新中3になる生徒(もしくはその保護者)の中には、こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
・中3から勉強しても手遅れなのではないのか
・中3から勉強巻き返しできるか
これまで勉強で成果を残せていない人にとって、中3から逆転できるものなのか気になるのだと思います。
まず最初に、塾長の立場から肌感覚で本音を言います。
“中3から巻き返せるのは全体の2割程度。残り8割は正直手遅れである。“
塾屋としては、「いつからでも逆転可能!塾に来て!」と言う人が多いです。なぜなら、その方がお金が稼げるからです。しかし、そんなセールストークを聞かされて満足ですか?真実を知りたいって人も多いのではないですか?
本記事では、中3から勉強しても手遅れと言われる理由&逆転していく生徒の特徴を実体験を交えながら解説していきます。
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中3から勉強しても手遅れと言われる理由
冒頭でもお伝えしましたが、中3から勉強しても手遅れじゃないって生徒は全体の約2割程度だと思います。完全に自分の肌感覚なので反論していただいてもいいのですが、例年の中3を見ていてもこの数値は割と客観的な数字だと思います。
実際、高校受験でも逆転合格がそこまでボコボコ起きているわけではありません。基本的に受験は“順当合格”がセオリー。
逆転合格が多いように感じるのは、逆転合格事例にやたらスポットが当てられるから。不合格の事例や、順当に伸びなかった事例なんてほとんど表に出てこないので、大衆は錯覚しているのが現実です。
さて、ここからはなぜ中3からだと手遅れと言われてしまうのか、その理由について解説していきます。
中学の先生「中2の成績がほぼ全て。ほとんどこのまま」と発言
まず最初に、近隣の某中学校で実際にあった話をします。
とある先生は、中2の期末テストのタイミングでクラス全体に対して以下のような発言をしたそうです。
「正直、中2の成績がほぼ全て。中3になってもほとんどこのまま。だから、今の自分の成績をベースにしっかり志望校を考えておくべき。」
これを聞いて生徒は「ヤバイだろ…」と言っていたそうですが、正直ヤバイのは生徒の方。
塾屋としてこの先生の意見については100%同意致します。
この先生は、結構ご年配の方で、もう何人も生徒を見てきています。だから、感情論で喋っているのではなく、実際のデータをベースに肌感覚も混ぜながら話しています。
それゆえ、この発言にはかなり信ぴょう性が感じられます。
まず、長く教師をやっていらっしゃる公立中学校の先生がこのように発言していると言う事実を、感情論なしでしっかり考えてみる価値はあるのではないでしょうか?
中3になってからでも逆転できると勘違いしている保護者さん、正直最近多すぎるように感じます。お問い合わせの内容を見ていて、本当にそう感じます。
学業成績は遺伝的要因の影響を受けまくる
勉強の手遅れ問題を語る上で、どうしても避けて通れない現実があります。
それは「遺伝」の問題です。
塾屋としてこの発言をすることはマイナスでしかないことなど分かっていますが、事実なのでハッキリ言います。
・勉強できるかできないかは遺伝的要因の影響を大きく受ける(受けまくる)
親御さんからすれば受け止めたくない事実だと思いますが、それでもこれは現実そうです。
塾として何人も生徒を見ていますが、小学校時点で恐ろしいレベルで知能格差が開いています。理解力・暗記力など、努力では変えられない領域が学業成績に与える影響が大きすぎます。
もちろん、中3になってから急に頭が良くなるなんてことは起こらない。
中3になっても、個人の理解力や暗記力など基礎スペックは上がりません。だから、どうあっても越えられない壁がそこには存在します。これは、手遅れって言葉で片付けていい話ではそもそもないのです。仮に、中1や中2からやっていたとしても、中3で必ずしも成果が出るというわけでもないからです。
特に明らかに勉強苦手って子は、幼少期から教育投資ぶっ込んでも大して結果は変わっていません。そんな子を何人も見てきました。
要するに、時間の問題ではなく勉強という競技への向き不向きの問題であり、スペック的な問題です。ここを無視して、手遅れだった…と話すこと自体がそもそもズレています。
手遅れという時間軸の問題ではなく、個体の能力の限界値の問題がそもそも大きい競技なのです。
現状の成績の低さは「生活習慣」「価値観」「性格」などのせい
勉強が出来ていない子供がいたとして、その原因は何だと考えますか?
まず一番最初に考えるべきは遺伝(そもそもの本人の学業に対する向き不向き)なのですが、それ以外は何?って話です。
・分かりやすい先生に教わっていないから?
・今の塾が子供に合っていないから?
・子供が勉強の正しいやり方が分かっていないから?
違います。
もちろん、これらが原因で成績が伸び悩む生徒は一定数いますが、それが2割ぐらいって話。残りの8割はそこじゃない。
・生活習慣の問題(スマホ依存・睡眠不足・朝起きない)
・勉強への価値観の問題(優先順位がそもそも高くない)
・性格(嫌なことがあったらすぐ逃げる・嘘つく・誤魔化す)
正直、成績がイマイチな生徒の大半がこんな感じでしょう。
ハッキリ言いますが、子供の学業成績が低い原因など、子供の内面にあることがほとんどです。外的な環境の影響なんて本当に僅かです。そして、生活習慣・価値観・性格などは中3になってから中々変わらない。生活習慣はギリいけても、価値観や性格なんて99%変わらない。
ゆえに、中3から勉強しても手遅れになる。
価値観は家庭の影響が大きく、幼少期から染み付いてしまったものでしょう。性格は完全に遺伝。そして、性格が価値観に影響を与えるわけで、価値観だって遺伝要因の影響があります。
なので、親御さんはどこまで言っても等身大の子供をそのまま受け入れていくのが原理原則って話になるわけです。
中3から勉強しても手遅れではない生徒の特徴:実例紹介
ここまでは、なぜ中3から勉強しても手遅れになってしまうかという理由を本音ベースで書いてきました。
しかし、中3からでも手遅れでないケースが2割ぐらいはあります。
ここでは、実際に自塾で逆転合格できた生徒の例を紹介します。手遅れではなかった数少ないケースです。自分のお子さんがそこに重なれば、中3からでも勝負は捨てたものではありません。
本当に勉強のやり方が分かっていなかったケース
親御さんがよく言う、
「ウチの子は勉強のやり方が分かっていないと思っています。(=勉強のやり方が分かれば成績は上がるはずだ。)」
というのは、たいがいは妄想幻想の世界です。
先ほど言いましたが、出来ていない理由はそこじゃない。内面の問題であることがほとんどです。
しかし、一部本当に「やり方が分かっていないから伸びていない」って生徒がいるのも事実です。
このタイプは、中3まで学習塾に通っていなかったというケースが多いです。独学で意味不明な勉強の仕方をしていて、本当に方法論に出来ない理由があったケースです。
自塾では、中3の5月にこういう子(男子)が入ってきました。最初は平均点少し下でしたが、中3の最後には学年上位25%以内に入り、偏差値62の学校に逆転合格してしまいました。
この子は自塾を開業した最初の生徒で本当に印象に残っています。
最初は無茶苦茶なやり方で勉強していて、それを治したらジワジワ上がってきて、冬休みぐらいからは昇竜拳しました。やり方が間違っている生徒というのは、やり方を変えればこうやって上がります。
しかし、ほとんどの生徒はやり方が間違っているから成績が悪い訳ではないので、保護者はその辺りを誤解してはいけません。
ずっと言っていますが、逆転できるのは全体の2割程度しかいないのです。この生徒は、その2割に入っていたというだけの話です。なお、この子にはほとんど注意した記憶がありません。過去問の解く順番とか、感情的になって問題を捨てる勇気を持てなかった時にちょっとキツく言ったぐらいで、それ以外は特に何も言っていません。
スマホ依存もしていなかったし、勉強を出来るようにしたいという意志が最初から強かったし、精神年齢が高く子供っぽさもなかった。こういう子だから上手く逆転するってことなのでしょう。
個別指導のゆるゆる塾に通っていた才能の原石
次に2人目の逆転合格の事例。
この子は、自塾に転塾してくるまでは、某FC個別塾に通っていました。週1とかの通塾でゆるゆる。英語だけ受講してました。
この子は中2の最後に転塾してきてくれましたが、最初は平均点ちょい上からスタート。でも、最後には学年でもトップ5番ぐらいに入ってしまいました。成績も9教科オール5になりました。
もちろん、公立トップ校に合格です。
ただ、こういう事例には必ずカラクリがあるので、変な期待はしないことが大事です。塾は本当に誇張しまくってエピソードを盛るので。。
そもそもこの子は、深掘りしてみると小学校の時は成績めちゃ優秀でした。お母さんもその才能を評価していて、
「小学校の頃は、神戸高校(偏差値67)や御影高校(偏差値63)でも余裕で合格するって感じでした。でも、中学に入って成績が下がってしまって…」
と入塾面談でおっしゃっていたのを覚えています。
小学校の算数のテストはほとんど100点だったそう。他教科も、ほとんど勉強してないのに満点近くて、勉強面では何もケチつけることがなかったと正直に言われましたからね。結局、才能があったという話になる訳です。だから、この子のエピソードを用いて変な勧誘とかをする気はサラサラないです。
元々才能があったのに、個別の緩い塾に入れたせいで成績が上がりきらなかった生徒を、自塾のような勉強時間の長い塾で自分がコンサルしてもとある才能水準まで戻したって話ですから。
こういうのは、子供の才能ありきで、正直再現性がない。
なお「転塾して本当に良かった。めちゃくちゃいい塾でした。」と言ってくれたし、弟さんまで入塾していただくことにもなりました。(なお、弟も成績優秀。)
だから、小学校の時の成績がいいのに中学で下がっただけって子は結構逆転できるんですよ。
なお、この子も精神年齢が非常に高く、生活面や素行で注意したことなど一度もないです。逆転できる子はね、内面に問題がないっていう前提条件が必ずあります。
中3からでも手遅れではないかどうかを見分けるポイント
中3から手遅れな子は全体の8割。でも、残り2割はまだ手遅れじゃない。繰り返しですが、これが自分の主観的な見解です。
では、手遅れではない子をどうやって見分けたらいいのか?って話。ポイントは、以下の通りです。
①精神年齢が高い
②小学校の時は勉強が出来ていた
③素行に問題がない(嘘をつかない)
④嫌なことから逃げない
⑤勉強時間の少ない塾に通っている
⑥今まで塾に通ってこなかった
この辺りでいくつか条件を満たしてくれると、ワンチャン中3でも逆転できるな?って自分は感覚的に思います。
まず、精神年齢が低い生徒は無理。内面の問題が大きすぎて、学業の問題解決になかなか進まないからです。あとは、嘘つきや嫌なことから逃げる系もほぼ無理。結局やりません。逃げます。
また、今まで一生懸命やってきたのに伸びていない…って子も実は逆転は難しいです。女の子に多いです。勉強時間が長い塾に通っていて伸びていないって子などがその典型。要するに、そのタイプはそこそこ最大値に近いものを出してあげてもその程度って話になっちゃう訳です。だから正直伸び代を感じないです。
なお、最後のタイプは本当に保護者さんの理解が大事だと思います。子供の能力を飛び越えた期待をしてしまう保護者は多いですが、本当にロクなことになっていないです。
受験生の保護者さんがすべきことは、以下の記事でも詳細に解説しているので、必ず目を通してほしいと思います。
※なお、中学生の通知表の成績に対する塾講師の忖度ない本音の厳しい評価は以下のとおりです。本当のことしか書いていないので、心臓の悪い方は読まないでください。
総括:中3から勉強しても手遅れと言われる理由まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
中3から勉強しても手遅れと言われる理由
- 逆転可能な生徒は全体の2割程度
- 残り8割は手遅れになる可能性が高い。
- 順当合格が受験のセオリーで、逆転合格は希少な例。
- 中2の成績がほぼ決定的
- 中学校の教師も「中2の成績が中3でもほぼそのまま」と指摘。
- 長年の経験やデータから導き出された意見。
- 遺伝の影響が大きい
- 学業成績には知能や理解力といった遺伝的要素が大きく影響。
- 努力ではカバーしきれない部分も存在する。
- 成績低下の原因は生活習慣・価値観・性格
- 生活習慣(スマホ依存、睡眠不足など)の乱れが大きな要因。
- 勉強への優先順位が低い価値観や、逃げ癖・嘘など性格的な問題。
- これらは中3になっても改善が難しい。
中3からでも巻き返しできる生徒の特徴と実例
- やり方が分かっていなかった生徒
- 勉強方法を修正するだけで成績が向上するケース。
- 中3の5月からスタートし、学年上位25%に逆転した例あり。
- 才能の原石タイプ
- 小学校時代に優秀だったが、中学で成績が落ちた生徒。
- 環境を変えることで潜在能力を引き出し、学年トップ5に入った例あり。
- 元々の才能が成功要因となっている。
中3からでも手遅れではないかを見分けるポイント
- 精神年齢が高い
- 自律的に勉強に取り組む意志がある。
- 小学校の時に勉強が得意だった
- 潜在的な学力がある可能性。
- 素行に問題がない
- 嘘をつかず、逃げずに取り組む姿勢が大切。
- 勉強時間の少ない塾に通っている
- 現在の学習環境が適切でない場合、改善の余地がある。
- 今まで塾に通っていなかった
- 伸びしろがある場合が多い。
注意点
- 中3からの逆転は、全体の2割しか実現しないことを理解する。
- 期待をかけすぎることは逆効果になる場合があるため、子供の現状を冷静に受け入れる必要がある。
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