合格がほぼ確約された「私立専願」に比べ、私立高校の一般入試(私立併願)の問題は難しいのでしょうか?
塾でよく聞かれる質問の1つに「私立高校の一般入試って難しいの?」があります。一般的には「滑り止め」と言われる入試ですが、心配される保護者の方も多いです。
まず結論を言うと、「私立高校の一般入試は難しい傾向がある」が塾長としての答えです。
もちろん、私立高校は独自に問題を作れるので、受ける私立によって問題の難易度はピンキリです。商業高校や工業高校で私立の学校は簡単な傾向がありますが、私立の上位校はかなりの難しさです。
公立高校の入試問題と比べたとしても、私立入試の問題の方が難しいと感じることも少なくありません。
そこで本記事では、私立高校の問題の難易度とその対処法を解説していきます。
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私立高校の一般入試は難しい?問題の難易度分析
私立高校の一般入試の難易度はどうなのでしょうか?
冒頭でもお伝えしましたが、難しい傾向があると言えます。ただし、学校ごとに傾向や何度が異なります。
自塾のある兵庫県の私立を参考にしながら、学校の偏差値別の難易度をザックリお伝えします。
トップ公立高校の滑り止めになるような私立高校
まず、私立高校の一般入試でビビるレベルで難しいのがトップ公立高校の滑り止めになるような私立です。
神戸市であれば「須磨学園高校」がその最たる例です。(※灘高とかは難し過ぎて、そもそも滑り止めにならないので、ここでは無視。)
県内トップ公立(偏差値70程度)を受験する子は、それなりにレベルの高い私立を受ける傾向にあります。この子達の受ける私立の問題は覚悟した方がいいレベルで難しです。
少なくとも兵庫県においては、公立高校の一般入試に比べて数倍難しい傾向があります。
国語の読解も大人が読んでも難しいレベルの問題が出されます。テーマも面白いものが多いです。昔、「親ガチャ」について出されました。笑
なお、英語も高校入試というレベル感ではなく、本当に上位の子でも解くのに一苦労。受験する子からは、ほぼ毎日のようにLINEでスクショ撮って質問が送られてきます。
この子達も本番は公立高校受験なのですが、どちらかというと私立の問題が難し過ぎて、公立入試よりも滑り止めで受ける併願高の受験にビビっていました。まあ、基本的に受かるんですけどね。
中堅校(偏差値50〜60程度)の入試問題:やや難
次に、中堅校の私立一般入試について。
ここら辺が評価が難しいところです。高校ごとに問題の癖があって、一括りに難易度を評価するのが難しいです。ただ、公立高校の入試問題と同等レベルか、それよりも少し難しいといえば難しいかな?と言った印象です。
何となくですが、英語が結構みんな苦戦するイメージです。時間が足りない…って悩む子も多く、その難易度に度肝を抜かれている印象を受けます。
数学に関しては、苦手な子は本当に解けないです。時期の問題もあるのですが。もう少し勉強時間があればそこそこ取れるのにな…と思いますが、そんな時間がないのが私立一般入試の滑り止めです。
ただ、出来れば自分が受ける学校の過去問ぐらいは買ってやりましょう。Amazonでポチればすぐに手に入るのですから。
工業高校・商業高校などを受ける子達の滑り止め:簡単です
最後は、工業高校や商業高校を受験する子達の滑り止めになるような高校。
ここについては、明らかに簡単に感じます。
少なくとも、公立高校の入試問題に比べれば雑魚問ばかりです。英語なども長文読解が出題されず、文法オンリーの学校も少なくありません。数学だって、基礎的な計算問題だけです。
学校ワークレベルでは?と思う問題が多いです。
私立高校の一般入試は難しい!対策の仕方も解説
私立高校の一般入試は、難しいです。
そのため、一般入試の対策をどのようにすべきか悩む子も多いです。もちろん、保護者様から塾に相談が来ることが多々あります。
そこで、私立一般入試(=併願,滑り止め)の対策方法を、レベル別に解説していきます。
公立トップ校第一志望:難関私立を受験する場合
まず最初は、公立トップ校が第一志望で、私立の滑り止めもそれに準じた学校を検討している子の場合。
この場合、過去問をベースとした対策をいきなりやるしか手はありません。
私立のすべり止め入試は、お正月が明けて終えば残り数週間しか時間がありません。しかし、12月には学校でもまだ中学3年間の範囲が終わっておらず、上位層でもまだ受験対策の問題が解けません。
そのため、12月は理科社会も含めて中3の最後までを大急ぎでやり、年明けには私立の過去問演習に行けるようなスケジュールにするしか手がありません。逆に言えば、このペースについて来れない子は駆逐されます。
なお、この子達が受験する私立の問題は非常に難しく、みな挫折しがちです。
しかし併願で受けるのであれば、合格する確率の方が高いです。少なくとも、学校がOKしたのならそういうことです。
そのため、精神的に苦しいですが、めげずに過去問をやり込みましょう。ここで実力をつけることが、そのまま本番の公立入試に直結します。
中堅校(偏差値50〜60程度)を受験する場合
さあ、問題はこのあたりの子達です。
正直なところ、このレベルの学力は決して高くありません。まして12月や1月など、基礎もガバガバで演習時間も不足しています。
そんな中、私立の入試問題の過去問などロクに得点出来ない子が多いです。
しかし、そんな子達でも受かってしまうのが私立一般入試です。これが滑り止め入試です。
自分も塾をやっていますが、学校がOKした併願高校で滑った子を見たことがありません。学校の中にもそういう子がいたという話も聞きません。
しかもですよ、この層の子達の中には、自分が受ける私立の過去問すらロクに練習せずに(一度も練習しないこともある)受験に向かう子もかなりの数がいます。
当然ですが、本番でもそこまで点数が取れているとは思えません。でも、結局受かっています。
まあね、高校受験における私立入試なんてこんなものです。原則として受かる入試だと思っておいていいのでしょう。合格最低点も本当なのか怪しいものです。
専門学科を受験する場合:過去問すら解かずに特攻がデフォルト
最後に、公立の専門学科(工業・商業など)を第一志望にしている子たちのケース。
この層になると、過去問すら解かずに特攻することがデフォルトです。彼らクラスになると、受験を完全に舐め腐っており、過去問をチェックするという我々の常識は全く通用しません。
ちゃんとアドバイス・声掛けをしないと、私立の入試直前までゲームして遊んでいる連中すらいます。これが、偏差値50を下回る子の実態です。
でも、それでも受かるのが私立一般入試です。受験料ビジネスって儲かりますよね….汗
公立高校の一般入試の勉強をガチるべし
私立高校の一般入試(滑り止め)は、問題こそ難しいものの基本的には合格する試験です。
少なくとも、学校との面談の中で受ける高校を決めているはずです。明らかに無茶な併願先を言えば、その時点で学校からもストップがかかります。
逆に言えば、学校がOKと言った時点でOKなのでしょう。それに、第一志望のコースがダメでも、第二志望のコースで踏みとどまれるのが私立一般入試です。ゆえに、どこにも引っかからずに滑り止めで滑り止まらないというのは考えずらいです。
だから、公立高校を第一志望にしている子は、公立高校受験の勉強を頑張ればOKです。私立の過去問の一部で、公立入試と似ている学校もあるので、そういうところの過去問なら積極的にやりたいですけどね。
少なくとも、兵庫県という地域はこんな感じです。自分の出身の岐阜県でも、私立一般入試の勉強なんてみんなしてなかった気がします。一部の上位層が不安に思って取り組んでいたぐらいです。
ただ、私立併願で色んな制度を採用している県や、自分のレベルから見て背伸びしている子はちゃんと対策する必要があると思います。
総括:私立高校の一般入試は難しい?対策まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
私立高校一般入試の難易度
- 私立専願よりも難易度が高い場合が多い。
- 学校によって問題の難易度に差がある。
- トップ公立高校の滑り止めとなる私立:非常に難しい(例:須磨学園高校)。
- 中堅私立高校(偏差値50〜60程度):やや難しい。
- 工業高校や商業高校の滑り止めとなる私立:非常に簡単。
トップ公立高校の滑り止め私立
- 問題のレベルは公立高校入試の数倍難しい。
- 国語や英語の問題が特に難解。
- 受験生は過去問演習を中心に徹底的な対策が必要。
中堅私立高校(偏差値50〜60程度)
- 問題の癖が学校ごとに異なるため、評価が難しい。
- 英語は時間配分が難しく、多くの生徒が苦戦。
- 数学も基礎が弱い生徒にとっては難易度が高い。
工業・商業高校の滑り止め私立
- 問題は基礎的で簡単、公立高校の入試問題よりも易しい。
- 文法問題や基礎計算が中心で、長文読解などは出題されない場合が多い。
私立高校一般入試の対策方法
- トップ公立高校志望の難関私立受験者
- 過去問を早い段階で取り組む。
- 年明けまでに中3範囲の学習を終わらせ、私立の問題演習に集中。
- 中堅私立受験者
- 基礎を固めることが重要。
- 過去問を活用し、時間配分を意識して解く練習をする。
- 工業・商業高校受験者
- 過去問を解かなくても合格可能な場合が多いが、基礎的な学習を怠らない。
対策時期
- トップ校志望者は1月から過去問対策を開始。
- 中堅校・専門学科志望者は1月中旬以降に基本学習を固める。
公立高校受験生のポイント
- 私立一般入試は滑り止めとして機能するため、基本的には合格可能。
- 公立高校受験の勉強を最優先し、私立の問題は必要最低限の対策に留める。
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