神戸市で小学生のための塾選びを考える時、保護者さんは何を判断基準に比較すればいいのでしょうか?

特に公立中学に進学予定の場合、いわゆる受験指導塾ではなく、「普通の塾」を選ぶ事になります。

しかしそうなると、塾の数は星の数ほどあり、まあ比較が大変です。

そこで今回は、現役で塾長をやっている自分が、ポジショントークと宣伝抜きで本音を書いていこうと思います。

【神戸市】中学受験をしない小学生が塾に通う目的と選び方

公立中学に進学予定であれば、非受験生となります。

そうなると、塾に通う目的は大きく2つに分類できるはずです。

①学校の勉強のフォローアップ
②中学校で通用する本物の学力作り

イメージ的には、

①学校の勉強のフォローアップ

まず1パターン目は、学校の勉強の補習的な位置付けで塾に通うケースです。

これは、勉強が苦手で学校の授業についていけない子を想定しています。

具体的な点数で言えば、テストで60点以下です。

えっ、60点でも勉強苦手?と思われるかもしれませんが、そう思ってください。

と言うのも、小学校の時のテストの点数と、中学生の時のテストの点数の関係はザックリ以下のような感じです。

・小学校の90〜100点=中学校の80点以上
・小学校の80点=中学の60点
・小学校の60点=中学の40点

これは塾屋をやっている自分が感じる、リアルな感覚です。

つまり、小学校で80点以上でやっと平均程度の学力。それ以下は、中学では平均以下になるでしょうね。

これがどう言うことか分かりますか?

高校受験で考えれば、偏差値50以下の高校しか届きません。

兵庫県第一学区で言えば、六甲アイランド高校が偏差値50の少し上のラインですので、六甲アイランドでも怪しいと言う事になります。

すると現実的に狙える公立高校は、

・神戸高塚
・神戸甲北
・伊川谷高校
・東灘高校
・神戸北高校

ぐらいしかありません。

つまり、上中生と原中生においては、公立に進学出来ても上記の高校になります。

まあ、個々の公立高校に関する評価は差し控えますが、1つ言えるのは通学するには物理的に距離が遠い高校が多いです。

そうなると、偏差値50に届いていない子もチャレンジ受験を余儀なくされますよね。

兵庫県の第一学区であれば、

・六甲アイランド
・須磨翔風

などが狙い目になりますが、正直この辺りは平均点程度は得点出来ていないと、勝負するのはかなり厳しいです。

つまり、小学校で60点以下の子は、私立に行くか、公立の中でも通いずらい高校or東灘高校を選択するしかなくなるのです。

これが神戸市の第一学区受験の現実です。

話が脱線してしまいましたが、小学生のテストで60点以下の子は、正直相当なレベルで危機感を持たないとヤバイです。

しかし、このレベルの子は学校の授業ですら怪しいはずなので、塾選びは一番慎重になる必要があります。

具体的にアドバイスすると、自塾のような少人数集団指導の塾は辞めたほうがいいです。

なので、結果的には「個別指導塾」に通う以外ありません。

まずは1対1で徹底的に見てもらいましょう。

算数で言えば途中式の書き方、漢字で言えば意味を捉えて覚えているかなど。

そのため、個別指導に通うとしても、講師がコロコロと変わるような個別指導は絶対に避けないければいけません。

と言うのも、我々講師と言えども、何回かお子さんを教える機会があって初めて、その子の悪い癖などが見えてくるものです。

そういった癖や課題が見えてくると、次回以降の指導がスムーズにいったり、毎度お馴染みのミスを撲滅できたりします。

しかし、イチイチ講師が変わっていては、それは出来ません。

と言うよりですよ、個別指導で見てもらう上で一番重要なのは、同じ講師に一定期間指導し続けてもらう事でしかないですよ。

これは中学生の塾選びでも同じです。バイトが毎回入れ替わる系の塾は、まず間違えなく機能していませんから。

ただ、ここで重要なのは“中長期的なビジョン”です。

個別指導は親身に見てもらえると言うメリットと引き換えに、とても大きなリスクを背負う事になります。

それは、「自分で問題解決をしようとしない、他人依存が強い子供を作り上げるリスク」です。

そもそも、個別指導というのは究極の贅沢品です。

“自分のペースに合わせて授業をしてもらい、分らなかったらその場ですぐ質問できる。”

この究極の贅沢と引き換えに、集団塾に比べて圧倒的に高いお金を支払うのですから。

しかし、自分のペースに合わせてもらう事や、分からないことをすぐに教えてもらうことは、大きなリスクでもあります。

そもそも高校受験は、自分のペースに合わせてくれません。試験日は全員共通です。

つまり、子供自身が受験のペースに自らを合わせて行く競技です。

そんな時、他者が自分に合わせてくれる事を当たり前と思っていたら、とんでもないことになりますよ。

受験はもちろん、大人になってからも心配しかない。

それに、疑問点が生じたとき、自分で考えることなくすぐに質問していては、思考力は養われません。

兵庫県の公立入試の問題は、思考力を問う問題がほとんどです。

まずはじっくり問題を読み、自分なりに分かることを整理し、その上で自分が持っている知識をフル稼働して立ち向かわなければ、正解できないように問題が作られています。

数年後にそんな試験を受ける子が、個別でゆったりまったりとぬるま湯に浸かり続けていることが、どれだけ大きな障壁になるか想像できますか?

「分からなかったら誰かに聞けばいいや。」

こんなマインドしか持ち合わせない子供になってしまえば、公立受験への足枷にしかならないのです。

なので、まずは目的をハッキリさせるのが大事です。

例えば、私立高校に進学したり、偏差値50以下の公立高校で満足できるのであれば、個別指導を継続していけばいいです。

しかし、偏差値50以上を狙うなら、どこかで負荷をのせることを許容しなければいけません。

学校の勉強に追いついたら個別指導を卒業し、公立高校受験の対策までやってくれる少人数集団形式の塾に転塾することを考えるべきです。

②中学校で通用する本物の学力作り

次に、一定レベルの学力(学校テストで70〜80点以上)がある子で、中学に備えるために塾に通うケースです。

この場合は、個別指導は基本的に選択肢には入りません。

1対1で教えてもらう必要がない上に、金額的に割高にして科目数を減らす意味はどこにもありませんからね。

なので、少人数集団指導の塾が一番強いです。

1クラス20人とかの集団指導でもいいのですが、小学生ということを考慮すると、1クラス10名以下の少人数の方が基本的にはいいです。料金もほぼ変わらないですからね。

ただ、問題はここから。

このレベルの子達の場合、塾の指導形態ではなく、指導内容そのものに目を向ける必要が出てくるからです。

具体的には、

①誰が
②どういう方針で

指導しているか。

まず①誰がの部分ですが、大前提は『講師固定であること』です。しかも、小学生の間はもちろん、中学校でも同じ指導者が見ているのが理想です。

小学生というのは、学力の土台を形成する一番重要な時期です。

そのため、計算の途中式の書き方1つとっても、指導には非常に気を使います。

しかしそれは、同じ指導者が何回も何回もチェックしてはじめて子供に伝わるものなので、講師がイチイチ変わるのは究極の論外なのです。

また、”誰が”という領域においては、講師そのものの実力が結局その後の学力を大きく左右します。

塾選びというのは、結局は「講師ガチャ」でしかないので。

まあこの辺りが一番感覚的で難しいので、体験とか色々行ってみて、子供自身がしっくりくる塾を選ぶしかないでしょう。

ただ、1つ注意点があるのは子供の「あの塾良かった!楽しかった」を親さんが鵜呑みにしないこと。

そもそも子供の楽しいの定義が、「楽しい=楽(ラク)」であれば、これは何の意味もないのでね。

まあしかし、この辺りの意識が低すぎると、塾選びで悩む以前に子供の意識改革をした方がいいわけですが…

次に、塾が「②どういう方針で」指導しているのか、ここは結構重要です。

方針というのは、その塾が掲げる抽象的なビジョン(例:勉強だけでなく、人間としても優秀に!など)のことではないですよ。

まあそれもある意味では大事なのですが、いかんせん掲げている側もよく分かっていないですから。笑

そもそもボンヤリしすぎているので。

なのでそうではなく、塾選びの段階においては、指導のもっと細かい部分に目を向けるべきです。

特に小学生であれば、

・漢字をどうやって覚えさせているか
・国語の文章題演習はどれだけやっているか
・算数指導における計算と文章題の比率
・英語はリスニングだけではなく、読み書きをやっているか?
・理科の指導まで力を入れているか

みたいな所です。

もちろん、この辺りの比較に関しては、保護者さん自身の学力や経験に依存する部分が大きいですよ。

そもそも良い指導というのは、勉強である程度成果を出してきている人でないと、本来はピンと来ませんからね。

しかし、これから子供に勉強をさせようとするのであれば、それなりに保護者さんも勉強しておくべきです。

それに、そんなに難しい話でもないんですよ。

例えば、ウチの漢字指導の一例を紹介します。

一般的な塾の指導であれば、新出漢字を前で書いて、何度も書かせて、毎週漢字テストをします。

漢字プリントはこんな感じです。

これは一般的な漢字プリントで、何も悪くありません。こういうプリント、ウチも普通にやります。

しかし、漢字指導においてはもう少し踏み込むのが学習塾リアル。

リアルの場合、こんな感じで問題を出すことがあります。

問:A〜Cの中から適切なものを選び、漢字に直して書け。

・私は将来 (        ) を継ぐつもりだ。
A.カジ B.ショクギョウ C.カギョウ

答えはC「家業」なのですが、このタイプの問題だと、漢字が書けるだけではなく、言葉の意味そのものが分かっていないと解けません。

Aの「家事」、Bの「職業」は継げませんから、答えはC「家業」しか入らない。

ここまで考えて、正解にたどり着けます。

これを、何十回も「家業」と書かせてクソ暗記させるのと、語彙力を高め、思考力も試しながら覚えさせるのとでは、大きな差が出そうではないですか?

塾の指導の信念は、こういった細かい指導スタイルに現れます。

しかも、こんなスタイルを採用する時点で、子供の思考力そのものを上げに行く意思があることが分かりませんか?

そう願っていなければ、わざわざこんなクソめんどくさい指導を選択しませんよ。

楽したければ、ありきたりな漢字プリント渡して何回も書かせればいいだけです。書かせている間は自分も授業しなくていい。楽だ。

子供だって、イチイチ思考させてくる漢字プリよりも、機械的に何度も漢字書きまくる方が楽かもしれないですね。

でも、それをしない。そこは信念があってやってるので。

自分の場合は、こうやって子供に思考してもらい、脳に汗をかかせて、ジワジワと賢く育てたいと思っている。

もちろん、ウチ以外にもこうやって指導に信念持ってやっている塾さんはたくさんあります。

そしてそれは、『個人塾』に多い傾向がありますね。まあ小回り効いて自由にやれるのが個人塾ですから。

中学でも通用する本物の学力を身につけさせたいと思うなら、親さん自身も塾の指導内容をきちんと見るといいでしょう。

リアルの場合は、指導内容に関してはかなり細かいことまでHPに書いています。

ぜひ、塾選びの参考にしてくださいね。

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