小学生の保護者さまから、こんな質問を受けた事があります。
「小学校の算数を子供に教えられるよう、私も勉強した方がいいと思いますか?」
結論から言います。
「全く思いません。」
というより、お母様方、忙しくてそんな暇ないですよね?汗
他にもっとする事があるはずです。
また、小学校高学年の算数ともなると、ほとんどの親さんは出来なくなります。
・1ha(ヘクタール)は何k㎡?(※小4)
とか、
500円で仕入れた品物に、30%の利益を見込んで売値をつけたが、売れなかったので売値の10%引きで販売した。利益はいくら?(※小5)
など。
解けない保護者さん、正直めちゃ多いと思います。
しかし、母親自身が算数の勉強をする必要はないと思いますが、子供の算数にノータッチというのは無責任すぎです。
では、保護者が子供の算数にどこまで介入するのが正解なのでしょうか?
今回は塾講師目線で、ケース別学年別に「小学校算数への保護者の接し方マニュアル」を解説します。
計算問題の出来・不出来は「親の意識と行動」の差
塾で中学生を指導していると、小学校の算数がまともに出来ない子に遭遇します。
分数と小数が混ざったわり算など、典型的な計算問題が出来ない中学生がいるという話です。
ハッキリ言いますが、こうなってしまった中学生は中々改善しません。
上位校への進学は夢のまた夢ですし、偏差値50以下の高校の中から学力に応じて、消去法で志望校を選ぶしかありません。
子供の人生は無限大の可能性?
確かに可能性は無限大かもしれない。
でも、中学入学時点までの仕上がりで、行ける高校の可能性はかなり限定されますからね。
中学生で小学校の計算が怪しいというのは、正直なところ保護者さんの責任が大きいです。
計算問題であれば、義務教育を終えている大人なら、子供がつまづき始めた時点ですぐに分かるはずです。
気付いたその瞬間に手を打てば何とか出来ます。
それを放置してきたわけですから、その罪は重いです。
子供の計算の出来・不出来に関しては、親の意識と行動量の問題なのです。
計算問題に関しては、積極的に介入しなきゃダメです。
【学年別/ケース別】小学校算数に保護者が介入するポイント
計算問題を完璧に仕上げておくところまでは全親の義務です。
ただ、各学年何をどこまで親がやってあげればいいのか?
この点について、超簡潔に説明します。
小1〜小3まで
全部。
小4
・2桁/3桁のわり算
・分数の足し算引き算
・小数のかけ算わり算
ここは親の意識と行動でどうとでもなります。
きちんと見てあげて欲しいです。
しかし小4になると、
・大きな面積
・がい数の複雑な問題
・直方体立方体
などが入ってきて、いよいよフォローが出来なくなる親さんが出ます。
・1ha(ヘクタール)は何k㎡?
冒頭に紹介したこの問題などです。
ある程度教えられる方でも、プロ目線から見るとよくない教え方をしている人も多いです。
暗記に走った解法とかです。
結局は塾がその修正作業をしないといけないので、余程正しい指導論がない限り、介入することにはリスクが大きいことを理解してください。
小5
・小数のかけ算わり算
・約分通分の計算
この辺りは、親さんが死ぬ気でフォローしてください。
塾に行かせているだけではダメです。
計算はある程度物量をこなす必要がありますし、油断するとすぐに途中式を書かずに変な暗算に走る子も続出します。
上記単元の学校の宿題に関しては、親さんが責任を持って添削してください。
さて、問題はここからで、小5算数は文章題のオンパレードです。
・単位量あたりの大きさ
・速さ
・割合
そのまま中学数学で使う論点で、ここが出来ていない子が中学で詰みます。
塾屋の自分が言うとセールストークになってしまいますが、塾に通わすなら絶対に小5のタイミングを逃してはダメです。
500円で仕入れた品物に、30%の利益を見込んで売値をつけたが、売れなかったので売値の10%引きで販売した。利益はいくら?
冒頭でも紹介した上記問題は「割合」の論点で、小5の算数です。
これくらいなら解けるには解けても、ポイントを解説しつつ、他の問題にも応用が効くような教え方って保護者さんではかなり厳しいはずです。
餅は餅屋。
ここからは、信頼できるプロを見つけ、きちんと任せておく方が安全です。
小6
・分数のわり算
ここまでは親さんが見れますが、それ以外はもう介入しなくてOKです。
今の小6はすでにその時点で「文字式」とかまでやりますし、中学数学に首を突っ込んでいます。
ここで間違った解き方を保護者さんが教えてしまうと、終わりの始まりです。
まとめ:計算問題のみ保護者は全力介入すべし
以上をまとめると、「計算問題はとことん親はとことん介入すべき」です。
自分は、塾をやっていて思うことがあります。
それは、「子供は勉強そのものが嫌なわけじゃなくて、出来ないから嫌がるんだ」と。
つまり、小学生の段階で、勉強を苦手にしたらダメなんですよ。一瞬たりとも。
苦手にさえしなければ、途中波があろうが、本気になったタイミングで成果が出てくるのが勉強です。
苦手にしてしまうと、途中で火がついても、なかなか勉強は出来るようにならない…
少なくとも計算でつまづかなければ、公立入試を見据えても、最低ラインの高校には行けます。
いや、偏差値60以上の上位校を目指すことも別に出来ます。
繰り返しになりますが、小学生の計算の出来不出来は、親の意識と行動の問題です。
“絶対に苦手にさせてたまるか!何としても出来るようにさせる!”
この親の覇気と熱量がすべてを凌駕します。