先日、小学校6年生を対象に全国学力調査が行われ、その結果が公表されました。年々学力低下が指摘されていますが、いよいよ終焉に向かっていると思わざるを得ない結果が出てしまいました。
まず、自分が「あっ、これヤバすぎ…」と思ったのは、某塾講師さんのXの投稿です。
拡大するとこんな感じです↓

愚痴講師さんがおっしゃっている通り、こんなのは小4レベルで、しかも一切捻りのない例題の焼き回しレベルの雑魚問です。今の小6は学年の35%しかこれが分からないです。つまり残り65%は解けないということです。(進次郎構文。笑)
あとで詳細に見ていきますが、このレベルの問題の正答率が35%程度というのを見て、自分の中ではとある数字とリンクしました。
それが、中学校の通知表で4以上になる生徒の割合です。
現行の絶対評価でも、一応は4と5は概ね割合が決まっていて、5が約12%程度で4が約24%程度です。つまり、公立中学の学年全体の上位36%程度が4以上で、それ以下だと評定は3以下になります。
もう分かりますね?
中学校の通知表で3になるような生徒というのは、小6時点で上記のような分数の問題すら解けていない生徒であった可能性が極めて高いということです。
もちろんこれは最新の調査であり、今の中学生がそうなのかは検証できませんが、少なくとも今後中学生になり3がつくような生徒の多くが、小6時点でこのレベルの分数の問題が解けなかった生徒ということになります。
こうなってくると、いよいよ公立中学校の通知表で3を取るような生徒の指導は無理ゲーになります。最低ラインの下地が弱すぎて、中学以降の抽象思考に持っていけるイメージがわかないです。少なくとも数学は。
ここ何年かずっと思ってきたことですが、正直なところ、学業というフィールドで何とかなるのって甘めに見て学年の半分ぐらいです。それ以下はもう治療でどうこうなる水準ではない子が増えすぎました。
学習塾の運営者としては、いかに上位35%の生徒を呼び込めるかが勝負になります。まあ塾のコンセプトの問題もあるので、下の生徒を集めてもいいのですが、地獄でしょう。。。
公立中学校の通知表3は親が思っている以上に終わっている
冒頭の問題に話を戻しますが、今の子供達の学力は本当にやばいです。

もちろんこの問題って、数直線の1メモリが1/3ですから、アは1/3です。
イで少し悩むとしても、1から2/3進んでいるだけなので帯分数で「1 2/3」と書くか、1+2/3を計算して5/3と答えてもいいです。いずれにせよ、たった1行で解説できるクソ問です。
でも、これができない生徒が学年に65%もいると思うと、背筋が凍ります。
もちろん、これ問題も少し意地悪な感じもしますよ。整数部分の1とか2とか見ずに1/6とか5/6とか書く子も絶対いるだろうし、分数という指示無視して1と5とか書く子もいそう。他にも言い訳は山ほどありそうなので、100人中35人しか本当にできないかは疑問ですが、それにしてもです…
では、この程度の前提知識がない生徒に対して、方程式の文章題や1次関数の文章題など理解させられるものなのでしょうか?
まあキツいし、自力で解けるようにまでするとなると、気の遠くなるような時間と労力が必要になるでしょう。そして、その負荷に耐える胆力的なものが子供にないといけないです。嫌なことや苦しいことから逃げ回ってきた系は絶対に無理です。
でも、勉強できない子供の保護者は決まって、
「先生の説明の仕方が分かりずらいから理解できなかった」
と外的要因に課題を設定してきますが、そうじゃないです。
シンプルに、その問題を解く上で当たり前に知っていないといけないレベルの基礎知識が定着していないから、それから先の問題が理解できないんです。赤ちゃんに連立方程式を教えられないのは、赤ちゃんは数の概念も文字の概念も知らないし理解できないからです。
要するに、今の中学生の65%は赤ちゃんの上位互換。
少なくともその学年に上がる前に知っておかないとマズイ当たり前の知識が定着しないまま進級してしまった生徒であり、本来であれば落第させて余分に勉強させないと先に進めないレベルの子供ってことです。
小6の仮面を被った小3レベルの子、中3の仮面を被った小5レベルの子は大勢います。この層が中学の通知表だと3になります。
【再掲】中学の通知表の3は下位層です
当サイトでは別記事も含めて再三言っていることですが、中学校の評定「3」は平均でもなければ普通でもありません。
高確率で下位層です。
中学の通知表は、4と5で約35%ぐらいで、それより下の約50%は3になります。つまり、学年の下位85%ぐらいまでは3で踏みとどまれてしまうのです。
当然ですが、3の下位の生徒の学力など崩壊もいいところで、昔の相対評価であれば2か1が付くような生徒です。今は絶対評価なので、お情けでも3にしてもらえます。
だから、よほどのやばい生徒を1か2にして、4以上の学力がない生徒は全員評定3の水準にぶち込まれます。だから、3は平均でもなければ普通でもない。むしろやばい子供が圧倒的割合を占めるカテゴリーです。
もちろん、3になる生徒の割合が大きいので、3の上位と3の下位ではさらに学力格差が見て取れます。テスト70点でも3になる一方で、テスト40点台の子も3になりますからね。
しかし、同じ3でもこの2者は全く違う子供です。知能格差は確実に開いており、3の下位層になると理解力や常識などが不足しまくっており、いよいよ指導困難になる生徒が激増します。
このことは、以下の記事でも書いています。
申し訳ないですが、通知表3ですら危ない水準なのに、その中でもさらに下位に位置する生徒(テスト50点以下とか)はもう手遅れと言わざるを得ないケースが大半です。
でも、これは別に学習塾や教育サービスの力不足だけの問題ではないはずです。
そもそも先ほどのクソ簡単な分数の問題すらも解けないってことは、デフォルトで備わっている脳みそが錆びついてしまっているか、元々の脳の容積が小さいか、あるいは脳内の配線がぐちゃぐちゃということです。
これは遺伝的な要因の影響も大きいので別に誰のせいとかでもないです。運動神経が悪いと同じように、勉強神経が悪いだけの話です。人には向き不向きの問題があり、向かない子に勉強させてもキツイってだけの話です。
これはもう、受け止める以外に問題解決の方法がないです。
問題点は本来救えるはずの生徒まで殺してしまっている点
正直勉強は、向き不向きがハッキリ分かれる種目です。
一定の勉強適性(最低ラインの地頭)がないことには、学年が上がるにつれて高度化する抽象的な思考は理解できません。理解論点だけでなく、暗記の壁にもぶつかります。年々暗記量が増えており、記憶力や記憶維持力が低すぎる場合、高校受験ですら乗り切れません。
イメージ的には、公立中学で学年の下位50%以下になるとその予兆のある子が出始め、学年の下位30%まで落ちるともう絶望的に無理になります。
しかし、こんなことは今に始まったわけでもなく、昔も同じでした。
子供が一定の数同年代で生まれれば、一定の割合で「賢い子・普通の子・賢くない子」が生まれ、そもそも賢くない子に勉強をマスターさせるのはハードです。
問題なのは、「普通レベルの子」がどんどん下に引きづり込まれていることです。
ケツ叩きしてしんどい思いさせてでも伸ばすと言うことが時代的に封じられているので、中間層を上位に上げることはもちろん、中間層として維持しておくこと自体が困難になっています。つまり、中間層という概念が消えます。
「できる子か出来ない子か」の二択の時代になりました。
正直、賢い子は放置プレイでも伸びます。勤勉性があることは前提ですが、地頭レンジが高いので、多少ダラけようが最低水準は維持できる。最初に紹介した分数の問題も、サボってようが何してようが解けます。
一方学年の下位に位置する子は、頑張っても無理なことが多いです。これは努力不足が問題ではなく、先天的な能力不足が原因であることも多く、遺伝要因なのでもうどうしようもない。
でも、その間にいる子は「訓練次第」で下のレイヤーに引きづり込まれることは回避できます。上のレイヤーに入れるかは、普通の中での地頭のランクと、どれくらい努力をするのかに依存します。
ただ、昨今の教育では「多少厳しくしてでも子供を引き上げる」という考え方が受け入れられずらいです。子供の自主性とか権利とかを主張して、みんな違ってみんないいという多様性理論を押し付ける保護者も増えました。
まあそれ自体は自由にしたらいいのですが、負荷をかけずして成果を出すことは無理なので、元々の能力次第なところに着地するしかないことだけは受け止めておくべきです。
それを受け止めず、「厳しくはして欲しくない。でも結果は欲しい。」という”わがまま”さえなければ何でもいいわけなので。(そういう人が多すぎるというのも昨今の大きな問題だが。汗)
しかしいずれにせよ、ケツを叩いて本来の能力のセットポイント以上の結果を求めるような教育が封じられた以上、残酷なまでに生まれ持ってした才能の順番で序列が決まる時代になりました。
これはリベラル(平等主義者)が望んだ社会なの?逆に格差を生んでるだけじゃないの?
平等・平等と訴えるなら、能力の低いものは努力や工夫がない限り普通の水準には上がれないことを分かってるのかな?と。いやでも頑張りたくないから共産主義的な発想に惹かれるのでしょう。
なんかますます左翼が増えていく予感がします。笑
しかしいずれにせよ、学習塾としては通知表3の生徒の上位ぐらいからしか成果の再現性が出ずらくなってきたと言わざるを得ません。
中間層って、ケツ叩き的なことをしないと正直伸ばせないです。でも、ケツ叩きするとクレームになるのでできない。すると成績は上がらず不満で辞められる…
このやばいループは断ち切れそうにないので、原則として「最低でも学年の半分より上。本来であれば学年上位40%以上を最低条件としたい」的なコンセプトで塾経営を乗り切るしかないと思います。
ちなみに、自分自身は生徒に対して厳しく叱責するとか全くしないタイプです。叱責しても意味がない上に、叱責したら退塾になるだけなのでメリットがないからです。だから、人間性で叱責しなければいけない感じの子は指導不可と思って最初からお断りするようにしています。
お金もらってその後に言い訳するのは絶対ダメなので、無理そうならしっかり断って無駄なお金は受け取らない。そこは誠実にやらないといけないですからね。
なお、通知表の3の上位にいるぐらいの子(60点台後半〜70点台)は、本当に救えるので親御さんも諦めないで付き合って欲しいです。
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※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
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