「夏休みのまとまった時間に子供にドリルをやって欲しい!」
7月8月になると、このような需要が多くなりますね。
実際、夏休みに書店の学参コーナーに行くと夏休みドリルみたいなコーナーが新設されていて、色んな出版社の夏休みドリルが並びます。
ただ、夏休みドリルは結構量が多いので、どれを選んでいいのか悩む人も多いのではないかと思います。
そこで本記事では、小中対象の学習塾の私が夏休みにおすすめのドリルの選び方を分かりやすく解説します。小学生と中学生に分けて解説します。
小学生向き:夏休みドリルおすすめ5選と選び方
まず最初に、小学生のお子さんにおすすめしたい夏休みのドリルから紹介していきます。小学生用はかなり種類も多いので、悩む人も多い印象です。
目的や難易度などを比較対象としつつ、お子さんに合ったドリル選びのポイントを解説していきます。
おすすめ①:くもんの夏休みドリル
まず1冊目におすすめしたいのが、「くもんの夏休みドリル」です。

小1〜小6まで出ているくもん出版の夏休みドリルシリーズです。1年〜4年は算数と国語(おまけで英語)が1冊に凝縮されており、5,6年の高学年はガッツリ英語があるって感じです。理科社会は収録されていません。
個人的には、くもんの夏休みドリルを一番おすすめしています。
理由は、問題のレベル感と量のバランスが最もいいこと。後述しますが、同じく人気シリーズの学研と比較して、理社をハズしてくれていることの2点です。
結局、夏休みにドリルで内容をギュッと絞って学習するのなら、国語と算数をメインに勉強する方がほとんどのお子さんにとってはプラスになると思います。なので本当は英語もいる?って感じですが、国語算数の比重が多いと言う点でくもんを推しています。
いっぱいありすぎてどのドリルを選んでいいか分からない!って人は、とりあえずくもんの夏休みドリルを選んでおけば問題ないでしょう。
おすすめ②:学研の夏休みドリル
2冊目におすすめなのが、「学研の夏休みドリル」です。

小学生用の教材と言えば、くもんか学研のどちらかを選んでおけば基本的に外すことはないのですが、こちらは学研シリーズの夏休みドリルです。
くもんとの違いは、5,6年のドリルには理科社会が挿入されていると言う点です。
先述しましたが、個人的に夏休みに理科社会まで薄く広くやるのであれば、思い切って算数と国語に全振りした方がいいと思っています。なので、そこがくもんのワークよりも低評価ポイントです。
しかし、理社も含めて幅広く全部を復習したいと言うニーズにはハマっているので、全教科オールラウンド復習を求めるのであれば学研を選ぶといいでしょう。
なお、小1〜小4は理社がないのでその点はくもんと同じです。じゃあ低学年はどっちを選べばいいの?って話ですが、どっちでもOKです。
夏休みドリルなので原則中身は似通ってしまうので、表紙のデザインとか見て直感的に「こっち!」と思う方を信じてポチればいいです。そもそも値段も安く失敗するような買い物でもないので、自信を持って購入しましょう。
おすすめ③:うんこ夏休みドリル
3つ目におすすめなのが、「うんこ夏休みドリル」です。

こちらは最近話題の「うんこシリーズ」です。
問題集としてのクオリティはくもんや学研と変わらないのですが、とにかくネーミングが面白すぎです。だから、子供の興味関心を惹きつけることには長けているワークなのかな?と思っています。
くもんとか学研だと「ザ・勉強」ってイメージが強いので、あまり勉強が好きじゃないお子さんだと購入しても開いてすらくれないかもしれません。しかし、うんこドリルは「なんじゃこれ?」と開いてくれる可能性が高い。
そういう意味では、ネーミングで惹きつけるメリットがあるのがうんこドリルです。勉強が苦手な子におすすめしたい夏休みドリルです。
※こちらは小1〜小4までです。



おすすめ④:Z会小学生わくわくワーク
4つ目におすすめなのが、「Z会小学生わくわくワーク」です。

こちらはZ会から出ている夏休み用のドリルです。
くもんや学研と違うのは、圧倒的に問題のレベルが上がっているという点です。Z会は賢い子に向けて作っている問題集が多いです。そのため、そこそこ勉強熱心で理解力のあるお子さんじゃないと座せちしちゃうと思います。
もしくは、くもんや学研など基礎的なドリルを完璧にした後、2冊目に取り組む問題集的な位置付けて購入を検討すべきかと思います。
お子さんが結構賢い場合だと、いきなりZ会のドリルからスタートしても問題ありません。そういう子は、くもんや学研を簡単すぎると感じる傾向にあります。
上位層におすすめの夏休みドリルを検討しているということであれば、Z会の夏休みドリルをイチオシします。
おすすめ⑤:大盛り!夏休みドリル
最後におすすめなのが、旺文社から出ている「大盛り!夏休みドリル」です。

正直、王道の夏休みドリルはくもんと学研のどちらかで選べばOKというスタンスなので、紹介するか悩みましたが、いい問題集ではあるので載せておきます。
内容的にはくもんや学研と同じような構成・同じような分量って感じです。ただし唯一異なるのが、国語と算数以外の教科を低学年から挟んできているという点です。
例えば小1だと「生活」があったり、小3や小4でも理社があったりすうのはくもんや学研にはない仕掛けです。それがいいのか?って話は横に置いといて。笑
正直なところ趣味の問題もあるのですが、パット見一目惚れする場合のみ購入を決め、特段理由がなければ無難にくもんか学研のどちらかから選べばいいと思います。
中学生向き:夏休みドリルおすすめ○選と選び方
ここまでは、小学生におすすめできる夏休み用のドリルを紹介してきました。ここからは、中学生におすすめしたい夏休み用のドリルを紹介していきます。
ただし、中学生は時期や求めることによっては、夏休み用のドリルを購入すること自体がそもそも悪手であることも多いです。特に高校受験を控える中3とかは要注意です。
中1におすすめしたい夏休みドリル
まず最初に、中1の夏休みにやって欲しいドリルについて。
この時期は、中学に入って初めての夏休みですが、英語と数学を中心に復習することが何よりも重要なので、国・理・社の話は一旦スルーします。
そんな中で、中1に取り組んで欲しいのが以下の2冊。
この辺りのドリルでいいでしょう。
中1の夏休みに求めることとしては、原則以下通りです。
・数学:正の数負の数の計算/文字式の計算
・英語:be動詞と一般動詞の使い分け/can/疑問詞
英語は教科書によって若干違いますがこんな感じです。
正直ここに予習で、数学は方程式の練習、英語は三単現までやらせたいのが夏休みですが、そういうのは塾のカリキュラムじゃないと多分無理。独学でドリルやらせても、賢い子以外は先に進めません。
なので、完全に復習に振り切るという意味で上記2冊の英数ドリルを推奨します。こういう基礎的なものを反復し、時間が余ったら学校で配布されてる問題集を解き直したり、1学期の期末テストなどを解き直したりするのがおすすめです。
中2におすすめしたい夏休みドリル
続いて中2のタイミングですが、この辺り前でくると英数の復習だけでは基本的には不十分です。
もちろん目指すところによるのですが、仮に公立高校受験で5教科全て入試に使うということであれば、理科社会などの暗記科目からも長期休みから逃げてはダメです。
仮に中2の夏休みに理科社会の復習をしないとなると、そのまま中3を迎える可能性が高いです。冬休みと春休みは期間が短く、復習するとしても相当範囲を絞って浅い学習をするしかなくなります。
しかし、それで中3になると春休み明けの実力テストで爆死し、内申点もあがらず、結果的に志望校に必要な内申が確保できずにランクを下げて受験する未来が見えます。中2のこの時期からストーリーはすでに始まっていたわけです…
なので、中2の夏休みは英数を軸としつつも、全教科バランスよく復習をしないとダメです。おすすめの復習ドリルは以下の通り。
戦略としては、中1の総復習と中2の1学期の内容を復習する問題集を分けるってことです。また、中1内容が無茶苦茶だと、中2の1学期の内容は頑張っても無理です。特に英語と数学は。
なので、もし中1内容に壁があると感じたら、中2の復習問題集に一気に進ませず、地に足つけて中1英数の基礎固めに専念すべきです。
英数のおすすめ問題集は以下の記事でも解説しています。
関連:中1英語問題集おすすめを現役塾長が紹介!時期目的レベル別に解説
関連:中1数学問題集おすすめを現役塾長が紹介!時期目的レベル別に解説
中3におすすめしたい夏休みドリル
ハッキリ言います、中3の夏休みにしょぼいドリルなんてやっている場合ではないです。
というか、この時期になると、目指すところやそもそも今の状態によって、ある程度受け入れなければいけない現実に直面します。
まず、そこそこの難易度の高校受験を考える場合、5教科合本のワークで広く浅く勉強している場合ではありません。高校受験の基礎固め用の教材を教科別に分け、圧倒的な演習量を積む必要があります。
基本的にそれらは塾でやることなので、夏期講習などがあれば塾にお願いしてください。塾に行かない場合は、夏休みドリルを探すのではなく「高校受験対策の問題集や参考書」を買ってください。
なお、高校受験問題集は市販のものよりも塾用教材の方が優れています。ただし、塾用教材は塾でしか原則買えないです。が、昨今ではAmazonなどネットであれば一部買えるようになったので、以下の記事で塾用教材のおすすめを紹介しておきます。
次に、現時点で学力が低すぎてすでに一定のランクの高校を受験することが確率的に困難という子(通知表がオール3以下の子)も正直大勢いるとおもいます。学年の下半分はかなり厳しいのが現実です。
この場合、そもそも5教科の夏休みドリルなどをやろうが大した効果は期待できません。受験に必要な勉強量はそんな薄っぺらいものではなく、焼け石に水です。
こうなった場合、学力下位層に残された道は限られます。
①私立専願で合格確約を狙う
→難関校を除けば、今は少子化で生徒の取り合いなので推薦さえもらえれば受かる=ドリルとか塾とかそもそもいる?みたいな話になる
※大学受験に備えて学力を?とか考えるけど、中学でオール3以下のの子の大学受験って勉強あんま関係ない推薦入試とかFランとかそっちになりやすいので…
②今から逆転合格を狙って死ぬ気でやる
→ただし、勝率は本当に低いと事前に受け止めてください。「本当は地頭悪くないけどサボっていただけだった」って子しかほぼ逆転しません。
③公立でも専門学科(工業・商業系)を目指す
→ドリルを自分でさばけると思えないので、塾に行くべき(私立専願と違って、倍率が存在している公立受験をするのであれば高校受験合格を目指す塾に行くべき。)
総括:小中学生の夏休みのドリルおすすめまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
【小学生向け】夏休みおすすめドリル5選
- ①くもんの夏休みドリル
- 国語・算数が中心でバランス良し、理社なし
- 基礎に集中したい子におすすめ
- 初心者はまずこれを選べばOK
- ②学研の夏休みドリル
- 5・6年生は理科・社会も含まれる
- 全教科を幅広く復習したい子向け
- ③うんこ夏休みドリル
- 子どもの興味を引くネーミング
- 勉強が苦手な子や勉強嫌いな子向け
- 小1〜小4のみ
- ④Z会小学生わくわくワーク
- 難易度が高く、上位層向け
- くもんや学研が簡単すぎると感じる子におすすめ
- ⑤大盛り!夏休みドリル(旺文社)
- 他の教材よりも低学年から理社が含まれる
- 特段の理由がなければ、くもんor学研が無難
【中学生向け】学年別おすすめと注意点
■中1
- 英語・数学に絞って復習すべき
- おすすめ:学研の「10日間完成」シリーズ(英語・数学)
- 予習より復習が効果的、特に基礎反復が重要
■中2
- 英数に加え、理科・社会も夏休みに復習が必須
- おすすめ:
- 中1総復習:「中1 5科の要点総仕上げ(シグマベスト)」
- 中2内容:「1回5分 ここだけ!中2 5科」
- 中1の土台が弱い子は、まず中1の復習に専念すべき
■中3
- ドリルではなく本格的な受験用教材に取り組むべき
- ドリルは基本的に効果が薄い
- 対策例:
- 夏期講習で受験対策を行う
- 自力なら塾用教材や市販の受験教材を用意する
- 学力が著しく低い場合は以下の2択:
- 私立専願に切り替えて確約を狙う
- 死ぬ気で勉強して逆転を狙う(勝率は低い)
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