第一学区の中堅校の代表格が六アイと須磨翔風です。いずれも偏差値53程度で同レベルであり、公立志望の生徒の中では毎年人気の高校です。理由は簡単で、それ以下に下げると東灘とか遠方(灘区などから見て)の高校しか選択肢がなくなり、それは許容できないからです。

要するに、公立志望の方の中で譲れない最低ラインとして設定されやすいのが六アイと須磨翔風です。中3の志望校調査などを見ても、夏ぐらいだと定員の2倍程度の人数が六アイと須磨翔風を志望すると言う異常事態が起こっています。

もちろん、その中の半分以上は不合格か受験そのものを断念することになります。ハッキリ言えば、己の実力を履き違えて明らかに高望みした志望校を掲げているだけだからです。

では、どういった生徒が最終的に六アイや須磨翔風を断念するのかを、学習塾の現場の実体験をベースにお伝えします。自分で言うのも何ですが、この分析はかなり的を得ていると思います。

大前提:六アイや須磨翔風は上位40%までの生徒が行く学校

兵庫県の「高等学校進学希望者数等動向調査結果」を見ると、毎年のように六アイ須磨翔風に人が密集しますが、その多くは高望みした生徒と言わざるを得ません。

そもそも六アイや須磨翔風は偏差値53程度。平均よりも3ポイント程度は上に存在する生徒が進学する学校です。イメージ的には300点平均の期末テストで330点ぐらいは得点できる子です。

これらはおおよそ学年でも上位40%程度には位置している子であり、平均点では受かりません。もちろん、平均以下の生徒が受かる学校でもありません。それでも受かる例外は、副教科の内申点が高い子です。

しかし、「高等学校進学希望者数等動向調査結果」などでは、平均以下の生徒もみな足並みを揃えたかのように六アイや須磨翔風を第一志望として掲げます。神戸市民の志望校みたいになっています…

ただ、平均以下の層は原則届かないわけですから、高望みしまくっている生徒がゴロゴロいると言うことです。

ハッキリ言いいますが、六アイや須磨翔風は学年の中でも地頭レンジが40%以上の位置にいる子が進学できる学校です。それ以下、特に学年で見ても地頭の水準値が下半分にいる子は原則届きません。

小学校から勉強がそこまで得意じゃなかったよね?ってタイプが下半分に分類されます。しかし、保護者さんの多くは自分の子供が下半分のレイヤーにいないと勘違いしています。

中学と違って順位などが出ないから勘違いしやすいですが、例えば小学校のカラーテストなどで毎回90点〜100点で推移できず、80点とかそれ以下を取る子は下半分の可能性大です。

「この子はそこそこ賢いよね」
「普通にやればできる子ではあるよね」

と客観的に思える子が、上位40%ぐらいの地頭レンジのイメージです。親御さんの色眼鏡なしで、数名の第三者が客観的に見ればおおよそ小学校段階でわかります。塾講師であれば、数回指導すればすぐに分かります。

なので大前提、地頭レンジが上位40%程度にいない子は、順当にいけば六アイや須磨翔風には受からない。それゆえ、受けても不合格になるか受験そのものを断念(東灘に下げるか私立専願にするなど)となります。

もしイメージがわかないのなら、「中1の1学期の期末で350点以上取れていたか」を1つの基準にしてください。おおむね、六アイ以上に行けるような子であれば、最初のテストでは350点は取れています。

それができず、300点以下とかであれば、もうその時点で学年の下位40%以下の学力層である可能性が高く、六アイなどには受からない可能性が高いと一旦は見れてしまいます。

地頭レンジ上位40%以下でも「努力と工夫」で逆転は可能

正直なところ、小学校段階で上位40%以上のグループに入れていない子は、六アイや須磨翔風などの公立中堅校でも厳しいです。先天的に自分よりも地頭が高い子がそれだけ上にいるわけなので、順当にいけば厳しいことは数字から見ても分かります。

これら数字を無視して「努力すれば可能性は無限大」的な発言をするのはペテンです。それを信じる人もまた、信じたいものを信じているだけで宗教です。エビデンスもサイエンスもなく、再現性に欠けます。

しかし、それでもあえて自分も言いたいことがあります。

それは、上位40%程度の地頭レンジにいなくても、六アイや須磨翔風ぐらいなら努力と工夫を最大限ぶつければちゃんと逆転合格はできるということを。

ただし、誤解に繋がらないように事前に条件を狭めると、学習障害や境界知能に該当する感じの子は正直難しいと思います。IQ値が極端に下がると、中学レベルの勉強の抽象化には中々ついていけません。

上位40%以下と言っても、下半分の上位と下位では大きな格差があります。学習障害や境界知能は統計的にも同年代人口の約20%程度はおり、ギリ境界知能にならなかっただけで明らかにIQ値が中央値を下回る子も10%以上はいます。

だから、学年の下位30%とかになってくると、これはもう努力や工夫ではどうにもならないぐらい才能格差がある可能性が急激に高まります。だから、学年の下位40%〜上位40%以下(上から数えて40%〜60%)ぐらいの生徒は、まだ逆転の余地があるというのが自分の見解です。

地頭レンジ下位半分の生徒が直面する壁

努力をすればなんとかなる!と言ってもらえると、保護者さんは希望が持てるかもしれませんが、現実はそこまで甘くありません。

地頭レンジが下半分ぐらいの生徒というのは、もともと地頭レンジが上位40%以上で順当に六アイ以上に合格できる子が経験しない壁にぶつかることになるからです。

それは、「才能格差を努力と工夫で埋めなければいけない」です。

そもそも、地頭レンジが下がると何が問題かというと、主に以下の2点で地頭がいい子に比べてハンデを負ってしまいます。

①理解力
②記憶力

例えば六アイに順当に受かる子ぐらいだと、こちらが10説明すれば7ぐらいは理解してくれます。なので、残りの3を努力で埋めればいいことになります。

しかし地頭レンジが下半分になると、10説明したうちの4ぐらいしか理解できないこともしばしば。すると、努力で残り6を埋める必要が出ます。この時点で六アイに受かりたいなら2倍の努力が必要になります。

記憶力でも同様のことが考えられます。順当に六アイに受かる子が1時間で覚えられることを、地頭レンジが低い子だと2時間かかってしまうみたいなイメージです。(しかも地頭が良くないと記憶の忘却も異常なレベルで早く、復習なども何倍もさせないと追いつけないという現実もあります。)

ぶっちゃけ、地頭レンジが上位40%以上にいる子であれば、ウチのような全教科対応の公立受験特化型かつ週3通塾・テスト直前は10日は缶詰みたいなオペレーションに組み込めば、手堅く合格を勝ち取れます。(※これを独学でやらせるのが難しいので学習塾は必要ってことです。)

このパターンで失敗する子は、副教科の内申点が低すぎる子だけです。

そういう意味では、上位40%は正しい方法論の塾に入れておけば、あとはそれなりの努力でのらりくらりとやれば普通に六アイ以上に受かります。この子達も頑張ってはいますが、全てを犠牲にして何もかもを勉強に捧げさせているわけではありません。

しかし、地頭レンジが下半分以下になると、同じようにはいきません。

先述した通り、遺伝的な基礎スペックが順当六アイ勢に比べて劣るため、2倍も3倍も(現実は5倍以上と思った方がいい)努力が必要になります。当然ですが、地頭レンジが下位半分以下の子もそのような不公平な現実に気づきます。

自分は六アイ順当合格者の5倍以上やらない限り同じ景色を見ることができないんだ…と。

六アイ須磨翔風にそこまでの努力をしてでも本当に行きたいと思えるか

しかし繰り返しですが、上位40%の地頭レンジになくとも、その少し下ぐらいの生徒(全体の40%〜60%ぐらい)であれば、まだまだ努力と工夫で六アイなどは逆転できます。

しかし問題は、「順当に受かる子の5倍も努力をしてまで、本当に六アイ須磨翔風に受かりたいと思うか」というマインド面です。

正直、これが東大合格とかならまだモチベが上がりますが、六アイや須磨翔風は言っても偏差値53の中堅校です。そこに逆転で受かったとて、それほど明るい未来が待っていると子供自身が思えるでしょうか?

・人生で一番死ぬほど努力して、公立の真ん中レベルの学校に受かるかどうかの挑戦をする

これに熱量を注ぐのって、まあ難しいと思いませんか?

親が勝手にそれを望むのは自由でも、実行するのは子供本人です。まあまあ無茶苦茶なことを子供に求めているって自覚はしたほうがいいです。少なくとも自分はそう思います。

・仲のいい友達が六アイに行くから
・恋人と一緒に六アイに行きたい
・六アイの中で入りたい部活がある

とか、何しから学業面とは違った動機があるならまだしも、特殊な事情がない中で、六アイ合格に全てを捧げて勉強しようと思わせるのは無理です。

しかも、学年の下位半分ぐらいの地頭の生徒ですから、意識が高く、物分かりがよく、正論でお利口に動いてくれる可能性は極めて低いです。

・楽して合格できる方法を探し始める
・嫌なことがあればすぐに逃げる
・何かと嘘をつきまくる
・自分なりに頑張った!と主張して努力不足を認めない


などなど、挙げ出せばキリがないレベルで内面の問題に直面するのが毎度のオチになります。

もちろん学年の上位40%以上の生徒も子供は子供。人間的には未熟だし、嫌なことから逃げたり嘘をついたりすると思います。

しかし彼らは、地頭の水準は低くないため、根本的に勉強という競技で挫折しずらいです。だから、逃げる必要もないし、嘘で誤魔化さなくてもいい。順当にやってれば、それなりに結果が出てしまうのですから。人間としての内面の弱さが出ずに済むのです。

これが、勉強という競技における知能格差からくる不公平さです。現代の教育システムにマッチした脳構造(IQ)で生まれた子と、そうでない子の差です。

だから、学年の下位半分以下の子は、己の内面の弱さと常に向き合わされ続け、その上で勉強面での負荷を受け止めなければ逆転できない属性の子供ということになります。

これがいかにハードルが高いか想像できないわけないですよね?

でも、「勉強は努力でなんとかなる!」と綺麗事を言ったり、それを信じ込む保護者が一向に減りません。子供に期待してしまうからなのですが、勉強は恐ろしいほどにロジックや統計通りの結果が出ます。

だから、六アイや須磨翔風にそこまでして努力して行くのはしんどいと思う子供がゴロゴロ出てきてしまいます。中3の最初か夏休みあたりから諦めモードに入ります。

今は私立無償化もあるので、私立専願でそれっぽい私立の真ん中のコースぐらいを狙うこともできます。それなら、オール3ぐらいキープしといて、あとは推薦してもらって試験当日に問題用紙に名前を書けば高校生になれてしまいます。

こんな楽な逃げ道が用意されているのに、それでも死に物狂いで六アイに行く努力をさせられるでしょうか?

だから、学年上位40%以下の地頭レンジの子供が最終的にどうなるのかというのは、小学校段階である程度予測がついてしまうということです。

子供の「頑張る」をどこまで信じるのか問題

原則として、学年下位半分の地頭の生徒になってくると、六アイなど公立の中堅校の合格は厳しいです。地頭負けしている上に、それを埋めるための異常な努力量を求められる上、私立専願といった逃げ道があるからです。

正直なところ、中学以降って上半分ぐらいの知能を持つ子の勝負です。ただし地頭順に高校が決まるのではなく、「地頭×努力×工夫」で結果が左右されちゃうのが特徴です。

地頭よくても努力しない子は下っていくし、地頭がほどほどでも努力マックスの子は結構上に行きますからね。この上半分ぐらいは、上にも下にも結構な振れ幅で触れるので、教えていても面白いです。

しかし、下半分になると、この上位半分の世界の勝負に食い込めなくなります。地頭の壁で、理解力や記憶力で大きなハンデを背負うことになり、根本的に挫折しやすいからです。

ただしそれでも、下位半分の地頭でも「頑張る!」と口にする子がいます。しかも、かなりの人数が口では頑張ると言います。

しかし、口で言うのは誰でもできるので、その言葉自体には何も意味はありません。親御さんもここで喜んではダメです。当たり前に子供は「頑張る」と言います。

問題なのは、ある程度やらせた時に、その子がどんな反応を見せるのかという現実です。

そもそも多くの子供が軽々しく頑張ると言ってしまうのは、必要な努力量を控えめに見積もっているからです。本当は10の努力がいるのに、自分の中では3ぐらい努力すれば何とかなると思い込んでいるケースです。

だから実際に努力させようとすると、3のつもりが10させられるので7だけ不快感を感じることになります。ここで正論を受け止めて10の努力が必要だと切替え、実際に行動できるかどうかが勝負の分かれ道。

でも、ほとんどの子はここでギブアップします。

・そんな努力させられると思っていなかった
・もっと少ない努力で結果が出せる別の方法を探します


的な感じで、あれこれ言い訳を考えてドロップアウトします。

「勉強のやり方が分からない」と言い始めるケースが一番厄介で、何か方法論さえハマれば急激に成績が上がるとでも思っているのでしょうか?そんな方法があれば、学校や学習塾はなぜ導入していない?

で、こうやって理想と現実があまりにもかけ離れていることを悟り、それらしい理由をつけて断念するケースが毎年散見されます。そして、最も楽な私立専願に逃げます。

私立専願がダメと言っているわけではないですが、どう考えても楽な道を選ぶマインドで私立専願にしている点は否定できなくないですか?

これが「頑張る!」と口にするだけして、結局は挫折していく子供の典型的なパターンです。しかもこれ、親や塾など色々な大人を巻き込んで身勝手しているからタチが悪すぎます。

限界突破するまで頑張ってドロップアウトしたならまだいいのですが、そもそも中途半端な覚悟ゆえ途中で気持ちが折れたり、楽な方に流されているのが99%です。

この属性の生徒が学年の中でも下位半分の地頭レンジにいる子に多いわけなので、塾としてはこの層の受け入れは原則お断りしています。リスクが大きすぎます。高確率で退塾予備軍です。

この層は、結局は私立専願になるか、記念受験で六アイを受けて落ちるのが相場なので、個別指導などでゆるーく負荷のかからない範囲で通塾させるか、いっその事塾なしで受験させるでOKということになってしまいます。

自塾は割とガチで受験対策をするので、中途半端な子(地頭レンジが下半分で努力しない子)が最も割に合わないという点はご了承ください。

地頭レンジとかけ離れた目標設定は慎重に:特に下位50%

最後に、このような背景や現実から学ぶべきことをまとめます。

それは、「地頭レンジとかけ離れた目標設定は慎重にすべき」ということです。特に、学年でも下位半分以下のIQレベルの子には最も意識してほしい主張です。

この層は、大きく逆転しない限り六アイや須磨翔風以上にはいけません。ワンチャンあるのは、推薦入試で面接を上手くハックできるケースだけです。一般受験で可能性はなくとも、推薦ならワンチャンあります。

しかし、投資の費用対効果がすこぶる悪いということは、保護者さん自身はしっかり受け止めておく必要があります。

そもそも学年でも上半分(上位40%以上)の地頭の子は、六アイ須磨翔風を下限として、芦屋、葺合、御影、神戸などで揺れます。だから、学習塾に投資する旨みを感じやすいです。塾の責任も当然重いです。

しかし下位半分になると、そもそも論として六アイが厳しく、公立なら順当にいけば東灘か専門学科(科技高など)です。一番上手くハマって、奇跡を起こして六アイって感じです。もしそれが嫌なら私立専願にするか、六アイ特攻して落ちて併願先の私立しかなくなります。

だから、「塾通いに課金する意味あるのかな?」ってどうしても思われやすいです。その意味で、下位半分以下の生徒の塾通い満足度を上げることは構造的にも難しすぎるわけです。

それでも多くの保護者は、「何とか最大限頑張ってもらって六アイに…」と願って学習塾を探して勉強させますが、上述の通りその願いはほぼ叶いません。ここが下半分以下の子供を持つご家庭の塾選びの難しさです。

しかし、解決策は「親の受け入れ」しかありません。

根本的に勉強に不向きなので、六アイを望むとしても、「一番上手くハマって六アイに受かれば儲けもん。もしダメでも覚悟はできている。だから塾通いに課金することは勿体無いとは思わない」みたいなタイプしか残ってくれません。

それ以外だと六アイを断念するのなら、個別指導でゆるくやる(※ただし、そこまで期待しない)的な感じにどうしてもなってしまいます。

ここで「何が何でも六アイ以上に…」と圧が強くなればなるほど、何度も学習塾を転々としてしまったり、子供や学校、塾などに八つ当たりして色々こじれます。大前提として、下半分の時点でかなり厳しい目標であるという現実の受け入れができていないとこうなります。

ちなみに酷いと、学年の下位半分レベルの地頭なのに御影以上をマストにしているご家庭などもあり、触れると大火傷します。汗

なお、誰も本当のことを言いませんが、かなりの塾がこのタイプのこじれたご家庭の受け入れを嫌がっています。(※でも、入塾金高かったり、個別で講習だけ売って儲ける気満々の塾は一時的なお金儲けのために入塾させます。要するにカモられます。)

総括:最後には六アイ・須磨翔風など中堅校を断念する生徒まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 六アイ・須磨翔風は兵庫県の中堅公立校で偏差値53前後、上位40%程度の学力層が合格圏。
  • 夏頃の志望校調査では定員の2倍以上の志望者が集まるが、半数以上が不合格または受験断念となる。
  • 平均点以下の生徒が第一志望にするケースが多いが、原則として届かないレベル。
  • 上位40%未満の生徒は「理解力・記憶力」で大きなハンデがあり、順当に合格する子の2〜5倍以上の努力が必要。
  • 学年下位半分の生徒は努力や工夫で逆転可能な場合もあるが、IQや学習障害などの要素で厳しいケースも多い。
  • 努力量に見合うモチベーションが持ちづらく、途中で諦めて私立専願に逃げるパターンが多い。
  • 「頑張る」と口にするだけで現実の努力量に耐えられず挫折するケースが多く、塾としても受け入れリスクが高い層。
  • 下位半分の子供は、六アイなどの中堅公立校を狙う場合「奇跡が起これば儲けもの」くらいの覚悟が必要。
  • 保護者が現実を受け入れないと、塾や子供への過剰な期待からトラブル化しやすい。
  • 私立専願や個別指導でのゆるい受験準備を現実的に考える必要がある。

兵庫県公立高校入試教科別対策法の全ては以下のとおりです。