今日は「アメリカが植民地にした国」について解説します。
「アメリカって自由と平等を大切にする国じゃないの?」
「植民地なんてイギリスやフランスがやってたんじゃ?」
と思うかもしれませんね。
でも実は、アメリカもかつては他の国を支配し、植民地を持っていたのです。
今回は、アメリカが植民地にした国の一覧や、なぜ植民地にしたのか、どんな支配をしたのかなどを分かりやすく説明していきます!
※AmazonのKindle Unlimitedは月額980円ですが、3ヶ月無料期間があります。その間、読み放題対象の電子書籍は全部無料。途中で解約ももちろん自由。そのため、電子書籍が実質0円で読めます。以下に、歴史の語呂合わせに関連する無料書籍を載せておきます。
↓実質無料で読めるおすすめ歴史の読み物↓


アメリカが植民地にした国一覧!米国の植民地支配
アメリカ合衆国は、19世紀末から20世紀初頭にかけて多くの地域を植民地として支配しました。これらの地域は、アメリカの領土として独自の歴史を刻み、今日に至るまでその影響を与え続けています。
ここでは、アメリカがどの国や地域を植民地にしたのか、そしてそれがどのような影響を与えたのかを詳しく解説します。
アメリカが植民地にした国一覧表
アメリカが植民地にした国には、以下のようなものがあります。
国・地域 | 植民地支配期間 | 現在の状態 |
---|---|---|
フィリピン | 1898年~1946年 | 独立 |
グアム | 1898年~現在 | アメリカ準州 |
プエルトリコ | 1898年~現在 | アメリカ未編入領域 |
キューバ | 1898年~1902年 | 独立(1902年) |
ハワイ | 1898年併合~現在 | アメリカ50番目の州(1959年) |
アメリカ領サモア | 1899年~現在 | アメリカ未編入領域 |
アメリカ領バージン諸島 | 1917年~現在 | アメリカ未編入領域 |
パナマ運河地帯 | 1903年~1979年 | 1979年以降パナマに返還 |
ニカラグア | 1912年~1933年 | 独立(1933年) |
ハイチ | 1915年~1934年 | 独立(1934年) |
ドミニカ共和国 | 1916年~1924年 | 独立(1924年) |
パラオ | 1944年~1994年 | 独立(1994年) |
ミクロネシア連邦 | 1944年~1986年 | 独立(1986年) |
マーシャル諸島 | 1944年~1986年 | 独立(1986年) |
北マリアナ諸島 | 1944年~現在 | アメリカ自治連邦区 |
なぜアメリカはこれらの国を植民地にしたのか?
アメリカがこれらの国を植民地にした理由はいくつかあります。
① 軍事戦略
アメリカは、太平洋やカリブ海に軍事拠点を作ることで、世界の安全保障を確保しようとしました。特にフィリピンやグアムは、アジアへの進出のために重要な場所だったのです。
② 経済的な利益
アメリカは植民地を利用して貿易を広げたり、資源を確保したりしました。特にフィリピンではプランテーション農業が発展し、砂糖やタバコなどが大量に生産されました。
③ マニフェスト・デスティニー(運命論)
19世紀のアメリカでは、「自分たちは自由と民主主義を広める使命がある」という考え方(マニフェスト・デスティニー)がありました。この考えのもと、アメリカは世界各地に影響を及ぼそうとしたのです。
④ スペインとの戦争の結果
1898年にアメリカとスペインが戦争(米西戦争)をしました。その結果、アメリカはスペインからフィリピンやグアム、プエルトリコなどを獲得しました。キューバも一時的にアメリカの支配下に置かれました。
アメリカの植民地政策と他国との違い
アメリカの植民地政策は、イギリスやフランスのそれとは少し違いました。どんな点が異なっていたのでしょうか?
①「民主主義の輸出」という建前
アメリカは「植民地を発展させ、最終的には独立させる」という方針を持っていました。例えばフィリピンでは、1946年に正式に独立しました。
② 保護領としての支配
アメリカは「植民地」という言葉を使わず、「保護領」と呼ぶことが多かったです。キューバやフィリピンでは、いきなり独立させるのではなく、徐々に自治を拡大させる方式を取りました。
③ 経済的な影響の強さ
アメリカの植民地支配は、政治的な統治よりも経済的な影響力を強める形でした。プエルトリコやグアムでは、今でもアメリカの企業が経済を支配しています。
④ 軍事基地の活用
アメリカは植民地に軍事基地を作り、他国への影響力を強めました。特にグアムは、今でもアメリカ軍の重要な拠点となっています。
アメリカ植民地時代の現地の暮らし
植民地になった国々では、人々の暮らしが大きく変わりました。
① 教育制度の変更
アメリカの支配下になった国々では、英語教育が導入されました。フィリピンでは今でも英語が公用語になっているのはこの影響です。
② 経済の発展と格差
アメリカの資本主義が導入され、大規模なプランテーション農業や工業化が進みました。しかし、それにより貧富の差が拡大した地域もありました。
③ アメリカ文化の影響
植民地時代の影響で、アメリカの文化が広まりました。例えばフィリピンでは、バスケットボールが人気のスポーツになり、ハンバーガーなどのアメリカ料理も一般的になりました。
④ 独立運動の勃発
植民地になった国々では、次第に「アメリカから独立したい!」という声が強まりました。フィリピンでは独立を求める武装闘争(米比戦争)が発生し、多くの人が戦いました。
アメリカの植民地政策が現在も影響を及ぼす理由
アメリカの植民地時代の影響は、今も残っています。
① 言語と文化の影響
フィリピンでは英語が公用語の一つになっており、プエルトリコでも英語とスペイン語が使われています。
② 経済的なつながり
アメリカの企業が植民地時代に進出したため、今でもアメリカへの経済的依存が続いている国が多いです。
③ 軍事的影響力
グアムやプエルトリコにはアメリカ軍の基地があり、今でもアメリカの安全保障戦略の一部になっています。
④ 政治的な影響
プエルトリコはアメリカの自治領として独立しておらず、今でもアメリカの法律に従っています。
アメリカが植民地にした国一覧の後に:終焉とその影響
アメリカの植民地支配は単なる領土拡張にとどまらず、その後のアメリカの政治や経済にも大きな影響を与えました。
ここでは、アメリカの植民地支配がどのように始まり、どのような変化をもたらしたのかについて考察します。
アメリカ植民地の独立運動の歴史
アメリカの植民地になった国々では、独立を求める運動が活発に行われました。
① フィリピンの独立運動
フィリピンでは、1898年にアメリカの支配下に入った後、すぐに独立を求める戦い(米比戦争)が始まりました。武装蜂起をしたフィリピン軍は、アメリカ軍と3年以上戦いましたが、最終的には鎮圧されてしまいました。その後、フィリピンはアメリカの植民地として統治されることになりましたが、1935年にはフィリピン・コモンウェルス(自治政府)が成立し、1946年に正式に独立を果たしました。
② キューバの独立運動
1898年にスペインからアメリカの支配下に入ったキューバですが、1902年に独立を果たしました。ただし、アメリカは「プラット修正条項」という法律を作り、キューバの政治や経済に大きな影響を与え続けました。その後、1959年のキューバ革命でカストロ政権が誕生し、アメリカと対立する道を歩むことになります。
③ プエルトリコの独立運動
プエルトリコは、1898年にアメリカの領土となり、今でもアメリカの自治領です。一部の人々はプエルトリコの独立を求めていますが、現在もアメリカの一部として残っています。
④ パナマ運河地帯の返還運動
アメリカは1903年から1999年まで、パナマ運河地帯を支配していました。しかし、パナマ政府は運河の主権を求め続け、1977年にアメリカとの間で「パナマ運河返還条約」を締結。1999年に正式にパナマに返還されました。
アメリカの植民地支配が終わった理由
なぜアメリカは植民地を手放していったのでしょうか?いくつかの理由があります。
① 植民地経営のコストが高かった
アメリカが植民地を維持するには軍隊を駐留させたり、インフラを整備したりする費用がかかりました。特にフィリピンでは独立運動が激しく、戦争に多額の資金を投入する必要がありました。
② 世界の潮流が変わった
第二次世界大戦後、世界的に植民地解放の流れが強まりました。アメリカ自身も「自由と民主主義」を掲げる国であるため、植民地を持ち続けることに批判が集まったのです。
③ 国際社会の圧力
国際連合(UN)が設立されると、植民地の独立を支援する動きが加速しました。特にフィリピンの独立は、国際社会からの要請もあり実現しました。
④ 軍事的な戦略変更
アメリカは植民地を直接統治するのではなく、軍事基地を作ることで影響力を維持する方向に切り替えました。例えば、グアムやプエルトリコは今でもアメリカの軍事拠点として重要な役割を果たしています。
アメリカと旧植民地の現在の関係性
植民地支配が終わった後も、アメリカと旧植民地の国々は強い関係を持ち続けています。
① フィリピンとの関係
フィリピンは現在、アメリカと軍事的・経済的な結びつきを持っています。アメリカ軍の基地があったり、多くのフィリピン人がアメリカで働いていたりします。英語が公用語として使われるのも、アメリカの影響です。
② プエルトリコの現状
プエルトリコは今もアメリカの自治領であり、アメリカの法律が適用されます。ただし、正式な州ではないため、大統領選挙で投票する権利はありません。一方で、アメリカ市民としての権利は持っており、アメリカ本土への移動は自由です。
③ グアムとアメリカの関係
グアムもアメリカの領土であり、太平洋における重要な軍事拠点となっています。観光業も盛んで、多くのアメリカ人観光客が訪れます。
④ キューバとの関係
キューバはアメリカの影響を強く受けましたが、カストロ政権成立後はアメリカと対立し、長らく国交を断絶していました。2015年に関係が改善し、大使館が再開されましたが、現在も緊張関係が続いています。
アメリカの植民地支配の功罪とは?
アメリカの植民地支配には、良い面と悪い面がありました。
① 良い面(功績)
- 教育制度やインフラの整備が進んだ(特にフィリピンやプエルトリコ)
- 民主主義の考え方が広まった
- 経済が発展した地域もある(プエルトリコやグアムなど)
② 悪い面(問題点)
- 現地の文化や伝統が破壊された
- 経済がアメリカ依存になった国も多い
- 独立運動を武力で弾圧した歴史がある(フィリピンやキューバなど)
アメリカの植民地支配は、決して一方的に良いものではなく、各国の歴史に大きな影響を与えました。
アメリカの植民地政策は今後どうなる?
現在、アメリカには「植民地」と呼べる場所はありませんが、一部の地域はアメリカの自治領として残っています。今後の見通しを考えてみましょう。
① プエルトリコはアメリカの州になる?
プエルトリコでは、「アメリカの正式な州になりたい!」という意見と、「完全に独立したい!」という意見が対立しています。2020年の住民投票では、州昇格を支持する意見が多数となりましたが、まだ正式な決定はされていません。
② グアムやアメリカ領サモアの未来
これらの地域も、今後アメリカの正式な州になる可能性があります。ただし、地理的にアメリカ本土から遠いため、独立を求める声もあります。
③ アメリカの影響力は今後も続く?
アメリカは植民地支配を終えましたが、経済や軍事の面で世界各地に強い影響力を持ち続けています。特にアジアや中南米では、アメリカの影響を受けた国が今でも多いです。
総括:アメリカが植民地にした国一覧まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
国・地域 | 植民地支配期間 | 現在の状態 |
---|---|---|
フィリピン | 1898年~1946年 | 独立 |
グアム | 1898年~現在 | アメリカ準州 |
プエルトリコ | 1898年~現在 | アメリカ未編入領域 |
キューバ | 1898年~1902年 | 独立(1902年) |
ハワイ | 1898年併合~現在 | アメリカ50番目の州(1959年) |
アメリカ領サモア | 1899年~現在 | アメリカ未編入領域 |
アメリカ領バージン諸島 | 1917年~現在 | アメリカ未編入領域 |
パナマ運河地帯 | 1903年~1979年 | 1979年以降パナマに返還 |
ニカラグア | 1912年~1933年 | 独立(1933年) |
ハイチ | 1915年~1934年 | 独立(1934年) |
ドミニカ共和国 | 1916年~1924年 | 独立(1924年) |
パラオ | 1944年~1994年 | 独立(1994年) |
ミクロネシア連邦 | 1944年~1986年 | 独立(1986年) |
マーシャル諸島 | 1944年~1986年 | 独立(1986年) |
北マリアナ諸島 | 1944年~現在 | アメリカ自治連邦区 |