「佐賀大学って恥ずかしいの?」

ネットで検索していると、そんなワードが目に入り、不安になる受験生や保護者の方も多いのではないでしょうか。特に、旧帝大や首都圏の難関私立大学と比べられると、「佐賀大=低レベル?」という印象を持たれがちです。

しかし、それは本当なのでしょうか?

佐賀大学は、地方国立大学でありながら独自の教育体制と地域密着の研究力、そして高い就職実績を誇る実力派大学です。「恥ずかしい」と感じるかどうかは、情報の取り方次第です。

本記事では、「佐賀大学は恥ずかしい」という印象がどこから生まれるのかを丁寧に分析し、偏差値や大学ランク、就職率や特色ある学びまで、データと共に正確にお伝えしていきます。

佐賀大学は恥ずかしい?偏差値・評判・大学ランク

「佐賀大学は恥ずかしい」という声は、特にネット上でよく目にします。果たしてそれは真実なのか?ここでは、佐賀大学の偏差値、共通テスト得点率、大学群の位置づけ、そして九州内での他大学との比較など、数字と事実をもとにその実態を検証します。

佐賀大学が「恥ずかしい」と言われる理由とは?ネット上の声を分析

「佐賀大学=恥ずかしい」といった印象は、主にインターネット上の匿名掲示板やQ&Aサイトで散見されます。たとえばYahoo!知恵袋では「九大落ちで佐賀大は差がありすぎる」といった投稿があります。

5chでは「佐賀大学ってそもそもどこ?」という発言も確認されています。背景には知名度や地理的要因があるようです。

批判内容の傾向具体的なコメント例
学歴比較によるもの「九州大学と比べると“落ちこぼれ”に見える」
地理的マイナーさ「佐賀って行ったことないし、大学の存在も知らなかった」
名前のインパクト不足「地方国立ってパッとしない」「駅弁=Fランのイメージ」

ただし、これらの声の多くは感情的・偏見的なものであり、佐賀大学はれっきとした国立大学であり、地域貢献度や教育の質でも高い評価を受けています。問題は、情報が誤解されたまま広がっている点にあるのです。

なお、佐賀大が滑り止め校として見なされている?というのも、某チャンネルの取材で取り上げられています…

このような背景から、佐賀大に対してポジティブなイメージが持てていないという人が一定数いるようです。でも、国公立大ですからね。十分誇れる大学です!

佐賀大学の偏差値は本当に低い?他大学と比較してみた

佐賀大学の偏差値は「Fラン」と揶揄されがちですが、実際には標準的な地方国立大学の水準に位置しています。特に教育・医学系では全国平均を上回る学科も存在し、「恥ずかしい」と言うには根拠が薄いと言えるでしょう。

学部名学科偏差値(日程別)
経済学部経済・経済法42.5(前期)
経済学部経営45.0(前期)
教育学部幼小連携教育45.0~47.5
教育学部初等教育主免47.5~50.0
教育学部中等教育主免50.0~52.5
理工学部理工学科42.5(前期)~52.5(後期)
農学部生物資源科学科45.0(前期)~50.0(後期)
医学部医学科62.5(前期)
芸術地域デザイン地域デザイン47.5(後期)

引用:スタディサプリ進路

旧帝大や早慶と比較すれば見劣りする部分はありますが、医・教・理系学部では確かな競争力を持っています。偏差値のみで判断するのではなく、志望分野との相性や大学の特色を見極めることが大切です。

共通テスト得点率から見る佐賀大学の実力

佐賀大学の各学部に合格するためには、共通テストで6割以上の得点が必要な学科が大半を占めています。以下は主な学部・学科の得点率一覧です。

学部名学科日程得点率
経済学部経済・経営前期~後期62%~70%
教育学部幼小連携~中等教育前期~後期54%~68%
理工学部理工学科前期~後期54%~65%
農学部生物資源科学科前期~後期57%~66%
医学部医学科・看護学科前期~後期61%~89%
芸術地域デザイン芸術・地域デザイン前期~後期58%~68%

特に医学科の得点率は83%〜89%と非常に高く、全国的に見ても難関です。文系学部でも後期では70%前後が必要となることがあり、「誰でも入れる」ような大学ではないことが明らかです。偏差値に加えて得点率も併せて見ることで、佐賀大学の実力を正確に把握することができます。

佐賀大学の大学群やランク付けはどこ?駅弁大学の位置づけ

佐賀大学は、いわゆる「駅弁大学」の一角に数えられる地方国立大学です。「駅弁大学」とは、戦後の国立大学設置政策により、各都道府県に1校ずつ置かれた地方拠点型の大学群の通称で、全国に33校存在します。佐賀大学はその中でおおよそ中堅の19位前後と評価されています。

さらに、以下のような大学群とも比較されることがあります。

大学群構成大学例備考
駅弁大学佐賀・福井・秋田など全国33校。地方拠点型の国立大群
金岡千広金沢・岡山・千葉・広島旧帝大に次ぐ中堅上位
5S静岡・滋賀・信州・新潟・埼玉難関地方国立として注目
STARS島根・鳥取・秋田・琉球・佐賀偏差値50前後の地方国立群

佐賀大学が属する「STARS」は、知名度はやや低いものの、地域貢献や教育の充実度では一定の評価を得ています。「駅弁=劣っている」という印象は偏見に過ぎず、むしろ地域密着型の教育と研究を推進している大学といえるでしょう。

佐賀大学と比較されがちな大学ランキング【九州編】

佐賀大学は九州内の中堅国公立大学として、同じ地域にある複数の大学とよく比較されます。とくに偏差値や知名度の観点から、以下の大学がよく候補に挙がります。

大学名偏差値帯(主要学部)特徴・備考
九州大学55.0~67.5旧帝大。九州随一のトップ校
長崎大学42.5~65.0医歯薬を含む総合国立大学
熊本大学45~62.5教育・理系に強み。医も有名
西南学院大学47.5~52.5私立人気上位。就職に定評

確かに偏差値だけを比べれば、佐賀大学はこれらの大学にやや劣る場面もあります。しかし、就職実績や学費の安さ、教育の安定性を総合評価すると、特に私立の西南学院大学よりも佐賀大学にメリットを感じる人も少なくありません。

国立ならではの学費負担の軽さや公務員就職の強さも無視できないポイントです。偏差値だけにとらわれず、大学全体のバランスで判断することが大切です。

佐賀大学が恥ずかしいわけない!特徴・就職・学びの実態

ここからは、佐賀大学の“ポジティブな側面”に焦点を当てます。ネット上では「恥ずかしい」といった声が目立つものの、実際には就職に強く、学びの環境やカリキュラムにも特色があります。データと事実をもとに、その“すごさ”を深掘りします。

佐賀大学の魅力とは?「佐賀大学士力」と独自の教育方針

佐賀大学では、学生が卒業までに身につけるべき能力として「佐賀大学士力(がくしりょく)」を明確に定義しています。これは社会に出て活躍するための基盤となる力であり、以下の3つの柱で構成されています。

分類内容の詳細
基礎的な知識と技能文化と自然、現代社会と生活、言語・情報・科学リテラシーの習得
課題発見・解決能力課題の抽出、解決手法の探究、協調性や指導力による実行力の育成
個人と社会の持続的発展を支える力多様性理解、社会参加、倫理観、学び続ける力の育成

この士力を伸ばすために、佐賀大学は専門科目に加え、「インターフェース科目」「副専攻」「データサイエンス教育」などを導入しています。

たとえば「インターフェース科目」では複数分野を横断する学びを推進し、従来の専門枠を越えた発想力を養うことができます。また、副専攻制度では英語、歴史文化、地域・佐賀学など幅広い選択肢が用意され、学生一人ひとりが自身の興味や将来の目標に応じた柔軟な履修が可能です。

こうした教育方針により、佐賀大学は単なる学力の育成にとどまらず、「実社会で通用する総合力」を育む大学として注目されています。地元企業との連携や、国際教育との融合も進んでおり、地方国立大学の中でもユニークな位置づけを確立しています。

学部・学科の特色を一覧で紹介!あなたに合う学びがある

佐賀大学には、文系・理系・芸術系を網羅する6学部が設置されており、それぞれが特色ある学科や課程を展開しています。資格取得を目指す教育や看護の分野だけでなく、地域課題や社会実装を意識した学びが可能で、実践重視の教育環境が整っています。

学部名主な学科・課程内容特徴・キーワード
教育学部学校教育課程(幼小連携・初等教育・中等教育・特別支援)教員養成/資格取得/地域貢献
経済学部経済学科・経営学科・経済法学科経済理論/経営戦略/法律知識の融合
理工学部理工学科(化学、物理、機械、電子、情報、数理など)工学×理学の複合教育/データサイエンス
農学部生物資源科学科(バイオ、食品、環境、農業経済など)地域農業/バイオ研究/持続可能な社会
医学部医学科・看護学科医師・看護師養成/地域医療への貢献
芸術地域デザイン学部芸術表現・地域デザイン地域創生/アートと社会課題の融合

佐賀大学では、学際的な学びや地域との連携が重視されており、自分の関心やキャリア志向に合わせた柔軟な履修設計が可能です。将来の進路や社会貢献を意識した学びができる点で、多くの学生にとって「学びやすく、活かしやすい大学」と言えるでしょう。

佐賀大学の就職実績は強い?主要進路データで分析

佐賀大学は、地方国立大学として就職に非常に強い実績を持つ大学です。とくに教育・医療・行政・金融・メーカーなど安定性の高い分野に卒業生が多数進出しており、地域密着型の大学ならではの信頼と強みが光ります。

学部名卒業者数就職希望者就職者数就職率主な就職先例
教育学部115人102人102人100%小学校教員(43名)、中学校教員(26名)、佐賀県庁など
経済学部258人238人238人100%福岡銀行(5名)、佐賀銀行(4名)、県庁・市役所など
理工学部489人257人256人99.6%ソニー、ファナック、福岡国税局、佐賀電算センターなど
医学部(看護学科)59人59人59人100%附属病院(22名)、九州大学病院、福岡市立こども病院など
農学部148人84人83人98.8%佐賀県庁(9名)、長崎県庁、福岡市役所、唐津市役所など
芸術地域デザイン114人96人96人100%スチームシップ、佐賀県庁、香蘭社など

引用:パスナビ

注目すべきは、全学部において就職率が98%以上である点です。特に教育や看護といった国家資格が必要な職種では高い専門性が評価されており、地元自治体や有力企業からの信頼も厚いことが分かります。偏差値だけでは測れない「地域と実務に強い」大学として、佐賀大学は大いに注目すべき存在です。

立地は不利?実は福岡からもアクセス良好な環境

「佐賀大学=交通の便が悪い」という先入観を持つ人もいますが、実際にはアクセス良好で通学や生活に不便はありません。特に九州の中心都市・福岡市からの距離感は非常に現実的です。

出発地到着地所要時間備考
博多駅佐賀駅約40分(特急)JR特急「かもめ」など利用可
佐賀駅佐賀大学約10分(自転車)駅から一本道、通学しやすい立地
福岡空港佐賀駅約60分(バス)空港直通の高速バスあり

佐賀市は県庁所在地でありながら、自然も豊かで落ち着いた雰囲気があり、学業に集中しやすい環境です。

市内には行政機関、図書館、美術館、企業の研究所などもあり、地方にいながらも知的・文化的資源が充実しています。「地方の静けさ」と「都市の利便性」を兼ね備えた、バランスの良い学習環境といえるでしょう。

海外留学・グローバル人材育成も進む佐賀大学の国際戦略

佐賀大学は、地方国立大学でありながら国際交流にも力を入れています。2024年現在、19カ国・地域71大学と学術協定を結び、交換留学や短期海外研修「SUSAP(Saga University Short-term Abroad Program)」を実施しています。語学が不安な学生にも手厚いサポートがあり、学内外で国際感覚を身につける機会が豊富です。

項目内容
協定大学数19カ国・地域、71大学(2024年現在)
主なプログラムSUSAP(短期海外派遣)、交換留学、語学研修
支援制度TOEIC年2回無料受験、事前語学研修、奨学金支援あり
学内イベントカルチュラルナイト(多文化交流イベント)

特に「カルチュラルナイト」では留学生と日本人学生が文化を紹介し合う機会が設けられており、キャンパス全体が国際色豊かな雰囲気に包まれます。国際経験を積みたい学生にとって、佐賀大学は“穴場”ともいえる魅力的な大学です。

総括:佐賀大学は恥ずかしい?すごい?まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 「佐賀大学は恥ずかしい」という印象は、ネット上の偏見や知名度の低さに起因しており、実態とは異なる。
  • 偏差値は地方国立大学として標準的であり、医学科は偏差値62.5と高難度。
  • 共通テストでは多くの学科で得点率60%以上が必要で、「誰でも入れる大学」ではない。
  • 駅弁大学(地方国立大学群)の中堅に位置し、「STARS」の一員として地域密着型の教育が評価されている。
  • 九州内では長崎大学・熊本大学・西南学院大学と比較されるが、教育・就職・学費面では佐賀大学が有利な点も多い。
  • 教育方針として「佐賀大学士力」を掲げ、横断的なカリキュラム(副専攻・インターフェース科目等)を導入。
  • 6学部構成で、資格系や理系分野に強く、地域課題解決に直結した学びも実施。
  • 就職率は全学部でほぼ100%近く、教員・公務員・医療職・技術職への就職に強い。
  • 立地は福岡からアクセス良好で、都市機能と自然環境が両立した学習環境。
  • 国際交流にも力を入れており、19カ国・地域71大学と協定を結び、留学・語学教育支援も充実。