「関関同立の序列って結局どうなの?」

受験生や保護者の間でよく話題になるこの疑問。関関同立とは、関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学の4校を指す、関西の難関私立大学群です。しかし、同じグループでありながら偏差値や学部構成、人気度は大学によって異なります。

本記事では、文系・理系それぞれの観点から関関同立の序列を徹底比較。また、全国の中でどれほどの「すごさ」を持っているのか、最新データとともに解説します。

これから志望校を考える方や、他大学群と比較検討したい方にとって、確かな判断材料になるはずです。

関関同立の序列を文系理系で徹底比較

関関同立と一口に言っても、学部によって偏差値や難易度、人気に大きな違いがあります。ここではまず、文系・理系に分けてそれぞれの大学の序列を具体的に見ていきましょう。加えて各大学の偏差値一覧や特色も表形式で紹介し、より明確な比較を可能にします。

文系学部での関関同立序列は?偏差値から見るリアルな順位

文系学部の難易度を見ると、同志社大学が頭ひとつ抜けた存在となっています。法学部、商学部、経済学部などいずれも偏差値60前後を安定して維持しており、文系での最上位はほぼ揺るぎない評価です。

次点で立命館大学が続き、国際関係学部の偏差値は67.5に達します。関西学院大学は国際学部が強く評価され、偏差値は最大70に達することもありますが、その他の文系学部は同志社・立命館よりやや下回る傾向にあります。

関西大学は全体として安定感はあるものの、偏差値の平均値では他3校に一歩劣る位置づけとなります。

よって、「同志社大学>>立命館≧関学≧関大」と言う感じになるでしょうか?

大学名主な文系学部偏差値(目安)
同志社大学文・法・商・経済57.5〜62.5
立命館大学国際関係・法・経営55.0〜67.5
関西学院大学国際・法・商50.0〜70.0
関西大学法・商・外国語52.5〜60.0

なお、最近では関西大学が関西学院大学に迫っている感じもあります。関学が推薦を増やしたことで一時期不人気になったことも影響しているのでしょうか?

なお、関関同立の序列については以下の動画も参考になると思います。

理系学部の関関同立序列はどう変わる?偏差値と学部構成で検証

理系学部では文系とは少し序列が異なります。

同志社大学と立命館大学がリードしており、特に同志社の理工学部は62.5まで偏差値が上昇する学科もあります。立命館も理工学部・薬学部・情報理工学部を擁し、理系の研究環境が整備されており全国的な評価も高いです。

一方、関西学院大学は2021年に理系4学部体制へと改革を実施しましたが、キャンパスの立地(神戸三田)の影響で進学希望者にやや不利な面が見られます。関西大学も理系学部は幅広くありますが、偏差値面では他3校と比較してやや見劣りするのが実情です。

なので、「同志社大学立命館≧関学≧関大」的な感じでしょうか?

大学名主な理系学部偏差値(目安)
同志社大学理工・生命医科学55.0〜62.5
立命館大学理工・情報理工・薬50.0〜60.0
関西学院大学理・工・生命環境50.0〜55.0
関西大学システム理工・環境都市・化学生命50.0〜55.0

同志社大学の偏差値一覧と特徴|文理ともにトップクラスの実力校

同志社大学は、関関同立の中でも文系・理系ともにトップの偏差値を誇る最難関私立大学です。特に法学部・商学部・グローバル系学部を中心に60を超える学部が多く、全国からハイレベルな受験生が集まります。

京都市内に位置する今出川キャンパスのアクセス性や、キリスト教精神に基づいた自由で個性を尊重する校風も人気の理由です。また、国際系・心理系・医療系まで幅広い学問領域を網羅しており、進路の選択肢が豊富です。

以下は、同志社大学の主要学部の偏差値一覧です(文理混合)。

学部名偏差値(目安)
文学部57.5~62.5
心理学部60.0
神学部55.0
グローバル・コミュニケーション学部57.5~62.5
グローバル地域文化学部60.0
社会学部57.5~62.5
法学部60.0
政策学部60.0
経済学部60.0
商学部60.0~62.5
理工学部57.5~62.5
生命医科学部55.0~60.0
スポーツ健康科学部52.5~55.0
文化情報学部55.0~57.5

引用:スタディサプリ進路

立命館大学の偏差値と魅力|文系も理系もバランス良く人気上昇中

立命館大学は、関関同立の中で最多の学部数(全16学部)を持つ総合大学であり、文系・理系のバランスが非常に取れた人気校です。特に国際関係学部は偏差値67.5と、文系学部の中でも全国有数の難関として知られています。

さらに大阪いばらきキャンパスの開設により、都市部志向の受験生からも支持が高まっており、近年は立命館大を第一志望とする層も増加しています。また、情報・生命科学系などの新分野でも教育改革が進んでおり、幅広い進路に対応できるのも魅力です。

以下は、立命館大学の主要学部の偏差値一覧です(文理混合)。

学部名偏差値(目安)
国際関係学部55.0~67.5
法学部55.0
政策科学部55.0
経済学部52.5~55.0
経営学部55.0~60.0
食マネジメント学部52.5
総合心理学部55.0~60.0
文学部52.5~57.5
産業社会学部52.5~55.0
理工学部50.0~57.5
情報理工学部55.0~57.5
生命科学部52.5
薬学部52.5~55.0
映像学部52.5~55.0
スポーツ健康科学部52.5

引用:スタディサプリ進路

関西学院大学の偏差値一覧と近年の評価変化|理系拡張と文系の底力

関西学院大学は、関関同立の中でも特に国際学部の難易度が高く、全国的にも存在感を放つ大学です。文系学部では法学部・社会学部・経済学部が安定した人気を誇り、特に文系志向の学生から高評価を得ています。

一方で理系学部は神戸三田キャンパスに集約されており、立地の不便さから進学率にやや影響があるのが課題です。しかし、AI教育や英語教育の強化、入試改革により、ここ数年で志願者数が大きく増加しています。関西学院大学は“文理一体”の総合力を高める過渡期にあると言えるでしょう。

以下は、関西学院大学の主な学部の偏差値一覧です。

学部名偏差値(目安)
国際学部60.0~70.0
法学部52.5~57.5
社会学部52.5~57.5
経済学部52.5~57.5
商学部52.5~55.0
総合政策学部50.0~55.0
文学部50.0~55.0
教育学部50.0~52.5
神学部50.0~52.5
人間福祉学部50.0~52.5
理学部50.0~52.5
工学部50.0~55.0
建築学部52.5
生命環境学部50.0~55.0

引用:スタディサプリ進路

関西大学の偏差値と学部構成

関西大学は、約3万人の学生を擁する西日本屈指のマンモス私立大学です。多様な学部を持ち、特に近年注目されているのが「ビジネスデータサイエンス学部」の新設です。データ分析やAIといった時代のニーズに即した教育分野への展開により、実践的な学びが可能な環境が整いつつあります。

一方、偏差値では関関同立の中で控えめな数値となっており、進学先としては安定した人気を保ちながらも、序列的にはやや下位と位置づけられることが多いです。ただし、教育の柔軟性や学生数の多さから、実務力を高める環境としては非常に優れた大学といえるでしょう。

以下は、関西大学の主要学部の偏差値一覧です。

学部名偏差値(目安)
文学部52.5~57.5
外国語学部57.5~60.0
社会学部55.0~57.5
社会安全学部52.5
法学部55.0~57.5
政策創造学部52.5~57.5
経済学部55.0~57.5
商学部55.0~57.5
システム理工学部50.0~55.0
環境都市工学部50.0~60.0
化学生命工学部50.0~55.0
人間健康学部52.5~55.0
総合情報学部52.5~55.0
ビジネスデータサイエンス学部52.5~55.0

引用:スタディサプリ進路

関関同立の序列の後に:全国上位何%に入るすごさ?

関関同立は「関西の私立上位校」として広く知られていますが、実際には全国の中でどの程度の実力を持っているのでしょうか。ここでは、偏差値や進学率、ダブル合格の選択率、有名企業への就職率など、各種データをもとに関関同立の実力を可視化していきます。

関関同立は全国の上位何%?偏差値からみるポジション

関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)の各大学は、文系・理系ともに偏差値が60〜65前後に位置しています。

一般的に、偏差値60は全国の受験生の上位約20%、65であれば上位約15%に入る水準とされています。つまり、このラインの大学に合格するには、相応の学力が求められる「難関私大」に分類されるのです。

しかし、さらに注目すべきなのは、日本全体で大学進学を希望・実現している層の割合です。文部科学省「令和5年度学校基本調査」によれば、18歳人口のうち大学へ進学するのは約55%程度とされています。

これを踏まえて試算すると、偏差値60〜65である関関同立に合格するということは、実質的に同年代全体での上位8〜13%に入るレベルということになります。関西私立の中でトップを争う4校は、全国的に見ても非常に高い位置に存在しているのです。

関関同立とMARCHの比較|難易度と就職力の差

関関同立とMARCHは、それぞれ関西・関東を代表する難関私立大学群で、よく比較の対象となります。偏差値面では、MARCHの平均が文系で61〜63程度、関関同立は60〜62程度と若干MARCHが高く見える傾向がありますが、これは主に入試形式の違いに起因しています。

MARCHでは3教科型の入試が主流であるのに対し、関関同立では5教科型や記述型試験も多く採用されており、偏差値だけでは単純比較できない側面があります。

また、就職実績においても両者は高い評価を受けています。下表は「大学通信 有名企業400社への実就職率ランキング」(2023年版)に基づく代表校の順位です。

大学名有名企業就職率ランキング(全国)
同志社大学16位
立命館大学31位
明治大学17位
青山学院大学28位
立教大学34位

このように、同志社や立命館はMARCH上位校と遜色ない就職力を有しており、関関同立も全国的に見て極めて高い評価を受けている大学群といえます。

ダブル合格進学率で見る人気度|同志社が圧勝の理由

東進ハイスクールが実施している「ダブル合格者進学先分析」によると、関関同立の中でも同志社大学が圧倒的な支持を集めています。特に同志社と他3校のダブル合格ケースでは、進学者の多くが同志社を選ぶ傾向が強く、人気・実力ともに群を抜いていることが浮き彫りとなっています。

以下は、2023年度における関関同立間のダブル合格進学率の一例です。

対決構図同志社進学率備考
同志社 vs 関西学院大100%過去には8割以上が同志社を選択
同志社 vs 立命館大100%年によって変動あり

また、同志社以外の人気にも変動が見られ、2023年には関学と立命館の間で順位の逆転が発生。かつては8割以上が関学を選んでいたケースが、現在は以下のように推移しています。

対決構図進学率(2023年)勝者
関西学院大 vs 立命館大34.6%(関学)立命館大が逆転
関西学院大 vs 関西大69.8%(関学)関学が優勢

立命館の逆転の背景には、大阪いばらきキャンパスの交通利便性や、経営・情報系の学部改革による魅力度の向上があると見られます。一方、関学の神戸三田キャンパスは美しい建築が評価される一方で、交通面のハンディが進学先の選択に影響を与えている可能性もあります。

就職実績から見る関関同立の実力

関関同立の就職実績は、全国的に見ても高い評価を受けています。特に有名企業400社への実就職率において、各大学の実力が明確に示されています。以下の表は、大学通信が発表した2024年版「有名企業400社実就職率ランキング」に基づいています。

大学名実就職率(%)全国順位私大順位
同志社大学26.2%18位7位
関西学院大学20.0%31位13位
立命館大学17.3%38位16位
関西大学13.4%56位22位

※実就職率は、卒業生数から大学院進学者数を除いた人数に対する、有名企業400社への就職者数の割合です。

このデータから、同志社大学が関関同立の中で最も高い実就職率を誇り、全国でも上位に位置していることがわかります。関西学院大学と立命館大学も健闘しており、全国トップ50にランクインしています。関西大学はやや下位に位置していますが、それでも全国的には高い水準にあります。

これらの実績は、各大学の教育力や企業からの評価の高さを示しており、関関同立が就職に強い大学群であることを裏付けています。

大学改革の取り組みがすごい!AI・データサイエンスとグローバル教育

近年、大学の評価は単なる偏差値だけでなく、「何を学べるか」「社会でどう活かせるか」が重視される傾向にあります。その中で、関関同立の4大学は教育改革に非常に積極的で、特にAI・データサイエンスとグローバル教育の分野で先進的な取り組みを進めています。

同志社大学では2022年度より、文理14学部すべての学生がAI・データサイエンス教育を履修可能とし、全学的なリテラシー育成に力を入れています。立命館大学はアメリカン大学とのジョイント・ディグリープログラム(共同学位取得)を実施しており、グローバル教育でも国内最先端。

関西学院大学はIBMと連携し、文理共通のAI人材育成プログラムを構築。関西大学は2025年4月に「ビジネスデータサイエンス学部」を新設予定で、専門性と実務性を両立する教育が注目されています。

4大学すべてが、文理を問わず時代を先取りした学びを提供しており、将来性のある進路選択を支援しています。

総括:関関同立の序列&すごさまとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 関関同立とは:関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の4校からなる関西の難関私立大学群。
  • 文系の序列:同志社大学が最上位。次に立命館・関学が並び、関西大学がやや劣る。
  • 理系の序列:同志社・立命館が強く、関学・関大は偏差値・立地面でやや不利。
  • 同志社大学:文理ともにトップクラス。偏差値60超が多数、就職実績も抜群。
  • 立命館大学:学部数最多。国際系・情報系で人気上昇、大阪いばらきキャンパスも好評。
  • 関西学院大学:国際学部の偏差値は70に達するが、神戸三田キャンパスの立地が課題。
  • 関西大学:マンモス校で教育の柔軟性は高いが、偏差値的にはやや下位。
  • 全国偏差値順位:関関同立は全国の上位8〜13%程度の学力層に位置。
  • MARCHとの比較:MARCHの方が若干偏差値が高いが、入試方式の違いも影響。就職力は互角。
  • ダブル合格進学率:同志社が圧倒的な進学選択率。2023年には立命館が関学を逆転。
  • 就職力:同志社が全国7位、関学・立命館も50位以内と就職実績が高い。
  • 教育改革:4校ともAI・データサイエンス、グローバル教育に注力し、時代のニーズに対応。