「立命館アジア太平洋大学って、なんか“恥ずかしい大学”じゃないの?」

SNSやネット掲示板を中心に、そんな声を見かけたことがある人もいるかもしれません。名前が長い、場所が田舎、学費が高い…といった一部の印象だけで、「Fラン」「就職できない」などのレッテルが貼られることもあります。

しかし、そうした評判は本当に正しいのでしょうか?実際の偏差値や就職率、在学生の声などを調べてみると、まったく違った実態が浮かび上がってきます。

この記事では、「立命館アジア太平洋大学は恥ずかしいFランなのか?」という疑問を出発点に、偏見の根拠を検証し、事実ベースでその魅力と実力を解き明かします。

立命館アジア太平洋大学は恥ずかしいFラン?噂の真相

立命館アジア太平洋大学(APU)は、大分県別府市に位置する国際色豊かな私立大学です。SNSなどでは「恥ずかしい」「田舎の大学」「Fラン」といった声が散見されますが、それらは果たして事実に基づいたものでしょうか?

以下では、ネット上の声・偏差値・入試制度・在学生の評判・立地条件の5つの観点から、APUの「本当の姿」に迫ります。

立命館アジア太平洋大学が「恥ずかしい」と言われる理由

立命館アジア太平洋大学(APU)に対しては、「名前が長くてダサい」「Fラン大学っぽい」「別府って田舎だよね」といった声がSNSや匿名掲示板に見られます。こうした意見は感覚的なものであり、実際の学力や教育内容を反映しているとは限りません。特に「Fラン」というレッテルについては、定義が曖昧で使う側の主観が大きく反映されており、信頼性に欠けます。

以下に、ネット上で見られる主な意見と、それに対する事実を整理しました。

ネット上の意見実態・反論ポイント
名前が長すぎて恥ずかしい英語名称「Ritsumeikan Asia Pacific University」は海外でも認知度が高い
キャンパスが田舎(別府)で不便寮や施設が充実しており、生活コストも都市部より低いメリットあり
外国人が多くて馴染めなさそう留学生比率は約50%で、国際交流を日常的に経験できる希少な環境(出典:大学公式)
Fランだから学力が低い偏差値は50.0~52.5で全国私大平均レベル。国際性と英語教育に特化した独自路線(後述で詳述)
他大学との交流が少なく視野が狭そう留学制度・ダブルディグリー制度など学外とのつながりも豊富に用意されている

多くの否定的意見は、「聞いたことがない=レベルが低い」といった偏見や、地理的イメージだけで語られており、実際の教育内容や国際的な価値を理解せずに発信されたケースが多いといえます。APUは国内で最も多国籍な大学のひとつであり、「グローバルに学び、活躍したい」学生にとってはむしろ理想的な環境と言えるでしょう。

偏差値は本当にFランレベル?主要3学部の入試難易度

立命館アジア太平洋大学(APU)の偏差値は、ネット上で「Fラン」と揶揄されることもありますが、実際のデータを見ると、その評価は誤解であることがわかります。河合塾Kei-Netによると、2025年度の入試予想では偏差値は45.0~52.5と中堅私立大学(日東駒専・産近甲龍)と同等以上の水準です。

加えて、共通テスト得点率も62%〜78%と高く、決して「誰でも入れる大学」ではありません。特に「英語重視方式」では、高い英語運用能力が求められることから、留学生やTOEFL・IELTSスコアを活かす学生が多く集まります。

以下は、学部別の偏差値と共通テスト得点率の一覧です。

学部名偏差値(方式別)共通テスト得点率(方式別)
アジア太平洋学部50.0(併用・前期)〜52.5(英語重視)72%(7科目型)~78%(3教科型)
国際経営学部50.0(併用・英語重視)〜52.5(前期)70%(7科目型)~76%(3教科型)
サステイナビリティ観光学部45.0(併用・英語重視)〜47.5(前期)62%(7科目型)~72%(併用)

引用:スタディサプリ進路

これらの数値は、APUが単なる地方私大ではなく、明確なアドミッション・ポリシーに基づいて選抜を行っている証拠でもあります。特にアジア太平洋学部と国際経営学部は、グローバル志向の高い学生が集まることから、国際バカロレア(IB)や帰国生入試を通じた受験も多く見られます。こうした点を踏まえると、「Fラン」というレッテルは事実と異なる誤解だと言えるでしょう。

「英語重視」「国際色豊か」な入試方式

立命館アジア太平洋大学(APU)の入試方式には、英語運用能力を重視した「英語重視方式」が存在し、TOEFL iBTやIELTSなどの公式スコアを活用することができます。英語での授業が全体の約50%を占めており、APUでは英語が実践的な学びの言語として日常的に使われています。

また、学生の約50%が外国籍という環境により、キャンパス内では常に多文化・多言語が飛び交い、英語力を自然に伸ばすことが可能です。

以下は、英語重視型入試や国際的な学習環境の特徴をまとめた表です。

項目内容
英語重視方式の利用試験TOEFL iBT(例:61点以上)/IELTS(例:5.5以上)など
英語で行われる授業の割合約50%(一部学部では70%以上の講義が英語開講)
外国籍学生の割合(2024年4月時点)約50.2%(93カ国・地域からの留学生)
QS Stars評価(2023年)国際性の分野で最高評価「5スター」獲得
主な使用言語日本語・英語のバイリンガル(一部科目は選択制)

このようにAPUは、国内の大学では非常に珍しい「英語×多国籍」な学習環境を整えており、日本にいながらも海外大学さながらの教育体験が可能です。グローバル人材の育成に本気で取り組むAPUの体制は、英語力を伸ばしたい受験生にとって大きな武器となるでしょう。

在学生の口コミは?「恥ずかしい」とは真逆のポジティブな評判も多い

SNSやQ&Aサイトに投稿された立命館アジア太平洋大学(APU)の在学生・卒業生の口コミを見ると、「恥ずかしい」といった否定的なイメージとは真逆の声が多く見られます。特に印象的なのは、国際交流と英語力の向上に関する体験談です。APUは学生の約半数が外国籍という環境から、多文化共生や英語プレゼンテーション能力の育成に強みがあり、それが学生生活の満足度にも直結しています。

以下は、実際に見られる口コミの要点をまとめたものです。

評価内容実際の声(抜粋)
国際交流「外国人の友達が毎日できて、異文化理解が深まった」(Twitterより)
英語での授業「英語プレゼンが最初は不安だったけど、今では自信がついた」(知恵袋より)
就職活動での強み「海外インターン経験が評価されて商社に内定」(大学SNSより)
学内の雰囲気・人間関係「多様な価値観が共存していて、刺激的なキャンパスライフだった」
自己成長の実感「入学時よりTOEFLスコアが30点以上アップした!」

このように、実際の学生からの口コミでは、「成長できる環境が整っている」「世界に通用する力が身につく」といった前向きな評価が非常に多く、APUは外部からの印象とは大きく異なる“実力派”の大学であることが伺えます。

立地が不利?別府キャンパスは田舎なのか

立命館アジア太平洋大学(APU)のキャンパスは大分県別府市に位置しており、「田舎すぎて不便」「都会の大学に比べて見劣りする」といった声が一部で見られます。しかし実際には、別府は国内有数の温泉観光都市であり、国際観光地として世界的にも知られています。さらに、APUが設けている「APハウス(学生寮)」では、留学生と日本人学生が共同生活を送ることで、国際理解が自然に深まる環境が整っています。

以下に、別府という立地と学生寮「APハウス」に関する主要なデータをまとめました。

項目内容
所在地大分県別府市十文字原1-1
地域特性世界第2位の源泉数を誇る国際温泉観光都市/外国人比率が高い
学生寮(APハウス)留学生と日本人の混住/入寮率約80%(1年生)
入寮費用(初年度)約234,000円(入寮費:32,000円、家賃・共益費等:202,000円)
学外生活費(目安)月額:約6〜8万円(家賃含む) ※都市部と比較して約2〜3割安
大学周辺の生活インフラスーパー・病院・ドラッグストア・飲食店・バス路線充実

このように、別府という環境は“田舎”というより「学びに集中できる国際都市」としての側面が強く、特に学生同士の交流や語学力の向上に非常に適しています。「田舎だから恥ずかしい」という考えは、実態と大きく乖離した先入観であることがわかります。

立命館アジア太平洋大学は恥ずかしいFランではない!就職先は?

ネット上では「APUは就職がやばい」「グローバル特化だけど国内就職に弱いのでは?」といった疑問の声が見られます。しかし、実際の就職率や就職先を見ると、決してネガティブな内容ではありません。

以下では、各学部の就職実績や主な就職先、支援体制、進学実績、そして学費と奨学金制度まで、幅広く検証していきます。

学部ごとの就職率!立命館アジア太平洋大学の就職実績

「APUはFランで就職が厳しいのでは?」という声がネットで見受けられることもありますが、実際の就職実績を見れば、そのイメージは完全に誤解であることが分かります。立命館アジア太平洋大学では、グローバルな教育環境やキャリア支援が整っており、就職率も全国の中堅~上位私大に匹敵する水準を誇っています。

2023年度(2023年4月~2024年3月卒)の卒業生に関する就職データは以下の通りです。

学部名卒業者数就職希望者数就職者数就職率(概算)
アジア太平洋学部571人410人372人約90.7%
国際経営学部577人413人373人約90.3%

引用:パスナビ

この就職率は、MARCHや関関同立といった上位私立大学と比べても遜色ないレベルです。さらに、主な就職先には以下のような国内外の有名企業が並びます。

【アジア太平洋学部の主な就職先】

  • Destination Asia Japan(5名)
  • オカムラ、HIS、星野リゾート、レバレジーズ(各4名)
  • ファーストリテイリング、JALスカイ、ネクストビート(各3名)

【国際経営学部の主な就職先】

  • ステート・ストリート信託銀行(6名)
  • アクセンチュア(5名)
  • 船井総研、日本タタ・コンサル、ZEAL.TEAM、レバレジーズ(各4名)

外資系企業や有名コンサル、観光・商社系まで幅広い業界に進出しており、大学の「グローバル力」が企業からも高く評価されていることが分かります。単なる就職率だけでなく「就職の質」の面でも、APUは決して“やばい”大学ではないのです。

「やばい」と言われる理由:就職支援や英語環境に問題があるのぁ

「APUは英語ばかりで日本の企業に就職しづらいのでは?」という声も一部では聞かれます。しかし、これは実情を知らない人による誤解です。

立命館アジア太平洋大学では、留学生にも日本語学習を義務づけており、日本人学生にも高い英語運用能力と同時に日本語での就職活動スキルを鍛える支援体制が整っています。特にキャリア・オフィスの支援内容は、全国の大学でも高水準に位置します。

以下は、APUの代表的な就職支援サービスです。

支援内容詳細
キャリア相談窓口個別相談、進路相談、日本語・英語の履歴書添削
面接対策模擬面接(日本語・英語対応)、企業ごとの質問傾向対策
合同企業説明会年間100社以上が参加、学内での開催もあり
海外・国内インターンシップ紹介アジア・欧州・国内の企業との連携によるインターン紹介
日本語支援留学生向けの「日本語授業」必修化、JLPT対策講座あり

また、バイリンガルとしての強みを活かしたグローバル企業への就職も多く、英語を軸としながらも「日本での就職に弱い」というのは根拠のない偏見です。むしろ、企業からは「国際感覚」「語学力」「多文化対応力」が評価され、APUの卒業生は国内外で幅広く活躍しています。

進学率や海外進出も注目!起業や国際機関への就職例もあるのか?

立命館アジア太平洋大学(APU)は就職実績だけでなく、進学や起業、国際機関への進出でも注目されています。2023年度のデータによると、アジア太平洋学部で46人、国際経営学部で49人が大学院へ進学しており、全体の約8%に相当します(卒業者合計1,148人中)。その進学先は国内外の難関大学院に広がっており、国際的な評価の高さが伺えます。

学部名卒業者数進学者数主な進学先例
アジア太平洋学部571人46人東京大学大学院、京都大学大学院、メルボルン大学、ロンドン大学
国際経営学部577人49人一橋大学大学院、香港科技大学、Waseda Business School 等

また、起業や国際的なキャリアを築いた卒業生の事例も多数報告されています。国際NGOや国連UNHCR、JETROなどへの就職、あるいはASEAN地域でのスタートアップ起業など、「グローバル・シチズン」を育てるAPUの教育理念が現実に形となって表れているのです。

進学と国際進出の両立が可能な大学として、APUは他大学と一線を画しています。

授業料は高い?APUの学費・奨学金制度を詳しく解説

立命館アジア太平洋大学(APU)の学費は、私立大学としてはやや高めに設定されていますが、それに見合う国際的な教育内容と、手厚い奨学金制度が整っている点が特徴です。特に授業料減免奨学金制度は、最大で授業料の100%までカバーされ、経済的に困難な学生でも質の高い教育を受けることが可能です。

【APUの年間授業料と減免後の例】

入学年次通常授業料減免率 0%減免率 30%減免率 50%減免率 80%減免率 100%
1回生1,300,000円650,000円455,000円325,000円130,000円0円
2回生以降1,500,000円750,000円525,000円375,000円150,000円0円

引用:立命館アジア太平洋大学公式サイト

この制度は学業成績や経済状況に応じて審査され、多くの学生が何らかの形で支援を受けています。また、APハウス(学生寮)の初期費用も明瞭に設定されています。

【APハウス初期費用の内訳(入学時)】

項目金額
入居費32,000円
敷金98,000円
家賃(2ヶ月分)104,000円(52,000円×2ヶ月)
合計234,000円

寮に住むことで生活費を抑えつつ、国際色豊かな環境で生活できるのもAPUの魅力のひとつです。さらに、保険加入費として、1回生の場合は12,740円の負担が必要になりますが、これは日常生活での万一の事故に備えた制度です。

このように、APUは高額な学費に見える一方で、実際には支援制度が非常に整っており、多様なバックグラウンドの学生が安心して学べる環境が整っています。

総括:立命館アジア太平洋大学は恥ずかしいFラン?まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 「恥ずかしい」「Fラン」といった評価は誤解
     SNS上の印象や偏見が先行しており、実際の偏差値や実績と乖離している。
  • 偏差値は中堅私大以上の水準
     アジア太平洋学部・国際経営学部は偏差値50.0〜52.5程度、共通テスト得点率も70%以上。
  • 英語重視・国際色豊かな入試方式
     英語での授業は約50%、留学生比率は約50%でバイリンガル教育が中心。
  • 口コミではポジティブな声が多数
     英語力向上や国際交流への満足度が高く、「成長できる環境」と評価されている。
  • 「田舎」の別府立地もメリットあり
     生活コストが低く、学生寮「APハウス」で国際交流が日常的に行われている。
  • 就職実績も良好で「やばい」は誤解
     就職率は約90%、国内外の有名企業や外資系・観光系企業への就職例多数。
  • 就職支援体制が充実
     バイリンガル対応の模擬面接、履歴書添削、日本語教育、企業説明会が整備されている。
  • 大学院進学や国際機関への進出もあり
     東京大学やロンドン大学などへの進学実績、国連・NGO・起業など多様な進路。
  • 授業料は高めだが奨学金制度が手厚い
     最大100%授業料免除が可能。学生寮費も明瞭で、生活支援も整っている。