ぶっちゃけた話をすると、六アイ(須磨翔風)を最低ラインと考えているご家庭の場合、子供の地頭レンジが全体の40〜50%ぐらいにいることが、最低ラインの条件だと思った方がいいです。
もちろん、頑張り次第でそれ以下が逆転合格することはあるにはあるのですが、その可能性は極めて低く、外れ値として考えるべき事案です。だから、順当にいけば下半分は六アイ(須磨翔風)には受かりません。
そもそも、六アイ(須磨翔風)は偏差値53ですので、学年全体でも上位40%以内の学力レンジです。だから、順当にいけばその付近にいる子が受かり、それ以下は落ちます。
ただ、学年上位40%以上が六アイ(須磨翔風)の順当合格グループですが、その一つ下がギリギリ逆転合格できるかどうかの瀬戸際ラインの子というのが自分の感覚です。
だから、学年全体の40%〜50%ぐらいの子が、その子の中での限界突破をしてようやく六アイ以上になると思っておくのが健全な見立てです。
勘違いしないで欲しいのは、上位40%以下の子が、自分なりに頑張れば六アイ以上に受かるわけではないということです。特に、下位40%とか全くもって論外な子ばかりであり、塾に行けば点数がスイスイ上がって六アイ以上に行けると思っている人もいますが、寝言は寝てからにしてください。

今回の記事で対象にするのは、あくまでも「学年全体で40%〜50%ぐらいの子で、点数的には290〜320点ぐらいの子」を想定しています。この辺りの子達に強烈に負荷を乗せれば六アイ以上が見えてくるだけです。
なので、学年全体で40%〜50%ぐらい(290点〜320点ぐらい)の子の塾選びは、相当慎重に判断しなくてはいけないと思っています。
ここでは、学年全体で40%〜50%ぐらい(290点〜320点ぐらい)の子の塾選びのポイントをお伝えします。
学年全体40%〜50%の六アイ崖っぷち層:置かれている状況
学年全体の40%〜50%ぐらいだと、「後一歩で六アイなんだけど、もう一歩が遠い生徒」というのが自分の正直な感覚です。
だから、塾通いの恩恵を受けやすい層とも言える一方、場合によっては塾通いで一番ストレスが溜まりやすい層とも言えます。
なぜなら、六アイに受かれば逆転合格として塾はまるで神様のように崇められますし、落ちてしまえば「ウチの子を受からせてもらえなかった」と恨み節を言われる可能性があるからです。
そもそも論として、順当に行けば受からない子なのですが、お金を払っている保護者からしたらそんな正論は受け入れられません。そして、六アイ合格を目的とした塾通いであることを知っていて入塾させたなら、塾は言い訳しては行けませんよね。
だから、自分も全体順位で40%以下の六アイ志望とかは原則受け入れたくありません。落ちる可能性の方がそもそも高い層なので、リスクは大きくリターンが少ないので割に合わないというのが本音だからです。
でも、六アイ合格ラインの上位40%の1つ下のレイヤーである40%〜50%ぐらいの子であれば、逆転合格できるチャンスは全然あると思うので、自分が協力できることがあれば協力したいという気持ちはあります。
ただし、受け入れる際には条件があります。
それは、「崖っぷちであるという状況を本人も重々理解しており、その状況をひっくり返すにはそれ相応の勉強量(負荷)を許容しなくてはいけないことを本人及び保護者が心の底から受け入れていること」です。
だから、
「うちの子にあった勉強法でお願いします。」
「うちの子は傷つきやすいので、あまり現実を突きつけず、のびのびやらせて欲しいです。」
的な指導を望まれるご家庭は、そもそも不向きです。
というか、成績を一定程度上げるということを目的にした塾通いの場合、このようなニーズがある時点ですでに壊滅的なご家庭なのですが、逆転合格を狙う場合などでは、特にご家庭の理解を強く求めることになります。
何か現実を変えたいなら、何かを捨てるしかないのです。
こういう人達は、進撃の巨人のアルミンの名言をまるで理解できていません。

このマインドがないのであれば、中途半端で終わるのは目に見えています。
六アイ(須磨翔風)以上を目指すか・目指さないかで塾選びの方向性は全く異なる
正直なところ、学年でも40%〜50%の間にいる子は、塾選びが最も難しいように思えます。
その理由は繰り返しになりますが、「本気で勉強して限界突破さえさせれば、六アイ(須磨翔風)逆転合格は現実的に十分狙える子ではあるから」です。
これが、学年50%以下になると、ガラッと話が変わります。知能水準がガクンと下がるうえ、精神的にも幼く、勉強という競技に極端に不向きな子の割合が急激に増えるからです。
だから、以下の記事にも書いたように、受験勉強では必要不可欠な力である「自習力」が欠落するため、塾に来ても大して伸びません。
しかし、40%〜50%ぐらいの順位の子は、決して地頭がいいわけではないけど悪いわけでもないので、「ゴリ押し勉強」が最も効果を発揮しやすいです。
だから、細かい勉強テクニックに走るよりも、覚えるべきことの暗記を愚直にやらせたり、基礎的な計算の反復練習を積ませたりすれば点数は一定ラインまでは再現性高く上げられます。
だけど、決して物分かりがいいタイプではないので、一回授業受けただけでスイスイ解けるということはまずなく、知識を定着させるための訓練には耐えてもらわなければなりません。
ここで、
・嫌なことからすぐ逃げる
・言い訳したり嘘をついたりする
・少し目を離せばぐだぐだする
など、勉強以前の問題が発生すると一気に逆転合格の可能性が遠のきます。
己の立ち位置と目標までの距離の差を数字で測ることから目を逸らしたり、自分の精神的な甘さを指摘された時、その正論を受け止められないお気持ち強めの女の子とかもまず難しいと思った方がいいです。
このタイプの子は、正論を受け入れず、自分の感情むき出しで生きています。そして、正論で自分の弱点や課題を突きつけられると機嫌を損ねたり、「これ以上私に何か言ったら反抗しますオーラ」を放つなどして相手を牽制することが多く、手が付けられません。一言で言えば”わがまま”なのですが、昨今の叱られない教育のせいで、わがままの極みになっている子が一定数います。
こういうタイプは、自分が頑張ることを大前提としたコンサルサービス全般に向きません。学習塾もそうですし、転職支援などでもこじれていく典型的なタイプです。
だから、逆転合格など根本的に負荷のかかる競技をさせても脱落するのが目に見えているので、六アイ以上が目的の塾通いには向きません。
逆に言えば、この手の人間的な問題を最低限クリアした上で、本人がそれ相当の負荷を許容し、六アイ合格のための行動量を他のことよりも優先して出来るぐらい志望度が高いケースぐらいしか上手くいかないです。
これ以外で受かるケースだとは、普段サボりまくっているだけで実は地頭が良くて、3年の最後の最後の追い込みだけで爆発する系の子です。主に男子ですが、本当にたまーにこういう子がいます。
もちろん、再現性などありません。
あとは、副教科の内申点が異常に高くて、本番のテストで合格者平均とか割り込んでも受かるタイプの女子生徒です。音楽とか美術とかを5で固めたりして兵庫受験においては明らかに有利な条件を揃えてしまう子です。
こういう外れ値ケース以外で、崖っぷち40%〜50%ぐらいの子の六アイ受験を成功させるなら、マジで限界突破を受け入れるしかないのです。
なお、この層に関しては、本人と保護者さんとお話しした上で、ご協力できることがあれば、是非協力させてほしいと思っております。状況を問い合わせメールに記載の上、ご連絡ください。
このぐらいの子であれば、ほとんどの場合では、自塾のような少人数制の授業形態であれば単元の内容理解をさせることはできます。ゆえに、通常の授業でついてこれないということはないです。
問題なのは、通常の授業とは別で行う「暗記テスト」「自主学習」の部分で自分に負けずに戦い切れるかどうかだけです。その部分で、やれそうな子にとっては、大手に入れるよりも自塾の方が向いていることは胸を張ってお伝えしたいです。
これが学年の下位50%以下になると、そもそも地頭が弱すぎて、自習に耐久すること自体が絶望的に困難になる上、仮にそこそこ自習させれたとしても、脳のスペック的に一定時間でさばける量が少なすぎるため、一定の得点を獲得するために必要な勉強量は確保されずに終わります。だから、点数は低いままか、上がったとしても微増で終わります。もちろん、六アイ以上には行けないという現実は変わりません。
六アイや須磨翔風の合格のために本気にならない子の塾通いのコスパが最悪
全体順位40〜50%ぐらいの子でも、六アイや須磨翔風以上を本気で目指すというご家庭には、塾ってなんだかんだで価値を提供できるものです。これが下位50%の子供との決定的な差です。
しかし、学力水準が40%〜50%のレンジで、六アイや須磨翔風以上を目指すために本気にならない子は、結局は下半分同様に塾は価値を感じて頂きづらい場所になってしまいます。
そもそも、学力水準が40%〜50%ぐらいに位置する子に多いパターンは、なんだかんだで余力を残してその成績ってケースです。この子達は、決して地頭が悪いわけではなく、最低限のことはできます。でも、最低限のことしかせず、一定の負荷を超える勉強を超えると、それを放棄する傾向にあります。
でも、学力水準が下50%の子に比べ、元々の素質が悪いわけではないので、その程度の努力でも、学力水準40%〜50%ぐらいには行けてしまうのです。でも、決して努力マックスで勝ち取った成績とかではなく、適度にサボりつつ、色んな誘惑には負けながらも到達した子がまあ多いです。
だからまあ、このタイプが覚醒さえすれば六アイ合格なんて全然できるんですが、そう簡単に人は変わらないので成功率が極めて低いという話です。
しかし、この層は、このまま順当に行けば六アイにギリ届かないです。そして、ギリでも何でも届かないものは届かないので、受験的には、全体順位が下位50%の生徒と同じような進路しか選択肢が残りません。
具体的には、
・東灘高校
・専門学科の高校
・私立専願で特進コース
とかこんな感じです。
でも、学年順位で見て40%〜50%だと、流石に東灘は下がりすぎで、ここまで下げるのは嫌って人が大半です。でも、第一学区の普通科だと、六アイや須磨翔風よりも下で東灘以上だと、行ける高校がほぼありません。高塚高校などがありますが、偏差値は40台ですし、通学が不便と感じる人も多く、選択肢に入らないケースも多いです。
でも、専門学科に行って高卒で働く進路は嫌だ!と思う人が多いですから、専門学科の高校に行くという選択肢もない。
こうなると、六アイや須磨翔風に特攻受験してワンチャン狙うか、最初から私立専願にして公立高校の受験を断念するしかないです。
仮に六アイを受けて落ちたら併願先の私立になりますが、このぐらいの学力層の子が滑り止めとして受ける私立だと、コースは大体真ん中ぐらいです。でも、私立専願で推薦にすれば、成績は同じでも特進コースが選択できることがあります。
だから、六アイに受かる確率が極端に低いなら、滑って併願先の真ん中コースに行くよりも、専願にして特進コースに行きたいと考える人が増えるわけです。
しかし、このレベルの子が受ける私立高校の特進コースなど、お世辞にもレベルが高いとは言えません。そもそも、偏差値53の六アイに届かない人の避難先として用意されている学校なのですから、レベルが高いわけもないです。
レベル的にはオール3程度でも推薦がもらえてしまい、特進コースとは名ばかりの特進に進むことになります。
しかし問題は、そうなる子に塾は必要なのか?ってこと。
そもそも、私立専願などイージーな受験です。少子化で生徒集めに難航する中途半端な私立は、生徒が欲しく欲しくてしょうがないです。だから、ザルみたいな基準で推薦を認め、実態があってないようなペーパーテストを形式だけ課します。
正直なところ、私立専願で推薦をもらった時点で99%合格確約です。勉強してもしなくても、基本的には出来レースで合格です。しかも、公立受験のように5科目不必要な学校が多く、科目数の負担もほぼない受験で済みます。
おまけに、公立よりも早く進路が確定してしまうので、2月3月など遊び放題。己に負荷をかけたくない生徒にとっては楽園のような制度です。ここに私立無償化も加われば、努力しない系の人間を引きづり込むのには十分すぎる材料が揃ったことになります。
だから、こうなる子の塾通いがコスパ悪しなのです。
この子達は、六アイよりちょい下ぐらいなのですが、このくらいの成績でいいのなら、大して勉強させなくても、何だかんだで成績が維持できたりします。
そこが、下30%とかで勉強に絶望している子との間に開く埋めようのない知能差なのですが、一定レベルまで知能がある子なら、その素質だけでも結構押せてしまうという話です。
だから、塾に行かせようが、行かせまいが、蓋を開けると対して成績が変わらない的な話はあるあるです。
こういうご家庭は、年次が上がるにつれて塾通いに魅力を感じなくなっていき、中3になる直前か中3の途中で塾を辞めることが多いのですが、そうなるべくしてなっています。この点は、下位50%以下で成績不振で辞める子と何も変わらないのです。
親御さんは、ご自身のお子さんの属性を正しく理解した上で塾通いを選択しないと、あとから想像していなかった不満が押し寄せます。でも、ここに書いてある通りになるのなら、それは事前に想像できるぐらい分かりかったことでもあるということです。
総括:学年40%〜50%で300点付近が六アイ合格最終ラインまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- 六アイ(須磨翔風)は偏差値53で「学年上位40%」が順当合格ゾーン。40〜50%層(約290〜320点)は“崖っぷち”で限界突破が必要。
- この層は塾の恩恵を受けやすい一方、落ちれば不満も大きく、塾選びが最も難しい。
- 受け入れ条件は「本人と保護者が崖っぷちである現実を理解し、強烈な勉強負荷を許容できること」。甘い指導希望の家庭は不向き。
- 勉強法より「暗記の反復」「基礎計算の繰り返し」など“ゴリ押し勉強”が効果的。ただし本人の精神的甘さ・逃避癖があると失敗しやすい。
- 外れ値で逆転合格するのは「地頭が良く最後に爆発する男子」や「副教科内申が高い女子」など一部ケースのみ。
- 本気で六アイを狙わない子の塾通いはコスパ最悪。努力せずとも成績40〜50%は維持できるため、塾効果が実感しにくい。
- 合格できなければ進路は「東灘・専門学科・私立専願」が中心。私立専願ならほぼ合格確約だが“特進”も実質的に低レベル。
- そのため、この層の塾通いは「本人が限界突破に本気で挑むかどうか」で価値が決まる。
