「文東立松産玉武」という大学群をご存じでしょうか?

大学群といえば、日東駒専や大東亜帝国のような名称が有名ですが、最近注目されているのが、この「文東立松産玉武」という括りです。

これは、中堅私立大学群の中で「日東駒専より下、大東亜帝国より上」とされる、ちょうど中間のポジションに位置づけられる7つの大学の総称です。学力層や偏差値だけでなく、それぞれの大学には就職支援や教育内容に明確な特色があり、進路選びで無視できない存在となっています。

本記事では「文東立松産玉武とは何か?」という基本から、7大学の偏差値・特徴・就職事情までを詳しく解説。さらに、日東駒専や大東亜帝国との比較も交えながら、進学先選びの判断材料を提供します。

文東立松産玉武とは?7大学の特徴と偏差値

文東立松産玉武という名称は、首都圏を中心とした7つの私立大学を総称したものです。それぞれの大学が持つ学問の強みや教育姿勢、立地条件、そして就職支援の内容までを把握することで、自分に合った進学先を見極めやすくなります。

文東立松産玉武とは?どんな大学群なのかを解説

「文東立松産玉武」とは、関東圏の私立大学7校で構成される準中堅大学群の俗称です。元々の「文東立松」(文教大学・東京経済大学・立正大学・二松学舎大学)に、産業能率大学・玉川大学・武蔵野大学の3校を加えたグループが「文東立松産玉武」となります。

略称大学名主な特徴
文教大学教員養成に強く、教育学部が看板
東京経済大学経済・経営に強く、就職支援が充実
立正大学仏教系、心理・福祉系分野に特色
二松学舎大学文学・国語教育に伝統がある
産業能率大学実務重視、ビジネス系専門教育に特化
玉川大学総合大学、教育・理系・芸術がバランス良好
武蔵野大学国際・福祉・看護系が強く都心型

このグループは偏差値帯45〜55程度で、「日東駒専よりやや下」「大東亜帝国より上」といった中堅〜準中堅の位置づけに該当します。受験生からは「日東駒専の併願先」や「滑り止め」として選ばれることも多く、都市部へのアクセスや特色ある教育で一定の支持を得ています。

なお、「文東立松」が4大学のみの構成であるのに対し、「文東立松産玉武」は3大学を加えた拡大版という点が明確な違いです。これは公式な大学群ではなく、ネット掲示板や受験関係者の間で自然発生的に広まったものですが、大学選びの参考情報としては有用な指標と言えるでしょう。

文教大学の特徴と偏差値|教員志望に人気の教育系私大

文教大学は、埼玉県越谷市(越谷キャンパス)と神奈川県茅ヶ崎市(湘南キャンパス)に拠点を構える私立大学です。特に教育学部の評価が高く、「教員養成に強い大学」として知られています。教職課程の充実度や実習制度の手厚さから、小学校〜高校の教員を目指す学生に人気です。

以下は文教大学の最新の学部別偏差値一覧です。

学部名偏差値(目安)キャンパス所在地
教育学部45.0~57.5越谷(埼玉県)
文学部35.0~45.0越谷(埼玉県)
国際学部37.5~42.5東京あだち(東京都)
経営学部47.5東京あだち(東京都)
健康栄養学部40.0湘南(神奈川県)
情報学部40.0~45.0湘南(神奈川県)
人間科学部42.5~45.0越谷(埼玉県)

引用:スタディサプリ進路

教育学部は全国の私立大学の中でも特に規模が大きく、教員採用試験での合格実績も上位。毎年多くの卒業生が公立・私立問わず教職に就いており、「教員になりたいなら文教大学」と言われるほどです。

また、情報学部や健康栄養学部など実学に特化した学部もあり、資格志向の学生にも支持されています。立地面でも東京・埼玉・神奈川から通学しやすく、関東圏在住の受験生にとっては現実的な進学先のひとつです。

東京経済大学の特徴と偏差値|経済・経営に強い就職重視型大学

東京経済大学は、東京都国分寺市に本部を置く私立文系大学で、1900年創立という長い歴史を持つ実務志向の大学です。経済・経営・法律・コミュニケーションの4学部体制で、特にビジネス分野に強みを持つ中堅私大として評価されています。

以下は、最新の学部別偏差値です。

学部名偏差値(目安)
経済学部45.0~50.0
経営学部45.0~50.0
コミュニケーション学部45.0~50.0
現代法学部45.0~47.5
キャリアデザインプログラム45.0~47.5

引用:スタディサプリ進路

東京経済大学の特筆すべき点は、就職支援体制の手厚さにあります。学部横断の「キャリアデザインプログラム」や卒業生ネットワークを活かした業界別就職支援が展開されており、金融・不動産・IT・公務員など幅広い業種での実績を誇ります。実際、就職率は毎年90%超と安定しており、”実務重視の就職大学”としての地位を確立しています。

アクセスの良さや面倒見の良さから、実力で勝負したい首都圏の受験生に根強い人気があります。

立正大学の特徴と偏差値|心理・仏教・福祉に強い実学系大学

立正大学は、東京都品川区と埼玉県熊谷市にキャンパスを構える私立大学で、日蓮宗系の仏教にルーツを持つ伝統校です。とりわけ心理学や仏教学、福祉系の学びに定評があり、”実学重視”の教育を展開しています。臨床心理士や福祉職、僧侶といった専門職を目指す学生に人気です。

以下は学部別の最新偏差値(目安)です。

学部名偏差値(目安)
文学部42.5~47.5
心理学部45.0~50.0
仏教学部35.0~40.0
社会福祉学部35.0~37.5
法学部42.5
経済学部40.0~45.0
経営学部37.5~40.0
地球環境科学部35.0~37.5
データサイエンス学部35.0

引用:スタディサプリ進路

心理学部では実践的なカリキュラムが整っており、臨床心理士指定大学院への進学実績も豊富です。また、文学部では日本語・英語・歴史など幅広い人文学に対応。

立正大学は全国の仏教系大学の中でも教育・研究体制がしっかりしており、“宗教色は強すぎないが、芯のある大学”として独自のポジションを確立しています。都市型キャンパスもあり、通学や就職活動のしやすさも評価ポイントです。

二松学舎大学の特徴と偏差値|文学・国語教育で伝統ある大学

二松学舎大学は東京都千代田区に本部を置く、1877年創立の歴史ある私立大学です。元々は漢学塾として始まり、日本の近代文学や思想教育に大きな役割を果たしてきました。夏目漱石、犬養毅などの著名人を輩出したことでも知られています。

とくに文学部は国語教育に力を入れており、国語教員を目指す学生にとっては非常に人気のある進学先です。教員採用試験の合格実績も豊富で、國學院大学と並ぶ“国語教員養成の名門”と称されることもあります。

以下は、学部別の最新偏差値(目安)です。

学部名偏差値(目安)
文学部45.0~52.5
国際政治経済学部45.0

引用:スタディサプリ進路

キャンパスは都心・九段下にあり、日本武道館のすぐ近くという好立地。アクセス面に優れていることから、都内在住の学生に人気です。文学を本格的に学びたい、または国語教員を目指す受験生にとっては、二松学舎大学は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

産業能率大学の特徴と偏差値|ビジネス・経営に特化した実務派大学

産業能率大学は、東京都世田谷区の自由が丘キャンパスと神奈川県伊勢原市の湘南キャンパスを持つ、実学重視型の私立大学です。特に「経営」や「情報マネジメント」といったビジネススキルの育成に注力しており、社会に出てすぐに活躍できる人材を育てることを目的とした教育方針が特徴です。

授業ではPBL(課題解決型学習)を多く取り入れ、実在企業と連携したプロジェクトにも積極的に参加できます。また、少人数教育が徹底されており、学生一人ひとりに対して手厚いサポートが行われています。

以下は学部別の偏差値(2025年度目安)です。

学部名偏差値(目安)
経営学部42.5~47.5
情報マネジメント学部40.0~42.5

引用:スタディサプリ進路

キャリア支援にも力を入れており、インターンシップ制度や就職サポートが充実しているため、就職満足度は非常に高い傾向にあります。将来ビジネス分野での活躍を目指す学生には、非常に実践的な学びができる大学といえるでしょう。

玉川大学の特徴と偏差値|理系から芸術まで幅広い総合大学

玉川大学は東京都町田市に広大なキャンパスを持つ私立総合大学で、文系・理系・芸術系をバランスよく備えた学びの環境が整っています。特に教育学部や工学部の実践的な教育、芸術学部の創造的なカリキュラムなど、幅広い志向の学生に対応できる学部編成が魅力です。

また、キャンパス内にはロボット工学、脳科学、アグリテックなどに対応する研究施設が充実しており、学際的かつ実践的な学びが可能。リベラルアーツの視点から幅広く知識を吸収したい学生や、教職・研究職を志す学生にも人気があります。

以下は最新の偏差値(2025年目安)です。

学部名偏差値
教育学部47.5~52.5
工学部40.0~47.5
農学部35.0~45.0
芸術学部37.5~45.0
文学部42.5~45.0
観光学部35.0
経営学部40.0
リベラルアーツ学部40.0

引用:スタディサプリ進路

玉川大学は「自由な発想と実践力」を育む教育を重視しており、学問だけでなく人間的成長も支援する教育姿勢が、個性重視の学生に高く評価されています。

武蔵野大学の特徴と偏差値|都心型の国際・福祉系に強い大学

武蔵野大学は、東京都江東区の有明キャンパスと西東京市の武蔵野キャンパスを有する都市型私立大学です。AI、SDGs、データサイエンス、国際ビジネスといった現代的テーマを積極的に取り入れた教育を展開しており、実学志向の学生に人気があります。

中でもグローバル学部や人間科学部、看護学部などは就職実績も良好で、特に女性からの人気が高い点が特徴です。また、2023年度からは「ウェルビーイング学部」「アントレプレナーシップ学部」などの新設も行い、多様化する進路ニーズに応えています。

以下は2025年時点の最新偏差値一覧です。

学部名偏差値
グローバル学部40.0~52.5
人間科学部42.5~50.0
福祉社会学部(※旧学部)参考:45.0前後
看護学部47.5~50.0
経営学部45.0~50.0
教育学部40.0~50.0
文学部45.0~50.0
法学部40.0~50.0
経済学部42.5~47.5
薬学部47.5~50.0
工学部40.0~50.0
データサイエンス学部45.0~47.5
ウェルビーイング学部42.5~47.5
アントレプレナーシップ学部45.0~50.0

引用:スタディサプリ進路

総合的に見ると、武蔵野大学は「中堅私大の中でも成長力が高く、教育改革に積極的な大学」として注目されており、今後さらに存在感を増していくと予想されます。

文東立松産玉武はFランではない!序列・比較・就職事情

ここからは「文東立松産玉武」という大学群の位置づけ、学力層や世間的評価を深掘りしながら、他の大学群との比較や就職事情について詳しく見ていきます。

文東立松産玉武の大学序列

「文東立松産玉武」に属する7大学は、それぞれに異なる強みを持ち、偏差値・就職力・学部の専門性・立地条件などに基づき総合的な序列が語られています。

総合順位大学名特徴と評価ポイント
1位東京経済大学経済・経営分野に特化。就職支援が非常に強く、OBネットワークも厚い。
2位武蔵野大学都市型キャンパスとグローバル志向、SDGsや看護分野などで注目度上昇中。
3位二松学舎大学国文学・教員養成に伝統。文学志向の学生に強く、実績・歴史も評価高い。
4位文教大学教育系に特化し、教員採用実績が私大トップクラス。キャンパスは郊外型。
5位玉川大学総合大学として幅広い分野に対応。施設は充実だが偏差値や知名度は中程度。
6位産業能率大学ビジネス教育に特化。即戦力育成に強いが、規模や知名度でやや劣る。
7位立正大学心理・仏教に特色があるが、全体の偏差値はやや低めで立地も分散気味。

この序列は固定されたものではなく、学部別の評価や年度による偏差値変動によって変わる可能性があります。特に東京経済大学や武蔵野大学は就職や教育内容での強化が進んでおり、今後さらに評価が高まることが予想されます。

一方、立正大学は心理・福祉分野では高評価を得ているため、分野別評価では上位に来ることもあります。大学選びの際は、学びたい分野や将来の進路に応じて評価軸を変えることが重要です。

文東立松産玉武はFランク大学なのか

ネット上では「Fラン扱い」されることもある文東立松産玉武ですが、実際の偏差値帯は45〜55で、Fランの定義(偏差値35以下またはBF)には当てはまりません。

企業の学歴フィルターでは日東駒専ほど優遇されない場合もありますが、中堅企業や業種特化型の職種では内定実績も豊富です。つまり、Fランではなく「準中堅私大」として妥当な評価を受けています。

日東駒専と文東立松産玉武を比較

日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)と文東立松産玉武は、いずれも首都圏の中堅私立大学群として受験生に人気ですが、両者の間には学力・就職・知名度の面で一定の差があります。以下の表に、主要な比較項目をまとめました。

比較項目日東駒専文東立松産玉武
平均偏差値50.0~57.5(※学部により異なる)40.0~52.5(※学部により異なる)
学歴フィルター通過しやすい(企業説明会など多数)一部で通過困難(フィルターにかかる例あり)
就職実績大手・上場企業内定者も多い中堅・地元企業中心
知名度全国的に高い首都圏中心、全国的には低め

特に偏差値に関しては、日東駒専が全体的に高く、MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)の滑り止めとして受ける学生も多いのに対し、文東立松産玉武はそのさらに一段下、いわば「準・滑り止め」的なポジションにあります。また、企業の説明会やエントリー段階で学歴フィルターにかかる可能性も、文東立松産玉武の方が高めです。

ただし、教育内容や就職支援の手厚さでは文東立松産玉武も健闘しており、志望学部や学習意欲次第で逆転も可能です。あくまで平均的な傾向として捉えることが大切です。

大東亜帝国と文東立松産玉武を比較

「大東亜帝国」と「文東立松産玉武」は、いずれも日東駒専の下位に位置づけられる中堅私立大学群ですが、学びの特徴や偏差値帯、就職分野に違いがあります。以下に、主要項目ごとの比較をまとめました。

比較項目大東亜帝国文東立松産玉武
平均偏差値42.5〜50.0(※大学・学部により異なる)45.0〜52.5(※大学・学部により異なる)
看板学部体育・経営・法学など教育・文学・心理など
難関資格実績やや乏しい(国家資格合格率も高くはない)教員採用試験・臨床心理士試験で一定の実績あり
立地都市郊外(東海大・帝京大などは郊外キャンパス多め)都心アクセス良好(千代田・江東・世田谷・国分寺など)

偏差値や学習環境において、文東立松産玉武はやや上位に位置づけられる傾向にあります。特に、教員志望や心理・人間科学を志す学生にとっては、専門性の高い学部構成と就職支援の充実度から見て、文東立松産玉武の方が適しているケースが多いです。

大東亜帝国はスポーツ推薦や体育会系の強さで知られ、学生の雰囲気や大学文化に違いが見られるため、自分の将来像に合った大学選びが重要です。

文東立松産玉武の就職事情|就職に強い大学はどこ?

文東立松産玉武の各大学は、就職支援や進路実績において独自の強みを持っています。2024年版「大学通信・実就職率ランキング」や各大学のキャリア支援情報をもとに、主な特徴を以下にまとめました。

大学名主な就職先・強み実就職率(参考値)
東京経済大学大手金融・保険・流通・ITなど。学内企業セミナーやOB会が活発で、就職支援に定評あり約94%
文教大学教員採用試験に非常に強く、2023年実績では小・中・高教員採用数が私大トップクラス教員志望者の実就職率が高水準
二松学舎大学国語教員や出版・メディア関係、文化系企業への就職が多い。文学系専門職に一定の強みあり非公表
産業能率大学実務教育を活かしたマーケティング・営業職に強く、少人数制の就職指導が好評約96.4%
武蔵野大学国際系・福祉・看護などに強み。女性の就職満足度も高く、看護学部は国家試験合格率が高水準約97.1%
玉川大学教員・農業・研究職・メーカーなど多様な分野に就職。学内インターンシップや研究活動が充実約91%
立正大学心理・福祉・公務員などを中心に就職。臨床心理士・社会福祉士など資格系職種への支援が手厚い約92.3%

文東立松産玉武は一括りにされがちですが、就職においては各大学が異なる分野で実力を発揮しています。特に東京経済大学武蔵野大学産業能率大学は企業就職に強く、文教大学二松学舎大学は教育・文化分野に特化しています。自分の進路希望に合った大学選びが、より満足度の高い就職につながるでしょう。

総括:文東立松産玉武とは?まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 文東立松産玉武は、文教・東京経済・立正・二松学舎・産業能率・玉川・武蔵野の7大学による中堅私大群の俗称。
  • 偏差値帯は約45〜55で、「日東駒専より下、大東亜帝国より上」に位置づけられる。
  • 文教大学:教員志望者に人気。教育学部が強い。
  • 東京経済大学:就職実績が高く、ビジネス系に強み。
  • 立正大学:心理・仏教・福祉系に特化。偏差値はやや低め。
  • 二松学舎大学:国語教員や文学系志望者に支持される伝統校。
  • 産業能率大学:ビジネス教育に特化。就職支援が実践的。
  • 玉川大学:教育・理系・芸術まで幅広い総合大学。
  • 武蔵野大学:国際・福祉・看護分野に強く、教育改革が進む大学。
  • 序列では東京経済大学・武蔵野大学が上位に評価されやすい。
  • 偏差値的にはFランではなく準中堅私大に相当
  • 日東駒専とは偏差値・知名度・学歴フィルターの通過率で差がある。
  • 大東亜帝国と比べると、教育・心理系に強く都市型の立地が多いためやや優位。
  • 各大学は就職支援や進路実績に独自の強みを持ち、進路によって適性が分かれる。