学習塾をやっていて思うことは、受験を通して獲得した成功体験は、その後の人生にとってプラスになることが多いよな〜ってこと。
塾屋なのでポジショントークも入っていますが、「自分で目標を決め、そこに向かって戦略を考え、必死に努力して合格という分かりやすい成果を勝ち取る」というのは、子供にとっては客観的に見ても成功体験と感じやすいと思います。
しかし、勉強は遺伝要因でおおむね出来不出来は決まるので、向かない子は頑張ったからと言って成果が出るわけでもないです。そのため、勉強に不向きな子は勉強以外で何か成功体験をつませてあげる必要があります。
そこで議論になるのが、「部活や課外活動は受験に代わる成功体験になり得るのか」というテーマです。
これについて、塾講師という立場から恐縮ですが、自分なりの私見を書いていこうと思います。
部活や課外活動が成功体験と感じずらい根本的な要因
そもそも、「部活や課外活動は受験に代わる成功体験になり得るのか」というテーマがなぜ語られるか分かりますか?
自分が思うのは、「受験に比べて目標達成の基準が非常に不透明だから」です。
受験であれば、合格・不合格という非常に分かりやすい結果があります。だから、合格すれば成功体験に直結しやすいです。
しかも、同年代のメンバーの多くが勉強という競技を一度は経験し、その中でわかりやすい形で序列化がなされるわけなので、偏差値という数字も合わせて考えた時、客観的な目線でも成功体験と呼びやすいわけです。
でも、部活や課外活動はそういう要素が少ない。
甲子園優勝!ぐらい分かりやすい指標ならいいですが、中学生の部活であればそんな規模の大会なんてそもそもありません。そして、「市大会優勝!」というのが成功体験と言えるのか?というのもぶっちゃけよく分からないです。
流石に準備運動を成功体験と豪語する子はいないとしても、練習試合でヒットを初めて打ったぐらいなら成功体験と呼べなくもない。しかし、極めて基準が不明瞭。あくまで主観的なものに過ぎないです。
また、部活の場合は多くのスポーツが集団競技であるというのも厄介なところ。仮に成功体験があったとしても、それが個人の成功なのか集団の成功なのかによって、全く意味が異なるからです。
これらの理由から、部活や課外活動は勉強ほど個人の成功体験として認識しづらい要素があるというのは事実として受け止めておくべきだと思います。
成功体験と呼べるかどうかの判断基準とは何か
では、最初の論点に戻して、自分なりにポジションをとって意見を述べます。
「部活や課外活動は受験に代わる成功体験になり得るのか」
という問いに関しては、十分に成功体験になり得る!です。
しかし、部活動や課外活動においてそれを成功体験として定義するかどうかは、自分の中に明白な基準があります。
それが、
・何か辛いことがあった時、その体験を思い出せば、頑張ろうという気持ちになれるか
です。
結局、受験勉強などで成功体験をつんでいる人の何が強いかっていうと、過去の成功体験があるから、苦しいことがあっても困難に耐えやすいってことなんですよね。
「受験でしんどい思いしたけど、頑張ったらちゃんと成果が出せた。だから、今まさにしんどい時期だけど、自分なら努力の先にきっと成果があるはず。」って思えるから、誰かに励まされなくても、なんか勝手に努力しちゃうんですよね。信じてるんですよ、自分のことを。
逆に言えば、何も成功体験をつまなかった人は、自分が頑張っても成功できるかどうかの確信が持てず、「頑張っても意味がないかもしれない」と思いやすい。だから途中でやめたくなります。努力してこなかったタイプなら、努力すること自体がハードルになってしまいます。
話が脱線しましたが、結局は部活でも課外活動でも、「その体験を思い出せば、何か課題に直面した時に逃げずに戦えるか」が大事ってこと。
だから究極、「10対1の喧嘩で勝った(10人ニキ)」でもいいわけです。笑
勉強以外で成功体験をつませる際の注意点:親の解釈が極めて重要
自分はブログの中で、「勉強は遺伝要因が大きく向き不向きがあるから、全員に何が何でもやらせないといけないとは思わない」と塾講師らしからぬ立場をとっています。
実際そうですからね。
ただ、勉強を断念する場合、それに代わる何か別の成功体験を積ませることは絶対に必須だと思っていて、そういう意味では部活や課外活動は非常に現実的な代替案だと思います。
しかし難しいのは、「何を持ってして成功体験を積んだと評価するのか」です。勉強のように数値化されずらく、受験のように合否が明白に出るものでもないのなら、評価次第では何でもありになってしまいます。
普通にのらりくらりと中学3年間部活に通ったことを成功体験と呼んでいいのか?と言われると、それ自体は素晴らしいことだけど、成功体験なのか?と言われると微妙です。大半の子は3年間部活するし。
また、「うちの子なりに頑張ったんです!」という保護者さんの意見をどこまで成功体験と定義していいのか問題もあります。
“うちの子なりに”という枕詞をつけられてしまうと、これまた何でもアリになります。よく子供が「自分なりに努力しました!」と言いますが、こんなものを間に受けていたら教育なんて出来たもんじゃないです。
だって、準備運動しかしてなくても努力したと言い張る子もいますから。
そういう意味では、親御さんの解釈が極めて重要になってくるテーマです。数値化しずらく客観性に欠けるものは、どうしても主観で評価するしかないので、評価者の質が問われてしまいます。
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