「横浜国立大学って、どのくらいのレベルなの?」
こんな疑問を抱いて検索された方も多いのではないでしょうか。横浜国立大学は「国立大学」という肩書に加えて、実は全国でも屈指の実力校。MARCHよりも難しく、早慶とも併願されることが多い大学です。
とはいえ、難関国立といわれてもそのレベル感や偏差値が具体的にどれほどなのか、分かりにくいですよね。
本記事では、横浜国立大学の偏差値・共通テスト得点率・大学群との比較などを用いて、レベルや入試難易度を徹底解説。また、就職実績や学費、併願パターンまで網羅しているため、受験生・保護者の進路選びに最適な情報が詰まっています。
横浜国立大学のレベルはどのくらい?早慶とも比較

横浜国立大学(通称:横国)は、神奈川県を代表する国立大学であり、特に経済・経営・理工系の分野において高い評価を受けています。まずはその偏差値や得点率、大学群での立ち位置を通して、学力的なレベルを明確にしていきましょう。
横浜国立大学の偏差値は全国で何位?学部別一覧
横浜国立大学の偏差値は学部によって異なりますが、全体として60前後から上位に位置し、全国の大学でも高水準です。特に経済・経営学部は最難関クラスに近く、早慶の一部学部にも匹敵するレベルです。以下に学部別の偏差値を表で整理しました。
学部名 | 偏差値(範囲) |
---|---|
経済学部 | 60.0~67.5 |
経営学部 | 62.5~67.5 |
理工学部 | 55.0~62.5 |
都市科学部 | 55.0~65.0 |
引用:スタディサプリ進路
経済学部と経営学部は、いずれも上限偏差値67.5と非常に高く、MARCH上位校を大きく上回る水準です。理工学部・都市科学部も60以上の学科が多く、全国的にも「準難関国立大学」として位置づけられています。学力上位層が集まりやすい大学といえるでしょう。
共通テスト得点率は7〜8割!国立大としては難関レベル
横浜国立大学は、共通テストの得点率から見ても全国的にハイレベルな国立大学です。学部によっては8割以上の得点が必要とされるため、旧帝大クラスや難関私立の早慶と肩を並べる難易度といえます。以下は学部ごとの共通テスト得点率です。
学部名 | 共通テスト得点率(目安) |
---|---|
経済学部 | 73%~82% |
経営学部 | 79%~82% |
理工学部 | 74%~85% |
都市科学部 | 75%~87% |
教育学部 | 63%~75% |
特に都市科学部や理工学部は85%以上の高得点が求められるケースもあり、共通テストで高得点を安定して取れる学力が必要です。また経済・経営系も80%近いラインとなっており、国立大の中でも難関に分類されるレベルといえるでしょう。
MARCHより上、早慶には一歩届かず?大学群との比較
横浜国立大学は、MARCHよりも高い偏差値帯にあり、早稲田・慶應と肩を並べる学部も存在します。以下は、主要大学の偏差値比較表です。
大学名 | 偏差値(目安) |
---|---|
横浜国立大学 | 55.0~67.5 |
早稲田大学 | 62.5~70.0 |
慶應義塾大学 | 57.5~72.5 |
明治大学 | 55.0~65.0 |
中央大学 | 50.0~62.5 |
千葉大学 | 47.5~72.5 |
このデータからも明らかなように、横浜国立大学はMARCHの大半の学部を上回る水準にあります。特に経済学部や経営学部は偏差値67.5と、早慶の一部学部と同等のレベルを誇ります。
ただし、偏差値の最高値や平均値では早慶が一歩リードしており、「早慶未満・MARCH以上」というポジションが最も的確でしょう。併願構成としては「早慶+横国」や「横国+MARCH」が王道であり、準難関~難関私大との比較対象として選ばれることが多い大学です。
全国大学偏差値ランキングでは上位3%に位置
横浜国立大学は、全国の大学を対象とした偏差値ランキングで非常に高い位置にあります。教育情報サイト「みんなの大学情報」によると、全国767大学中21位、国公立178大学中11位にランクインしており、全国上位約3%にあたる実力校です。
ランキング対象 | ランク | 順位割合 |
---|---|---|
全国全大学(767校) | 21位 | 上位約2.7% |
国公立大学(178校) | 11位 | 上位約6.2% |
この偏差値帯とランキングから、横浜国立大学は地方の一般的な国立大学とは一線を画した存在です。特にTOCKY(筑波・お茶の水・千葉・神戸・横国)と呼ばれる準難関国立グループの一角として、早慶との併願対象にもなる「実力派国立大学」として確固たる地位を築いています。
以下の表は、TOCKYを構成する5大学の特徴をまとめたものです。
大学名 | 所在地 | 偏差値帯(文理混合) | 特徴 |
---|---|---|---|
筑波大学(T) | 茨城県つくば市 | 52.5~65.0 | 学群制度・研究水準が高く、理系に強い |
お茶の水女子大学(O) | 東京都文京区 | 55.0~65.0 | 女子大トップ・文系と生活科学分野が強み |
千葉大学(C) | 千葉県千葉市 | 47.5~72.5 | 医歯薬農を揃える総合大学、バランス型 |
神戸大学(K) | 兵庫県神戸市 | 55.0~67.5 | 関西の実力校、経済・経営・国際分野に定評 |
横浜国立大学(Y) | 神奈川県横浜市 | 55.0~67.5 | 首都圏で人気、経済・理工・都市科学に強み |
横浜国立大学の序列は?「旧官立大学」「準難関国立」の位置付け
横浜国立大学は、かつての旧官立師範学校や高等工業学校を前身とし、戦後の国立大学再編により1949年に設立された「旧官立大学」の一角です。これは、北海道帝大や東京帝大といった旧帝国大学には含まれないものの、その次点に位置する伝統的な国立大学群に属することを意味します。
現在では、偏差値や進学実績から「準難関国立大学」として位置付けられ、特に首都圏在住の難関志望者が早慶との併願で選ぶ国立大として高い人気を集めています。また、筑波大学・お茶の水女子大学・千葉大学・神戸大学とともに「TOCKY」と呼ばれる非公式グループの一員とされ、全国的にも高い知名度と評価を誇ります。
その序列は、MARCHや関関同立といった有力私大より明確に上、難関国立の中でも旧帝大に次ぐポジション。中部・関西からの志願者も一定数おり、全国的に「地味だが実力派」の評価を得ている大学です。
横浜国立大学のレベル:早慶と比較しても就職に強い

横浜国立大学は、学力の高さだけでなく、卒業後のキャリアでも高い評価を受けています。ここでは、就職実績や進学率、学費、キャンパス環境など、入学後の学生生活に関する情報を具体的に見ていきましょう。
就職実績がすごい!卒業後の進路データを学部別に紹介
横浜国立大学は、学部別に見ても非常に高い就職率を誇っており、毎年多くの学生が一流企業や公務員として社会に羽ばたいています。特に教育・経済・経営学部は就職希望者の約96%以上が内定を獲得しており、全国的に見ても上位水準です。また、理工学部や都市科学部では大学院進学者が多く、就職希望者が少ない点も注目です。
以下は、2023年4月〜2024年3月卒業者の進路データです。
学部名 | 卒業者数 | 就職希望者数 | 就職者数 | 就職率(概算) | 主な就職先の例 |
---|---|---|---|---|---|
教育学部 | 239 | 210 | 203 | 約96.7% | 横浜市教員、神奈川県教員、東京都教員、富士通 など |
経済学部 | 259 | 220 | 212 | 約96.4% | 横浜銀行、大和証券、EY新日本監査法人 など |
経営学部 | 288 | 264 | 254 | 約96.2% | アビーム、IBM、サイバーエージェント、富士通 など |
理工学部 | 631 | 103 | 97 | 約94.2% | パナソニック、日立製作所、ソフトバンク など |
都市科学部 | 231 | 115 | 105 | 約91.3% | 博報堂、日本航空、清水建設、都市再生機構 など |
引用:パスナビ
学部ごとに特色ある就職先が見られ、公務員や教員を志望する学生から、IT・金融・コンサル・メーカーなど民間企業を目指す学生まで、多様なキャリアを支援する体制が整っています。特に首都圏に立地する強みもあり、企業とのつながりが深い点も就職に強い理由の一つです。
主な就職先は大手・官公庁多数!人気企業に強い理由
横浜国立大学は、就職支援体制の充実と専門教育の強さから「就職に強い国立大学」として知られています。実際に卒業生は大手企業や官公庁への就職が目立ちます。以下は、2023年4月〜2024年3月卒の学部別主な就職先の一覧です。
学部名 | 主な就職先(実績企業) |
---|---|
教育学部 | 横浜市教員(46名)、神奈川県教員(23名)、東京都教員(8名)、東京都庁、川崎市教員、静岡市教員、富士通、横浜銀行 |
経済学部 | 横浜銀行(7名)、大和証券グループ(5名)、EY新日本有限責任監査法人(4名)、デロイトトーマツFA(4名) |
経営学部 | アビームコンサルティング(6名)、日本IBM、SCSK、あずさ監査法人、サイバーエージェント、富士通(各3名) |
理工学部 | 伊藤忠テクノソリューションズ(5名)、パナソニックITS(3名)、JFEエンジニアリング、ソフトバンク、野村総研、日立製作所 |
都市科学部 | NHK(3名)、鹿島建設、清水建設、オービック、日本航空、博報堂、都市再生機構(UR)、YKK AP、横浜銀行 |
特筆すべきは、学部の専門性とマッチした企業・団体への就職が多い点です。教育学部では教員志望が多く、自治体教育委員会への就職率が高水準。一方で経済・経営・理工・都市科学部では、金融、IT、インフラ、建設、広告といった多様な業界へ人材を輩出しています。
これに加え、大学のキャリアセンターによる個別相談やOB・OGとの連携が、就職成功を後押ししているのも大きな強みです。
学費は私立の半分以下!コスパ重視の国立大学
横浜国立大学の学費は、国立大学として全国統一の料金設定になっており、経済的負担の少ない進学先として多くの学生に支持されています。以下は1年間にかかる費用の内訳です。
項目 | 金額(年額) |
---|---|
入学金 | 282,000円 |
授業料 | 535,800円 |
合計 | 817,800円 |
私立大学では、年間の学費が140万〜180万円かかることも珍しくありません。それと比較すると、横浜国立大学は年間で約100万円以上安く抑えられるケースが多く、学費面での優位性は明白です。
また、横浜国立大学では経済的に困難な学生に向けた奨学金制度や、授業料免除制度も充実しており、家庭の状況に応じて柔軟に対応してもらえます。学費の安さだけでなく、質の高い教育と就職実績を考慮すると、非常にコストパフォーマンスの高い大学と言えるでしょう。
キャンパスの評判は?自然豊か&綺麗だがアクセスに課題も
横浜国立大学のキャンパスは、自然が豊かで落ち着いた環境が魅力です。特に都市科学部の建物や研究施設は新しく、モダンな設備が整っています。一方で、通学のしやすさにはやや課題があるとの声も見られます。
評判ポイント | 内容 |
---|---|
自然環境 | 緑に囲まれた静かなキャンパスで、勉強に集中しやすい |
校舎・施設 | 近代的で綺麗な建物が多く、特に都市科学部や理工系の施設が高評価 |
アクセス(徒歩距離) | 最寄りの羽沢横浜国大駅から徒歩約15分、和田町駅から約20分とやや遠い |
生活利便性 | 周辺にスーパーや飲食店があり、一人暮らしにも不便は少ない |
全体的な印象 | 勉強に集中できる「静寂+モダン」な環境だが、通学には多少の体力が必要 |
駅から距離がある点はデメリットとも取れますが、都市の喧騒を離れて学びたい学生には理想的な環境です。
アクセスよりも「環境重視」の受験生にとっては大きな魅力と言えるでしょう。
他大学と併願できる?共通テスト利用の入試制度もチェック
横浜国立大学の入試制度は非常に柔軟で、一般選抜(共通テスト+個別学力試験)を中心に、多様な方式を採用しています。具体的には以下のような入試形態があります。
選抜方式 | 内容の概要 |
---|---|
一般選抜(前・後期) | 共通テスト+個別試験 |
学校推薦型選抜 | 指定校推薦・公募推薦に相当 |
総合型選抜 | 小論文・面接中心、学力だけでなく人物評価あり |
社会人選抜 | 社会人経験者向けの特別枠 |
帰国生・外国人選抜 | 海外の教育課程修了者向け |
共通テストを軸とした試験形式であるため、併願戦略の幅も広がります。特に早慶などの私立大学や、他の中堅国公立大学と並行して受験しやすい点が特徴です。
横浜国立大学と併願される大学 |
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【国公立】千葉大学、東京都立大学 |
【私立】早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、立教大学、青山学院大学 |
共通テストの得点と個別試験のバランスで合否が決まるため、早い段階から戦略的な学習が重要です。難関私立と国立の“いいとこ取り”を狙えるのが横浜国立大学の強みといえるでしょう。
総括:横浜国立大学のレベルを早慶と比較まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- 横浜国立大学(横国)はMARCHより難しく、早慶と併願される実力校
- 偏差値は55.0~67.5で、経済・経営学部は67.5に達する難関レベル
- 共通テスト得点率は7〜8割が必要で、学部によっては85%以上も
- 全国偏差値ランキングでは全大学中21位(上位3%)の高評価
- TOCKY(筑波・お茶の水・千葉・神戸・横国)の一角として位置づけ
- 就職率は90%超で、教員・金融・大手企業・公務員への就職が豊富
- 学費は年間817,800円と私立より大幅に安く、コスパが高い
- キャンパスは自然豊かで静か、アクセスは徒歩15~20分とやや不便
- 入試方式は多様で、共通テスト利用により早慶・千葉大などと併願しやすい