中学生の教科書準拠問題集には二代巨頭が存在します。
それが「教科書ぴったりトレーニング(通称:ぴたトレ)」と「教科書ワーク」です。両方とも、各教科書準拠であることには変わりありません。

ただ、非常に似たコンセプトの問題集ゆえ、どっちを選ぶべきか比較検討している人も多いと思います。塾でも、たまに保護者さんから「どっちがオススメ?」と聞かれます。
そこで本記事では、教科書ぴったりトレーニングと教科書ワークを比較していきます。違いやどっちを選ぶべきかについても解説します。
教科書ぴったりトレーニングと教科書ワークの比較:どっちを選ぶ?
まず最初に、教科書ぴったりトレーニングと教科書ワークをざっくり比較していきます。
教科書ぴったりトレーニングの特徴
教科書ぴったりトレーニングは、「新興出版社」から出版されている教科書準拠のワークです。通称「ぴたトレ」と呼ばれます。

Youtuber「とある男が授業してみた」で紹介されていたり、書店でもハイチさんの音声がしばし流れています。
なお、ぴたトレはQRコードで動画解説がついているのが特色です。分からない箇所をスマホで調べられるのが令和っぽい感じです。
問題集としても非常に良くできていて、あまりdisるポイントもありません。笑
教科書ワークの特徴
教科書ワークは、「文理出版」から出版されている教科書準拠のワークです。
全部カラーで印刷されていて、見やすいワークです。
問題も教科書に準拠したものが多く(※社会などは一部細かい問題あるが)、全体的に自信を持ってオススメできる問題集です。
自塾の本棚にも全教科の教科書ワークを常備しています。教科書ワークの詳しい評価に関しては以下の記事でまとめて解説しています。
料金の比較
教科書ぴったりトレーニングと、教科書ワークの料金の違い。
・教科書ぴったりトレーニング:1,364円
・教科書ワーク:1,386円
若干教科書ワークが高いですが、料金はほとんどトントンです。
ただ、教科書ワークの方が少しページ数が多いので、料金の差はそこにかな?と個人的には思います。
どっちがいい?比較して出した結論
教科書ぴったりトレーニングと、教科書ワークはどっちがいいのか?
これに関しては、「どっちでもいい」が塾講師の本音です。正直、あれこれ論じるほど両者に違いはないので、直感的に良さそうと思う方を購入すればいいでしょう。
どっちを買っても、間違いということは決してありません。
ただ、自分の好みをあえて言うなら、「教科書ワーク」の方が好きです。理由は”何となく”です。
塾講師ですらこの程度の見解ということを、保護者様にはご理解いただければ満足です。笑
上位層は両方ともやればいい!※時間の許す限り
なお、どっちか一冊選べというのであれば、自分なら「教科書ワーク」と言いました。
しかし、出来るのであれば2つともやるのがいいです。正直、上位層であれば計画的に進めれば、二刀流でも十分に間に合います。
逆にいえば、その程度間に合わせられないなら上位層とも呼べません。
しかし、中間層や下位層は絶対に二刀流などしてはいけません。何なら、この層は学校配布のワークすらまともに仕上がらないのが現状です。
このタイプのお子さんの保護者様は、アホみたいに問題集を子供に買い与えないでください。正直、学校のワークを3周4周と反復させた方が短期的には点数が上がります。
塾に通う場合は「塾ワーク」が代わりになる
今回は、教科書ぴったりトレーニングと、教科書ワークを比較してきました。
しかし、現代においてはほとんどのお子さんが塾に通っています。そして、一般的には塾に入ると「塾ワーク」を購入することになります。
この塾ワークですが、多くの塾は学校の教科書準拠のワークを採用します。一部の塾では、そうでないものを採用することもありますが。
つまり、子供たちは学校ワークと塾ワークの最低でも2冊の問題集を持っていることになります。この状況なら、正直追加で市販の問題集を買わなくてもいいです。
現場の感覚では、上位層以外は1つの教科で問題集を2冊仕上げることなどできません。処理能力と制限時間的に無理なのです。
だから、まずは学校ワークと塾ワークを真剣に取り組むことを推奨します。
教科書ぴったりトレーニングと教科書ワークの比較:教科別に解説
ここからは、教科別に教科書ぴったりトレーニングと教科書ワークを比較していきます。個人的にオススメの他の問題集参考書も合わせて載せておくので、参考にしてください。
国語:ぴたトレvs教科書ワーク
国語に関しては、両方ともやることをお勧めします。
と言うのも、国語でこれらの問題集を使う場合は、定期テスト対策が目的です。つまり、教科書と全く同じ問題が出題される試験です。
このような試験においては、教科書準拠のワークに勝る対策テキストは他にありません。
そして、ぴたトレと教科書ワークでは地味に問題が違います。そういう意味では、2冊やることで抜け漏れを最大限防ぐことが可能になります。
国語の内申点(通知表の成績)を上げたい人で、4以上を狙う場合はこうった戦略を取るべきです。

数学:ぴたトレvs教科書ワーク
数学に関しては、ぴたトレと教科書ワークのどちらか1冊で十分です。
問題集のテイストが同じなので、同レベルの問題集を2冊やるメリットは正直感じません。個人的には教科書ワークでいいと思います。

なお、2冊目の問題集を探すなら、教科書ワークよりも少し上のレベルのものを使うといいです。個人的には、以下の2冊がオススメです。
標準問題集をまずはこなして、余裕がある人はハイクラステストってイメージです。2冊とも個人的には大好きな問題集です。


英語:ぴたトレvs教科書ワーク
英語に関しては、ぴたトレと教科書ワークの二刀流がオススメです。ただし、学年の中でも上位30以上ぐらいの子の場合です。
この子達は、基礎的な文法は概ねわかっているので、あとは演習量の担保でゴリ押せます。やりまくれば、英語はめちゃくちゃ伸びます。
ぴたトレと教科書ワークの2冊の購入のメリットが享受できる子たちです。学年の30〜50%ぐらいの子だと、教科書ワーク1個でお腹いっぱいでしょう。

なお、英語が平均点を割り込んでしまう子たちは、教科書準拠ワークをやらせないでください。この層は、問題集の量押しで点数をあげるのは無理です。
なぜなら、英語の基礎文法が分かっていない上に、そもそも単語を覚えていないことが大きな障壁になっているからです。
そこで、まずは英語の参考書を購入し、基礎文法をもう一度総復習させる必要があります。ニューコース英語が一番分かりやすいです。

あとは、コツコツと単語の復習が必要になります。中学校版のターゲットを購入し、単語帳を見る癖を出来るだけ早くつけてあげてください。
ターゲットは一度購入すれば中学3年間使えるので、非常にコスパもいいです。

理科:ぴたトレvs教科書ワーク
理科も、ぴたトレと教科書ワークの2冊攻めが有効な教科です。
理科は問題演習をしまくることでしか伸びません。出来るのであれば、問題集をたくさん回して、接触回数を担保していきたいです。
その点から、二刀流で出来る子はどんどんやらせましょう。どっちか選ぶなら、自分は「教科書ワーク」を選びます。

・中学理科教科書ぴったりトレーニング一覧【Amazon公式】
社会:ぴたトレvs教科書ワーク
社会に関しては、正直どっちも不要派です。笑
と言うより、市販教材でお金を出すのなら、問題集よりも参考書に課金した方がいいと考えているのです。
社会は、参考書を読み、用語を理解する教科です。問題集ばかりやると、意味も分からず言葉を猿暗記する子が爆誕します。
そう言う子は、定期テストですら少し聞かれ方が異なると答えられなくなります。入試のような「正しい選択肢を選べ」という記号問題だと撃沈します。
これらは、普段からテキストを読み込むことなく、楽な問題演習ばかりをしてしまった子の終着点です。
よって、まずは以下の参考書を優先的に購入しましょう。全て3年間受験対策まで使える神参考書です。



これらの参考書も読み込み、社会の演習をもっとしたい人は「教科書ワーク→教科書ぴったりトレーニング」の順番でやればOKです。なお、社会は各分野が学年を跨いでいますので、分野単位で購入することになります。


・中学社会教科書ぴったりトレーニング一覧【Amazon公式サイト】
総括:教科書ぴったりトレーニングと教科書ワーク比較まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- 両者の特徴
- 教科書ぴったりトレーニング(以下、ぴたトレ)
- 新興出版社啓林館が出版。
- 動画解説付き(QRコード利用)でスマホ学習が可能。
- 問題の質が良く、使いやすい。
- 教科書ワーク
- 文理出版が出版。
- オールカラーで視覚的に見やすい。
- 教科書に準拠した問題が充実。
- 教科書ぴったりトレーニング(以下、ぴたトレ)
- 料金比較
- ぴたトレ:約1,364円。
- 教科書ワーク:約1,386円。
- 教科書ワークの方が少しページ数が多い。
- 塾講師の結論
- どちらを選んでも大きな間違いはない。
- 個人的には「教科書ワーク」の方が好き(理由:直感的)。
- 上位層の使い方
- 余裕があれば両方活用し、抜け漏れを防ぐのが理想。
- 上位層以外は、学校や塾配布のワークを優先して仕上げるべき。
- 教科別の推奨
- 国語:両方使うのがおすすめ。抜け漏れ防止のため2冊が有効。
- 数学:どちらか1冊で十分。さらにレベルを上げたい場合は「標準問題集」や「ハイクラステスト」を併用。
- 英語:上位層には両方併用が推奨。ただし、基礎ができていない生徒は基礎文法や単語学習を優先。
- 理科:問題演習重視のため、両方の併用が有効。
- 社会:問題集よりも参考書を優先。用語理解が重要。
- 塾ワークの存在
- 塾に通う場合、学校ワークと塾ワークの2冊で十分なケースが多い。
- 上位層以外は追加の問題集を購入する必要は少ない。
- まとめ
- 両者は似たコンセプトで、どちらを選んでも大差はない。
- 学力やニーズに合わせて適切な問題集を選ぶのが最善。
※全保護者さんに読んで欲しい「勉強法や子育て本のおすすめ」を以下の記事で紹介中。Kindle Unlimitedを使うと全て”無料”で読むことができます。
※学習塾に通っていない場合は、塾用教材を使って勉強するのが効率的です。市販教材に比べて圧倒的に質が高くコスパもいいです。学習塾の先生の要望に応えた教材で、痒い所に手が届く良書ばかりです。本屋では買えないですが、Amazonなら購入可能なので、以下におすすめ教材をまとめておきます。
※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
※中学生向きコラムおすすめ関連記事は以下の通りです。
・期末テストは何点取ればいい?中1中2中3の偏差値別得点目安
・定期テスト300点で行ける高校の偏差値レベル!現実を本音で解説
・中3から勉強しても手遅れと言われる理由!巻き返しできる生徒の特徴
・内申点どこから高い?学習塾の塾長が中学生の現状を本音で解説
・【中学生】勉強の仕方が分からないと子供が言い出したら危険な理由
・内申点の平均はオール3ではなく〇〇!平均では全く安心出来ない理由
・内申点オール3の偏差値は〇〇!現実的に行ける高校のランクはどこ?
・オール3がやばい&頭悪いと言われる理由!オール3の生徒の特徴
・高校受験に向け小学生のうちにしておくこと一覧!塾長目線で解説
・【高校受験】親ができること厳選3個紹介!後悔しない子供への接し方
・中3からでも間に合う内申の上げ方や裏技が大嘘である理由と現実
↓勉強のやり方について解説している書籍↓


「ウチの子は勉強のやり方が分からないと思うんです…」とお悩みの方は、上記の2冊の本をポチって読んでください。中学生の勉強の仕方の全てや、定期テストの勉強法まで全て包み隠さず書かれています。
現役の学習塾の塾長さんが現場指導の経験を基に書かれているので、よく分からない教育評論家の綺麗事とは無縁の超現実的実践的な勉強の本です。お子さんの伸びない原因が本当に勉強法を知らないことにあるのなら、上の2冊の書籍で問題解決します。
また、高校入試の全体像が分からない人や、高校受験生の勉強計画をどう立てていいか悩まれている場合は、以下の書籍を読んでください。

こちらは、高校入試の勉強法の全て(どの教科からやるか・どの時期に何をやるかなど)がかなり細かく書かれています。