みなさんは「高床式倉庫」と「高床倉庫」、どちらが正しい言葉か知っていますか?昔の教科書では「高床式倉庫」と習った人もいるかもしれません。
でも、最近の教科書では「高床倉庫」と表記されています。
では、一体いつから変わったのでしょうか?なぜ「式」がなくなったのでしょう?
この記事では、「高床式倉庫」と「高床倉庫」の違いや、用語が変更された理由、さらに歴史のテスト対策になるポイントまで分かりやすく解説します。
高床式倉庫と高床倉庫どっちが正解?正式名称の変遷

まずは「高床式倉庫」と「高床倉庫」どちらが正しいのか、そして、なぜ呼び方が変わったのかを詳しく解説します。
正式名称は「高床倉庫」が正解!教科書から「式」が消えた理由
結論から言うと、正式名称は「高床倉庫」が正解です。かつては「高床式倉庫」と呼ばれていましたが、現在の教科書では「式」を取った「高床倉庫」と記載されています。
では、なぜ「式」がなくなったのでしょうか?理由のひとつは、「式」という言葉が不要だったからです。例えば、以前は「縄文式土器」や「弥生式土器」と言われていましたが、最近は「縄文土器」「弥生土器」となっています。
これは、「式」がなくても意味が伝わるため、簡潔な表現に統一されたのです。
また、「高床式倉庫」と言うと、他にも「○○式倉庫」があるように感じてしまいますよね。でも、実際には特定の分類があるわけではないので、「式」を取って「高床倉庫」と呼ぶようになったのです。
「高床式倉庫」と「高床倉庫」の違いを歴史的に解説
「高床式倉庫」と「高床倉庫」の違いは、言葉の使われ方の変化によるものです。建物の構造や役割に違いがあるわけではありません。
弥生時代の人々は、湿気やネズミから大切な穀物を守るために、床を高くした倉庫を作りました。この構造は日本だけでなく、東南アジアやアフリカでも使われています。
昔の教科書では「高床式倉庫」と記載されていましたが、近年、歴史用語の整理が進み「高床倉庫」に統一されました。したがって、テストや受験で書く場合は「高床倉庫」が正解になります。
ただし、日常会話では「高床式倉庫」と言っても間違いではありません。
高床倉庫の役割と構造!なぜ床を高くする必要があった?
高床倉庫は、なぜ床を高くする必要があったのでしょうか?
その理由を4つ紹介します。
- 湿気対策
- 地面に直接置いた倉庫では、湿気がこもりやすく穀物が傷んでしまいます。高床倉庫なら、床の下に風が通るので、乾燥した状態を保てます。
- ネズミ対策
- 穀物を食べるネズミが登れないよう、**「ねずみ返し」**という工夫がされています。柱の途中に板を取り付けることで、ネズミが上に行けないようになっているのです。
- 洪水対策
- 弥生時代の日本は、低地に集落を作ることが多く、洪水が発生しやすい環境でした。高床倉庫は、こうした水害から収穫物を守る役割も果たしていました。
- 穀霊信仰
- 昔の人々は「穀物には神様が宿る」と考えていました。そのため、神聖な穀物を地面から離れた場所に保管する文化が生まれたのです。
「高床倉庫」は現代でも使われている?世界の事例を紹介
高床倉庫のような構造は、今でも世界中で使われています。特に、東南アジアやアフリカでは、湿気や害虫対策として高床建築が一般的です。
- タイ・カンボジアの高床建築
- 高温多湿な気候のため、風通しの良い高床の家や倉庫が使われています。
- アフリカの高床倉庫
- ウガンダなどでは、農作物を守るために日本と同じような高床倉庫が作られています。
- 日本の神社建築
- 日本の神社の建築様式には、高床倉庫の影響を受けたものがあります。特に「神明造」の神社は、高床の倉庫に似た構造を持っています。
高床倉庫を語呂合わせで覚えよう!テスト対策に役立つ記憶法
テストで「高床倉庫」を覚えるときには、語呂合わせを使うと便利です!
- 「トトロはそこに住んでいる」
- 登呂遺跡(とろいせき)とセットで覚えましょう。
- 「高く床をつくると湿気バイバイ」
- 高床倉庫の湿気対策のポイントを思い出せます。
- 「米を守る高い倉、弥生時代の工夫」
- 役割と時代をセットで覚えられます。
これらの語呂合わせを活用すれば、歴史のテストでもバッチリ得点できます!
高床式倉庫と高床倉庫どっち?いつから変わったか

前半では、「高床式倉庫」と「高床倉庫」の違いや、正式名称が変わった理由、構造の特徴などを詳しく解説しました。
ここからは、高床倉庫の歴史的な背景や、受験対策として押さえておくべきポイント、テストに出やすい問題について解説していきます!
高床倉庫はいつから使われていた?歴史的背景を解説
高床倉庫は、弥生時代に誕生しました。 それ以前の縄文時代には、食べ物を地面に穴を掘って保存する「穴倉式」が主流でした。
しかし、弥生時代に入ると農耕が発展し、お米などの穀物を長期間保存する必要が出てきました。そこで登場したのが「高床倉庫」です。
高床倉庫の歴史的な変遷
- 縄文時代(約1万年前~紀元前300年)
- 穀物の貯蔵は「穴倉」中心。地面に穴を掘り、木や葉で蓋をする保存法が主流だった。
- 弥生時代(紀元前300年~紀元後300年)
- 稲作が始まり、湿気・害虫対策のため高床倉庫が誕生! 登呂遺跡や吉野ヶ里遺跡で発見された。
- 古墳時代~平安時代(300年~1185年)
- 神社建築の「神明造」などに影響を与え、高床式の倉庫が貴族や寺院でも使われるようになった。
- 戦国時代(1467年~1600年)
- 城下町の発展とともに、大型の米倉庫が作られた。「高床倉庫」=大切な食料を守る場所という考えが広がる。
- 江戸時代以降(1600年~)
- 商業が発展し、米蔵が一般的に。防火のため土蔵(どぞう)へ移行し、「高床倉庫」は減少。
- 現代(21世紀)
- 高温多湿の地域では今も使われている。日本の神社建築や、世界の農業倉庫にもその影響が残る。
登呂遺跡と吉野ヶ里遺跡で見つかった高床倉庫!
歴史のテストでは、高床倉庫=弥生時代の遺跡として登場します。特に、以下の2つの遺跡は超重要なので、覚えておきましょう!
登呂遺跡(とろいせき)【静岡県】
- 弥生時代の代表的な遺跡
- 高床倉庫と水田跡が見つかった → 稲作の発展を示す重要な遺跡!
- 「トトロはそこに住んでいる」 → 語呂合わせで覚えよう!
吉野ヶ里遺跡(よしのがりいせき)【佐賀県】
- 日本最大級の弥生時代の集落跡!
- 環濠(かんごう)集落 → 外敵から守るための堀がある。
- 高床倉庫が複数見つかっている!
- 交易や市場が開かれていた可能性が高い!
これらの遺跡名は、教科書や入試でもよく出るので必ず覚えておきましょう!
高床倉庫と現代の倉庫の違い!
「高床倉庫」は弥生時代に生まれたものですが、現代でも似たような倉庫があります。現代の物流や保管の考え方と比較しながら違いを見てみましょう。
高床倉庫(弥生時代)
✅ 目的 → 穀物を湿気や害虫から守る
✅ 構造 → 木造、地面から1~2mの高さ
✅ 防御策 → ねずみ返し、洪水対策
✅ 場所 → 集落の中や城の近く
現代の倉庫
✅ 目的 → 商品や荷物の保管、流通拠点
✅ 構造 → 鉄骨・コンクリート、広大な施設
✅ 防御策 → 空調管理、防犯システム
✅ 場所 → 工業団地、物流センター
こうして比較すると、目的は違っても「大切なものを守る」という点では共通していることが分かりますね!
テストによく出る問題とその解き方!
高床倉庫に関するテストでは、以下のような問題が出題されます。
頻出問題① 高床倉庫の目的
問題:「高床倉庫が作られた理由を2つ答えなさい。」
✅ 模範解答
- 湿気を防ぐため(風通しがよく、カビを防ぐ)
- ネズミなどの害獣から穀物を守るため(ねずみ返しがある)
頻出問題② 登呂遺跡と吉野ヶ里遺跡
問題:「登呂遺跡と吉野ヶ里遺跡の違いを説明しなさい。」
✅ 模範解答
- 登呂遺跡 → 水田跡と高床倉庫が見つかり、稲作が盛んだったことを示す。
- 吉野ヶ里遺跡 → 環濠集落があり、高床倉庫が使われた。交易の拠点だった可能性が高い。
総括:高床式倉庫と高床倉庫どっちが正解かまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
1. 高床式倉庫と高床倉庫どっちが正解?
- 正式名称は「高床倉庫」
- 以前は「高床式倉庫」と呼ばれていたが、現在は「式」が不要とされている
- 教科書では「高床倉庫」と記載されており、テストではこちらが正解
2. なぜ「式」がなくなったのか?
- 「式」があると、ほかにも種類があるように誤解されるため
- 他の歴史用語(例:「縄文式土器」→「縄文土器」)と同様に簡潔な表現に統一
- 意味が通じるため、簡潔な「高床倉庫」に変更された
3. 高床倉庫の役割と特徴
- 湿気対策 → 風通しをよくして、穀物のカビを防ぐ
- ネズミ対策 → 「ねずみ返し」を設置し、穀物を守る
- 洪水対策 → 高い床で水害から穀物を保護
- 穀霊信仰 → 穀物には神が宿るとされ、神聖な場所として扱われた
4. 高床倉庫の歴史
- 縄文時代 → 穀物保存は「穴倉」が中心
- 弥生時代 → 稲作の発展とともに「高床倉庫」が誕生
- 古墳時代~平安時代 → 神社建築(神明造)に影響
- 戦国時代 → 城下町に大型の米倉庫が登場
- 江戸時代以降 → 商業の発展とともに土蔵が増え、高床倉庫は減少
- 現代 → 東南アジア・アフリカなど湿気の多い地域で今も使用
5. 重要な遺跡
- 登呂遺跡(静岡県) → 水田跡と高床倉庫が発見された(語呂:「トトロはそこに住んでいる」)
- 吉野ヶ里遺跡(佐賀県) → 環濠集落と高床倉庫があり、交易の拠点だった可能性が高い
6. 現代の倉庫との比較
高床倉庫(弥生時代) | 現代の倉庫 | |
---|---|---|
目的 | 穀物を湿気や害虫から守る | 商品・荷物の保管・流通 |
構造 | 木造、床が地面から1~2m | 鉄骨・コンクリート |
防御策 | ねずみ返し、洪水対策 | 空調管理、防犯システム |
場所 | 集落や城の近く | 工業団地、物流センター |