塾なしで高校受験を考える場合、教材選定は極めて重要です。
仮に塾を使わないとしても、市販のテキストに比べ、塾用教材のほうが比べ物にならないくらい質が高いからです。ただ、市販(本屋)では塾用教材は入手できないのが難点です。
しかし昨今、Amazonでは一部の優良塾用教材が購入できるようになりました!
では、高校受験のテキストで使うべき塾用教材にはどのようなものがあるのでしょうか?
本記事では、塾用教材を研究し尽くした現役塾長が高校受験におすすめ塾用教材を教科別に厳選して紹介します。
※全保護者さんに読んで欲しい「勉強法や子育て本のおすすめ」を以下の記事で紹介中。Kindle Unlimitedを使うと全て”無料”で読むことができます。
塾用教材おすすめ!高校受験に使える最強問題集
塾用教材でおすすめできて、かつ、高校受験対策に使えるのはどのような教材なのでしょうか?
毎年受験対策で色々な教材を試行錯誤しながら試している現役塾長の私が、最強の教材たちを教科別に一気に紹介していきます。
※国語のおすすめは特にないです。(※県によって問題傾向が違うので、結局は過去問を10年以上遡ってやるのがベストだと思います。)
高校受験:数学でおすすめ塾用教材
まず最初に、数学でおすすめできる塾用教材を紹介していきます。
小問集合で使えるものや、総合演習全般で使えるものなど、様々な用途に分けておすすめ教材を紹介していきます。
①計算の達人
まず1冊目は、「計算の達人」です。
この問題集は最強です。受験で絶対に落とすことができない『小問集合』を集めた問題集です。1ページは5問構成で、選ばれている問題は完全シャッフルです。
自塾では、数学の授業の最初の10分間でテストして解説しています。
この問題集のいい所は、単なる小問集合だけではなく、各大問の(1)(2)レベルの問題までカバーしていること。正直、この問題集が完璧に仕上がれば、数学で60点を切るようなことはなくなります。
受験で絶対に落とせない問題だけを集中して倒すことができる、本当にお気に入りの問題集です。
なお、計算分野が弱い子は、上記の問題集に加え、以下の問題集もやりこんでください。同じく小問集合を完成させに行く問題集です。自塾では冬季講習の計算特訓で使っています。
②関数の達人
2冊目は「関数の達人」です。
公立高校受験の大問は、「1次関数」「2次関数」がほぼ間違えなく出題されます。県にもよりますが、関数分野だけで30点〜40点は問題があります。
つまり、関数を制するものは受験数学を制すると言っても過言ではありません。
そんな超重要な関数分野にだけ特化した問題集がこれです。1次関数の文章題(ダイヤグラム)の取り揃えも豊富で、本当に重宝しています。2次関数と1次関数が融合した図形問題も超豊富です。
受験の関数の問題は、これ1冊やり込めばほとんど解けてしまうようになるでしょう。自塾でも受験対策で毎年使い続けています。
③ウイニングフィニッシュ数学
受験対策の数学決定版の問題集が「ウィニングフィニッシュ数学」です。これは、中3受験対策の総合問題集です。
方程式の文章題も豊富ですし、因数分解や平方根の計算、二次方程式の計算などももちろん用意されています。全ての単元において、基礎問から発展問題もあってやりごたえがあります。
中3の夏休みに履修範囲まで終わらせ、未修部分は2学期に持ち越す戦略で倒していきます。太い問題集なのでやるのは大変ですが、メインテキストとして持っておきたい1冊です。
④サミングアップ 数学
4冊目はサミングアップです。
こちらも受験対策総合問題集的な位置付けで、ウィニングフィニッシュと同じような用途で使われる問題集です。
ウィニングフィニッシュに比べて、少しだけ薄く、完成までの距離が近いのがメリットです。中堅校を志望校にしているのなら、このぐらいの量で構いません。
高校受験:英語でおすすめ塾用教材
続いて、英語教材の中でおすすめ出来る塾用教材を紹介していきます。
①英文法小問の達人
英文法の問題集で、最もおすすめしたいのが「英文法小問の達人」です。
この問題集は、英文法の問題を1ページ10問ランダムで出題してくれる神問題集です。数学で紹介した計算の達人の英語バージョンです。
英語学習は、どうしても分野別学習に偏りやすいです。
しかしそうなると、「今日は不定詞の日」みたいな感じで、不定詞と決めつけて勉強を進めてしまいます。ただ、それは本来の学習ではないですよね?
シャッフル問題集は文法がバラバラで載っているので、そういったチートは使えないです。本来の実力がしっかり試せます。本当に自分が理解しているかを試す上で、これ以上重宝する問題集は他に知りません。
穴埋めや並び替えなど問題のバリエーションも豊富で、本当に神問題集です。塾用教材の実践的な英語問題集を買うなら、絶対に外せません。
②ウィンパス英語中3
英語の分野別問題集で絶対に外せないのが「ウィンパス英語」です。
塾を開業してから今まで、ウィンパス英語はずっと使っていて、中3だけでなく中1〜中2にも使わせています。季節講習の学習において、ウィンパス英語なしは考えられません。
ウィンパス英語は、「確認→基礎→発展→英作文→読解」の順番で各単元を仕上げることができます。文法問題は徐々に難しくなり、発展までいくと私立の難しい問題まで解くことができます。
そして最後には、読解問題(公立高校の過去問より出題)が入っていて、入試の読解対策ができます。自塾では、夏休みに文法を終わらせ、読解問題は冬休み以降に一気にやらせています。
ウィンパス英語中3は、中3と書かれていますが、中1〜中2の全文法を単元別に用意してあり、ザ・受験対策の問題集です。後半には中3文法の関係代名詞や間接疑問文もあり、量で不満を感じることは絶対にないです。
英語の受験対策メインテキストは、ウィンパス英語中3で決まりです。
 ポチップ
ポチップ③長文読解の達人
英語の長文読解の入口的な教材として自塾でも使っている教材です。
スラッシュリーディングを学べる教材で、1文1文を訳す練習をする教材です。色々な文法を用いた英文を書いてくれているので、文法を復習することにも使えます。
中3の関係代名詞・間接疑問文を履習しないと全部できないのが難点ですが、前半は中3夏休みぐらいまでの知識までで解けてしまいます。文法が固まった子は、中3の二学期ぐらいから精読してください。
これをしっかりやり込むと、受験レベルの初見読み英文に対応できるようになります。
高校受験:理科でおすすめ塾用教材
次に、理科の受験対策用の問題集おすすめを紹介します。
理科は問題演習重視の教科なので、とにかくたくさんやりまくってください。
①ウィニング理科中3
中3の理科受験対策で使っているのが、「ウィンイング理科中3」です。
中3と書いてあるのですが、巻末に中1と中2の問題がギュッと詰まっていて、これが非常に使いやすいです。中2の春休みぐらいから練習し、実力テストに備えるための教材として使っています。
量的には中3理科の範囲がメインですので、定期テスト対策にも使えます。
中3理科は、運動や遺伝の計算、皆が大苦戦する天体の問題も本当にいい問題が多く載っています。理科が得意な子でもかなりやりごたえがあります。
②ウインパス理科(全)
完全に受験対策に振り切っている理科問題集がウィンパス理科(全)です。
夏休みの総まとめ教材として、受験生にやって欲しい問題集です。基礎・標準レベルの問題の掲載が多く、受験理科の基礎固めに使える教材です。
問題数も豊富で、入試過去問などからも演習を引っ張ってきて、なかなかにやりごたえがあります。
用語などを全て完成した子は、ウィンパス理科で力試しをして欲しいです。学校配布のワークなどよりはかなり実践的です。採用している塾も非常に多いです。
③ウイニングフィニッシュ理科 中学3年間の総まとめ
ウィンパス理科と並ぶ、理科の総まとめ用の教材です。
正直、ウィンパスとウィフィニは非常に悩んだのですが、自分はウィンパスを採用しました。これと言った理由があるわけではないのですが…
ただ、本当にいい問題集で、量もしっかりあって不満は一切ないです。全部カラーというのも見やすくていいです。
ウィンパスよりもウィフィニの方がいいと感覚的に思う人は、こっちを書いましょう。正直、どっちを選んでも外すことはないです。
④入試完成シリーズ 理科 計算問題の解き方
理科の計算問題だけに特化した問題集です。
理科は、暗記分野と計算分野に分けられますが、計算のみしか掲載していない分野別問題集です。
密度、地震、質量パーセント濃度、オームの法則など主要な論点の計算問題対策用問題集の決定版です。知識や実験問題以外に、計算問題をピンポイントで克服したい人におすすめの問題集です。
高校受験:社会でおすすめ塾用教材
次に、社会でおすすめの塾用教材を紹介します。社会もまた、市販教材に比べて塾用教材が非常に優れていると言える問題集です。
以下が、塾用教材の社会おすすめです。
①ウインパス社会(全)
社会に関しては、一切迷うことなく全受験生に「ウィンパス社会(全)」をおすすめします。
理由は、図表・資料問題が本当に充実しているからです。
昨今の入試問題は図表読み取りが主流です。簡単な知識などはほぼ聞かれず、地図から選んだり、表を読み取って答えたりする競技です。
ウィンパスは、それら資料問題がとっても充実しています。歴史なども、資料を見て答える問題が多く、受験生が苦手とする「年代順に並べ替える問題」も多いです。
構成も、「知識確認(一問一答)→ヴィジュアル理解(資料)→実践問題」と本当に程よくステップアップしてくれます。この問題集抜きで、受験社会の対策は考えられません。
②実力錬成テキスト社会(全)
ウィンパスが終わった後にやりたいのが、「実力錬成テキスト社会(全)」です。
問題の難易度的にはあまりウィンパスと変わらないのですが、出版社の設定としてはウィンパスよりも少し難しいことになっています。
自分が見る限りだと、資料問題が少し細かいな?と思います。
ただ、上位校を目指す場合は、実力錬成テキストまでやり込みましょう。ここまでやれば、社会の演習量は十分と言えるでしょう。あとは過去問で対策すれば社会は完成です。
【高校受験】塾用教材おすすめ問題集が分かった後に
ここまで、塾長の立場から高校受験でおすすめできる塾用教材について解説してきました。
ここからは、塾用教材を使って高校受験を戦う上で知っておくべきポイント・注意点についても解説していきます。
市販の参考書はマスト
ここまで紹介してきたのは、全てが問題集となります。
塾用教材というのは、塾で説明することありきなので、解説や導入部分が極めて少ないのが特徴です。
そのため、独学でやる場合は参考書を必ず横に置き、分からない箇所は自分で調べる習慣をつけなくてはいけません。
これができないとなると、塾用教材を利用する効果が一気に下がります。
塾なしで行くに場合は、絶対に参考書の準備だけは怠らないようにしましょう。
どこまでいっても最後は「過去問」が重要
高校受験を戦うテキストを選定する上で、塾用教材は本当によく出来た教材が多いと思います。
しかし、塾用教材だけで受験対策が完成することはありません。なぜなら、受験対策のゴールはどこまで言っても「過去問」だからです。
公立高校入試の場合、各県ごとに問題の傾向や癖は全く違います。
つまり、自分が受験する県の過去問をやり込めるかどうかが最後は勝敗を分けます。いかに塾用教材が優れているからと言っても、過去問なしはあり得ないのです。
塾用教材をやるときは、過去問への橋渡しだと思ってやってください。最後の過去問演習に上手く接続できれば、合格までは本当にあと一歩です。
塾なしでも高校受験は合格できる
塾屋としてはあまり大きな声では言えないのですが、正直心の底では思っていることがあります。
それは、塾なしでも高校受験は十分にハック可能だと言うこと。
もちろん、本人の能力と志望校までの距離が離れている場合は、やはり塾で鍛えてあげたほうが成功角度は高いと思います。
しかし、内申点が十分にあり、独学の習慣がある子は塾なんて行かなくても大丈夫です。上記で紹介した優れた塾教材は、Amazonを使えば買える時代になりました。
お金をそこまでかけなくても、高校受験はクリアできる競技ですよ!
総括:塾用教材おすすめ!高校受験に使える問題集まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
全体概要
- 塾なしで高校受験を目指すなら、質の高い塾用教材が必須。
- 塾用教材は市販教材に比べて内容が充実しており、Amazonでも一部入手可能。
- 教材選びのポイントは「問題の質」と「過去問演習との接続」。
【数学】おすすめ塾用教材
- 計算の達人- 小問集合に特化した問題集。
- 大問の基本レベルまでカバーし、計算力を底上げ。
 
- 関数の達人- 関数分野特化。一次関数・二次関数・図形融合問題が豊富。
 
- ウィニングフィニッシュ数学- 総合問題集。基礎から発展まで幅広く対応。
 
- サミングアップ数学- 総合問題集。ウィニングフィニッシュより軽量で中堅校向け。
 
【英語】おすすめ塾用教材
- 英文法小問の達人- 文法問題がランダム形式で収録され、実践力が鍛えられる。
 
- ウィンパス英語 中3- 基礎→発展→英作文→読解の順に仕上げられる総合問題集。
 
- 長文読解の達人- スラッシュリーディングを学び、文法と読解力を同時に鍛える。
 
【理科】おすすめ塾用教材
- ウィニング理科 中3- 中1~中3の総復習が可能で、実力テスト対策にも最適。
 
- ウィンパス理科(全)- 問題数が豊富で基礎固めに最適。資料問題も充実。
 
- ウィニングフィニッシュ理科- カラーで見やすく、総合的な演習に適している。
 
- 入試完成シリーズ 理科 計算問題の解き方- 計算問題に特化。密度、地震、オームの法則などを網羅。
 
【社会】おすすめ塾用教材
- ウィンパス社会(全)- 資料問題や年代順並べ替え問題が豊富。
 
- 実力錬成テキスト社会(全)- ウィンパスの次に進めたい、少し難易度が高い問題集。
 
塾用教材を使う際のポイント・注意点
- 市販の参考書は必須- 塾用教材は解説が少ないため、参考書で補完すること。
 
- 過去問をやり込む- 各県の入試傾向に合わせた過去問演習が最重要。
- 塾用教材は過去問演習への「橋渡し」と考えるべき。
 
※全保護者さんに読んで欲しい「勉強法や子育て本のおすすめ」を以下の記事で紹介中。Kindle Unlimitedを使うと全て”無料”で読むことができます。
※学習塾に通っていない場合は、塾用教材を使って勉強するのが効率的です。市販教材に比べて圧倒的に質が高くコスパもいいです。学習塾の先生の要望に応えた教材で、痒い所に手が届く良書ばかりです。本屋では買えないですが、Amazonなら購入可能なので、以下におすすめ教材をまとめておきます。
※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
※高校受験おすすめコラムは以下の通りです。
・【高校受験】親ができること厳選3個紹介!後悔しない子供への接し方
・【高校受験】勉強するのが遅すぎた!手遅れになる子の特徴を解説
・中3からでも間に合う内申の上げ方や裏技が大嘘である理由と現実
・【高校受験】内申足りないから諦めるべきケース!逆転が厳しい場合
・内申点の平均はオール3ではなく〇〇!平均では全く安心出来ない理由
・中3の実力テストがやばい理由まとめ!点数が取れない子の特徴
・【高校受験】偏差値70トップ校に塾なしで受かる子の特徴&方法
・高校受験に向け小学生のうちにしておくこと一覧!塾長目線で解説
・【高校受験】最後に伸びる子の特徴!直前の追い上げで逆転する方法
・私立高校と公立高校の頭の良さ比較!同一偏差値ならどっちが頭いい?
・中3一学期の内申は厳しい?中3の1学期の成績が下がる理由&対処法
・中3の二学期で成績下がる子の特徴&理由!点数が落ちた時の対処法
・中3二学期は内申上げてくれるって本当?塾生のデータから見えた真実
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