基本的に、小学生から塾通いを検討されるご家庭は、教育意識がかなり高いです。
中学に入学して手遅れになってから塾に行かすのではなく、事前に仕込んで予防しておこうと考えていらっしゃるわけですからね。
しかし、小学生の塾通いっていつからかベストなのかは結構悩みませんか?
今回は、営業トーク抜きで、自分が思う小学生の塾通いのタイミングに関する見解を本音で伝えて行こうと思います。
【結論】小学生の塾通いでベストなタイミングは小5です
まず最初に、今回は結論からお伝えします。
塾屋の自分が本音で答えるのなら、小学生の塾通いのベストなタイミングは「小5」です。
ぶっちゃけ、小4なら小5から来ても取り返せる子が多いです。
小6に関していうと、小5の内容の方が実は重要で、小6の内容は実は意外と中学校からでも取り返せます。
これ、結構ヤバイこと言っているの分かりますか?
だってうちの塾、小4も小6もガンガン募集しているんですよ。
それにも関わらず、小4と小6の募集に不利になる事を堂々と言ってしまうという。笑
しかし、仮にそう思われたとしても、この記事を読んでいる保護者さんには、小5の教育をとにかく重要視して欲しいという願いがあります。
そのくらい、小5の勉強は中学の土台になっており、間違った指導を受けてしまうと、それだけで致命的になるリスクがあるからです。
ここを意識出来ているご家庭はほぼゼロです。
しかし、もうこれは知らなかったで済ませてはいけない問題ではないかな?とガチで思っています。
小5からの塾通いが重要な理由
では、なぜ小5が重要なのかを解説します。
まず、小5の教育で最も重要なのが「算数」です。
その中でも、「単位量あたりの大きさ」「速さ」「割合」の3単元が極めて重要。
というより、基本的な計算を除けば、小学校の算数はこの3論点なのではないか?とすら思うレベルです。
ここを出来ているかどうかが、中学で上位に上がれるかどうかを左右すると言っても過言ではないです。
いや、勉強の仕方というエッセンスまで話を広げれば、難関大まで進学出来るかどうかもこの辺りのアプローチ法で決まるとすら思えます。
そのぐらい大事なのが小5の算数なのです。
ただ、イメージしずらいと思うので、ちょっと具体的にどういう内容なのかを紹介しましょう。
まず、「単位量あたりの大きさ」とはこんな問題。
今、10㎡の花壇に花が20本植えてあります。1㎡あたり、何本の花が植えてありますか?
どうですか、決して難しい問題ではないでしょう。
20÷10=2ですから、「2本」になりますよね。
しかし、こう聞かれることもあります。
今、10㎡の花壇に花が5本植えてあります。1㎡あたり、何本の花が植えてありますか?
さっきより花の本数が減りました。
すると、こういう子が必ず出てきます。
10÷5=2で「2本」と答える子が…
しかし、それはおかしいですよね。
面積は同じでさっきより花の本数が増えたわけなので、答えが同じになっちゃまずいでしょう。笑
ただ、こういうミスをする子は思考を一切していません。
この子は頭の中で「10÷5」を無意識にしましたが、これ、割り算の式が間違っているわけですよ。
正しくは、「5÷10」で、答えは「0.5本」でしょ。
でもね、理解を伴わずに計算式を作る子は、割り算するときに「大きい数÷小さい数」を無意識にやります。
なぜその順番で割り算をするのかなんて、一切考えない。
しかし本質的には、こう考えればいいだけですよね?
10㎡に5本あるなら、1㎡ということは面積が「÷10」されている。ということは、本数も「÷10」しないといけない。
であれば、「5本÷10」という式を作らなきゃいけません。
これ、正直親さんレベルでも分かっていない人がたくさんいます。
分かっていても、子供に理屈を正しく教えられる人なんてほぼいないでしょう。
「単位量あたりの大きさ」というのは、割り算の意味を本質的に聞いてくる単元です。
そのため、適当にパターンばかりの計算ドリルしかしてこない子が、急激につまづき始めます。
ウチの子は文章題が苦手で…という相談が増えるのもこのぐらいの時期です。
しかしね、そういう子は本質的には文章題が苦手とかではなく、割り算そのものの意味が分からぬまま、計算のパターン演習ばかりやっていたケースがほとんどです。
これが、自立型学習塾などで計算プリントを大量にやらされてきた子にまあ多いこと…
もちろん、プリント演習型の塾を否定したいわけではありません。が、そういう子が多いのは事実ですよ。
しかし、単位量あたりの大きさの本質的な理解がない子は、必ず次の単元である「速さ」でつまづきます。
例えば速さの問題というのはこんな感じですよね。
ある車が6kmの道のりを2時間で進みました。時速は?
これ、単位量あたりの大きさを理解している人には、本当にしょうもない問題なんですよ。
時速というのは「1時間で進んだ距離」のことですよね。
であれば、2時間で6km進む車なら、1時間なら時間が「÷2」されているだけなので、距離も「÷2」されます。
つまり、「6km÷2」で、時速3kmがすぐに出てきます。
しかしね、これを小学校の授業でどう教えているかご存知ですか?
親さん世代もこう教わった人が多いと思いますが、「ミハジ」「ハジキ」と謎のてんとう虫公式を教えられます。

要するに公式にはめて解くやり方です。
今回なら、「速さ(ハ)」が知りたいあら、「道のり(ミ)÷時間(ジ)」をしろということ。
だから公式に当てはめて「6km÷2時間=時速3km」で万歳三唱、と。
いや、何が万歳なの?と思いませんか…
そもそも、なぜ、「ミ÷ジ=ハ」になるんですか。理由を説明してみてください。
ないですよね。あるわけない。
「ミ」という文字と「ジ」という文字との間に、「ハ」という文字が生まれる論理的な理由なんてないのですから。こじつけてるだけですから。
しかし、こうやって理由のない公式ばかりを教えるのが今の学校教育。
子供達は意味もわからず、適当に「ミハジ」の公式図を書き、そこに数字をはめ込む。
完全にマニュアル人間になります。(※マニュアルすら覚えない子もゴロゴロいたりします)
いや、百歩譲って意味がわかってこの公式を使っているならまあ許せます。
でも、ほとんどの子は速さの意味が本質的に分からないから、こういう屁理屈みたいな公式に依存して、無意識に考えることから逃げ始めるんではないんですか?
それで賢い子が育つわけないでしょう。
しかし、速さの後の割合という単元にも、似たようにな公式で「く・も・わ」みたいな別のテントウ虫が出現します。
しかも今度は、「比べる量(く)」とか「もとにする量(も)」みたいな謎概念が追加され、さらに子供は大混乱…
この辺りから算数が出来ない子が爆増します。シャレにならないぐらい。
そしてこれ、全部「小5」の話ですからね。
しかし、小5算数の単位量あたりの大きさの理解が甘い子は、全てコケます。
速さ、割合、全然出来ません。
そしてこの2個の単元は、中学数学や理科で毎回登場します。結果的に、中学の理数系科目が壊滅的になります。
全ては小5の算数を正しく学んでこなかったことが原因で。
小5算数を後になってから取り戻すことはクソ大変(いや、無理かもしれない)
ただですよ、小5算数が重要だからといって、小6以降とか中学生で挽回することはできないのでしょうか?
塾屋が不安を煽りまくって入塾を急かしているだけではないでしょうか?
その点について言えば、挽回は可能です。
が、相当しんどいことだけは伝えておきます。
そもそも、最初から正しい指導を受けている子に比べ、間違った指導を受けてきた子は修正がかなりしんどいです。
真っ白いキャンパスに色を塗るのではなく、ヘンテコな色がついた状態をまずは綺麗な白に戻し、そこから色ぬりをしないといけませんからね。
しかも、ここで癖が強い子であればさらにハードルは上がります。
今までの自分のやり方に固執し、間違っているやり方を改善するよう指示しても、それを嫌がってしまうこともあるからです。これは学力というよりも性格の話ですが。
それに、時間的に厳しいということもあるんですよ。
例えば中1とかから塾に通い始めるケースなんかがその最たる例。
中1になれば、速さや割合など小5知識は知っている前提で進めます。
そのため、逐一小5算数の基本に戻って解説している余裕なんてありません。
すると、本当はやりたくないんだけど、自分自身も「とりあえずミ・ハ・ジにはめて。」と指導するしかなくなります。
本質論を指導したいのは山々ですが、それをしていては直近のテストの対策が間に合わなくなるからです。科目は算数だけではありませんしね。
ただ、こうなれば悪循環に突入します。
もちろん自分も、最初はミハジなど逃げの指導をしても、ある程度学力が上がってきたら、本質を伝えていくつもりです。
ただ、生徒のポテンシャルによっては、結局そこまでたどり着かないこともあります。
小学校の最初から見ていれば、もっと本質から教え、十分な演習量を与えることができたのに…
そう後悔しながら。
と、ここまで書くと、またしても営業トーク丸出しに聞こえますね。笑
「小5から来ないと取り返しつかないぞ。早く入塾しないとヤバイぞ。入塾して。」
どう読んでもそう聞こえます。
でも、もうそのぐらいの温度感で読んでいただいても結構です。
塾屋としてではなく、教育業界に少しでも首を突っ込んでいる身として、真実が伝わればもはや何でもいいです。
少なくとも自分の指導経験から言えば、中学の勉強が出来ない子のほとんどの原因が小5算数の理解が不十分であることは確信していますので。
この煽りとも取れる記事(笑)で少しでも心が動いてくれる親さんがいれば、それだけでも大いに意味があります。
正直こんな記事、一部の賢い親さんにしか届かないことは重々わかっています。
途中の単位量あたりの大きさの計算が入ったあたりから、何人も読むのやめる人がいる事も分かっています。
でも、ここまで読んでくださった親さんは、親さん自身がかなり学問には詳しいのでしょう。
そういう人が共感してくれるように書きました。
なので、多分ですがウチの塾と相性がいいです。笑
そして、もしよろしければ小4から来てください。(※営業です。)
と言うよりですよ、やっぱり塾は早く通った方がメリットが大きいんですよ。
自分は小5算数を基準に入塾タイミングを書きましたが、世間的には「小4の壁」と言う言葉があるように、小4は大きな分岐点でもあります。
しかも、算数だけで言えばまだ小5でもいいのですが、国語の学習で言えばとにかく早いに越した事ありませんからね。
塾自体にも慣れてきますし、勉強習慣もつきやすいです。
ただ、塾はお金が発生するものですから、そこに見合う価値があるかは消費者判断です。
そう言う意味では、自分自身が保護者さんの期待に超えるような指導を日々研究していかなければいけないと強く思っています。
責任重大なので、この仕事は。
てな感じで、今回は以上です。
ではでは。
