今日はソ連の初代指導者「レーニン」の遺体について、一緒に勉強していきましょう。

なんと、レーニンの遺体は100年近くたった今でも、モスクワの「レーニン廟(びょう)」という建物でガラスケースの中に安置されています。

「えっ?どうやってそんなに長く遺体を残してるの?」
「なんで埋葬されてないの?」

と思う人も多いでしょう。

この記事では、レーニンの遺体の保存方法や、その背景にある歴史的な理由について、わかりやすく解説します!

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レーニンの遺体の現在!保存方法と目的を徹底解説

レーニンの遺体は、今でもロシアの赤の広場で展示され、多くの人々に見られています。彼の遺体がなぜ今も保存され、公開されているのか、その理由や方法を知らない人も多いのではないでしょうか?

ここでは、レーニンの遺体がどのように保存されているのか、その背景や目的について、詳しく解説していきます。

レーニンの遺体は冷凍保存ではなく「エンバーミング」

レーニンの遺体は、よく「冷凍保存されている」と思われがちですが、実はちがいます。冷凍保存ではなく、「エンバーミング」という特別な防腐処理がされているのです。

エンバーミングとは、遺体が腐らないように薬品を使って処理する技術のことです。レーニンの遺体には、血液や内臓を取り除いた後、科学薬品で体の中と外を丁寧に処理して、まるで生きているかのように見せています。この技術はとても高度で、今では医学の研究や臓器保存などにも応用されています。

毎週、専門のチームがレーニンの体をチェックして、色や形が変わらないように細かく管理しているんですよ。

ホルマリン漬けという噂の真相

「レーニンはホルマリン漬けにされている」と聞いたことがあるかもしれません。でも実際には、ホルマリンだけで保存しているわけではありません。

本当は、グリセリンや酢酸カリウムなど、いくつかの薬品を混ぜた「特製の液体」に、2年に1回、約1か月間つけられているのです。この「お風呂」のような処理によって、肌のしみを防いだり、乾燥やひび割れを防いだりしています。

特に重要なのが「うるおい」です。乾いてしまうと肌の色が変わってしまうため、常に湿度と温度が細かく調整されているのです。だから今でも、まるで寝ているかのようにきれいな姿を保っているんですね。

誰が決めた?スターリンの政治的意図と背景

じつは、レーニン自身は「ふつうに家族のそばに埋葬してほしい」と言っていたそうです。では、なぜ今でも展示されているのでしょう?

それは、後継者だったスターリンが決めたことなのです。スターリンはレーニンの死後、「ソ連の象徴として、レーニンの遺体を永久に残すべきだ」と考えました。国民にとってレーニンは「革命の父」として特別な存在でしたから、その体を見せることで、国の団結や共産主義の力を示したかったのです。

このように、遺体を保存するのは政治的な意味も大きかったのです。ただし、本人の意思とはちがうため、今でもその是非について議論が続いています。

どこまでが本物?プラスチックに置き換えられた体の部位とは

保存から約100年が経つレーニンの体。実は、すべてが本物というわけではありません。体の一部はすでに化学物質に置き換えられていて、「元のレーニン」とは少し違う部分もあるのです。

たとえば、皮膚の一部はパラフィン(ろう)やプラスチックに似た素材で補修されています。また、筋肉や脂肪の一部も合成素材に置き換えられているといわれています。

ただし、骨格やひげ、まゆ毛などの一部は本物が残されており、それが「本物のレーニンらしさ」を保つために大切な役割を果たしているのです。

永久保存を支える科学チームの存在とその最新技術

レーニンの遺体を100年近くも保存できているのは、ロシアの科学チームの努力があったからです。このチームには、解剖学、生化学、保存処理の専門家たちがそろっており、レーニン専用のラボもあります。

彼らは毎週、肌の色・湿度・しみ・弾力性などをチェックしています。さらに、2年に1度の「薬液のお風呂」や、皮膚の張りを保つための処理も欠かしません。

このような保存技術は、臓器移植の臓器を一時保存する方法や、解剖用の標本作りにも応用されていて、実際の医学に役立てられているのです。

レーニンの遺体は埋葬されるべきか?国内外の議論

レーニンの遺体は、今でも多くの人が訪れる観光名所であり、歴史的なシンボルにもなっています。けれども、「もう十分じゃない?埋葬すべきでは?」という声も根強くあります。

ここでは、ロシア国内外でどんな議論があるのか、そして今後どうなるのかを、いっしょに見ていきましょう。

「賛否両論」!埋葬を求める声と保存継続派の主張

レーニンの遺体を埋葬すべきか、それとも保存を続けるべきか。この問題は、ロシア国内でも意見が大きく分かれています。

ある世論調査によると、「埋葬すべき」と答えた人が約6割にのぼったこともありました。理由は「本人の希望を尊重すべき」「死者をいつまでも見せ物にすべきではない」などです。

一方で、「保存を続けるべき」と考える人もいます。彼らは「レーニンは国の象徴であり、歴史的な人物だから保存は当然」と主張しています。特に年配の人々や共産主義に共感する人々の間で、保存を支持する声は根強く残っています。

レーニン本人は「普通の墓に入りたい」と望んでいた?

驚くかもしれませんが、レーニン自身は「盛大なお葬式や記念館はいらない」と言っていたと伝えられています。本人は「家族のそばに静かに埋葬してほしい」という、まったくふつうの希望を持っていました。

しかし、当時の指導者スターリンは、その遺志を無視して、国民のために「偉大な指導者」を残したいという理由から遺体の保存を決めました。

つまり、現在のような「ガラスの棺の中で展示される姿」は、レーニンが望んだものではないのです。これも、埋葬を求める声が多くなる理由のひとつですね。

宗教と歴史観の対立!ロシア正教会と共産党の意見の違い

この問題には、宗教と政治の対立も関わっています。ロシアの伝統的な宗教である「ロシア正教会」は、遺体を地に返すべきと考えていて、「埋葬すべき」と強く主張しています。

正教会の幹部たちは、「赤の広場をレーニンの遺体から解放することが、ロシアにとっての和解のしるしになる」とまで言っています。レーニンがかつて宗教を弾圧していた過去が背景にあるようです。

一方で、ロシア共産党の人たちは真逆の立場です。「レーニンの遺体は国民の象徴。彼を埋葬するのは歴史を壊すことだ」として、保存を続けるべきだと考えています。

レーニンの遺体が攻撃された過去とは?テロ・破壊行為の歴史を紹介

レーニンの遺体は、実は過去に何度も危険な目にあっています。たとえば1934年には、ある男性がレーニンの遺体に銃を向けようとして失敗し、その場で自殺しました。

また、1959年には、別の男がガラスの棺をハンマーで叩き割ろうとしました。このときは、レーニンの顔にガラスの破片が当たり、科学チームが大急ぎで修復作業を行ったそうです。

1973年には、爆弾を持ち込んだ男が棺のそばで自爆し、数名の市民が亡くなる事件も起きました。こうした事件があるたびに、「もう遺体を公開すべきではないのでは?」という声が高まりました。

プーチン大統領の立場は?レーニン遺体問題への政治的な姿勢

ロシアの大統領プーチン氏は、レーニンの遺体に対しては批判的な意見を持っています。過去の発言では、「レーニンの政策が後の混乱の原因になった」とまで言っています。

それでも、レーニンの遺体を埋葬するかどうかの話になると、とても慎重な姿勢を見せています。その理由は、「急に埋葬すると、国民の間に分断や争いが起きてしまうかもしれない」という心配からです。

つまり、プーチン大統領は自分の意見よりも「国の安定」を重視していて、現時点では「遺体の展示を続ける」という形を選んでいるのです。

総括:レーニンの遺体についてまとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • レーニンの遺体は冷凍保存ではなく、エンバーミング(防腐処理)で保存されている。
  • 使用されているのはホルマリンではなく、グリセリンや酢酸カリウムなどの特殊な薬液
  • 保存はスターリンの政治的判断により始まり、レーニン本人の希望ではなかった。
  • 現在の遺体の一部は、プラスチックなどの化学物質で置換されている。
  • 専門チームが常に管理しており、保存技術は医療分野にも応用されている。
  • ロシアでは、埋葬すべきか保存を続けるかで意見が分かれている
  • レーニンは「普通に家族のそばに埋葬されたい」と生前に望んでいた
  • ロシア正教会は埋葬支持派、共産党は保存派として対立している。
  • 過去には、遺体がテロや破壊行為の対象になったこともある
  • プーチン大統領は慎重な立場を取り、今は展示を継続している。