「旭川医科大学ってやばいの?」という検索をする人が増えています。

偏差値が低い、倍率が高い、あるいは地域医療に縛られるなど、SNSや受験情報サイトにはさまざまな噂が飛び交っています。

中には「穴場の医学部」として紹介されている記事もある一方、「後悔するからやめた方がいい」と警鐘を鳴らす意見も。

では、本当に旭川医科大学は“やばい”大学なのでしょうか?

この記事では、受験生や保護者の不安を払拭するために、客観的なデータと評判をもとに「難易度」や「特徴」「将来性」までを徹底解説します。読み終えたときには、“本当の姿”が見えてくるはずです。

旭川医科大学はやばい?入りやすい?難易度・評判・実態

旭川医科大学は、北海道にある国立の医療系大学です。「やばい」と言われる理由には、難易度・偏差値・試験形式・立地・将来の縛りなどが複雑に絡み合っています。

ここでは、受験生が特に気にする「入りやすさ」や「評判」を中心に、ネットの噂の真偽を探っていきましょう。

旭川医科大学の偏差値はやばいほど低い?それとも妥当?

旭川医科大学医学部の偏差値は、河合塾の2025年度データによると前期が62.5、後期が65.0とされています。これは医学部全体の中で見れば中堅〜やや易しめの難易度に位置し、琉球大学や鳥取大学などと並ぶ水準です。以下の表にまとめました。

学部学科日程偏差値
医学部医学科前期62.5
医学部医学科後期65.0

引用:スタディサプリ進路

また、共通テスト得点率は58%〜88%と幅広く、ボーダーは高めです。一般的な国公立医学部(偏差値67.5〜72.5)と比較すると、やや下の水準ですが「やばいほど低い」というほどではありません。

この偏差値帯の医学部は地域医療志向が強く、学力だけでなく人物評価や面接も重視されます。そのため、学力に自信がなくても、地域貢献の意志や人柄で評価されやすいチャンスのある大学といえるでしょう。

倍率は本当に高い?前期・後期の試験倍率をデータで比較

旭川医科大学の倍率は、特に後期日程が高騰することで知られています。

2024年度のデータでは、前期日程が「5.6倍」(募集人数40名・志願者数225名)、後期日程ではなんと「37.1倍」(募集人数8名・志願者数297名)となっており、医学部の中でも後期の難易度はかなり高い部類に入ります。

参照:京都医塾

この倍率の差は、後期の募集人数が極端に少ないことが原因です。

そのため、地方の国立医学部で偏差値がやや低めでも、後期は超難関化する傾向があります。受験戦略としては、前期の合格可能性をしっかり見極めた上で、後期は「ダメ元」で挑む覚悟が必要です。

共通テスト・二次試験の配点と科目構成

旭川医科大学医学部の入試配点は、共通テストの比率が高いのが特徴です。前期日程では総得点900点のうち550点が共通テストに充てられ、比率は61.1%に達します。後期日程ではさらに共通テストの配点が高く、620点/870点で実に71.3%を占めます。これは全国の国公立医学部の中でも非常に高い水準です。

また、理科の配点比率も注目に値します。共通テストの550点中、200点を理科が占めており、全体の36.4%に相当します。理科が得意な受験生にとっては非常に有利な構成となっています。

一方、二次試験では前期が「英語・数学・面接」の3科目構成で、理科の試験が課されない点が特徴的です。これは医学部としては異例で、理科が苦手な受験生にとってチャンスとなる場合もあります。

共通テストボーダーラインは83%と他の医学部と比較して低めですが、その分、共通テストでしっかり点を稼げば、合格が見込める仕組みです。特に後期は共通テストの重要性が非常に高いため、戦略的な学習が求められます。

旭川医科大学が「入りやすい」と言われる理由

ネット上では「旭川医科大学は穴場の医学部」として取り上げられることがあります。

理由は、偏差値が医学部の中では比較的低く、かつ地域枠や推薦型選抜が豊富に用意されている点です。地域密着型の大学であるため、全国的な知名度は高くありませんが、地方医療に強い関心を持つ受験生にとっては狙い目とされます。

ただし、毎年「入りやすい」と話題になる分、受験者が集中して倍率が上昇する傾向も見られます。特に後期日程では、数十倍の競争率になるため、単純に「穴場」と認識するのは危険です。

受験対策を緻密に練ったうえで挑戦すべき大学と言えるでしょう。

「やばい」と検索される理由は?SNSや口コミに見る評判の真相

「旭川医科大学がやばい」と検索される背景には、主に地理的な不便さや、地域枠に伴う卒業後の勤務地縛りが関係しています。

X(旧Twitter)や5chといったSNSを覗いてみると、「北海道のど田舎」「寒すぎて生活がつらい」「将来の勤務地が縛られているのが嫌」など、立地や制度に起因する声が多く見られます。

一方で、「教授との距離が近い」「実習が手厚い」「医療機器が充実している」など、教育環境についてはポジティブな評価も多数存在します。このように、ネガティブな要素だけでなく、地域密着型ならではの温かみを評価する声もあることを忘れてはいけません。

旭川医科大学はやばい?特徴と将来性&医学部としての魅力と課題

旭川医科大学には、ほかの医学部には見られない独自の強みがあります。実践的な教育体制や地域貢献型のカリキュラム、さらにはがん専門医療に特化したプログラムなど、特徴的な取り組みが多数あります。

ここからは、将来の医師として成長していく上で、旭川医科大学がどのような環境を提供しているのかを掘り下げていきます。

旭川医科大学の学部・学科一覧と定員数

旭川医科大学は、「医学部」の単一学部構成であり、学科としては「医学科」と「看護学科」の2つがあります。2025年度の入試における医学科の募集定員は、前期日程が40名、後期日程が8名となっており、加えて「総合型選抜(北海道特別選抜)」で40名、「学校推薦型選抜(道北・道東特別選抜)」で7名の募集枠が設けられています。

看護学科については、大学公式サイトでも詳細な定員が公開されておらず、現時点では非公開となっています。以下に、入試方式別の定員を表にまとめました。

学部学科前期定員後期定員総合型選抜(北海道特別選抜)推薦型選抜(道北・道東特別選抜)
医学部医学科40名8名40名7名
医学部看護学科非公開非公開非公開非公開

※看護学科の定員は公式資料に掲載がないため「非公開」と記載。

このように、地域医療への人材供給を目的とした選抜方式が充実しているのが旭川医科大学の特徴です。特に道北・道東地域への貢献を期待される選抜枠が設けられており、地域密着型医療人の育成に注力している大学といえるでしょう。

地域医療への貢献が必須?地域枠と卒業後の進路の関係性

旭川医科大学では、地域医療を重視した選抜制度が導入されています。特に「北海道特別選抜」や「道北・道東特別選抜」などは、卒業後に北海道の特定地域で一定期間医療に従事することを条件としています。このため、地域枠で合格した学生は、卒業後の勤務地が制限されることになります。

また、これらの選抜制度では奨学金が提供される一方で、途中離脱を希望する場合は返還義務が課されるケースもあります。たとえば、利息付きで一括返還が必要な制度も存在するため、入学前に将来のキャリアプランをしっかり立てておくことが重要です。

実践力を鍛えるシミュレーションセンターと臨床実習の充実度

旭川医科大学では、医療現場で即戦力となる人材育成のために、実践的な教育施設が整っています。その代表が「シミュレーションセンター」です。ここでは、救急救命や手技練習、心肺蘇生、縫合、採血などを、40種類以上のシミュレーターを使って学習できます。

加えて、地域の病院や開業医と連携した臨床実習も特徴的です。大学病院だけでなく、地元の医療現場とネットワークを築きながら、実際の現場での対応力を養うカリキュラムが組まれています。患者との信頼関係を築くトレーニングも徹底されており、北海道という広大な地域で医師として活動するための土台を築ける環境です。

がん専門医療人材育成プランとは?先進医療に触れられる環境

旭川医科大学では、2017年から「北海道がん医療人養成プラン」を開始し、がん治療に特化した医師の育成に力を入れています。このプログラムでは、遺伝子医療・がん予防・ライフステージに応じたケアといった、先端的な医療技術や知識を身につけることが可能です。

さらに、がん患者とのコミュニケーション能力や緩和ケアなど、単なる知識だけでなく“心のケア”までを含めた包括的な医師の育成が行われています。こうした先進医療に触れられる環境は、全国の医学部の中でも希少で、専門性を高めたい学生にとって大きな魅力となるでしょう。

卒業後の就職率と医師国家試験合格率の実績

旭川医科大学の医師国家試験合格率は、2023年実施の第117回試験において87.3%(受験者数134名中117名合格)という結果でした。

参照:メビオ

これは国立大学医学部全体の平均合格率92.4%(受験者数5,400名中4,990名合格)と比べるとやや低めですが、それでも9割近い水準を維持しており、一定の合格実績を誇っています。

卒業後の進路としては、地域医療を重視する大学方針のもと、多くの学生が北海道内の病院や地域医療機関に就職しています。特に地域枠制度を利用して入学した学生は、卒業後に道北・道東地域など特定の医療圏での勤務が義務づけられており、大学の理念である「地域に根ざした医療人の育成」が強く反映された就職状況と言えるでしょう。

都市部や全国の大病院での勤務を目指す場合は、地域枠以外での入学や卒後の進路設計を柔軟に考えることが重要です。卒業後のビジョンに応じて、戦略的な受験・進路選択が求められます。

総括:旭川医科大学の難易度はやばい?入りやすい?まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。