兵庫県第一学区で学年順位で50%前後にいる子達の塾選びは最も考えることが多く、難しいテーマだと思います。

一番大きな理由は、「ガチで頑張らない限り、六アイや須磨翔風など中堅公立に進学できないギリギリの子だから」です。

第一学区は、偏差値50ど真ん中の学校がなく、それより上なら偏差値53の六アイや須磨翔風。逆に偏差値50を割り込むと、専門学科(工業・農業など)か東灘高校ぐらいしか公立の選択肢がありません。

そして、私立専願の可能性を一旦排除して考えた時、「最低でも六アイ(須磨翔風)以上」と考える生徒及び保護者は非常に多く、毎年のように中堅校の倍率が2倍近くになっているのがこのエリアです。

ただし、偏差値53の六アイ須磨翔風は、学年50%前後だと実は受かりません。偏差値53というのは、ど真ん中の偏差値50よりも3ポイント上ですから、「普通よりも出来る子」が進学する学校だからです。

そして、今現在の学力水準が学年全体で50%前後の子は、六アイ須磨翔風があと少しのように見えて、実はそこまでの距離がかなり遠い子です。ガチで勉強追い込んで、なんとか六アイ滑り込ませられるか?という崖っぷちの子というイメージです。

※後述しますが、内申点が高い子以外は、順当に行けばその学力では結局六アイに届かないことが多いです。

では、こういう子達の親御さんが学習塾を選ぶ際、どのような軸で塾選びを考えればいいのでしょうか?

【兵庫県第一学区】学年順位50%前後の塾選びの考え方

兵庫県第一学区で学年順位がおおよそ50%前後(※平均点300点のテストで、280点〜320点ぐらいを想定)の場合、塾選びにおける思考の出発点は以下の通りです。

・六アイ(須磨翔風)以上を狙うのか・狙わないのか

まず、感情・願望ベースで出発すればここからです。

その上で現実的な問題を考えるのですが、

・六アイ(須磨翔風)に逆転合格するために限界突破できる子かどうか

を、客観的に見て判断していくというのが大まかな流れとなります。

学習塾の経営者目線で、仮に自分がこのレンジの学力帯の子供の親で、実際に塾を選ぶとしたら、どういう思考フローになるのかをお見せします。

目標軸:六アイ(須磨翔風)以上を狙うのか・狙わないのか

まず、「できるか・できないか」は一旦横に置いておき、進路として六アイや須磨翔風、あるいはそれ以上を狙っていくのかどうかという目標軸から出発します。

ここで大事なのは、親のエゴではなく、子供の本心です。

要するに、「このまま順当に行けば六アイ須磨翔風に届かないけど、子供自身が六アイ須磨翔風以上に行きたいと思っているかどうか」です。

もう一度言いますよ、親の気持ちはどうでもいいんです。親御さん自身の願望はあっていいし尊重されるべきものですが、塾選びをする上では風呂敷か何かに包んで、押入れにでもしまっておいてください。

で、ここで場合分け。

①六アイ須磨翔風以上を狙いたいと子供が思っていない
②六アイ須磨翔風以上を狙いたいと子供が思っている


この2パターンしか基本的にはあり得ないので、ここから分岐して考えましょう。

子供の中には、「どっちか分からない」と回答をはぐらかす子もいます。実際よく分からないからというのも大きいでしょう。でも、この場合は「①六アイ須磨翔風以上を狙いたいと子供が思っていない」と思っておくべきです。

どの道、結構ハードに追い込まないと逆転合格しようがない子なのですから、現時点で「分からない」などと言っている時点で、現実的に距離が遠いです。悪いですが、お話になりません。

六アイ須磨翔風以上を狙いたいと子供が思っていない場合

この場合は、さらに目標を深堀りしていくことになります。

兵庫県の第一学区で六アイ須磨翔風よりも下ということであれば、概ね選択肢は以下のようになります。

・東灘高校
・専門学科(工業・農業など)
・私立専願で普通科のどこかのコース


東灘高校は第一学区で最低の偏差値の高校です。定期テストだと200〜250点ぐらいの子が進学するレベルです。200点以下の子も行きます。専門学科は学校・学科によってレベルが異なりますが、定期テスト230〜280点ぐらいの子が進学するイメージです。(※もっと低い点数でも受かる学校もあります。)

私立専願は本当にピンキリですが、平均前後ぐらいの子であれば、中堅私立の特進コースなら専願にすれば受かったりします。専願は滑り止め(併願)と違い、1つコースを上げても受かってしまうことが多いので…

だから、平均を少し割り込むぐらいであれば、例えば龍谷あたりの特進コースとかを私立専願にすれば受かることができたりします。でも、滑り止めにするのはキツイので、その場合は六アイにチャレンジ受験はせず、公立を断念して私立専願1本で行くことになります。

さて、このような進学先がテーブルに乗ったら、あとはどこを目指すかに応じて塾選びをしていくことになります。

正直なところ、平均前後ぐらいの子は、境界知能や学習障害の可能性はほぼないので、ある程度卒なくやっていれば同じように平均前後をウロウロすることになります。逆に言えば、いい意味でも悪い意味でも上下に振れません。

だから、どの塾に行こうが、そんなに点数が変わることはないです。よって自分が塾を選ぶ際は「そもそも塾に行かせないor家から近くて月謝が高すぎない緩めの塾」を考えます。

これは、東灘でも専門学科でも、私立専願でもどのパターンでも同じです。

逆に、絶対に避けた方がいいのは、「大手塾の集団コース」「自塾のような勉強時間が長い塾(週3以上でテスト直前は毎日通塾させる系の頑張る子を応援する塾)」です。

こういう塾は、そもそも一定の知能水準(最低でも学年の上半分)を対象としたオペレーションで動きます。また、勉強を頑張ることにある程度メリットを感じている子のために動きます。

よって、そもそも下半分の知能水準で、かつ、六アイ以上を目指すつもりのない子にしてみれば、何もかもがミスマッチになりやすいです。

まあなので、家から近い個別指導でそれなりに緩くやらせる感じでいくのがいいでしょう。で、公立を受けるのであれば、3年の夏期講習以降からは通塾回数を少し増やしたり、受講する科目数を増やしたりして、その子の課題に応じた通塾形態を探ると思います。

ここで「あわよくば六アイ以上に行けたらいな〜」と親として思うのは自由ですが、欲を出しては行けません。原則は、六アイ以上は無理であるという前提でここまで話を進めているので、ここで振り出しに戻されたら困ります。

②六アイ須磨翔風以上を狙いたいと子供が思っている場合

次に、子供自身が六アイ須磨翔風以上を狙いたいと思っているケース。しつこいですが、親が行って欲しいかどうかは関係ありません。あくまで子供がどう思っているかです。

この場合、「子供が頑張ると言っているので応援します!」と安直な答えを出す人がいますが、絶対に辞めてください。そんな単調な意思決定でいいなら、大人の存在は無意味です。全部子供の好きなようにさせればいいって話になります。

重要なのは、「目標までの現実的な厳しさをリアリティのある数字で分析し、子供が本当にその負荷に耐久できそうな器であるかどうかを熟考すること」です。

まず大前提、平均点前後の子供なのですから、申し訳ないですがたいして賢いわけありません。だから、今現在の自分の立ち位置と、自分が目標に掲げている位置の距離感を適切に把握しているわけがない。当然ですが、そこに到達するために必要な負荷を軽く見積もっている可能性が高いです。

だからいざやらせてみると、「こんなに大変だと思っていなかった…」と弱音を吐いてドロップアウトする子が毎年大量発生するわけです。

そこで親目線で見た時に、「この子は口だけじゃなくて、本当に実行力が伴っている子かどうか」をあらゆる観点から推測して欲しいです。

・嫌なことがあったらすぐに逃げる
・嘘や誤魔化しが多い
・何かにつけ言い訳が多い
・基本的に人のせいにして生きている
・わがまま
・感情論でヒステリック
・コツコツ物事を進められない
・正論を受け入れられない
・精神年齢が低く幼い

などなど、これらネガテイブポイントが重なれば重なるほど、実際にやらせたら脱落する可能性が高くなると思った方がいいです。そして、平均点以下ぐらいの生徒というのは、こういう子が非常に多いのもまた事実です。学業成績と普段の素行の良し悪しにはやはり相関関係があります。

しかし、そもそも地頭のセットポイントが低く、順当に六アイ以上に受かる子に比べて出発点が劣る場合は、それを打ち消す行動量が絶対に求められるのです。そしてそれは、親や子供が思っている10倍以上はしんどいと思った方がいいです。

ここで、許容するべき負荷を過小評価すると、その後の選択をミスります。これはどちらかというと親が気をつけておくべきことで、「普通に塾に通わせていれば六アイ以上に行けると思っていた」と後から後悔の気持ちを述べるパターンです。

普通に塾に通わせていて六アイ以上に行くのは、元々の地頭水準が上位40%以上にいたり、あるいは内申点がかなり高く逃げ切り型の受験が出来る子だけです。そうでない子は、普通のことをしても受かりません。

と、ここまで過酷な道が待っていることを受け止め、それでも子供がその道をクリアできる見込みがありそうかどうか?を親御さんは考えなくては行けません。

ここで大事なのは、感情論や自分の願望を排除し、客観的な視点でのみ分析することです。「仮にそういう子がいたとしたら?」と思い、自分の学生時代の同級生で同じような感じの子をイメージするのもいいでしょう。そいつが勉強面で改善しそうかどうかを引いた目で考えたりしましょう。

こういうしんどい思考段階をすっ飛ばし、今日のランチどこにしよっかな?レベルの感覚で塾選びをすると、結局最後に失敗したと感じてしまいます。失敗要因は、親が最初に思考プロセスを吹っ飛ばし、感覚で選択するからというのも大きいのです。

なお、この段階で、思考のフローは以下の2つに分岐します。

・自分の子供がしんどい負荷に耐久できそうだと思う
・自分の子供がしんどい負荷に耐久できそうだと思わない

ハッキリ言いますが、ここで負荷に耐久できる器がある子は、この属性の中で10人中1人ぐらいいればいい方です。昨今の褒めて伸ばすの甘やかし教育では、年々負荷に耐えられない子が増えており、マジでそういう子は少ないです。絶滅危惧種だと思った方がいいです。

そして、ここまで来て、ようやく塾選びで具体の話に落とし込みます。

自分の子供がしんどい負荷に耐久できそうだと思う場合

10人に1人、もしくはそれより少ないレベルの希少なお子さんのケースです。おそらく、自分の学校の同級生のお子さんに4〜5人ぐらいいればいい方です。

でも、本当に客観的に見てそういう子だと思えたのなら、塾選びでは六アイ以上の公立中堅校以上を目指す塾を選びます。

例えば、自塾です。

自塾の場合、週3で全教科型指導。かつ、定期テスト前は毎日通塾で長時間勉強。その上、神戸大卒の塾長が全科目直接教えます。だから、量も質も公立受験との相性はいいです。

それ以外だと、大手の集団塾でまずは真ん中ぐらいのコースを考えます。理科社会も受験で使うので、理社をどう教えているのかが自分の中ではチェックポイントになります。

大手塾は、いろんな学校から人が集まるため、理科社会の単元がバラバラになることが実は多いです。その結果、大人数が通う中学を優先してしまうこともあり、少数派の中学の生徒が自分の中学とは関係ない範囲をやらされることがあります。こういう塾は避けたいです。

また、ワンちゃん個別指導もありかな?と思ったりします。最終的には六アイ以上の公立なので、科目数の観点から個別は割高なので嫌ですが、時期によってはアリかと。例えば中1の時は、英数をメインに土台を固める期間に全振りし、ある程度形になってきたら5教科指導の塾に転塾させるとかも戦略候補になります。

ただ、講師が毎回コロコロ変わる個別指導とかも論外。真ん中付近の子というのは、1人の先生が進捗をしっかり管理して、毎回の課題をあぶり出さないと伸びづらいです。そういう意味では、学生講師ばかりの塾も結構危険。いい先生にあたればいいのですが、やはり経験不足なバイトだと力が弱いことは塾長になった今では正直分かってしまうので。まあでも、ポテンシャル高い学生講師ならそれでもいいんですけど。あとは値段見て考えるかな〜と思います。

と、こんな感じで、最終的に公立高校受験を受ける上で必要な5科目全部を、そこそこ優秀な人が指導してくれていて、かつ、値段的に見て高すぎない塾を自分なら選ぶと思います。

自分の子供がしんどい負荷に耐久できそうだと思わない

次に、明らかに負荷に耐久出来なさそうだと親が判断する場合です。

大前提ですが、こういう生徒が90%以上です。原則として、平均以下の生徒はこういうものだと思って塾選びをする方がミスマッチは少ないように思えます。

この場合、子供が六アイ以上を望む・望まないに関わらず、目標達成に必要な負荷を受け入れられない子ですので、そもそも勝利条件が満たされず詰みます。

だからもう、親としては「原則として六アイ以上には行けない」ということを受け入れ、その上での課金で納得のいく範囲で塾選びをするしかありません。したがって、構造的に塾通いに不満が溜まりやすいことも事前に受け止めておくべきです。基本的には勉強適性がない子の塾通いは地獄なので、そこは受け止めるしかないのです。

蕎麦嫌いを蕎麦屋に連れて行って満足したいと言っているのですから。

しかし現実問題、こういうご家庭は非常に多い。そもそもこういう現実を理解していない人、ロクに調べず適当に決める人が非常に多いからです。もしくは、頭では分かっていても受け入れたくないと言う感情に従ってしまう人も当然います。子供の能力が決して高くないのに、自分の目標を子供に押し付ける傾向の強い保護者も多く、毎年のように塾通いでこじれます。

で、ここから塾選びなのですが、まあ色んなパターンが考えられるでしょう。そしてそのどれもが、ベストではないがベターってレベルです。

まず、東灘でいい場合。この場合なら、自分は塾通いをそもそもさせません。平均前後の子ですから、評定で2がつくなどしなければ、東灘はふざけていても受かるでしょう。仮に落ちても、どの道併願先の私立に無償化パワーを使っていかすだけですし、東灘を受け入れた時点でもうどうでもいいです。

次に、専門学科の公立を受ける場合。

この場合は、さすがに学習塾には通わせます。最終的に兵庫県の公立高校受験の問題を解かせないといけないので、さすがに独学で対策なしはリスキーすぎると思います。

でもまあ、平均前後ということなので、順当にいけば専門学科の学校なら受かるでしょう。

そしてこの場合、学習塾に課金するよりも、副教科の内申点を取らせるために、親としては副教科で手伝えることをフルで手伝っちゃうと思います。副教科は内申を7.5倍しますから、ここで4以上の評定さえつけば、本番のテストですこしコケても専門学科の学校ならまあ落ちないですからね。

でも内申がつかないことも考えて、一般受験の対策として塾を考えるかな〜と。でも、集団塾とかは厳しいので、目的を明白にして個別指導に通わせると思います。それでオール3か4が1個か2個つけて受験に行ってくれればいいかな〜という塾通いになります。

最後に私立専願に行く場合。

この場合が、自分としては一番塾通いに価値を感じないです。

だって、私立専願なら、オール3の内申取らせて、明らかに低い点数さえ取らなければ推薦もらえて楽ちん合格できるんですよ。そりゃ多少は勉強頑張らないといけないかもですが、公立の中堅校以上の子に比べれば鼻くそみたいな勉強量で済みます。

しかも、難しい兵庫の入試対策もいらないし、受ける私立によっては理科社会不要の学校も多いわけです。明らかに楽でしょ。

こんな風に、生徒集めのために受からせる気満々で受験しているのが私立専願です。そこに行かせるためにに毎月のように高い月謝を捻出するのは馬鹿げていると思っちゃいますよね。

その上、高校受験で六アイ以上の公立に行けない時点で、同年代人口の中では下位半分レベルの学力しかないことになります。この状態で私立専願でチートして多少偏差値釣り上げて東灘を回避しても、大学受験とか悲惨な未来しか見えません。

だから、勉強の恩恵を受けられる属性の子でもないので、勉強面に課金していくのであれば、その他のことに課金した方が期待値が高いと考えてしまいます。お金だけでなく、時間も無駄遣いしていますからね。

でもまあ、なんだかんだ言って勉強を捨てるのはできないので、一応塾には行かすと思います。

塾に望むこととしては、「最低でもオール3で、点数は平均前後で維持。できれば何か1つでもいいから4をつけられるようにサポートしてほしい」って感じでお願いすると思います。

でも、私立専願の時点で子供も大して頑張るわけないので、元々何かしらの得意教科があって4が取れる見込みがないような子であれば、その望みも薄いと思って塾には行かせます。

まあだから、伸ばしてもらおうと期待して課金するのではなくて、ある種の「保険料」と思って月謝を支払う感覚になりますね。ここで馬鹿馬鹿しいと思う人は塾通いに向きません。そうするしかない我が子のレベルに問題があるので、ここは保護者が我慢するしかない領域だと思います。

兵庫県第一学区の塾選び:学年順位40%以下の場合はさらに修羅の道

なお、ここまでは、学年の真ん中付近の子の塾選びにスポットを当ててきました。書いていいて思いますが、まあ茨の道と言えば茨の道です。

保護者さん自体が学歴とかにこだわりがない場合は大した話ではないのですが、やや学歴厨な親などは地獄でしょう。だからこの属性の親子は絶対に関わりたくないと思っちゃいますからね…

しかし、学年の半分付近でこの有様なのですから、それより下はもう修羅の道です。

まず、下位40%のグループの場合、そもそも六アイ以上は地頭的に厳しいです。努力論の問題ではなく、シンプルに能力不足でまず難しいです。イメージ的には5教科で250点以下の子です。

この場合、親御さんの中には「なんとか六アイ以上に…」と願われる方が多いのも知っていますが、残念ながらそ望みはほとんど叶いません。六アイ以上は言っても学年全体の40%以上のレベルですから、さすがに一定の知能水準を下回ると、努力では逆転できなくなります。

そのラインが学年下位40%ぐらいで、ここを下回れば下回るほど、努力ではどうしようもならない子の数が激増します。ここで大事なのは、「この子は頑張りが足りないから成績が悪いわけではなく、根本的に勉強に不向きな子なのかもしれない」と受け止めてあげることです。

そもそも、「下位40%以下で六アイ以上に…」的な出発点が無理ゲーであることが多く、親としては早々に色々と諦めなければいけなくなりやすいです。この時点で学歴にこだわりが強い人が拗れていくのは容易に想像がつくので、塾としても絶対に触りたくありません。

でも、それを受け入れて塾選びをするご家庭も多いので、最後はそこに向けたアドバイスをします。

まず、この学力帯だと、「専門学科の公立高校や東灘に少し頑張っていく」というのが現実的な落とし所になります。これが嫌なら、私立専願にして中堅私立の真ん中のコースか一番下のコースにいくことになります。

で、その上で塾通いをどうするのかを考えることになるでしょう。

模試公立高校が志望校であるなら、自分であれば塾には通わせると思います。でも、元々かなり勉強が苦手な子ですから、多少塾に行かせても飛躍するわけもないので、「やらないよりはやった方がマシ」のマインドで、金銭的に許容できるギリギリの範囲でサポートすると思います。

個別指導に入れるしか選択肢はないので、近所の個別にお願いすることになるでしょう。無理のない範囲で学習させると思います。子供自身がが「何が何でも科学高に行きたい!」とか言わない限り、もう時の流れに身を任せるしかないと考えると思います。

なぜなら、兵庫県の公立入試の問題を知り尽くしている自分からすれば、思考力や応用力を求められすぎている問題で、学年下位40%の子がちょっとぐらい努力した程度ではどうしようもならないことを確信しているからです。だから、落ちて私立になることも考えて貯金するでしょうね。

で、次に私立専願の場合。

ぶっちゃけ、この場合はもう塾には行かさないと思います。

先ほどの事例では、学年で真ん中より少し下かどうかぐらいの水準だったので、それならワンチャン特進コースに専願でいける道もあるし、まあ課金してもいいかな?と思い、塾通いを選択肢に入れました。あとは公立だったので、最低限の受験対策があった方がいいという判断です。

でも、学年下位40%で私立専願となれば、特進コースでもなく、真ん中のコースか一番下のコースを専願受験するしかないでしょう。

でも、それはもう誰でも受かるって…

だって、私立中堅校の一番下のコースって、5教科合計が100点以下の子でも私立専願にして受かっていくんですよ。そこに行かすのに、塾は流石に不要でしょう。

まあ一部それすらも厳しくて通信になる子(※不登校に多い)もいますが、それだとしても結局は塾通いにメリットをほとんど感じません。この場合は、学業の問題ではない部分に問題があり、塾に行かせても問題解決につながらないからです。

不登校であれば出席日数とかでしょうし、それ以外であれば推薦をもらえないレベルで普段の素行が悪い問題児ということですから、勉強の前に、子育てベースで親としてやるべきことが多すぎます。勉強なんかさせてる場合じゃない。このまま行けば、社会に牙を向きかねない邪悪な存在になるかもしれないのですから。

いずれにせよ、下位40%以下で本人が勉強を大して頑張る気があるわけでもなく、公立受験を避けて楽な専願でしかも下位コースになるのに塾通いをさせるのは、金銭面もそうですが、中途半端すぎて何もかも納得がいかないです。

とまあこんな感じでしょうか。。。

ただ、下位40%以下の人達は、中1ぐらいから何となく塾通いを始めて、中2の終わりぐらいには消えていきます。最初は塾には行かさないといけない!という思い込みから出発したのでしょうが、段々と投資価値がないことに気づいていくからです。

まあそれ自体は「やらせてみるまで分からないので…」的な親御さんの想いなので仕方ないのですが、下位40%は基本的にそうなることが多いことを知った上で最初の塾通いを決める方が精神衛生的には悪くないと思います。

総括:【兵庫県第一学区】学年順位50%前後の塾選びのポイント全まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 位置づけ
    学年順位50%前後は「六アイ・須磨翔風」合格がギリギリの層で、逆転には相当な努力が必要。
  • 進路の分岐点
    • 子供が六アイ以上を「目指さない」場合:東灘・専門学科・私立専願が現実的。塾は緩め・近所の個別で十分。大手塾や負荷の高い塾はミスマッチ。
    • 子供が六アイ以上を「目指す」場合:本気度と負荷に耐える力があるかを客観的に判断。多くは途中で挫折。
  • 六アイ以上を目指す子の塾選び
    • 負荷に耐えられる「10人に1人レベル」の希少な子なら、全教科型・通塾時間が長い塾や大手集団塾を検討。
    • 個別指導は補助的に利用可。ただし講師固定や進捗管理が必須。
  • 負荷に耐えられない子(大多数)
    • 六アイ以上は現実的に不可能と割り切る。塾通いは「保険料」として利用。
    • 東灘狙い:塾不要でも可。
    • 専門学科狙い:個別指導で最低限の受験対策+副教科内申対策重視。
    • 私立専願:勉強量が少なくても合格可能。塾は不要か、通うなら最低限。
  • 学年順位40%以下の場合
    • 六アイ以上は能力的に困難。現実的には専門学科・東灘・私立下位コースが進路先。
    • 塾通いの効果は限定的で「やらないよりマシ」程度。多くは中2で塾をやめる傾向。