小学生でも中学生でも一定数必ず存在するのが「途中式」を書かない生徒です。
この層は、何度途中式を書くように声をかけても決して途中式を書こうとせず暗算で全てを完結させようとします。何度言ってもです。
ただし彼らは、途中指揮の重要性が決して理解できないというわけでもないです。頭の中では途中式の重要性は理解しているのですが、それでもなお「書くのが面倒臭い」という感情が己の中で優先順位上位に来ているのです。
途中式を書くメリットが100点だとしても、途中式を書くことで感じる面倒臭さが−2億点ぐらいに感じる属性の生き物なので、彼らの中は途中式を書かないことが計算上プラスになってしまいます。だから治らない。
しかし、小学校ごときであれば多少地頭がいい子はそれでもテストではそこそこ点数が取れますし、なんなら高得点もバンバン出ます。それゆえ、彼らは小学校の間に改善することはなく、そのまま中学校を迎えます。
ただし、中学の数学で計算が複雑化するとどこかのタイミングでは途中式がないと異常なほどに正答率が下がり始め、成績はジョエっとコースターの如く下がります。しかし、下がった時にはもう末期。
今まで途中式を書かない生き方に慣れすぎてしまったため、今更その子の中で−2億点のダメージを負う途中式を書こうと意識改革がなされるわけもないです。
塾の中で無理やり監視し途中式を書かすみたいな縛りプレイはできても、指導者の手が離れた瞬間にどうせまたいつもの暗算に戻るだけです。結局は人間の根っこの部分の問題(めんどくさいと感じやすい性格)の問題が大きく、これまた遺伝要因の問題に帰着します。
そして親御さんに勘違いして欲しくないのは、全てのお子さんが途中式をめんどくさいと感じているわけではないということ。途中式を当たり前に書く子は、「途中式を書かずに失敗するリスクよりも、多少めんどくさくても途中式を書いて正確に正解する方がマシ」と無意識レベルで腑に落ちているだけです。
だから、途中式を書く子と書かない子は本質的に別の生き物だと思った方がいいです。そのレベルで差が開いています。
ウチの子は途中式の書き方が分からないから書けないは少数派
途中式を書かないお子さんをお持ちの親御さんに、よくこういうことをおっしゃる方がいます。
「ウチの子は、途中式の書き方が分からないから書けないと思うんです。」
しかしはっきり言いますが、高確率でそれが理由で書いているわけではありません。途中式を書かない子は、書き方を知らないから書けないのではなく、面倒だから書かないだけです。
もちろん、極稀に本当に途中式の書き方が分かっていないがゆえに書けないって子もいるっちゃいます。でも、そういう子はきちんと指導すればちゃんと書いてくれます。だから、塾などに入れたら短期間でその悩みは解決されます。
しかしながら、根本的にめんどくさいことを是が非でも避けようとする人間性が根っこにある場合、やり方を教えても問題解決には向かいません。
やり方は分かっているけど行動する工数が大きいからやりたくないだけです。
途中式を書かない子の大半は内申点も死ぬ
ちなみに、途中式を書かないことの弊害は、数学だけにとどまりません。
基本的に、全教科何かしらの影響が出ます。
まず根本的に、このタイプの生き方の全てが内申点という制度と相性が悪すぎます。学校の先生から見れば、高確率で「雑な人間」と映るでしょう。
基本的に、途中式を書かないというのはめんどくさがり屋の人間の持つ根っこの問題点の1面が表面化しただけにすぎません。
こういう子はほぼ例外なく、
・字が汚い
・レポートが適当
・期限ギリギリでしか動かない
・課題をやってこない
などなどあげ出せばキリがないのですが、めんどくささが出発点にあるその他の問題も同時に引き起こす傾向があります。
生き方の全てが雑なので、授業態度や学習意欲という点ではどうしたってマイナス評価を受けることが避けられず、結果的に内申点が壊滅します。特に副教科の内申点がまあ低いです。
高校受験で一定以上の公立高校はキツイ:中学受験のススメ
正直このタイプは、高校受験ではまともな結果は残せません。内申点が不足する可能性が極めて高いため、学力に応じた公立高校には行けず、ワンランク以上学校を下げることになりやすいです。
特に内申点の比重が大きい県(自塾のある兵庫県はその代表格)では完全に相性が悪く、学習塾などでその子の最大値に近い点数を取らせても志望校のランクを下げさせるしかなくなります。
だから、一定の地頭があって勉強適性が欠落しているわけではないのなら、原則として中学受験させてあげる方が学業的には期待値が高いように思えます。金銭面や通学面など納得が行くのであれば高校受験を早々に損切りするのは有効な戦略です。
「途中式を書かそう!」と頑張っても無駄
保護者さんの中には、途中式を書かそうと一生懸命あれこれ手を打つ人がいます。もちろん、学習塾にその悩み解決を外注しようとする人も少なくありません。
しかし、高確率で途中式を書かない属性は改善に向かわないと思ってください。これはもう性格的な問題が大きすぎて、外部のサポートで再現性高く改善することは不可能に近いと思います。
「それはお前が力がないからだろ?」と反論・評価してもらっても構いませんが、その際は本物の実力者(いればだが)を見つけてください。まあ茨の道であることは早々に思い知ることになるでしょう。
そもそも、途中式を書かない問題なんて今に始まったわけでもなく、大昔からあったはずです。しかし令和になった今でもこれといった改善策が世の中で拠有されていないということは、そんな改善策が存在しないことを皮肉にも証明しているということです。あったら学校でもやってると思います。
稀に改善する事例があっても、それが極めて属人的(指導者の質というよりも生徒の質に依存する)であるだけで、結局は「外れ値」的な場合を除けばそう簡単には改善しません。
それに、途中式を書かない問題というのはどんな子でも直面する共通の改題ではないことを忘れてはいけません。途中式を当たり前に書く子は、途中式を書かないフェイズを経験していないことが大半です。
そもそも途中式を書く人間のマインドは「途中式を書かないことで楽をしてミスするぐらいなら普通に書いて正答率上げた方がいいじゃん?」と思っているんです。自然とね。
だけど、途中式を書かない人間はこういうマインドには絶対にならない。マインドのてっぺんに「めんどくさいことを回避する」が置かれているので、問題を正解できるかどうかは二の次だからです。
こういう人間は痛い目を見ても大して改善しません。喉元過ぎれななんちゃらで、その一瞬だけ反省もどきをして、少し時間が経てばいつも通りめんどくさいことを回避するための行動パターンに戻るだけです。
これはもう先天的な(遺伝的な)性質なので、根本的に変わらないのです。だからこそ、子供の設定条件を正しく踏まえて目標値を設定しなければいけません。
そもそも、雑な人間に勉強は向きません。
総括:途中式を書かない雑な生徒は高確率で治らないまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- 「途中式を書かない生徒」は、面倒くさいという感情が強く、指導しても改善しにくい。
- 小学校までは地頭が良ければ高得点も可能だが、中学で計算が複雑になると成績が急落する。
- 「途中式を書けない」のではなく、ほとんどの場合は「面倒だから書かない」だけ。
- 途中式を書かないタイプは字が汚い・課題が適当・期限ギリギリなど、全般的に雑で内申点が低くなりやすい。
- 公立高校受験では内申点不足で不利になるため、中学受験の方が適性が高い場合もある。
- 保護者や塾が無理に書かせようとしても性格が原因なので改善は難しい。
- 途中式を書く子と書かない子は、価値観や行動原理が根本的に異なる。
- めんどくさがりな性格は先天的要素も大きく、痛い目を見ても改善しにくい。
- 雑な人間には勉強そのものが向いていないことが多い。
※学習塾に通っていない場合は、塾用教材を使って勉強するのが効率的です。市販教材に比べて圧倒的に質が高くコスパもいいです。学習塾の先生の要望に応えた教材で、痒い所に手が届く良書ばかりです。本屋では買えないですが、Amazonなら購入可能なので、以下におすすめ教材をまとめておきます。
※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
※中学生向きコラムおすすめ関連記事は以下の通りです。
・期末テストは何点取ればいい?中1中2中3の偏差値別得点目安
・定期テスト300点で行ける高校の偏差値レベル!現実を本音で解説
・中3から勉強しても手遅れと言われる理由!巻き返しできる生徒の特徴
・内申点どこから高い?学習塾の塾長が中学生の現状を本音で解説
・【中学生】勉強の仕方が分からないと子供が言い出したら危険な理由
・内申点の平均はオール3ではなく〇〇!平均では全く安心出来ない理由
・内申点オール3の偏差値は〇〇!現実的に行ける高校のランクはどこ?
・オール3がやばい&頭悪いと言われる理由!オール3の生徒の特徴
・高校受験に向け小学生のうちにしておくこと一覧!塾長目線で解説
・【高校受験】親ができること厳選3個紹介!後悔しない子供への接し方
・中3からでも間に合う内申の上げ方や裏技が大嘘である理由と現実
↓勉強のやり方について解説している書籍↓
「ウチの子は勉強のやり方が分からないと思うんです…」とお悩みの方は、上記の2冊の本をポチって読んでください。中学生の勉強の仕方の全て書かれています。
