不景気のときに国の経済を守るために行われた「ブロック経済」。

でも、

「名前は聞いたことあるけど、何をしたの?」
「いつの時代に使われたの?」「今も使われてるの?」

と疑問に思う人も多いはずです。

この記事では、世界恐慌の後にイギリスやフランスなどが行ったブロック経済の仕組みや特徴を、子どもにもわかりやすい言葉でていねいに解説します。

さらに、ブロック経済のメリット・デメリット、現代の経済圏との違い、テストに出やすい重要ポイントもまとめて紹介!「ブロック経済とは何か簡単に知りたい!」という人は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

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ブロック経済とは何か簡単に!時代背景と経済圏の特徴

ブロック経済という言葉は、主に1929年に始まった世界恐慌(せかいきょうこう)のあとに登場した重要な経済用語です。

このしくみは、イギリスやフランスなどの国々が自分たちの植民地(しょくみんち)と手を組み、ほかの国の商品をしめ出して、自国の商品だけを売れるようにしたものです。

ここでは、ブロック経済の意味や生まれた背景、そして世界にどんな影響を与えたのかを分かりやすく説明していきます。

ブロック経済とは?世界恐慌後に登場した貿易の仕組み

ブロック経済とは、世界恐慌という大きな不景気のあとに登場した、国と国のあいだの特別な貿易のルールです。

特にイギリスやフランスなど、たくさんの植民地を持っていた国々が、自分の国と植民地の間でだけ安く物をやりとりできるようにしました。そのかわり、他の国の商品には高い関税(かんぜい)をかけて、買いにくくしたのです。

このしくみの目的は、自分たちの国の産業や仕事を守ることです。世界中が不景気で困っていたとき、できるだけ自国の商品を売って経済を立てなおそうと考えたわけですね。

ブロック経済が生まれた理由:各国の自国優先政策

なぜブロック経済が生まれたのでしょうか?

その理由は、1929年にアメリカで起こった世界恐慌によって、世界中がとても苦しい経済状態になったからです。物が売れず、工場が閉まり、人々が仕事を失いました。

そこでイギリスやフランスなどの国々は「他の国と競争してもうまくいかないなら、自分たちだけでなんとかしよう」と考えました。これが「自国優先政策(じこくゆうせんせいさく)」です。

関税を高くして他国の商品をしめ出し、植民地とだけで物のやりとりをすることで、自国の産業を守ろうとしたのです。

代表的な経済圏!スターリングブロック・円ブロックなど

ブロック経済では、国ごとに「経済圏(けいざいけん)」と呼ばれるグループが作られました。

たとえば、イギリスは「スターリングブロック」と呼ばれるグループを作り、自国の通貨であるポンドを使って経済をまわしました。この中にはイギリスの植民地であるインドや南アフリカ、ニュージーランドなどが含まれていました。

フランスも「フランブロック」、日本は「円ブロック」として朝鮮半島や台湾、満州国(まんしゅうこく)などと貿易をしていました。このように、ブロック経済では、通貨や貿易を通して仲間内で助け合う仕組みが作られたのです。

他国の違い!アメリカやソ連はどう対応した?

イギリスやフランスがブロック経済を始めた一方で、アメリカとソ連はちがう方法で世界恐慌に対応しました。

アメリカではルーズベルト大統領が「ニューディール政策」を行いました。これは政府がお金を使ってダムや道路を作り、人々に仕事を与えるという方法です。一方ソ連では「計画経済(けいかくけいざい)」という、国がすべての経済活動を計画して動かす制度を使っていたため、世界恐慌の影響をあまり受けませんでした。

つまり、アメリカとソ連は、ブロック経済ではなく、それぞれのやり方で経済を立てなおしていたのです。

ブロック経済が世界に与えた影響!第二次世界大戦との関係

ブロック経済は、自分の国と仲間の国だけで助け合う仕組みでしたが、これは逆に「仲間に入れない国」を苦しめることにもなりました。ドイツや日本、イタリアなどは大きな植民地を持っていなかったので、他の国のブロックに入れず、物を売る場所も少なくなってしまいました。

そこで、これらの国は新しい土地を求めて戦争へと向かっていきます。日本は中国、ドイツは東ヨーロッパへ進出しようとし、イギリスやフランスとぶつかりました。

このように、ブロック経済がきっかけの一つとなって、第二次世界大戦が起こったのです。

ブロック経済とは何か簡単に:メリット・デメリット

ここからは、ブロック経済の「いいところ」と「わるいところ」、そして今の世界とどう違うのかについて解説していきます。

昔の話だけでなく、現代の貿易のしくみを比べてみると、より理解が深まりますよ。テストでよく出る重要ポイントもまとめていますので、しっかりチェックしてくださいね。

メリットとは?自国産業の保護と経済安定

ブロック経済のいちばんのメリットは、「自分の国の産業を守ることができる」という点です。高い関税をかけて他国の商品をしめ出せば、自国の商品が売れやすくなります。

特に、たくさんの植民地を持っていたイギリスやフランスは、植民地で自国の製品を優先的に売ることができました。

また、仲間内で貿易をすることで、世界の不景気の影響を少なくすることもできました。ブロックの中だけでお金や物をまわして経済を安定させる「自給自足型」のしくみだったのです。

デメリットとは?貿易縮小と成長の停滞

一方で、ブロック経済には大きなデメリットもありました。

それは「他の国との貿易が減ってしまうこと」です。関税を高くして他国をしめ出すと、全体の貿易量が減ってしまいます。すると、物のやりとりが少なくなり、経済全体の成長が止まってしまうのです。

さらに、自由貿易のように「得意な物をつくってお互いに交換する」というしくみが使えないため、効率も悪くなります。これが原因で、成長のスピードが遅くなった国もありました。

自給率が高い国はブロック経済に有利?

「自給率が高い国はブロック経済でも大丈夫なのでは?」という疑問を持つ人もいますね。

たしかに、アメリカのようにエネルギーや食料をたくさん生産できる国は、他国に頼らなくても生きていける可能性があります。たとえばアメリカでは、シェールガスや農作物の生産が盛んです。

しかし、日本のようにエネルギーの多くを輸入に頼っている国は、ブロック経済にすると逆に困ってしまいます。たとえ食料があっても、ガスや石油がなければ料理もできません。

つまり、自給率の高さだけではうまくいかないのです。経済はさまざまな資源で成り立っているので、バランスがとても大事です。

ブロック経済は今もある?現在の貿易圏との違い

「ブロック経済って今もあるの?」と思った人もいるかもしれません。

たしかに、EU(ヨーロッパ連合)やNAFTA(北米自由貿易協定)、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)など、国と国がまとまって経済を動かすしくみは今もあります。

でも、これらは昔のブロック経済とはちがって、基本的に「自由貿易」を目指しています。関税をなくしてお互いに商品を売りやすくし、世界全体の経済を発展させようとしているのです。

つまり、昔のように「他の国をしめ出す」ではなく、「協力し合う」ことが今の経済の大きな流れになっているんですね。

ブロック経済の重要用語と押さえるべきポイント

最後に、テストによく出る「ブロック経済」に関する重要な言葉をまとめておきましょう。

  • ブロック経済:自国と植民地の間だけで貿易をし、他国をしめ出す仕組み。
  • 関税:外国の商品にかける税金。これが高いと商品は買いにくくなる。
  • 保護貿易:自国の産業を守るために、外国の商品を制限するやり方。
  • 自由貿易:国のちがいに関係なく、自由に商品をやりとりするやり方。
  • スターリングブロック:イギリスが中心になったブロック経済。ポンドで取引を行った。
  • 植民地:昔のヨーロッパの国々が持っていた支配下の地域。経済の大きな助けになっていた。

これらの用語は「なぜブロック経済が始まったのか」や「どんな影響があったのか」とセットで覚えると、テストでもしっかり答えられますよ!

総括:ブロック経済とは何か簡単に解説まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • ブロック経済とは、自国と植民地の間でのみ貿易を行い、他国を締め出す経済政策。
  • 世界恐慌(1929年)の影響で不景気になり、各国が自国産業を守るために採用した。
  • イギリスの「スターリングブロック」、日本の「円ブロック」などが代表的な経済圏。
  • アメリカはニューディール政策、ソ連は計画経済で対応し、ブロック経済は取らなかった。
  • ブロック経済は他国との対立を招き、第二次世界大戦の原因のひとつとなった。
  • メリットは自国産業の保護と経済の安定化。
  • デメリットは貿易縮小による経済成長の停滞や非効率。
  • 自給率の高い国は有利だが、エネルギーなどの輸入依存も重要なポイント。
  • 現在のEUやRCEPなどは自由貿易を目的とし、ブロック経済とは性質が異なる。
  • テストで重要な用語は「関税」「自由貿易」「保護貿易」「植民地」「スターリングブロック」など。