「富山県立大学ってFランじゃないの？」
そんな疑問を抱いて検索された方も多いのではないでしょうか。確かに偏差値が高くないという情報だけを見れば、そう感じる人がいるのも無理はありません。
しかし、実際にデータを精査すると、Fランと呼ぶにはあまりにも的外れな実力校であることが分かります。
この記事では、偏差値や共通テスト得点率、就職実績、学費、大学の特色まで、あらゆる角度から「富山県立大学がFランは完全に誤解」である理由を徹底的に解説していきます。
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ポチップ富山県立大学は本当にFラン？偏差値・就職・進学実績
インターネット上では、偏差値が50未満の大学に対して「Fラン」と安易にレッテルを貼る風潮が見られます。しかし、本来の定義や進学者の実態、就職率などを見れば、富山県立大学は決してFランなどではないと断言できます。
ここでは、富山県立大学の学力水準・進学者層・社会的評価などを具体的なデータを元に検証していきます。
Fランとは？本来の意味と誤用が広がる理由
「Fラン大学」という言葉は本来、模試業界（とくに進研模試など）において「偏差値が測定不能＝ボーダーフリー（BF）」となる大学群を指すものでした。
つまり、学力分布があまりにも低く、偏差値すら算出できない大学に限定された専門用語です。しかし近年、インターネット上ではその定義が歪められ、以下のような主観的基準で「Fラン」と決めつけられることが増えています。
| 誤解されたFランの基準 | 本来のFラン定義 | 実際の富山県立大学 |
|---|---|---|
| 偏差値が50以下 | 偏差値が測定不能（BF） | 情報系で偏差値45.0、工学部も42.5など（※） |
| 無名・地方の大学 | 定義なし | 富山県唯一の理工系公立大学として認知あり |
| 就職に弱い | 就職率に関係なし | 工学部就職率100%、看護学部99%（※） |
このように、Fランというレッテルはしばしば「ネットの印象論」によって広がっています。富山県立大学もその風評被害を受けがちですが、実態は高い就職率と専門的な教育内容を備えた、まったく異なる性質の大学です。次の項では、その具体的な偏差値や実績をデータから検証していきます。
富山県立大学の偏差値は？全国的に見たレベル感
富山県立大学の偏差値は、全体で40.0～45.0とされており、特に情報工学部のデータサイエンス学科では45.0と全国平均水準に達しています。偏差値だけを見ると「やや低いのでは？」と感じる人もいますが、同規模の地方公立大学と比較すれば標準的なレベルです。
以下に、学部・学科別の偏差値をまとめます。
| 学部名 | 学科名 | 偏差値（前期） |
|---|---|---|
| 工学部 | 機械システム工学科 | 42.5 |
| 工学部 | 生物工学科 | 42.5 |
| 工学部 | 環境・社会基盤工学科 | 42.5 |
| 工学部 | 医薬品工学科 | 42.5 |
| 工学部 | 電気電子工学科 | 40.0 |
| 情報工学部 | データサイエンス学科 | 45.0 |
| 情報工学部 | 情報システム工学科 | 42.5 |
| 情報工学部 | 知能ロボット工学科 | 40.0 |
| 看護学部 | 看護学科 | -（非公開） |
引用：スタディサプリ進路
偏差値はあくまで入試時点の学力の一指標にすぎません。実際、富山県立大学は共通テスト得点率でも46％～72％と幅広く、後期日程では情報システム工学科で72％と難関国立大並みの水準に達するケースもあります。
このデータが示す通り、「Fラン」と一括りにするのはまったくの誤解であり、実力相応の難易度を持つ大学だと評価できます。
就職率が高すぎる？Fランではありえない進路実績
いわゆる「Fラン大学」は就職に不利、というイメージがありますが、富山県立大学にはまったく当てはまりません。2023年度（2023年4月〜2024年3月）の卒業者に対する進路調査によれば、就職希望者に対する就職率は工学部で100%、看護学部でも98.9%という驚異的な数値を記録しています。
以下の表に、富山県立大学の就職実績をまとめました。
| 学部名 | 卒業者数 | 就職希望者数 | 就職者数（率） | 進学者数 |
|---|---|---|---|---|
| 工学部 | 330人 | 178人 | 178人（100%） | 149人 |
| 看護学部 | 116人 | 92人 | 91人（98.9%） | 24人 |
引用：パスナビ
さらに注目すべきは、就職先の質です。工学部では「サンエツ金属」「富士薬品」「富山県庁」など地元大手や行政機関への就職実績が豊富で、技術系大学としての信頼を物語っています。具体的には、サンエツ金属に5名、富士薬品と富山県庁には各4名、さらにCKサンエツ、東亜薬品、北陸コンサルタント、コーセル、陽進堂ホールディングスなどにも3名ずつ就職しています。
看護学部においても、富山県立中央病院をはじめとする公的医療機関が主な就職先であり、資格職としての安定性と実績が明らかです。
このような進路実績は、決して「Fラン大学」では実現できないものであり、富山県立大学が地域と連携した高水準の教育と進路支援を行っている証拠といえるでしょう。次の項では、入試難易度をより具体的に可視化する「共通テスト得点率」について検証します。
共通テスト得点率から見る実際の入学難易度
「Fラン大学は共通テスト得点率が40%以下」と言われる中、富山県立大学はこの定義から大きく外れた大学です。最新の入試データによると、同大学の共通テスト得点率は工学部で46%〜69%、情報工学部で49%〜72%、看護学部で54%〜63%と、全国の公立大学の中でも健全な水準を保っています。
特に情報システム工学科の後期日程では、**共通テスト得点率が72%**に達しており、これは関関同立などの私立上位大学と同等の難易度を示しています。以下に学科別の得点率をまとめます。
| 学部 | 学科 | 日程 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|---|
| 工学部 | 機械システム工 | 前期／後期 | 46%（299/650）／69%（828/1200） |
| 工学部 | 生物工 | 前期／後期 | 53%（371/700）／58%（667/1150） |
| 工学部 | 環境・社会基盤工 | 前期／後期 | 48%（312/650）／65%（780/1200） |
| 工学部 | 医薬品工 | 前期／後期 | 58%（406/700）／65%（748/1150） |
| 工学部 | 電気電子工 | 前期／後期 | 46%（299/650）／66%（792/1200） |
| 情報工学部 | データサイエンス | 前期／後期 | 56%（364/650）／68%（816/1200） |
| 情報工学部 | 情報システム工 | 前期／後期 | 54%（351/650）／72%（864/1200） |
| 情報工学部 | 知能ロボット工 | 前期／後期 | 49%（319/650）／68%（816/1200） |
| 看護学部 | 看護学科 | 前期／後期 | 54%（378/700）／63%（441/700） |
この表から分かるように、ほとんどの学科で共通テスト5〜6割以上の得点力が求められており、これは決して「学力不要の大学」ではないということです。特に情報系学科は全国的にも人気が高く、後期日程の競争倍率や得点率の高さが顕著です。
つまり、富山県立大学への入学には事前のしっかりとした学習と準備が必要であり、「Fラン大学」と一括りにするのは大きな誤解だと言えるでしょう。
Fランとされる大学との違いとは？金沢工業大学と比較
富山県立大学と比較されやすいのが、同じ北陸地域にある私立理工系大学「金沢工業大学（KIT）」です。一部の匿名掲示板では両校ともに「Fラン」と揶揄されることがありますが、実態は大きく異なります。
まず、偏差値の面では両校はほぼ同水準か、むしろ富山県立大学が若干上回る学科も見られます。さらに、学費面では顕著な差があります。
| 比較項目 | 富山県立大学 | 金沢工業大学 |
|---|---|---|
| 区分 | 公立大学 | 私立大学 |
| 偏差値（理工系学科） | 40.0～45.0 | 37.5～45.0 |
| 4年間の学費（概算） | 約250万円 | 約620万円 |
| 主な就職先 | 富山県庁、富士薬品、サンエツ金属など | トヨタ、日立、富士通など |
| 就職エリア傾向 | 地元企業・官公庁中心 | 首都圏・関西圏が多め |
| 特待制度 | 有（県民向け支援） | 有（成績優秀者対象） |
金沢工業大学は私立大学のなかでも「就職に強い」とされる大学の一つであり、産業界との連携やインターン制度などが充実しています。一方で、授業料の高さや生活費を含めるとコスト負担は大きく、経済的な観点からはハードルが高い選択肢となります。
一方、富山県立大学は学費が低額なうえ、地元企業や官公庁への就職実績が堅実です。地元で安定したキャリアを築きたい学生にとっては、学費と就職実績のバランスに優れた非常に合理的な選択肢と言えるでしょう。
富山県立大学がFランなわけない！本当の価値とは？
ここからは、偏差値や就職率といった数値データでは見えにくい、富山県立大学の“内側の魅力”に迫っていきます。学費の安さ、地域との連携、学生からのリアルな声、そして注目すべき学科の特色まで。数字では測れない実力を知ることで、「Fラン」という表面的な評価がいかに不正確かが見えてくるでしょう。
地域密着型の教育方針と地方創生への貢献
富山県立大学は、地元富山県に根差した「地域密着型」の教育を掲げ、県内の産業・医療・行政機関と強く連携した実践的な人材育成を行っています。たとえば工学部では、インフラ維持や地場産業の高度化を目的に、企業との共同研究やインターンシップを推進。看護学部でも、県内の主要病院とのネットワークを活かし、地域医療に必要な即戦力看護師を多数輩出しています。
以下は、地域連携の具体例とその目的です。
| 分野 | 主な連携先・活動内容 | 教育・地域への貢献 |
|---|---|---|
| 工学部 | 北陸コンサルタント、サンエツ金属、富山県庁など | インフラ整備・製造業支援・技術開発 |
| 情報工学部 | データ利活用プロジェクト（富山市と連携） | 地方自治体のDX推進支援 |
| 看護学部 | 富山県立中央病院、厚生連滑川病院など | 地域医療人材の育成、看護実習の実施 |
このように、教育と地域社会との橋渡し役を担う富山県立大学は、学生が“地元で活躍する力”を育む場として機能しています。近年は地方創生人材教育プログラムへの参加も進み、県からの期待も高まっています。
地方大学でありながら、「地域に選ばれ、地域を変える大学」を目指す姿勢は、Fランと揶揄されるような大学とは明らかに一線を画しています。
学費は？コスパ最強の公立理工系大学
富山県立大学の学費は、公立大学ならではの「コストパフォーマンスの高さ」で知られています。特に理工系分野に進学したい学生にとっては、家計に優しく、かつ質の高い教育を受けられる絶好の選択肢といえるでしょう。
富山県立大学の学費内訳（2024年度基準）
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 282,000円 |
| 授業料（年額） | 535,800円 |
| 初年度合計 | 817,800円 |
| 4年間総額 | 約2,391,000円 |
一方、私立の理系大学では以下のように年間150万円前後が相場であり、4年間で600万円を超えることも珍しくありません。
一般的な私立理工系大学との比較
| 区分 | 初年度納入金 | 4年間総額 |
|---|---|---|
| 富山県立大学 | 約82万円 | 約239万円 |
| 私立理系大学（例） | 約150万円 | 約600万円以上 |
このように、富山県立大学は、学費の面でも「Fラン」とは真逆の立ち位置にあります。低コストながら、就職実績・研究設備・地域連携まで充実しており、理工系志望者にとって“費用対効果の高い”進学先として注目すべき大学です。地方から理系エリートを輩出する実力派公立大学といえるでしょう。
学生のリアルな口コミは？「地味だけど堅実」の評価
富山県立大学の学生から寄せられる口コミを分析すると、大学全体の雰囲気や学びの環境に対してポジティブな評価が多く見受けられます。特に理工系の特性を活かした「実験・実習の充実度」や、「少人数教育による面倒見の良さ」が支持されているようです。
以下に、よく見られる学生の声をまとめました。
| 評価内容 | 学生の主なコメント例 |
|---|---|
| 学習環境 | 「静かで落ち着いた雰囲気」「勉強に集中できる」 |
| 教員との距離 | 「質問しやすい」「研究室の指導が手厚い」 |
| 設備・施設 | 「校舎が新しくてキレイ」「実験設備が充実している」 |
| 大学の雰囲気 | 「真面目な学生が多い」「派手さはないが堅実な雰囲気」 |
| 課題・学習負担 | 「課題は多いけれど、学んでいる実感がある」 |
一部では「課題が多くてしんどい」という声もありますが、これは裏を返せば学びの密度が高い証拠とも言えるでしょう。いわゆるFラン大学にありがちな「単位が取りやすい・遊び中心」といった緩さはなく、「努力した分だけ身につく大学」としての印象が強いのが実情です。
全体として、「地味だけど真面目で手堅い」という口コミが集まる富山県立大学は、堅実に学力や専門性を高めたい学生にとって非常に良好な環境であることがうかがえます。
学部・学科の特色
富山県立大学は、工学部・情報工学部・看護学部の3学部体制を有し、それぞれの学科が現代社会の実務的課題に直結した特色あるカリキュラムを展開しています。特に、理工系学部では地域産業との連携に重点を置きつつ、AI・データサイエンスなど先端分野にも積極的に取り組んでいます。
| 学部 | 特徴的な学科 | 学科の特色内容 |
|---|---|---|
| 工学部 | 医薬品工学科 | 医薬品の設計・製造・品質管理までを網羅。全国でも数少ない専門学科 |
| 情報工学部 | データサイエンス学科 | ビッグデータ、AI、統計モデリングを駆使したデータ駆動型技術者を育成 |
| 情報工学部 | 知能ロボット工学科 | ロボティクスと制御工学を融合した、地域産業と連携した実践的な工学教育 |
| 看護学部 | 看護学科 | 富山県立中央病院などと連携し、臨地実習を重視。地域医療を担う人材を育成 |
富山県立大学では、単に“工学系大学”にとどまらず、医療・情報・地域貢献といった領域で、社会実装を前提とした教育を展開しています。とくに情報工学部では、全国でもニーズの高いデータサイエンス教育が展開されており、将来のIT分野を牽引する人材育成にも力を入れています。
これらの学科編成と教育方針は、「Fラン大学」のようなレッテルとは明確に異なり、高度専門人材を着実に育成する地方中核大学としての存在感を示しています。
将来性は？研究力・進学実績も堅調
「Fラン大学」とされる大学の多くは、研究設備や進学実績に乏しく、卒業後の選択肢が限られる傾向にあります。しかし、富山県立大学はまったくその逆をいく大学です。とくに工学部では、卒業生の約45％が大学院へ進学しており、専門性をさらに高めています。これは理工系の中でも非常に高い進学率といえます。
| 学部 | 卒業者数 | 進学者数 | 進学率（概算） |
|---|---|---|---|
| 工学部 | 330人 | 149人 | 約45.2％ |
| 看護学部 | 116人 | 24人 | 約20.7％ |
看護学部には大学院（看護学研究科）も併設されており、看護師の実務力に加えて、研究的視点を持った高度実践者の養成も可能です。また、学生による学会発表や外部研究機関との共同研究も継続的に行われており、研究力の底上げが進んでいます。
加えて、富山県立大学は2021年に「地域連携研究センター」を設置し、産学官連携によるイノベーション創出にも積極的です。これにより、大学院進学や研究志向の学生にとっても、“地方の小規模公立大学”という枠を超えた、次のキャリアを切り開く舞台が整っています。
このように、研究と実学のバランスが取れた高等教育機関として、富山県立大学の将来性は極めて堅調です。Fランというレッテルとは無縁の、実力ある地方国公立大学であることが分かります。
総括：富山県立大学がFランは完全に誤解！まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- Fランの定義を満たしていない
→ 偏差値は40.0〜45.0台で、ボーダーフリーではない。情報工学系では全国水準の難易度。 - 共通テスト得点率も高水準
→ 一部学科では72％以上の得点率が必要。Fランとされる大学よりはるかに高難度。 - 就職実績が圧倒的に良い
→ 工学部100%、看護学部98.9%の就職率。就職先も県庁・地元大手企業・医療機関など優良。 - 学費が安くコスパ最強
→ 4年間で約240万円。私立理工系（600万円以上）と比べて大幅に安価。 - 研究・大学院進学実績も良好
→ 工学部の45%以上が大学院進学。学会発表や共同研究も活発。 - 学科が実務・先端分野に直結
→ データサイエンス、医薬品工学、知能ロボット工学など、社会需要の高い領域に特化。 - 地域密着型の教育と産学官連携
→ 富山市や県内企業との連携により、地方創生や地域課題解決に貢献。 - 学生の口コミも好評
→ 「堅実で実務的」「課題は多いが学びが深い」といった声が多数。