中1の総復習で使える問題集のおすすめを探している保護者は多いです。
中1の学習の抜け漏れを春休みなどに総復習させ、次学年のスタートをなるべく気持ちよく切らせてあげたいですよね。
では、中1総復習として問題集を選ぶ場合、どのようなポイントに気をつけて選べば失敗を避けることが出来るのでしょうか?実際、総復習系の問題集選びには落とし穴があります。
本記事では、現役塾長が中1総復習で使える問題集おすすめを忖度なしに紹介します。
子供のレベル別で紹介するので、お子さんに合った問題集選びの参考にしてください。
中1総復習で使える問題集おすすめの落とし穴

中1の総復習で使える問題集ないかな?と探している保護者様は、必ず以下のような教材を目にすることになります。


これらに共通しているのは、
・7日で完成
・10日で完成
といった聞こえのいいフレーズと、5教科が全て1冊のテキストにまとまっていることです。
正直なところ、この手の問題集は大体がハズレです。
メーカーさんには悪いですが、聞こえのいいキャッチフレーズを使って、情報弱者に売りつけているとしか思えないです。辛口ですいません。
ハッキリ言いますが、7日や10日程度で中1の総復習など完成するわけがありません。
もちろん、メーカーさんは7日で終わる問題の量という意味でタイトルをつけているのでしょう。しかし、こう言うのを購入する人って、この1冊で何とかなるという間違った期待を抱く傾向があるのでね。
いずれにせよ、これらの5教科合本で中1の総復習をコンプリートしましょう系はそもそも設定的に無茶だということを分かって欲しいです。問題集選びの出発点はここから始まります。
中1総復習でおすすめ問題集を探すときは教科を絞るべし
中1の総復習を考えるとき、基本戦術は「教科を絞ること」です。
どのタイミングで中1総復習をするのかにもよりますが、ほとんどの人は短期集中を想定しているはずです。であれば、欲張らずに教科を絞りましょう。
基本は「数学」と「英語」の2教科の総復習でOK
中1の総復習を考えるのであれば、教科は「英語」と「数学」の2教科に絞ることが基本戦術になります。
勉強が苦手すぎる子に関しては、思い切って英語か数学のどちらか1つに絞ってもOKです。出来そうなら教科を増やせばいいので。まずは絞ることが戦術の基本的な考え方です。
理科や社会の総復習は一旦スルー
中1の総復習を考えるとき、理社をどうするかも悩むでしょう。
しかし、ほとんどの子は理社の総復習はスルーすることになります。なぜなら、英数の復習が重すぎて手が回らないからです。
強引に詰め込んでも、二頭を追うもの何とやらになるだけなので、おすすめはしません。まずは英数をやり込めばいいのです。
どうしてもやりたい場合は、「理科(物理・化学をメイン)」をやりましょう。社会は一番優先順位は低くてOKです。
国語の総復習とか存在しない
中1の総復習を考える際、国語の総復習など存在しません。
語弊のある言い方ですが、国語とはそういう教科です。せいぜい国文法と一部の古典文法のみが総復習の対象になります。
しかし、高校入試では国文法の配点が低く、費用対効果が低いのが実情です。品詞分解ぐらいは感覚的に出来て欲しいですが、それ以外はできなくてもあまり支障はありません。
ただ、日本語の文章を見て主語述語などが分からない子は結構重症ですが…
中1総復習で使えるおすすめ問題集:教科レベル別に紹介
ここからは、中1総復習で使える具体的なおすすめ問題集を紹介していきます。
教科別・レベル別に取り組むべきおすすめ問題集を載せておくので、ご自身のニーズにマッチしたものをチョイスしてみてください。
※なお、国語に関しては総復習不要派なので割愛します。
勉強が苦手な子:中1数学総復習おすすめ問題集
数学が苦手な中1の子は、とにかく基礎計算に絞って復習をさせましょう。
まず、図形分野の復習に関しては、一旦後回しでOKです。それよりも、計算分野に特化した問題集を何度も何度も反復させてあげて欲しいです。
おすすめは、公文が出している「できた!中1数学 計算」です。
この問題集は、計算分野の問題にのみ特化しているのがいい。やることが絞られていて、計算分野の総復習という課題設定ともマッチします。
もし、計算分野だけでなく全体を復習するとなると、学研の「中1数学をひとつひとつわかりやすく」がいいでしょう。

1つの単元の問題数が少ないので、総復習という目的は達成されます。ただし、エネルギーが分散するので、中途半端に終わるリスクを受け入れないといけません。
中間層:中1数学総復習おすすめ問題集
中間層(上位50〜30%)程度の子の数学総復習はどうすべきか?
この辺りだと、網羅性を担保した数学の問題集で、基礎を集約しているものが理想になります。ただ、先ほど紹介した「中1数学をひとつひとつわかりやすく」はこの子達には簡単すぎます。
この子達は、ニューコース中1数学を使うといいでしょう。

なお、全部解かなくてもOKです。最初のSTEP1(※下図)だけ全単元やらせましょう。おそらく、それでもお腹いっぱいです。

なお、STEP2については2年生の夏休みに残しておくといいです。これで一石二鳥です。
上位層:中1数学総復習おすすめ問題集
上位層(上位20%)に関しても、ぶっちゃけニューコース数学でもOKです。
ただ、その中でも上位5%ぐらいは退屈しちゃう子が出ます。普段テストでも数学90点以上の子たちです。
この子達には、受験研究社の「標準問題集」がおすすめです。標準と書かれていますが、受験研究社の問題集は標準でも難しく、上位層にとって最適な負荷が乗ります。

なお、標準問題集をやる際は、「STEP2」からやるのがおすすめです。STEP1は簡単すぎですが、STEP3だと難しすぎます。
また、最初の計算問題などは全部すっ飛ばしてもOKです。文字式と方程式の応用、比例反比例をメインにやりつつ、図形の応用まで整理していくのがこの層のゴールです。
勉強が苦手な子:中1英語総復習おすすめ問題集
英語は、苦手な子はとことん苦手で、正直激ヤバな子も多いです。汗
この場合、総復習というよりもう一度ゼロから英文法学ばせるしかないです。よって、参考書学習をするしかありません。
そのため、英語の参考書で一押しの「ニューコース英語中1」一択です。

ただ、参考書だけだと問題演習ができないので、同じニューコースシリーズの問題集を使うといいでしょう。ただし、全部は無理なので「STEP1」だけやらすとかでOKです。

なお、正直なところこの学習でも無理な子がいます。そもそも参考書を読んで理解というのが能力的に厳しすぎるからです。
この場合は、もっと優しい「中1英語をひとつひとつわかりやすく」をやらせましょう。ただし、絶対に保護者が隣について理解度を確かめないと意味をなしませんので要注意!

中間層:中1英語総復習おすすめ問題集
中間層も、実は英語総復習の問題集は「ニューコース英語中1」で大丈夫です。
ニューコース英語が問題なく満点取れるのなら、多分その子は上位層です。よって、ニューコース英語中1を完璧になるまで仕上げることを意識しましょう。
ニューコース英語は割と自分のお気に入りの問題集の1つです。

上位層:中1英語総復習おすすめ問題集
英語の上位層ですが、ぶっちゃけ総復習などあまりいらないのでは?というのが本音です。
特に英語の定期テストで90点以上取っているような子は、英語以外の教科で甘い教科に時間を使えばいいと思います。
と言うのも、中1の英語は習う内容は時制しかなく、難しくしようもありません。かと言って、中2の文法がない中で読解をやらせるのも難しい。
そのため、これと言ってオススメできる問題集がないのです…
ただ、あえて1つ挙げるなら、ハイクラステストの英語中1をやりましょう。正直、それでも全然簡単ですが…

あとは、思い切って中2の予習とかしてもいいですよ。ニューコース中2英語の参考書を買って、自分なりに読み進めておくのはアリです!

中1理科総復習おすすめ問題集
理科に関しては、英数が余裕な子に限定しています。そのため、レベルの高い子向きに書いています。
しかし、理科に関しては上位層とは言え難しい問題集に取り組む必要は一切ありません。なぜなら、賢い子でも理科の基礎固めはまだまだ甘いからです。
正直、上位層でも用語暗記が完璧で、基礎問がノーミスなんてことはマジでありえないです。よって、基礎基本に忠実な復習教材を選ぶべきです。
理科の中1総復習でオススメなのが、以下の2冊です。


いずれも1冊全部やらなくてもいいので、苦手箇所にのみ絞ってやりましょう。
また、暗記論点ではなく思考論点のみ復習するのがオススメです。中1なら物理(光・音・力)と化学(物質・水溶液)の計算箇所をやるといいです。
余裕があれば、地震の計算もやれるといいですね。速さの計算が得意な子はそこまでやらなくてもいいですが。
中1社会総復習おすすめ問題集
社会は、問題集をやり込むみたいな復習はほとんどする時間がないです。網羅的に学習するのなら、参考書をもう一度読み返すみたいな勉強をまずやってみましょう。
おすすめの参考書は、「ニューコース歴史」「ニューコース地理」です。これらは、2年生でも3年生でも使えるので、中1のうちから購入しておくべきバイブル的な参考書です。


総括:中1総復習で使える問題集おすすめまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
中1総復習で使える問題集おすすめの要約
- 総復習問題集の選び方の注意点
- 「7日で完成」「10日で完成」といったキャッチフレーズの5教科合本問題集は期待外れが多い。
- 7日や10日で全てを完璧にするのは現実的ではない。
- これらの問題集は短期間で効果を上げるのが難しく、内容も浅い場合が多い。
- 教科を絞る重要性
- 短期間で総復習を行う際は、「数学」と「英語」の2教科に絞るのが基本戦術。
- 理科や社会の総復習は後回しにしても問題ない。
- 国語の総復習は特に不要で、必要なら国文法や古典文法のみ確認。
- 数学の総復習問題集おすすめ
- 苦手な子向け
- 「できた!中1数学 計算」:計算分野に特化した問題集。
- 中間層向け
- 「ニューコース問題集 中1数学」:基礎からしっかり学べる。STEP1を中心に取り組む。
- 上位層向け
- 「標準問題集 中1数学」:応用力を鍛える問題集。STEP2から挑戦。
- 苦手な子向け
- 英語の総復習問題集おすすめ
- 苦手な子向け
- 「ニューコース英語中1」:基礎文法を一から学べる参考書。
- 中間層向け
- 同じく「ニューコース英語中1」:基礎から応用までカバーできる。
- 上位層向け
- 「ハイクラステスト 中1英語」:上級者向けだが、難易度は控えめ。中2の予習を併用するのも効果的。
- 苦手な子向け
- 理科の総復習問題集おすすめ
- 基礎重視
- 「標準問題集 中1理科」または「ニューコース問題集 中1理科」:基礎固めをしつつ、物理や化学の思考系問題に取り組む。
- 基礎重視
- 社会の総復習おすすめ
- 問題集よりも参考書を使った復習が有効。
- 「ニューコース参考書 中学地理」「ニューコース参考書 中学歴史」:中2・中3でも使える長期的なバイブル的参考書。
- 総括
- 中1総復習は、まず英語と数学に集中し、苦手分野の克服を優先する。
- 短期間で網羅的な復習は難しいため、必要に応じて教科やテーマを絞ることが成功の鍵。
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※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
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