平安時代の有名な陰陽師安倍晴明と、貴族でありながら音楽の天才と呼ばれた源博雅(みなもとのひろまさ)。この二人は、夢枕獏さんの小説『陰陽師』や映画・ドラマで「バディ(相棒)」として描かれています。
でも実際に歴史上の記録に残っているのでしょうか? また、「禁断の関係だったのでは?」という噂もありますが、本当にそうだったのでしょうか?
今回は、歴史と創作の両方から安倍晴明と源博雅の関係を徹底解説します!さらに、鬼と笛の不思議な伝説など、二人にまつわる面白いエピソードも紹介しますよ!
安倍晴明と源博雅の関係:実在の歴史と創作で異なる

安倍晴明と源博雅は、平安時代に実在した人物ですが、 二人が親しい関係にあったという歴史的な証拠はありません。
しかし、小説や映画では「名コンビ」として描かれています。このギャップが、現代でも二人の関係に注目が集まる理由の一つです。では、実際の歴史と創作の違いを詳しく見ていきましょう!
安倍晴明と源博雅の史実における関係は?
安倍晴明(921年~1005年)は、平安時代の陰陽師で、天皇や貴族に仕えて呪術や占いを行っていました。一方、源博雅(918年~980年)は、雅楽の名手として知られ、特に笛の演奏が得意でした。
二人は同じ時代に生きていましたが、歴史的な記録には、二人が特別な関係だったという記述はありません。
晴明は陰陽寮(陰陽師を育てる機関)で活動し、博雅は宮廷の音楽家として活躍していたため、接点はあまりなかった可能性があります。しかし、当時の貴族社会では、陰陽師が貴族の相談役を務めることもあったため、晴明と博雅が何らかの形で関わっていた可能性はあります。
「陰陽師」シリーズで描かれるバディ関係の秘密
小説『陰陽師』(夢枕獏著)では安倍晴明と源博雅は名コンビとして描かれています。博雅は、いつも晴明に助けを求め、二人で怪異を解決するという物語が多いです。
- なぜ博雅は晴明を信頼していたのか?
小説の中では、博雅は正義感が強く、人のために行動する優しい性格として描かれています。一方の晴明はクールで合理的な陰陽師。この正反対な二人が協力して事件を解決することで、物語に魅力が生まれました。 - 映画・アニメでの二人の関係性
これまでに多くの映画やアニメで二人の関係が描かれており、それぞれの作品で微妙に異なる解釈がされています。
例えば、2024年公開の映画『陰陽師0』では、若き日の晴明と博雅の友情が描かれています。また、Netflixのアニメ『陰陽師』でも、二人の関係が強調され、まるで「相棒」といった印象を与えます。
禁断の関係だった?BL的な解釈が生まれた理由
「安倍晴明と源博雅はBL関係だったのでは?」といった話を耳にしたことはありませんか? これは、平安時代の貴族文化が関係しています。
- 平安時代の貴族社会では、男性同士の親密な関係が珍しくなかった
平安時代の貴族たちは、和歌を贈り合ったり、深い絆を築くことが多かったため、現代の感覚では「恋愛的な関係」に見えることもあったのです。 - 創作の中で描かれる「特別な関係」
『陰陽師』シリーズでは、二人がとても親しい関係にあるように描かれているため、「これはBLなのでは?」と考える人も多いのです。
実際には、二人が恋愛関係だったという記録はありませんが、親密な友情を超えた深い絆があったかもしれないという解釈は、今も多くの人に支持されています。
源博雅の魅力!音楽の天才としての一面
源博雅は、単なる貴族ではなく「音楽の天才」でした。彼は、笛の名手として有名で、「葉二(はふたつ)」という名笛や、琵琶「玄象(げんじょう)」にまつわる伝説が残っています。
- 笛の名手としての逸話
源博雅は、朱雀門で鬼と笛の腕前を競い合い、「葉二」を授かったと言われています。また、玄象という琵琶を鬼から取り戻したという伝説もあります。 - 妖や鬼をも魅了した演奏
彼の演奏は、人間だけでなく妖や鬼までも魅了したとされています。これは、『陰陽師』シリーズでも語られており、「音楽の力で鬼を感動させる」という設定が読者の心をつかんでいるのです。
安倍晴明と源博雅の関係が人気の理由
では、なぜこの二人の関係は今も多くの人に愛されているのでしょうか?
- 正反対のキャラクターが生み出す魅力
クールな晴明と、おおらかで情に厚い博雅。この対照的な二人が協力して事件を解決する姿が、現代の物語でも魅力的に映ります。 - 時代を超えて愛されるストーリー
小説『陰陽師』の影響で、二人の関係はフィクションの世界でも定番になりました。映画・アニメ・ゲームなど、さまざまな形で描かれることで、新しいファンが増え続けています。 - 二人の関係性を楽しめる作品リスト
二人の関係をもっと知りたいなら、小説『陰陽師』シリーズや、映画『陰陽師0』、アニメ『陰陽師』などをチェックしてみましょう!
安倍晴明と源博雅の関係:鬼と笛の不思議なエピソード

さて、ここからは安倍晴明と源博雅にまつわる伝説や名場面を紹介していきます!
平安時代には、不思議なことや怪異がたくさん起こっていたと言われています。その中でも、源博雅の音楽の才能や安倍晴明の陰陽術が関係する話は、とても面白いですよ!
源博雅と鬼が笛の腕前を競った伝説
源博雅には、ある鬼と笛を吹き比べたという伝説があります。
ある月明かりの夜、博雅は朱雀門の前で笛を吹いていました。すると、どこからともなく見知らぬ男が現れ、一緒に笛を吹き始めます。博雅は「こんなに美しい音色を奏でる人間は、ただ者ではない」と思いました。
二人は夜通し笛を吹き続け、お互いの腕を競い合いました。最終的に博雅が勝ち、相手の男が持っていた名笛を譲り受けることになりました。この笛こそが、天下の名器「葉二(はふたつ)」だったのです!
後日、その男は鬼だったことが判明しました。つまり博雅は、鬼と一晩中、音楽で勝負をしていたのです!この伝説からも、博雅の音楽の才能がどれほどすごかったのかが分かりますね。
安倍晴明が源博雅を救った妖怪退治の逸話
『陰陽師』シリーズでは、安倍晴明が源博雅を何度も助けるシーンが登場します。例えば、ある時博雅が妖怪に取り憑かれるという事件が起こりました。
妖怪に魅入られた博雅は、夜ごと怪しい夢を見るようになり、次第に体調を崩していきます。心配した博雅は晴明を訪ね、相談しました。すると晴明は「お前の周りには強い妖の気配がする」と言い、陰陽術を使って調べました。
すると、博雅の持つ笛には妖怪が宿っていたのです!晴明は呪術を唱え、妖怪を封じることで、博雅は無事に助かりました。このエピソードからも分かるように、晴明は友人である博雅を見捨てることなく、何度も助けていたのです。
琵琶「玄象」を取り戻した源博雅の伝説
もう一つの有名な話が、琵琶「玄象(げんじょう)」にまつわる伝説です。「玄象」は、村上天皇がとても大切にしていた琵琶でしたが、ある日突然、宮廷から消えてしまいました。
博雅は、ある夜に微かに聞こえた琵琶の音を頼りに、音のする方向へ向かいました。たどり着いたのは、なんと羅城門(らじょうもん)でした。
博雅は「これは人の弾く音ではない。もしや、鬼が弾いているのでは?」と考えました。彼が勇気を出して門の中へ声をかけると、鬼が現れ、琵琶をそっと返してくれたのです。
この出来事から、源博雅の音楽の力が鬼をも感動させたことが分かります。
平安時代の人々にとって、音楽はただの娯楽ではなく、神秘的な力を持つものだったのかもしれませんね。
安倍晴明と源博雅の信頼関係が生んだ奇跡
安倍晴明と源博雅の関係は、単なる友情以上の深い信頼で結ばれていました。
『陰陽師』シリーズでは、博雅が晴明を「唯一無二の相棒」と考え、いつも頼りにしています。
- 晴明が呪術で博雅を守る
博雅は怪異に巻き込まれやすい体質でした。そのたびに晴明が呪術を使って助け、二人の絆が深まっていきました。 - 現代でいう「バディもの」としての魅力
『陰陽師』の物語は、まるで「刑事ドラマの相棒コンビ」のような関係性です。違う能力を持った二人が協力して事件を解決するスタイルが、現代の読者にも響くのです。 - 他の歴史上の人物との比較
平安時代には、陰陽師と貴族が交流することがありました。しかし、晴明と博雅ほど仲が良い陰陽師と貴族は、他に例がありません。そのため、二人の関係は特別なものとして描かれ続けているのです。
現代に残る安倍晴明と源博雅の足跡
平安時代の二人ですが、今でも彼らの足跡をたどることができる場所があります。歴史好きなら、一度は訪れてみたいスポットを紹介します!
1. 安倍晴明ゆかりの地
- 晴明神社(京都)
京都にある晴明神社は、安倍晴明を祀る神社です。陰陽道のシンボルである 「五芒星」 が至るところに描かれており、パワースポットとしても人気です。 - 清明井(せいめいい)
晴明が呪術で湧き出させたとされる井戸が、京都に残っています。
2. 源博雅ゆかりの地
- 源博雅を祀る神社
京都の 北野天満宮 には、源博雅の名前が残っています。彼は雅楽の名手だったため、音楽に関する神事で名前が登場することもあります。 - 博雅が残した楽器
彼が使用していた名器「葉二」や「玄象」は、後の時代に受け継がれました。現在も一部の資料で、その存在が確認されています。
総括:安倍晴明と源博雅の関係まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
1. 安倍晴明と源博雅の関係:歴史と創作の違い
- 史実では、二人に特別な関係の記録はない
- 安倍晴明(921年~1005年):平安時代の陰陽師
- 源博雅(918年~980年):貴族で雅楽の名手
- 貴族社会では陰陽師が貴族の相談役になることもあったが、二人が親しかった記録はない
- 創作では名コンビとして描かれる
- 夢枕獏の小説『陰陽師』では、博雅が晴明を頼りにして事件を解決
- 映画・アニメでも「バディもの」として人気
2. 「禁断の関係だった?」BL的解釈の理由
- 平安時代の貴族文化では、男性同士の親密な関係が珍しくなかった
- 『陰陽師』シリーズで二人の関係が強調され、BL的に解釈する人もいる
- 史実には恋愛関係の記録はないが、創作では親密な関係が描かれることが多い
3. 源博雅の音楽の才能と伝説
- 笛の名手として名高く、「葉二(はふたつ)」や琵琶「玄象(げんじょう)」の伝説がある
- 鬼と笛の演奏で勝負し、「葉二」を手に入れた という逸話
- 盗まれた琵琶「玄象」を鬼から取り戻した伝説も残る
4. 安倍晴明と源博雅の名場面
- 鬼との笛の競演:「朱雀門で鬼と笛を吹き合い、天下の名笛を手にする」
- 晴明による妖怪退治:「博雅の笛に宿った妖怪を晴明が封じた」
- 信頼関係:「晴明が呪術で博雅を守る、バディものとしての魅力がある」
5. 現代に残る二人の足跡
- 安倍晴明のゆかりの地
- 晴明神社(京都):晴明を祀る神社で、五芒星のシンボルがある
- 清明井(せいめいい):晴明が呪術で湧き出させたとされる井戸
- 源博雅のゆかりの地
- 北野天満宮(京都):博雅の名前が記録されている神社
- 名器「葉二」「玄象」:後の時代に受け継がれた伝説的な楽器
6. なぜ二人の関係が今も人気なのか?
- 対照的なキャラクター(クールな晴明 × おおらかな博雅)が物語を魅力的にしている
- 時代を超えて愛されるストーリー:小説・映画・アニメでの描かれ方が影響
- 現代の「バディもの」としての魅力:刑事ドラマの相棒のような関係性
