中学生が進路を決める際、「公立高校にするか私立高校にするか」は定番のお悩みポイントです。特に、私立高校無償化が進んだことにより、この手の相談も多くなりました。
保護者の中には、「私立高校に向いている子の特徴って何?」と情報収集している人も少なくありません。
なお、私立高校に向いている特徴やメリットについては、すでに色々なサイト等でまとめられているので、ここではあまり触れません。定番なのは、以下のようなものでしょう。
・面倒見がいいから大学受験が安心
・塾に通わなくてもいいからお得
・(学校によるが)指定校推薦の枠が充実している
・校舎が綺麗
・施設や設備が充実している
こんな感じなのでしょうか。
しかし個人的には、私立高校に向いている人の特徴がヤバすぎるだろ…と思うわけです。
大量の敵を作る自論であることは分かっていますが、イチ意見として高校選びの参考にはなると思います。他のサイトや動画などでは聞けない意見を聞きたい人のみご覧ください。
※かなり偏った見方をしていますので、ある種の”ネタ”だと思ってお楽しみください。
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私立高校に向いてる子の特徴がやばすぎる理由
冒頭でもお伝えしましたが、私立高校に向いている人の特徴ってやばすぎないか?というのが自論です。
まず最初に、世間一般的に言われている私立高校に向いている人の特徴がなぜヤバイと感じるのかを解説します。
私立高校は面倒見がいい:お子さんは”キッズ”ですか?
私立高校に通うメリットとして必ず出てくる「面倒見の良さ比較」。公立は放置プレイで、私立は手取り足取り…みたいな。
正直なところ、面倒見の良さに魅力を感じる意味が分からない。
(※いや、分かるんだけど、納得したくない。)
そもそも、高校生にもなって面倒見が良い学校じゃないといけないレベルの子って何ですか?
精神年齢10歳ぐらいの”キッズ高校生”を想定したらいいの?
要するに、「公立みたいに自由にさせたらヤバイ方向に持っていかれるリスクのある子」ということでしょう。そんな子、そもそもヤバいでしょ。笑
高校生にもなって、自主性に欠けていて、人に管理されないと行動できないポンコツってことになるけどOK?
それなのに、「ウチの子は私立に向いている」って一体何の宣言?我が子が雑魚キャラだって宣言しているようにしか聞こえないのは自分だけ?
私立の面倒見の良さをネガティブに、そして超ひねくれて捉えた時、どこかそう感じてしまうのはおかしいのでしょうか。いえ、こっち側の意見の人は少なからずいるでしょう。
要するに、管理されることなく自分の意思で物事を決め、それなりに成果を出してきた側の人間は皆このマインドになりますからね。
ガチガチに管理されたその先の未来
「そうは言っても、ウチの子は放っておくとマズイんです!管理されてでも大学に進学して欲しいんです!」
次は、こう反論されそうです。
確かにその反論はごもっとも。自由な公立に入れて没落するよりも、管理されてマシな人間でいてくれた方がいい。ベストではないけどベターな選択ではないのか?と。
もちろん、短期的な目線で見ればそうかもしれません。でも、長期的な目線で見たらどうでしょう?中学・高校とガチガチに管理され、自主性が育たず「指示待ち人間」に成り下がった我が子。
お子さんを、“ドラえもんがいないと何もできないのび太くん”にしたいのですか?
確かに、上司の言うことを脳死して実行する人材は未だに価値がある。変に自己主張強い無能人材に比べれば、100倍使えるからです。
ただ、それって時代の流れに合ってるか?AIで仕事奪われるとか言われてるこの時代にマッチしてるか?
答え合わせは数十年後だけど、その時に後悔しないことを祈るばかりです。
校舎が綺麗・設備が充実:そんなにメリットか?
私立高校のメリットとして、「校舎が綺麗」「設備が充実」的なものは必ず挙げられます。まあ、お金かけてるんだから当たり前なんですけど。
ただ、そこに魅力を感じて志望校選びの判断軸にするのは浅すぎないですか?
確かに、綺麗な校舎で、ICT充実してて居心地の良い高校で過ごすキャンパスライフは憧れます。ボロい公立高校で過ごすよりも、キラキラしてますからね。
しかし、たった3年の話ですよ…
高校を評価する上での一つの評価項目としては認めますが、志望校を決める上で参考にする割合としては、0.0000000000001%ぐらいじゃないの?
そんなことよりも、その学校の「進学実績」「卒業生の進路」とかの方がよほど重要では?卒業後の人生の方が遥かに長いのに、校舎や設備をメリットと呼んでいる人がよく分からない。
それはメリットというよりただの事実。
・花壇にコスモスが咲いている学校
と同じレベルの情報にしか思えない。
塾に通わなくてもいいって正気で言ってる?
私立に通えば塾いらずになるから、トータルでお得になる!
これも良くある私立選択の理由ですが、期待値や実社会のデータをベースに、本当に計算してそう考えていますか?
現在、私立高校に通いながら塾にも通う生徒は約40%いると言われています。

引用:【大学受験】高校生の塾費用はいくら?出費を抑えて難関大学に合格する方法
しかもこのデータ、「非大学進学者」も含んでいます。
基本的に、大学に行かない子や、超進学校の私立の子は塾に行かない傾向があります。色んな意味で不要だからです。
しかし、塾を利用するのは偏差値50〜65ぐらいの自称進学校の私立高校の生徒たちです。結局、学校の勉強だけだと大学受験で勝てないと気付き、駆け込み寺のように塾になだれ込みます。
では聞きますが、あなたのお子さんはどうなりそうですか?
少なくとも、「私立に行けば塾が不要だから」という理由で私立を選んだ時点で、非大卒の道ではないですよね?じゃあ、超難関私立に行けそうな子ですか?
そうじゃないなら、「私立高校に通ってた上で塾も必要になる子」の可能性が高い。あれ、私立に行くメリットがデメリットになっているような…
私立高校に向いてる子の特徴はどーでもいい:高校選びのコツ
ここまでは、私立高校のメリットや向いている人の特徴と言われるものに、超辛口で切り込んでみました。
まあ、半分ネタですので、どうかお許しください。
しかし、ここで本来伝えたいのは「公立高校か私立高校か」みたいな軸から高校選びを出発しない方がいいということです。なんだかんだで客観性を欠いてしまい、ブレブレの結論しか出ないことが多いからです。
そこで、私立か公立かではない軸で高校選びを進めるコツを伝授します。
客観的なデータをまず見るべし
高校選びは、恋人選びではありません。
感情で選ぶべきものではなく、ある程度は事実やデータを元に選ぶのが基本戦略です。
そういう意味では、客観的なデータをベースに見るのが一番です。進学実績や就職実績など、誰が見ても同じ結果になるものを参考にしましょう。
そうすることで、数年先の自分の未来の姿がよりクリアになるはずです。
主観的な感覚は間違いを起こすことは多いけど、エビデンスがしっかりしているデータは嘘をつかないです。
公立高校と私立高校:同一偏差値ならどっちがいい?
偏差値など客観的なデータを見る時にも、注意点はあります。
例えば、私立高校の偏差値はかなり曖昧です。そもそも、私立専願と併願では同じ学校学科でも、求められる基準が異なります。私立専願にすれば、併願に比べて低い偏差値でも合格できてしまいます。
そのため、公立高校と私立高校の偏差値は一概に比較できません。一般的には、同一偏差値であれば公立高校に軍配が上がるケースが多いです。
オープンキャンパスは中2で行こう
高校選びは、原則として主観ではなく客観的な理由で選ぶべきだと思います。
ただ、保護者(特に母親)の中には、「実際に行ってみて肌で感じる感覚を大事にしてほしい…」的な意見の方が大勢いるのは事実です。
確かに、それも大事なことではありますよね。否定はしません。
しかし、問題はその時期です。
この手の発言をする人の多くが、中3の夏休みにとにかく大量にオープンキャンパスの日程を詰め込みます。行ける限り全部行くのか?ってぐらい。
ただ、これは悪手。中3の夏は休み明けのテストに備え、1分でも多く勉強すべき時期です。勉強時間を犠牲にしてオープンキャンパスに行くのは、正直「愚策」としか思えません。
感情論で動くのではなく、もう少しロジックで行動すべきです。少なくとも受験という競技は。
そのため、オープンキャンパスに行きたいのなら、中2のタイミングで行きましょう。そのタイミングで行くなら、誰にも文句は言われません。
私立高校への進学を「逃げの選択肢」にするな
私立か公立のどっちがいいか真剣に悩んでいるうちはまだマシです。
しかし、中3の二学期にもなると、私立高校の専願入試を早急に決める人たちが続出します。これは、ほとんどの場合「消極的な選択肢=逃げ」と揶揄されることになります。
正直、塾をしていても、その手の指摘は頷ける部分があります。
ほとんどの人は、ポジティブな理由で私立高校を選んではいません。夏休みが過ぎた頃に、学力不足を痛感し、公立高校の受験にチャレンジすることをやめます。
それまで公立高校を志望していた子が、いよいよ現実を見るからです。そもそも、現実的に無理な志望校を中3時点で掲げる子も多すぎです。もう少し、データから実現可能性を合理的・数学的に見ることをした方がいいです。
何より問題なのが、この層の大半は公立高校が「ファッション志望校」でしかないこと。その志望校を言う自分に酔っていて、現実との差を知ろうともしていないし、知ることを無意識に避けている傾向もある。
薄々は無理な願いと分かっているのです。何より、現実との距離感を指摘され、やるべきことを明白にされ、外堀を埋められたくないのです。
ただ、志望校を諦めるとは言わない。志望校を口にしているうちは、まだ現実を受け止めずに済むから、その状態が心地よいだけ。もちろん、志望校合格のために目標から逆算して努力するなどは絶対にしない。
ただ、無慈悲にも中3の1学期には内申点が半分出揃い、ほぼ無理であることを実感する。そして、逃げるようにして私立専願に流れるのが毎年の風物詩です。
中3の一学期って内申点が厳しくつく傾向にありますからね。
私立専願を全否定するつもりはないけど、「逃げの選択肢」になっている側面は否定できないですよね?そして、見ていてかっこいいとも思えない。しかも、私立高校無償化もあるから、親も別にOKとなってしまう…
そして最後には、私立高校のメリットを調べ、自分自身を納得させる…
こんな高校受験にならないようにしたいものです。
総括:私立高校に向いてる子の特徴がやばすぎる理由まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- 私立高校に向いている子の特徴とその課題
- 私立高校は面倒見が良いが、高校生にもなって面倒を見てもらう子は自主性に欠ける可能性が高い。
- ガチガチに管理される環境で育つと、自主性が育たず「指示待ち人間」になりやすい。
- 校舎や設備の充実は一時的なメリットに過ぎず、進学実績や将来性の方が重要。
- 私立に通えば塾が不要という考え方は現実的でなく、実際には多くの私立生が塾に通う現状がある。
- 私立高校選びのポイント
- 私立高校を「逃げの選択肢」として選ばないように注意するべき。
- 現実的な学力や進学実績をもとに合理的に選択することが大切。
- 私立専願入試は短期的には楽な選択肢に見えるが、長期的な視点で将来に影響を与える可能性を考慮する必要がある。
- 高校選びのコツ
- 客観的データを重視
- 感情的な選択ではなく、進学実績や就職実績といったデータをもとに判断する。
- 同一偏差値なら公立が有利な場合が多い
- 私立高校の偏差値は専願・併願で基準が異なるため、公立と比較しにくい。
- オープンキャンパスの時期は中2が最適
- 中3の夏は受験勉強に集中すべき時期のため、オープンキャンパスは早めに行くのが理想。
- 客観的データを重視
- 私立高校進学を「逃げの選択肢」にしない
- 私立専願を決めるのは消極的な理由であることが多い。
- 無理な志望校を掲げる「ファッション志望校」の考えを改め、現実的な判断をすべき。
- 将来を見据えた高校選びをすることで、「逃げの選択肢」を避けることができる。
※全保護者さんに読んで欲しい「勉強法や子育て本のおすすめ」を以下の記事で紹介中。Kindle Unlimitedを使うと全て”無料”で読むことができます。
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※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
※高校受験おすすめコラムは以下の通りです。
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