
日宋貿易は、特定の港を拠点に行われていました。主な貿易港とルートを紹介します。
① 大輪田泊(現在の神戸港)
平清盛が修築し、宋船の寄港地として発展しました。宋との貿易を支える重要な拠点でした。
② 博多港
博多遺跡群の発掘調査によって、日宋貿易の荷揚げ場であったことが確認されています。中国陶磁器などがここで取引されました。
③ 宋の主要港(明州・泉州・福州)
宋側では明州(現在の寧波)・泉州・福州 などの港が貿易拠点でした。ここから日本へ船が出航していました。
💡 【豆知識】なぜ宋船は日本に頻繁に来航できたのか?
実は、季節風(モンスーン)と潮流の影響を受け、宋船は春に日本へ向かい、秋に帰るというルートをとっていました。これにより、安定的な貿易が可能だったのです。
日宋貿易の影響:日本の経済・文化はどう変わったか
日宋貿易は単なる物のやり取りではなく、日本の経済や文化に大きな変化をもたらしました。ここでは、その影響を5つに分けて解説します。
① 宋銭の流入で貨幣経済が進展!日本社会の変化とは?
日宋貿易の最大の影響のひとつが、日本の貨幣経済の発展です。それまで日本では米や布を使った物々交換が中心でしたが、宋銭(中国の銅貨)が大量に輸入されることで、お金を使った取引が一般化しました。
特に、商業が発展していた 京都や鎌倉 では、宋銭が流通し、経済活動が活発になりました。この流れは 江戸時代の発展 へとつながる重要な変化でした。
② 仏教文化の発展!禅宗の伝来と経典の影響を解説
日宋貿易を通じて、日本には 新しい仏教の思想や経典(お経)がもたらされました。特に、鎌倉時代になると「禅宗」が日本に伝わり、日本の武士文化にも影響を与えました。
また、中国の仏教書が大量に輸入されたことで、日本国内での仏教研究が進み、仏教文化が大きく発展しました。
③ 貴族文化が華やかに!輸入品がもたらした日本の美意識
輸入された 陶磁器(青磁・白磁)や高級織物(綾・錦) は、貴族の間で人気となり、日本の美意識に影響を与えました。特に、書道や絵画の技法は中国の影響を受け、和様文化と融合していきました。
④ 武士階級の経済力増大!貿易が平氏の財源となった背景
平清盛は日宋貿易を通じて巨額の富を築き、その財力をもとに武士としての地位を確立しました。これにより、貴族社会に対抗できるほどの経済力を持つ武士階級 が成長しました。結果として、鎌倉幕府の誕生へとつながっていきます。
⑤ 日宋貿易の終焉とは?鎌倉幕府による貿易政策の転換
鎌倉時代になると、幕府は貿易の管理を強化しました。日宋貿易は一時続きましたが、元寇(蒙古襲来)などの影響もあり、次第に日明貿易(勘合貿易)へと移行していきました。
日宋貿易の輸入品・輸出品が分かった後に

日宋貿易は誰によって始められ、どのように発展したのでしょうか?また、テスト対策にも役立つゴロ合わせや暗記法もご紹介します。貿易の歴史と重要人物を振り返り、理解を深めましょう。
日宋貿易は誰が始めた?歴史の流れ
日宋貿易は、最初に平清盛が始めたわけではありません。実は 清盛の父「平忠盛」 が鳥羽院の権威を利用して貿易を独占したことがきっかけです。
その後、平清盛が貿易を本格化し、経済発展を促しました。
📌 日宋貿易の流れを簡単にまとめると…
- 平忠盛の時代(12世紀初頭) → 宋商人との取引が始まる
- 平清盛の時代(12世紀後半) → 大輪田泊を修築し、貿易が活発化
- 鎌倉時代(13世紀) → 幕府が貿易を管理するようになる
- 元寇(1274年・1281年) → 日宋貿易が次第に衰退
- 室町時代(15世紀) → 日明貿易(勘合貿易)へ移行
日宋貿易と他の貿易との違い
日本は宋以外の国とも貿易を行っていました。ここでは、日宋貿易と他の貿易を比較してみます。
🟢 日宋貿易 vs 日明貿易
- 日宋貿易 → 平安時代後期~鎌倉時代、日本と宋の商人が自由に貿易
- 日明貿易 → 室町時代、足利義満が「勘合」を使って管理貿易を実施
🔴 日宋貿易 vs 南蛮貿易
- 日宋貿易 → 中国との交易(輸入品:宋銭・陶磁器)
- 南蛮貿易 → ポルトガル・スペインとの交易(輸入品:鉄砲・キリスト教)
日宋貿易のゴロ合わせ・暗記法
テストに出る!簡単に覚えられるゴロ合わせ を紹介します。
🟡 【輸出品】ゴロ合わせ
「刀剣で砂を切るとイオン水、相当しょっぱいお飲物」
- 刀剣 → 刀
- 砂 → 砂金
- イオ → 硫黄
- 水 → 水銀
- 相当 → 宋銭・陶磁器
- しょっぱい → 書籍
- お飲物 → 織物
🟢 【輸入品】ゴロ合わせ
「昨日相当高い金時計をあげた」
- 昨日 → 絹織物
- 相当 → 宋銭・陶磁器
- 高い → 高級織物
- 金 → 金
- 時計をあげた → 刀剣を輸出した
これらの語呂合わせを活用すると、簡単に暗記 できますよ!
日宋貿易に関するテストの頻出問題と解き方のコツ
歴史のテストでは、日宋貿易に関する問題がよく出題されます。ここでは、頻出問題を紹介します。
① 輸出品・輸入品を問う選択問題
👉 対策:「語呂合わせを覚えておく!」
② 貿易港「大輪田泊」「博多」を問う地図問題
👉 対策:「地図を見ながら場所を確認!」
③ 日宋貿易と日明貿易の違いを問う記述問題
👉 対策:「勘合貿易と自由貿易の違いを整理!」
総括:日宋貿易の輸入品・輸出品まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
1. 日宋貿易とは?
- 時期:平安時代後期(11世紀)~鎌倉時代
- 貿易の中心人物:平忠盛(開始)、平清盛(本格化)
- 貿易の拠点:大輪田泊(現在の神戸港)、博多港
- 特徴:遣唐使廃止後、宋商人との貿易が発展
2. 日宋貿易の輸入品(日本が買ったもの)
- 宋銭(そうせん) – 日本の貨幣経済を発展させた
- 陶磁器(青磁・白磁) – 貴族に人気、高級品として流通
- 書籍・経典 – 仏教文化の発展を促進
- 香料・薬品(沈香・麝香・蘇芳) – 宮廷・寺院で使用
- 高級織物(綾・錦) – 貴族文化に影響を与えた
💡 暗記法(輸入品):「昨日相当高い金時計をあげた」
→ 絹織物・宋銭・陶磁器・高級織物・金・刀剣
3. 日宋貿易の輸出品(日本が売ったもの)
- 砂金(さきん) – 宋にとって貴重な金の供給源
- 硫黄(いおう) – 火薬の材料として軍事利用
- 刀剣(とうけん) – 日本の職人技が高く評価された
- 真珠・扇 – 装飾品として中国の貴族に人気
- 木材(杉・檜) – 中国での森林資源枯渇を補うため需要増
💡 暗記法(輸出品):「刀剣で砂を切るとイオン水、相当しょっぱいお飲物」
→ 刀剣・砂金・硫黄・水銀・宋銭・陶磁器・書籍・織物
4. 日宋貿易の主要な港とルート
- 大輪田泊(神戸港) – 平清盛が修築、宋船の寄港地
- 博多港 – 荷揚げ場、博多遺跡群から中国陶磁器出土
- 宋の主要港(明州・泉州・福州) – 日本への輸出拠点
💡 宋船の来航の理由:季節風(モンスーン)と潮流を利用し、春に来て秋に帰る
