「産近甲龍って正直、恥ずかしい大学なの?」

そんな疑問や不安をネットで見かけることがあります。確かに、関西の難関私立大学「関関同立」と比較すると、一段下に見られがちな「産近甲龍」ですが、果たしてその評価は正しいのでしょうか?

本記事では、産近甲龍(京都産業大学・近畿大学・甲南大学・龍谷大学)が“恥ずかしい”と感じられる背景にある誤解を解き明かし、実際の偏差値・序列・就職実績などのデータをもとに、実力ある大学群であることを検証します。

また、関東の大学群「日東駒専」との比較や、各大学の特徴も徹底解説。進路に迷う高校生や保護者の方にとって、信頼できる判断材料をお届けします。

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産近甲龍は恥ずかしいは誤解!関東で言うとどのレベル?

関西の私立大学群として有名な「産近甲龍」ですが、ネット上では「Fラン」「滑り止め」「就職に弱い」など、ネガティブな印象が先行することもあります。しかし、実際はどうなのでしょうか?

産近甲龍の各大学は、全国規模で見ても学生数が多く、実績豊富な総合大学ばかりです。ここでは、こうした“恥ずかしい”というイメージの実態を解明し、偏差値や実績から本当の価値を探ります。

「産近甲龍が恥ずかしい」と言われる理由

「産近甲龍恥ずかしい」と検索すると、「Fランでは?」「滑り止めばかり」など、否定的な意見が見つかります。これは主に、関西における大学のヒエラルキー構造に関係しています。

産近甲龍は「関関同立」に次ぐランクの大学群であり、受験生の間では“第二志望”や“安全校”と見なされがちです。

また、SNSや匿名掲示板では一部の極端な意見が拡散されやすく、「恥ずかしい」といった過剰な言説が独り歩きしています。しかし現実には、多くの学生が自分の学力や志望分野に合った進学先として産近甲龍を選んでいます。

特に近畿大学や甲南大学は、入試難易度や就職率の面で高い実績を誇っており、決して「恥ずかしい」大学ではありません。

偏差値から見た産近甲龍の難易度:関東で言うと日東駒専

産近甲龍の中でも特に近畿大学や甲南大学は、学部によっては関東の日東駒専を上回る偏差値帯にあります。特に近畿大学では、文系学部でも偏差値55以上を記録しており、「簡単に入れる大学」というイメージは必ずしも当てはまりません。

以下は、近畿大学と日東駒専(主に文系学部)の偏差値帯を比較したものです。

大学名学部名偏差値帯(2024年度)
近畿大学総合社会学部50.0〜57.5
法学部47.5〜55.0
経済学部47.5〜55.0
文芸学部45.0〜57.5
駒澤大学社会学部50.0〜57.5
東洋大学経済学部47.5〜55.0
専修大学法学部47.5〜52.5
日本大学文理学部(文系)50.0〜55.0

これを見ると、近大の一部学部は駒澤大学や東洋大学の上位学部と並び、あるいは超えるレベルに位置しています。

したがって、産近甲龍を「Fラン」「恥ずかしい」と一括りにするのは事実に反します。学部によっては全国でも中堅上位に分類される難易度であり、一定の学力が求められる大学群なのです。

上位何%が合格できる?産近甲龍の合格者層を分析

産近甲龍に合格するには、全体の上位30〜40%の学力が必要とされています。これは、全国の大学進学率(56%前後)や偏差値50が全体の中央値(約50%)に相当することを踏まえた推計です。

例えば近畿大学の法学部は、一般入試で偏差値52.5(全体上位39%)、共通テスト利用では偏差値57.5(上位22%)が目安とされています。

以下に、合格目安の学力分布をまとめます。

入試方式目安偏差値想定順位(全体比)
産近甲龍(平均)50.0前後上位30〜40%
近畿大 法学部(一般)52.5上位39%
近畿大 法学部(共通)57.5上位22%

産近甲龍の受験者層には、関関同立やMARCHを第一志望とする層の“滑り止め”受験も多く含まれ、実際の競争は侮れません。特に近畿大学では志願者数が20万人を超える年もあり、その人気ぶりと競争率の高さは中堅大学の中でも群を抜いています。

よって、「誰でも受かる大学」という見方は大きな誤解であり、産近甲龍は相応の努力と学力が必要な、実力ある大学群だといえるでしょう。

産近甲龍と関関同立・日東駒専の難易度を比較

「産近甲龍は日東駒専より下」「関関同立と差が大きい」といった声がありますが、偏差値データを比較してみると、必ずしもそうとは言えません。

以下は各大学群の主な文系学部の偏差値比較表です。

大学群主な文系学部偏差値帯(2024年度)
同志社大学文・法・商・経済57.5〜62.5
立命館大学国際関係・法・経営55.0〜67.5
関西学院大学国際・法・商50.0〜70.0
関西大学法・商・外国語52.5〜60.0
近畿大学法・経済・総合社会など47.5〜57.5
甲南大学文・法・経済・経営47.5〜55.0
日本大学法・経済・商45.0〜52.5
東洋大学経済・法・社会47.5〜57.5
駒澤大学文・法・経済45.0〜57.5
専修大学商・経済・法47.5〜52.5

(引用:パスナビ・大学公式サイトなどより集計)

近畿大学や甲南大学の一部学部では、日東駒専の平均を上回る偏差値となっており、難易度的には互角または上位互換とも言えます。また、関西では地元就職における知名度やコネクションも強いため、「産近甲龍は恥ずかしい」といったイメージは実情にそぐわないと言えるでしょう。

近畿地方における産近甲龍の評価

産近甲龍は、全国的な偏差値評価だけでは見えない「地元力」に優れた大学群です。特に関西圏では各大学が地元企業との結びつきを活かし、就職や進路支援に強みを持っています。

以下は、各大学の地域評価と主な特徴の一覧です。

大学名地域評価と特徴
近畿大学志願者数全国1位(約20万人)、大阪・関西圏での知名度はトップクラス。企業説明会参加企業多数。
龍谷大学京都・滋賀に強い。公務員試験の合格者数が多く、特に地方公務員に強み。
甲南大学神戸・阪神間でのブランド力が高い。卒業生のネットワークが地元企業に浸透している。
京都産業大学京都市郊外のワンキャンパス制。地元密着型で、産学連携や企業インターンも充実。

関西圏の中堅企業や自治体にとって、これらの大学の出身者は「即戦力」として認識されており、リクルーターや人事担当者が積極的にキャンパスに訪問しています。

大都市に立地しつつ、地域に密着した強みを活かせる点こそが、産近甲龍の評価を支える大きな要因です。地元志向の学生にとっては、非常に魅力的な進学先と言えるでしょう。

就職率や実績は?大手企業や公務員にも強い理由

産近甲龍は「就職に強い中堅私大」として、企業・公務員の両面で高い実績を誇っています。特に有名企業400社への実就職率(※実際に就職した学生数を卒業生数で割った比率)では、近畿大学と甲南大学がともに9.9%、京都産業大学が8.9%、龍谷大学が8.3%を記録しています。

これは、関東の「日東駒専」の多くの大学と同等、あるいはそれ以上の数値であり、特に近畿大学は関西の私大の中でも際立った実績を持っています。

また、公務員志望者にとって注目すべきは龍谷大学の実績です。2020年度の公務員就職率は7.1%で、全国平均を上回る水準となっており、京都産業大学(5.6%)、近畿大学(5.3%)、甲南大学(4.6%)も健闘しています。特に地方公務員に強く、自治体就職を希望する学生にとっては非常に魅力的な環境です。

キャリアセンターの支援も手厚く、模擬試験や講座などが充実している点も、産近甲龍の就職力を支える理由となっています。

産近甲龍が恥ずかしいわけない!序列や偏差値

ここでは、産近甲龍の内部でどの大学が強いのか、どのような特徴があるのかを具体的に解説していきます。偏差値や就職率、学部数などの客観的な指標をもとに、大学ごとの実力を比較します。

産近甲龍の序列はこうなる!総合評価で見る順位と理由

産近甲龍の4大学は、偏差値・就職率・学部構成・知名度などから総合的に評価すると、以下のような序列が一般的です。大学ごとの強みによって評価が分かれるため、目的や志望学部に応じた選択が重要です。

順位大学名主な強み偏差値帯(文系)実就職率(有名企業)公務員就職率(2020年)
1位近畿大学志願者数全国1位、学部数最多、医学部あり、実就職率・知名度ともにトップ45.0〜57.59.9%5.3%
2位甲南大学少人数教育、財界での評価が高く、役員輩出率が高い45.0〜55.09.9%4.6%
3位龍谷大学公務員に強く、安定感ある文系学部、仏教系の伝統校40.0〜55.08.3%7.1%
4位京都産業大学ワンキャンパスで学びやすい環境、理系設備が充実42.5〜50.08.9%5.6%

こうしたデータからも分かるように、近畿大学は総合力で他大学を一歩リードしていますが、それぞれの大学に独自の強みがあります。志望分野や就職先に応じた柔軟な視点で、大学選びを進めることが重要です。

近畿大学|偏差値・学部一覧・特徴まとめ

近畿大学は、全国で最も志願者数が多い私立大学として知られ、2020年代においてもその人気は衰えません。メディアを活用した広報戦略「近大マグロ」や、有名アーティストを招いた入学式など、若者向けの斬新なアプローチで注目を集めています。

総合大学としての規模と学問領域の広さも特筆すべきポイントです。文系・理系に加えて医学部まで有し、関関同立に迫る勢いで成長を遂げています。

学部名偏差値(2024年度)
文芸学部45.0~57.5
総合社会学部50.0~57.5
国際学部45.0~50.0
法学部47.5~55.0
経済学部47.5~55.0
経営学部47.5~55.0
工学部(広島)42.5~47.5
産業理工学部(福岡)40.0~47.5
理工学部42.5~52.5
情報学部55.0
建築学部52.5
農学部(奈良)45.0~55.0
生物理工学部(和歌山)37.5~45.0
薬学部52.5~55.0
医学部65.0

引用:スタディサプリ進路

このように近畿大学は、難関学部から比較的入りやすい学部まで幅広く選択肢があることが魅力です。全国区で知名度を持ち、実績とともに進化し続けている大学です。

龍谷大学|仏教系で公務員に強い!偏差値・学部一覧

龍谷大学は、浄土真宗本願寺派を母体とする仏教系の大学で、京都・滋賀にキャンパスを構える歴史ある私立大学です。穏やかな校風に加え、安定志向の学生に適した教育環境が整っており、特に公務員志望者に人気があります。

公務員試験合格率も高く、2020年度には7.1%の学生が公務員に就職。これは全国の私大の中でも高水準で、法学部・政策学部を中心に試験対策にも注力しています。

学部名偏差値(2024年度)
文学部37.5~55.0
心理学部47.5~52.5
国際学部42.5~47.5
社会学部45.0~50.0
法学部45.0~50.0
政策学部45.0~47.5
経済学部45.0~47.5
経営学部47.5~50.0
先端理工学部37.5~45.0
農学部40.0~45.0

引用:スタディサプリ進路

文理問わず多様な学問領域をカバーしつつ、地域に根ざした進路支援も展開しており、地元志向の学生から根強い支持を得ています。

甲南大学|少人数教育と財界の評価が高い大学の実力

甲南大学は兵庫県神戸市に本部を置く私立大学で、上品で落ち着いた校風と、丁寧な少人数教育に定評があります。関西の伝統的な中堅私大として、特に地元財界との結びつきが強く、「学閥」の力を活かした就職や出世においても注目されています。

少人数制教育により学生一人ひとりへのサポートが厚く、関東で言うところの成城大学・成蹊大学のような“お坊ちゃん系ブランド”に近い立ち位置です。実際、上場企業の役員輩出率が高く、卒業後のキャリアを重視する学生にとっては有力な選択肢となります。

学部名偏差値(2024年度)
文学部47.5~55.0
グローバル教養学環50.0
法学部47.5
経済学部47.5
経営学部47.5~50.0
マネジメント創造学部47.5
フロンティアサイエンス学部47.5
理工学部45.0~47.5
知能情報学部45.0~47.5

引用:スタディサプリ進路

教育環境の整備に加え、地元企業との強固なネットワークも魅力のひとつです。学力面でも安定した水準を維持しており、就職・進路重視派にはおすすめの大学といえるでしょう。

京都産業大学|ワンキャンパス・総合教育が強みの伝統校

京都産業大学は、京都市北区上賀茂に広がる広大なワンキャンパスを構え、全学部が1か所に集まる総合大学です。学部の枠を超えた交流が活発で、大学全体の一体感とチームワークの強さが大きな魅力となっています。

また、文理バランスの取れた学部構成と、キャリア支援にも注力している点から、総合力のある大学として関西圏での評価も上昇中です。

理系学部にも強みがあり、特に情報理工学部や生命科学部、理学部といった分野で研究・実験環境の整備が進んでいます。文系に偏りがちな私立大学の中で、理系にも手厚いサポートがあるのは大きな特長です。

学部名偏差値(2024年度)
外国語学部42.5~45.0
文化学部42.5~45.0
現代社会学部45.0~47.5
国際関係学部45.0
法学部42.5~45.0
経済学部42.5~45.0
経営学部42.5~45.0
理学部45.0~50.0
情報理工学部47.5
生命科学部45.0~47.5

引用:スタディサプリ進路

京都産業大学は、学問の幅広さと地元志向の強さを併せ持った私立大学です。落ち着いた学習環境と、地域企業との連携も充実しており、就職面でも安定した実績を持っています。

総括:産近甲龍が恥ずかしいわけない!まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 「産近甲龍が恥ずかしい」は誤解
    → 関関同立より下に見られがちだが、難易度や実績は高く、SNS上の風評が誤解を招いている。
  • 近畿大学や甲南大学は日東駒専より難しい学部も
    → 偏差値では近大・甲南の上位学部は日東駒専と同等または上位。
  • 産近甲龍の合格者は上位30〜40%の学力層
    → 特に近畿大学は偏差値57.5の学部もあり、誰でも入れる大学ではない。
  • 関東の「日東駒専」とは互角、関関同立との差も学部による
    → 産近甲龍と日東駒専は偏差値帯が重なり、学部次第で逆転もある。
  • 関西地元での産近甲龍の評価は高い
    → 地元企業とのつながりが強く、地域密着型の大学として就職にも有利。
  • 実就職率や公務員就職率も高水準
    → 近畿大学・甲南大学は大手企業就職率9.9%、龍谷大学は公務員率7.1%など高い成果。
  • 産近甲龍の序列は「近大>甲南>龍谷>京産」
    → 総合力で近畿大学が1位だが、各大学に独自の強みがある。
  • 各大学の偏差値・特徴も充実
    → 幅広い学部構成と進路支援により、進学先として十分魅力的。