「高校受験の数学ができない」と悩んでいませんか?
数学は高校受験の中でも最も苦手とされる科目です。そして、高得点を獲得するのが非常に難しいと言われています。
実際、数学の過去問演習をやらせると、数学だけは平気で30点・40点を取る生徒が大量発生します。偏差値60以上の高校に受かる子でさえ、苦手な問題が出題される年は、ワンチャン50点を割り込みます。
そのくらい、高校受験の数学ができない生徒の悩みは深刻なのです。
そこで本記事では、高校受験の数学ができない時の対処法を解説します。
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高校受験の数学ができない時の対処法
高校受験の数学ができない…
こんな状況から点数を上げようと考えた時、どう勉強したらいいのでしょうか?
正直、数学は得意不得意が分かれる教科ですが、平均点程度の学力がある子であれば、きちんと対策をすることで60点程度までなら再現性高く点数を上げることができる教科です。
塾長の視点から言えば、国語で再現性高く60点取らせるより、数学で再現性高く60点を取らせる指導の方が明らかにやりやすいです。ある程度はパターン演習で点数が積み上がるからです。
そこでまずは、60点程度を目安に高校受験の数学の点数を上げる方法を伝授します。
小問集合の計算問題をアホほどやりまくる
高校受験の小問集合を制すものは、高校受験の数学を制しします。
受験数学において、まずは最初の「小問集合を満点にすること」は絶対条件です。正直、小問を舐めていて対策していない受験生がまあ多いこと…
小問集合を毎回きちんと満点取れる子って、本当に一握りの上位層しかいません。簡単な計算ばかりにも関わらず、バリュエーションが多いせいで中々満点が取れていない子が多すぎです。
しかし、小問集合対策用の問題集をアホほど反復すれば、かなり再現性高く満点が狙えます。県にもよりますが、小問集合だけで20〜25点ぐらいは得点があります。
つまり、まずは小問集合に特化した問題集をとにかく毎日やり込むことが急務です。
ただ、市販の問題集で高校受験の小問集合に特化したものがないです。あるのは塾用教材だけです。塾用教材は、塾経由でしか購入できませんが、今はAmazonでも一部教材が購入できます。
そこで、自塾でも使っている小問集合に特化した問題集おすすめを2冊載せておきます。
正直、小問集合に特化している問題集ではこの2冊が最強です。両方とも自塾で実際に使用しているテキストで、その効力は実証済みです。
基礎計算から、図形の角度問題、データ読み取り、確率まで全ての小問集合がシャッフル形式で収録されていて、これ以上に使いやすい問題集は市販には絶対にないです。
受験直前まで毎日これらの小問集合をやり込めば、さすがに小問の点数が安定してきます。
関数分野を重点的に勉強する
小問集合の次に力を入れたいのが「関数分野」です。
県にもよりますが、高校受験において最も出題が多いのが関数分野です。関数は1次関数と2次関数があり、そのどちらも受験頻出です。出ない県はないでしょう。
そして、関数分野だけで総得点が30点程度になっている県も少なくないです。だから、小問集合と関数だけで50点程度は狙えてしまうことになるのです。
もちろん、関数の大問の最後の設問は難しいので、苦手な子は取れずに終わる可能性が高いです。しかし、関数の大問が2つあるとして、それぞれ(1)(2)まで正解するだけでも、15点ぐらいは手堅く確保できます。
小問集合で24点とって、関数で15点取れば、もうこれだけでほぼ40点が見えます。あとは少しずつ各大問で稼げば50点以上は見えてくるのです。
しかし逆に言えば、関数分野でコケるわけにはいかないのです。
だから、受験直前までは関数に特化した問題集を毎日回してください。もちろん、市販の教材に関数だけに特化した受験問題集なんてありませんので、やはり塾用教材に頼るしかないです。
自塾も開業以来ずっと使っていて一度も浮気したことがない問題集が「関数の達人」です。
1次関数の文章題から、1次関数と2次関数の図形融合問題まで全ての関数問題を完全に網羅している最強の問題集。この問題集も、塾業界ではかなりの高評価を得ています。
実際自塾も受験対策直前までずっと使っています。問題数も充実していてコスパも最強。受験の関数対策でこれを超える問題集を自分は知らないです。
数学が甘い人は、関数の達人をとにかく何回も周回して、パターン問題を暗記し切ってください。これでかなり関数分野が安定してきます。
図形分野は証明の練習だけに振り切る
図形分野ですが、基本的には「証明問題だけ」に対策は振り切ってください。
正直、高校受験の数学の図形問題はかなり難しく、我々講師陣も頭を抱える問題がまあたくさん出題されます。本番正答率を見ても非常に低く、多くの受験生が得点できていない事はデータでも十分に分かります。
だから、勉強しても得点して帰って来れる可能性が低く、努力の費用対効果が悪すぎます。自塾の数学5の生徒ですら、図形の大問の最後の設問まで正解できる子なんてほぼゼロです。
そういう意味では、図形の計算問題(相似とか使って長さ出す系)は思い切って捨てればよろしい。
しかし、証明問題は県によって得点がバラバラです。一般的に、穴埋め形式で証明していくタイプは正答率が高いです。この場合、証明問題だけは対策してください。
完全記述の場合でも、部分点がもらえるのであれば、途中までは書いて少しは点をもらえるような勉強をしましょう。完璧は目指さなくてもOKです。
確率は受験過去問でひたすら書き出す練習をすべし
確率分野ですが、ここも割と稼げます。
ただ、確率も問題によって正答率が本当に振れやすいリスキーな単元であるのも事実です。満点近くになる時もあれば、大問丸ごとコケるみたいな年もあります。
数学はどうしてもこういうことが起こり得ます。
ただし、本番で確率が簡単な年に当たるかもしれないので、そういう時に失点しない練習は大事です。そして、確率は普段から樹形図などを書く練習をしておかないと、本番では中々思うように手が動きません。
そのため、過去問などでひたすら書き出す練習をしてください。
確率に関しては「全部書き出せば点が取れる。時間さえあれば満点も夢じゃない。」というマインドで挑むのが極めて重要です。そのためには、普段から書き出して正解したことがあるという成功体験が必須です。
だから、綺麗に数えるのではなく、泥臭く書き出す練習にこそ意味があると思ってください。ノートや裏紙などに思い切って書きまくるのがコツです。小さく書かないようにしましょう。
思考力問題は対策しなくてもいい
近年の傾向として、最後の大問は「思考力問題」になっている県が多いです。
正直なところ、この大問はこれといって対策の手がないです。パターン問題では全くないので、完全に「初見殺し」みたいな感じです。だから、数学のセンスがある程度ないと解けないし、トレーニングして解けるようになるようなタイプの問題でもない。
地頭がいい子は対策しなくてもそこそこ取る一方、地頭が良くない子は対策しても解けないみたいな現象が起こりまくっています。
これは最近の大学入試の共テと同じ匂いがします。
要するに、「対策されたくない」ということです。パターン問題として処理して欲しくないから、毎回設定変えまくって、その子の思考力をダイレクトに測っているのです。
だから、思考力が弱い子は無理。そういう大問です。よって、対策なんてしなくてもいい。しても意味がない。そう割り切ってください。
その代わり、小問集合や関数で固めて、証明や確率で少しでも点数を積み上げる作戦に振り切るのです。最後の大問は簡単な問題だけでも取れたらラッキーぐらいのマインドでいきましょう。
高校受験の数学ができない:本当に苦手でやばい場合の対処法
ここまで、数学でなんとかして60点をもぎ取るための方法論をお伝えしてきました。しかし、上記の方法論は最低ラインの数学の力があることを前提にしています。
だから正直、明らかに数学が苦手な下位層には通用しないという欠点もあります。
そういう意味では、自身の実力を客観的に見てから判断してください。なお、その判断基準も含め、どうしても数学が苦手な子には別の対処法を伝授します。
数学で平均以下だった子は正直厳しいかも
先ほど紹介した方法論は、数学で平均点程度の学力を有していることを前提としています。
学校の定期テストでは60点とかまでは取れるけど、受験過去問すると40点台に引きずり込まれてしまう…みたいな生徒が対象です。
定期テストですら40点台とかになってしまう場合、申し訳ないですが方法論で解決するのは難しいと個人的には思います。少なくとも、そのレンジの子にとっては、高校受験の数学は難しすぎるのです。
もちろん、普段のテストで20点台・30点台とかもキツイです。
ハッキリ言いますが、この層は数学で本番の得点を再現性高く取るのは厳しい。先ほどいった方法論の中では、小問集合を本気でガチる方法ぐらいしか通用しないです。
ただ、小問集合はMAXでも25点ぐらいでしょうから、それを固めてあとは数点積んで40点ぐらいでなんとか逃げるみたいな戦略になってしまう。逆に言えば、数学がその点でも受かるような志望校にしないとダメってことです。
英語と社会に全振りする
数学がどうしても苦手な場合、苦手な数学を克服にしにく戦略は「悪手」になる場合が多いです。
なぜなら、頑張ったって苦手なものは苦手で終わる可能性が高いから。少なくとも、受験という限られた時間で成果が出せずに終わるリスクが高い。
そう考えた時、努力したらそれなりに点数が跳ね返ってくる教科に張る方がまだ勝率アップにつながります。県にもよりますが、英語や社会などがその代表例でしょう。
数学が苦手な子は同時に理科も苦手な可能性が高いので、残ったのが社会と英語しかないというのもありますが…
なので、まずは社会と英語をガチればどれだけ点数が積み上がるかを現実的に計算してください。その上で、志望校合格の勝負論がありそうなら、最後まで諦めずに突き進みましょう。
この時点でどうしても点数が取れる見込みがないのなら、厳しいですが志望校を下げるしかないこともあります。英語の読解などは、これまで単語のストックがされていない場合だとそう簡単には上がりませんからね…
これらを総合的に判断し、数学を程々にして他教科に振り切った方が勝てそうだと思う人はその道を信じて突き進みましょう!
総括:高校受験の数学ができない時の対処法まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
対処法(平均点以上の生徒向け)
- 小問集合を徹底的に解く
- 小問集合を満点にすることが目標。
- 対策用の問題集を毎日反復する。
おすすめ問題集:計算の達人、大問1の完成
- 関数分野を重点的に勉強する
- 1次関数と2次関数を優先して取り組む。
- 関数分野だけで30点程度を狙う。
- おすすめ問題集:関数の達人
- 図形分野は証明問題に絞る
- 難易度が高い図形計算は捨てる。
- 穴埋め形式の証明問題に注力。
- 確率は書き出しの練習を徹底する
- 樹形図などを使い、手を動かして解答する練習をする。
- 書き出すことで正解率を上げる。
- 思考力問題は捨てる
- 初見対策が難しいため無理に取り組まない。
- 小問集合や関数などで確実に点を取る。
本当に苦手な生徒向けの対処法
- 小問集合で基礎点を確保する
- 小問集合で20~25点を目指す。
- 数学に時間を割きすぎない
- 数学が苦手な場合は英語や社会に注力する。
- 努力が成果に結びつきやすい科目を優先する。
- 志望校の見直し
- 苦手な数学で40点以下の想定で合格可能な志望校を検討する。
総括
- 数学は得点しやすい分野に絞ることが鍵。
- 苦手意識が強い場合は無理せず他教科にシフトする戦略も有効。
※全保護者さんに読んで欲しい「勉強法や子育て本のおすすめ」を以下の記事で紹介中。Kindle Unlimitedを使うと全て”無料”で読むことができます。
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※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
※高校受験おすすめコラムは以下の通りです。
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