「STARSとは何の略？」
「底辺国立大学って本当？」
そんな疑問を抱えて検索したあなたへ。
ネット上では、STARS（スターズ）というグループが“Fラン”“誰でも入れる”と揶揄されることがありますが、これは大きな誤解です。STARSを構成する5大学は、いずれも地域に根ざした重要な国立大学であり、特色ある学部・学科を備えています。
この記事では、STARSの構成校それぞれの偏差値や共通テスト得点率などの客観データをもとに、事実と偏見を分けて徹底解説します。大学選びに悩む受験生や保護者にとって、後悔しない進路選択のヒントとなる内容です。
STARSとはどこの大学？偏差値や難易度を大学別に解説
STARSは、地方にある5つの国立大学をまとめて呼ぶ俗称ですが、決して「学歴的に底辺」と言い切れるような存在ではありません。以下では、まずSTARSの意味と背景を整理し、続けて各大学の難易度や特徴をデータとともに見ていきます。
STARSとは何か？5つの地方国立大学グループを解説
「STARS」とは、佐賀大学・鳥取大学・秋田大学・琉球大学・島根大学の頭文字を取った国立大学群の略称です。いずれも地方に立地する中堅国立大学であり、ネット上では一部で「底辺国立」と揶揄されることもありますが、実態はそれとは異なります。下表をご覧ください。
| 大学名 | 主な学部例 | 医学部の有無 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 佐賀大学 | 医・理工・農・教育 | あり | 公務員就職・教育分野に強い |
| 鳥取大学 | 医・農・工・地域学 | あり | 医学・農学・乾燥地研究が有名 |
| 秋田大学 | 医・理工・国際資源 | あり | 資源工学や医療系の実績に定評あり |
| 琉球大学 | 医・理・農・国際地域創造 | あり | 南西諸島唯一の国立、地元密着型 |
| 島根大学 | 医・理工・法文・人間科学等 | あり | 地方自治体・教育現場との連携強固 |
これらの大学は偏差値だけで評価されがちですが、実際には地域貢献・研究実績・就職支援の面で独自の強みを持っています。一概に“底辺”と決めつけるのは、実情を無視した偏った見方だと言えるでしょう。
佐賀大学の学部・偏差値・得点率一覧と特徴
佐賀大学は、西九州を代表する国立大学で、6学部を擁し、地域密着型の教育に力を入れています。とくに医学部の人気が高く、共通テスト得点率では最大89%が求められることもあります。一方、経済・理工・農学部などは偏差値40〜50台で、比較的受験しやすい設定となっています。
以下の表に、各学部の偏差値と得点率をまとめました。
| 学部名 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 経済学部 | 42.5～45.0 | 62%～70% |
| 教育学部 | 45.0～52.5 | 54%～68% |
| 理工学部 | 42.5～52.5 | 54%～65% |
| 農学部 | 45.0～50.0 | 57%～66% |
| 医学部（医学・看護） | ～62.5 | 61%～89% |
| 芸術地域デザイン学部 | 47.5 | 58%～68% |
引用：スタディサプリ進路
地方国立としてはバランスの取れた学部構成で、公務員就職や地元定着率が高いのも特徴です。とくに教育・芸術分野での人材育成に力を入れており、地域貢献性の高い大学といえるでしょう。
鳥取大学の学部・偏差値・得点率一覧と特徴
鳥取大学は、日本海側唯一の国立大学として、地域課題の解決と自然との共生を教育理念に掲げています。「人と環境にやさしい知の拠点」として、特に農学部や医学部で高い実績を持ち、地域医療やバイオ研究などに注力しています。受験難易度も学部によって幅があり、文理問わず幅広い志望者に門戸を開いています。
| 学部名 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 地域学部 | 45.0～47.5 | 53%～68% |
| 工学部 | 45.0～47.5 | 52%～61% |
| 農学部 | 47.5～60.0 | 55%～75% |
| 医学部 | 47.5～62.5 | 60%～82% |
引用：スタディサプリ進路
地域学部は政策・経済・文化などを幅広く学べる点が特徴で、就職では自治体や地域企業に強い傾向があります。農学部・医学部は全国的にも偏差値が高く、難関学部とされており、地元志向の受験生だけでなく県外からの進学者も多数です。環境・地域・医療という現代社会のニーズに即した教育が魅力です。
秋田大学の学部・偏差値・得点率一覧と特徴
秋田大学は、全国で唯一の「国際資源学部」を擁する国立大学として知られています。エネルギー資源や鉱物資源といった地球規模の課題に取り組む教育研究を進めており、資源開発に関心を持つ受験生にとって魅力的な環境です。
また、情報データ科学部や総合環境理工学部など、理系分野に注力しており、実践的かつ社会課題解決型のカリキュラムが充実しています。
| 学部名 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 教育文化学部 | 45.0～52.5 | 57%～69% |
| 総合環境理工学部 | 42.5～45.0 | 49%～60% |
| 情報データ科学部 | 42.5～47.5 | 52%～69% |
| 国際資源学部 | 42.5～45.0 | 55%～64% |
| 医学部（医・保健） | 45.0～62.5 | 53%～87% |
引用：スタディサプリ進路
学部ごとに偏差値や共通テスト得点率の幅が広く、特に医学部は高難易度ですが、他の学部では偏差値40台から受験可能な学科もあり、門戸は広めです。秋田大学は地域貢献型の教育にも力を入れており、地元医療や資源活用などに携わる人材の育成にも取り組んでいます。
琉球大学の学部・偏差値・得点率一覧と特徴
琉球大学は、日本最南端の国立大学であり、沖縄県に根差した教育と研究を展開している地域密着型の大学です。地理的な特性を活かし、観光・環境・国際協力といった分野で強みを発揮しています。
特に国際地域創造学部では、地域振興とグローバルな視野を兼ね備えた人材の育成を重視。また、医学部は県内唯一の医療系高等教育機関として、極めて重要な役割を担っています。全体として偏差値は控えめですが、教育の専門性や地域との連携を考慮すれば、学びの質は高いと言えます。
| 学部名 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 人文社会学部 | 45.0 | 59%～66% |
| 国際地域創造学部（昼間主） | 42.5～45.0 | 60%～62% |
| 国際地域創造学部（夜間主） | 42.5 | 50%～62% |
| 教育学部 | 42.5～50.0 | 50%～61% |
| 理学部 | 40.0～45.0 | 48%～66% |
| 工学部 | 40.0 | 46%～62% |
| 農学部 | 40.0～42.5 | 50%～59% |
| 医学部（保健学科・医学科） | 50.0～62.5 | 64%～87% |
引用：スタディサプリ進路
地域と世界をつなぐ琉球大学のカリキュラムは、地方志向・国際志向いずれの学生にも適しており、今後さらに注目される存在といえるでしょう。
島根大学の学部・偏差値・得点率一覧と特徴
島根大学は、山陰地方を代表する総合国立大学として、地域医療・環境・エネルギーなどの分野で高い専門性を発揮しています。とくに医学部の偏差値・得点率は全国的にも高く、地方大学の枠にとどまらない難関学部といえるでしょう。一方で、文系・理系を問わず幅広い分野で学べる点も特徴です。法文学部や人間科学部は文系では比較的偏差値が高く、安定した人気を誇ります。また、総合理工・材料エネルギー・生物資源といった実践的な理系分野にも注力しており、地域社会との連携が強いのも魅力です。
| 学部名 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 法文学部 | 47.5～50.0 | 62%～75% |
| 総合理工学部 | 42.5 | 53%～57% |
| 材料エネルギー学部 | 42.5 | 47%～60% |
| 生物資源科学部 | 50.0 | 52%～70% |
| 医学部（看護・医） | 65.0 | 64%～82% |
| 人間科学部 | 52.5 | 64%～77% |
引用：スタディサプリ進路
島根大学は、地域に根差しながらも高い教育水準を保つ実力派大学。進学先として十分に検討する価値のある国立大学です。
STARS大学は本当に“底辺”？偏見の実態と進路事情
ここからは、「STARS＝Fラン」「底辺国立」といった印象がどれほど事実とかけ離れているのかを検証します。学歴や偏差値だけで判断する風潮が広がるなか、実際の就職状況や選抜の仕組み、他の大学群との比較を通して、STARSの正当な評価に迫ります。
なぜSTARSは「底辺国公立」と言われるのか？ネットの印象と実態
STARS（佐賀・鳥取・秋田・琉球・島根大学）は、ネット上で「偏差値が低い」「地方にある」といった理由から“底辺国立”と揶揄されがちです。しかし、これらの意見は一部の印象論であり、正確な根拠に基づいていないことが多いのが実情です。以下は、各大学の主要学部の偏差値と共通テスト得点率です。
| 大学名 | 主な学部 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|---|
| 佐賀大学 | 医学部 | ～62.5 | ～89% |
| 鳥取大学 | 農学部 | 47.5～60.0 | 55%～75% |
| 秋田大学 | 医学部 | 45.0～62.5 | 53%～87% |
| 琉球大学 | 医学部 | 50.0～62.5 | 64%～87% |
| 島根大学 | 医学部 | 65.0 | 64%～82% |
医学部や農学部などでは、全国平均と比べても遜色ない偏差値や得点率が見られます。さらに、各大学は地域医療や環境分野などで独自の研究実績を上げており、単に「偏差値が低い＝底辺」とするのは不当です。大学の評価は、教育・研究・地域貢献など多面的に捉えるべきでしょう。
STARS大学の就職率と進路状況は？Fランとは違う実力
STARS（佐賀大学、鳥取大学、秋田大学、琉球大学、島根大学）の就職率や進路状況をまとめました。これらの大学は、地域に根ざした教育と就職支援を行っており、Fランク大学とは一線を画しています。
| 大学名 | 学部生就職率（直近年度） | 有名企業400社実就職率 | 主な進路特徴 |
|---|---|---|---|
| 佐賀大学 | 99.6% | 6.5% | 教員・公務員志望者が多く、地元就職に強み。全国21位の就職率を誇る 。 |
| 鳥取大学 | 非公表 | 8.8% | 農学部や医学部の実績が高く、地域医療や農業分野での就職が多い。 |
| 秋田大学 | 非公表 | 5.9% | 資源学部や医学部が特色。資源開発や医療分野での就職が目立つ。 |
| 琉球大学 | 非公表 | データなし | 地域創生や観光分野に強み。沖縄県内での就職が中心。 |
| 島根大学 | 非公表 | データなし | 医学部や理工系学部が充実。地域医療や工学分野での就職が多い。 |
これらのデータからも分かるように、STARS大学群は地域に密着した教育と就職支援を行っており、Fランク大学とは異なる実力を持っています。特に佐賀大学は、全国的にも高い就職率を誇り、地元就職に強みを持っています。また、各大学ともに特色ある学部を有しており、専門性を活かした就職が可能です。
推薦・総合型選抜で“入りやすい”大学？誤解と現実
STARS（佐賀・鳥取・秋田・琉球・島根）に対して「誰でも入れる」「Fラン」といったレッテルが貼られがちですが、それは偏差値だけを根拠にした表面的な評価です。実際には、共通テストでは多くの学部で50～70%以上の得点率が求められ、国立大学としての基準をしっかり満たしています。
また、総合型選抜や推薦入試があるからといって「簡単に入れる」わけではありません。これらの入試では、志望理由書や面接、小論文、プレゼンなどが課されるため、対策や準備が不可欠です。
以下に、STARS各大学の主な学部における共通テスト得点率の目安をまとめました。
| 大学名 | 主な学部 | 共通テスト得点率目安 |
|---|---|---|
| 佐賀大学 | 教育・理工・農・経済 | 54%～70% |
| 鳥取大学 | 地域・工・農 | 52%～75% |
| 秋田大学 | 教育文化・情報・資源・理工 | 49%～69% |
| 琉球大学 | 国際地域・教育・理・農・工 | 46%～66% |
| 島根大学 | 法文・理工・資源・医・人間科学 | 47%～75% |
このように、共通テストでの得点率は決して低くなく、学力や準備が求められることがわかります。「入りやすい」とされる誤解は、ネット上の印象論に過ぎず、正しい情報に基づく判断が重要です。推薦や総合型選抜での受験を目指す場合も、志望動機の明確化や面接練習などを早い段階から準備する必要があります。
STARSと比較される「5S」や「金岡千広」との序列
STARS（佐賀大学・鳥取大学・秋田大学・琉球大学・島根大学）は、地方国立大学の中でも比較的入学しやすいとされる大学群ですが、他の大学群と比較することで、その位置づけや特徴がより明確になります。
以下に、STARS、5S（埼玉大学・信州大学・静岡大学・滋賀大学・新潟大学）、金岡千広（金沢大学・岡山大学・千葉大学・広島大学）の各大学群の偏差値と共通テスト得点率の目安をまとめました。
| 大学群 | 偏差値（目安） | 共通テスト得点率（目安） |
|---|---|---|
| STARS | 42.5～50.0 | 60%～70% |
| 5S | 50.0～55.0 | 65%～75% |
| 金岡千広 | 55.0～62.5 | 70%～80% |
このように、STARSは5Sや金岡千広と比較して偏差値や共通テスト得点率がやや低めですが、地域に根ざした教育や特色ある学部を有しており、特定の分野では高い評価を受けています。
大学選びにおいては、偏差値や得点率だけでなく、自身の学びたい分野や将来の進路、大学の特色などを総合的に考慮することが重要です。
「行く価値がない国立大」は本当にあるのか？
「行く価値がない国立大学」といった表現は、主に偏差値や都市部志向の受験生によるネット上の印象論に過ぎません。実際には、地方国立大学にはその地域に根ざした重要な役割があります。
STARSに含まれる大学は、医療、教育、農業、環境といった地域社会に直結する分野に力を入れており、地域課題に対する研究や人材育成を担っています。たとえば、秋田大学の国際資源学部や島根大学のエネルギー・医療分野などは、全国的にもユニークな教育・研究を展開しています。
さらに、地方大学は地元企業や自治体との連携が強く、実践的な就職支援も行われているため、「実学重視」の学びが可能です。偏差値や就職実績だけで測るのではなく、大学が果たしている社会的機能や将来の活躍の場まで視野を広げて判断すべきです。行く価値の有無を語るには、多面的な視点が欠かせません。
総括：STARSとはどこの大学かまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- STARSとは：佐賀・鳥取・秋田・琉球・島根大学の頭文字を取った地方国立大学群の俗称。
- 誤解と実態：「底辺」「Fラン」との評判は偏差値だけを見た誤解で、実際には地域拠点としての役割が大きい。
- 偏差値・得点率：多くの学部で偏差値40〜50台、共通テスト得点率は60〜70％が必要。
- 学部の特徴：各大学とも医学・農学・資源・教育などに強みがあり、専門性の高い教育を実施。
- 就職実績：佐賀大学の就職率は全国21位など、地元就職や専門職への進路に強い。
- 入試制度：推薦や総合型選抜もあるが、面接や小論文などのハードルがあり“誰でも入れる”訳ではない。
- 比較対象：「5S」や「金岡千広」と比較されるが、分野によってはSTARSも高評価。
- 「行く価値がない」は偏見：地域貢献・教育・研究の観点で見ると、STARS各校には独自の価値がある。